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New Year's Sun Set

正月前後の夕焼けは、一年のうちで最も美しい。

我家の二つの窓は美術館と劇場と化して、しばし感動の時を与えてくれる。

「トワイライト・ミュージアム」は、居間から見える西の方角。
夕映えの茜色のグラデーションをバックに、
樹々のこずえや家々の屋根が群青色のシルエットとなり、
刻々と深い藍に染まってゆく。
まるで藤城清二の切り絵アートの世界だ。

「サンセット・シアター」は、南西に面した大窓。
開演時間は、4時半を過ぎた頃。
ストーリーは極くシンプルだ。
きらびやかな残映をまとった太陽は、
天空から降りてくる闇の帳(とばり)としばしじゃれあい、せめぎ合いながらも、
一瞬の光芒の後に主役の座を譲り、奈落の底に沈んでゆく。
気がつけば宵の明星の金星が輝き始め、
見上げる位置に月の女神が・・・・。

なぜこんなに美しいのだろう。
思いつく理由としては、冬型の気圧配置に加えて、
会社も工場も休業体勢に入り、人々の多くは帰省したり、反対に家に居て移動しないために、
空気が汚れなかったからではないだろうか。

昨日から、「御用始め」とともに社会が動き出した。
巷では、強い不景気の風が吹き、嵐を呼ぶ気配だ。
中国で発生した鳥インフルエンザは、風によって日本への到達が懸念されるという。

数日間とはいえ、美しい風が吹き、きれいな空気から生まれた感動的な夕映えに感謝したい。
願わくば、このような日がいつまでも続くことを・・・・。

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