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弥生の節句の吊るし雛

3月3日は桃のお節句。朝の9時ごろだったろうか。
「もしもし、広田さん? とても愛らしいものをどうもありがとう。ここのところ毎日あわただしかったので、見ているだけで何だか気持ちが和みますね」と、鎌倉のT先生から、お電話をいただいた。
喜んでいただけて、ああ、よかった。

お礼を言われたのは、昨年の秋に伊豆の大沢温泉で求めた吊るし雛のことである。伊豆へ行ったのは、私たちの結婚40周年と夫の古希の祝いを、思い出の温泉でしようではないかと3人息子たちが企画し、ファミリーが全員集合した祝宴だった。
武田信玄ゆかりの豪族の館を旅館にしたたたずまいは、文人墨客に愛され、風格のある倉座敷や大広間、土間での餅つきも心に残る。ここの売店で目に留まったのが、この地方に伝わる吊るし雛で、私は迷わず注文した。小さくて美しいものが、お好きなT先生を思い浮かべたからだ。
上等な絹地で花や小鳥、薬玉などを作り、紐に吊るしたものだが、綿入れの技法でふっくらとした感じがよく出ている上に、優しい色使いが上品だ。
雛祭りに飾るだけでなく、インテリアとしてもモダンな部屋に似合う。
とにかく、気に入ってくださってうれしい。


photo by Izumi Hirotaphoto by Izumi Hirota


我が家では娘がいないので、お雛様を飾ってお祝いをする習慣がない。
そうだ、来年からは父が私の初節句のためにあつらえてくれた、あの掛け軸を飾ることにしよう。立ち雛に桃の枝をあしらった図柄で、お雛様はおっとりとした雰囲気の表情だったと記憶している。

雨が上がった夕方、ご飯のスイッチを入れてから、お使いに出かけた。
夕食のテーブルにのった献立は、焼きアナゴをたっぷり使った散らし寿司、蛤と三つ葉の吸い物、菜の花のおひたし、鮪と平目の刺身、香の物、昆布の佃煮。やはり、行事の食事には、ほのぼのとしたものがある。

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