HOME:広田せい子のハーブガーデン

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抱き心地のよい花束

これまでいろいろな花束を作ったり,いただいた経験があるが、
抱き心地のよい花束があることを、初めて知った。
ちょうど赤ちゃんを抱くように腕の中にすっぽりと納まって、手放したくないのだ。重さは新生児と同じ3キロぐらいだろうか。

南こうせつさんがコンサートを終え、打ち上げの席に大きな花束を抱いて現れた時から、私の目は釘付けになってしまった。

ダークレッドを基調とした花束の第一印象は、「妖艶」そのものだった。
聞けば、ステージで「サマータイム」を、ブルース調で感情たっぷりに歌い上げた夏木マリさんからのプレゼントだそうだ。うーむ、にくい!!!
贈り主と花束のイメージがこれほどぴったりオーバーラップするのは、相当なプロの技。おそらく名のあるフロリストの作で、ふだんから花をよく頼み、コミニュケーションがとれているのだろう。

こうせつさんがマイクを手にしたため、花束をテーブルに置いた。花が傷まないように私が預かったが、腕の中に納まった花束はほの暗い灯りの中で、ますます魅力的に見える。
今でも覚えているマテリアルを、書き出してみよう。
黒に近い暗赤色のアンスリュ-ムと大輪のダリア、パープル系の花のアリアム・ギガンチュームと大輪八重のライラック、緑を帯びたテマリカンボク、サーモンピンクのバラ。あしらいはピンクの実つきのヒペリカム、スマイラックス、ホウチャクソウ、緑の斑が入ったペイルピンクの美しい葉。
ラッピングはシュリンクの効いた茶色のペーパーと、赤紫の厚紙。
リボンは紫と茶色、臙脂色をまとめ使いにし、さらに金色と茶色の薄手のリボンを長めに使っていたように記憶している。

これと同じ材料があったとしても、あのドーム型の妖艶なブーケは誰にも作れないだろう。仮に作れたとしても、あの抱き心地だけは絶対に無理……。
あれから1週間も経つというのに、あの不思議な花束の感触が、なぜかまだ私の左腕に残っている。

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