HOME:広田せい子のハーブガーデン

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怪しい家 ①

国道246で渋谷方面へ向かうたびに、なぜか気になる家があった。

普通、縁もゆかりもない家を見て、生きているのか死んでいるのかなどと考えることはない。
ところが、この家には何といったらよいのか不思議な存在感があり、死んでいるふりをしながらも実は生きているのではないかと思わせる何かがあるのだ。
回りくどいいい方でうまく説明できないのが、もどかしい。

見たまま感じたままを書いてみることにする。
246で「有間病院入り口」の信号を過ぎたら、、右手前方を注意深く見ていてほしい。
緑の濃い竹やぶを通過すると、蕎麦の増田屋が近づいてくる。
ここの駐車場をはさんだ隣が、気懸かりな例の家だ。

第一印象は、廃屋というか廃墟といった感じだ。
壊れかけた店の看板には,書きなぐったような Indigo という字が読める。 
何が目立つかといえば、駐車場に面した家の側面が痛々しい剥き出しのままで、
その傷を舐めるかのように、大きな黄色の斑が入った派手なアイビーが、
地面から2階建ての屋根近くまでよじ登っているのだ。
最初はアイビ-などとは想像もつかなかった。
垂直な壁一面にコントラストの強い葉がかなりの面積で張り付き、
どう見ても異様な雰囲気としか言いようがない。

246はいつも混んでいて、流れに乗って走らないと危険なことがある。
見とれてスピードが落ちると、追突されるからだ。
走りながらチラッと見て、ここまで観察するのに何回この道を通っただろうか。

ある日夢をみた。
ふだんは色つきの夢などめったに見た事がないのに、
それは総天然色(古いなァ) & ワイドスクリーンで、映画のような夢だった。
ストーリーはあったような気がするが、覚えているのは、
薄暗くてだだっ広い倉庫のような場所にグランドピアノがあり、
鍵盤の上を滑る褐色の指のアップだけだ。
音はしたかどうか・・・・。、
リズムの取り方や時々叩きつけるような指使いは、ジャズのようだ。
影の部分が黒く、つややかに光るしなやかな指、
ピンク色に見える手のひらの内側・・・・。

目が醒めて、
すぐにこれはあの怪しい家からのメッセージだと悟ったのも、
フロイトはどう診断するかわからないが、考えてみれば不思議なことである。

いろいろ考えているよりも、
あの家が何なのか実際に見に行ったほうがはっきりとするのではないか。
いつもは道路の反対側から、チラッとしか見てないので関心がたかまり、
夢にまで出て来たのかも知れないからだ。
夫と相談して、少し遠回りになるが今度はあの家の前を通ってみることにした。

ほこりだらけの Indigo には、人が住んでいる気配はない。
窓もない建物の前に、ほこりっぽいビニールをかけたイーゼルが置いてあった。
よく見るとスケジュールと書いてある。
やはり、ジャズのライブスポットらしく、ジャムセッションなどの日取りがかすかに読める。
しかし、この状態ではきっと何年か前の告知板だろうと思いながらも、
念のために12月14日が金曜日かどうか、手帳のカレンダーで照合してみた。

思わず背筋がゾゾーッ、何とぴたりと合っているのだ。
「えっ、本当に? それじゃこの家は生きているんじゃない?」

見上げた故障中の古ぼけたネオンには、PANDORAという字が読めた。
箱を開けたら何が出てくるのだろうか。
それにしても、あまりにも道具立てが揃っている。
それなら、12月14日に,ここへ来てみようと、手帳に印をつけた。

果たしてその正体は?   
                                   つづく


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