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ふるさとびいき

雪ウサギの謎

数えてみたら18歳で故郷を離れてから、すでに47年がたった。
学生時代、東北本線に長時間揺られて帰郷したのが嘘のように、
今では新幹線で1時間とちょっとで福島に着く。

5日に福島で講演をした。
企画者からのリクエストでは、せい子流人生の歩み方について話してほしいという。今までにない切り口なので、「ハーブ育ては、自分育て」というタイトルで、来し方をあらためて振り返ってみようと思い、承諾をした。

駅まで出迎えてくれた担当のKさんは、私の長年の読者だったそうで、あるとき文中の一節から「もしかして福島市出身では?」と思ったという。
それは「香りの花束」という単行本の中に、どこという地名は書いてなくとも雪ウサギが登場するエッセイで、ピーンときたと話してくれた。
福島市は盆地で、どちらを向いてもぐるりと山に囲まれている。
とりわけ西の方角には吾妻小富士の美しい姿と、一切経を含む吾妻連峰が連なって、福島市民は朝な夕なに仰ぎ見るのが楽しみのひとつなのだ。
雪解けの頃になると、吾妻小富士の中腹に、雪渓が白いウサギの形となって現れる。昔からこの雪ウサギの形や現れる時期で、その年の豊作を占ったり、農作業の指針にしてきたせいか、今でも春の話題になっている。

福島市民なら誰でも知っている「雪ウサギ」をヒントに、Kさんは私の出身地を調べ、生家の円通寺まで訪ねて行ったという。そして、私の高校の後輩だということもわかったと語った。
今回の講師を決めるのに、彼女の思い入れが強く反映していたらしい。

秋晴れの爽やかな昼下がり、たくさんの来場者の顔を見ながらぶっつけ本番で話を進めたが、会場に流れる温かいものを感じたのは同県人だからだろうか。
いつもしているように、来場者にローズマリーの挿し穂をプレゼントし、挿し木の方法と利用法、冬越しの話で、お仕舞いにしたが、150組で足りただろうか。タスカンブルーとマジョルカピンクのセットで、庭から300本切ってきたのがそれぞれのお宅に根付くと思うと,とても嬉しい。
花言葉のとおり、「友情」に満ちた「素敵な思い出」として、いつまでも香ってほしいものだ。

花咲ける乙女に戻って・・・

その夜、福島女子高校時代のクラスメイトたちが寿司どころに集まって、話に花が咲いた。
不思議なことに、65歳の中高年婦人たちは一瞬にして元乙女に戻り、
ニックネームや旧姓が飛び交って、賑やかなこと、賑やかなこと・・・。
近況報告が始まった。
年齢柄どうしても病気や介護の話が多い。乳がんや脳梗塞、足腰の痛み、両親の介護に国民年金などなど、仲間同士の気安さから気取らない生の話が、とてもためになる。いいなぁ、友達がいてよかったなぁ。
Sさんの明るい話には、勇気付けられた。彼女は書道の大家で大きな展覧会にも出品している。バイトとしてパン工房に11年勤め、60種近くのパン作りをまかされる腕になったが、65歳で定年に。しかし、次なる就職先に実年齢を話して受験させてもらい、(たしか)29人中7番の成績で見事合格!!! 
バレー部の花形だったMさんは、船旅の楽しさを語ってくれた。
クルージングには特別の時間が流れるのだという。彼女が夢見るように話すと、誰もがいつか船旅をと思ってしまう。
Mさんは、昔語りの名人としてラジオにもよく出演している。
フィールドワークで取材してきた話もあれば、スタンダードな昔話もいろいろで、レパートリーは200を超えると言う。(ビールで少々酔っていたので、もしかしたらもっと多かったかも・・・)。
今ではみんな共通語になってしまい、独特の福島弁が消えていくのが寂しい。ネイテブの語りで民話を聞かせてくれるワザを持つMさん、どうぞ元気でよい仕事を続けてね。

2次会は私の泊まっているホテルのティルームで、ラストオーダーまでおしゃべりが続いた。
人のためによく尽くし、時間をかけて夢を実現してきたIさん、今夜の集いもまとめてくださってありがとう!!!

福島人はあったかくて、いい人ばかりだ。

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