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ハーブの芽生え・いろいろ

「冬枯れのハーブガーデンは、死んだように眠っている」
などと書くと、いかにもロマンチックな描写だ。
ところが、死ぬどころか寒さに強いハーブはかなり多く、
新しい命がすでに生まれている。

庭のあちこちを、注意深く観察してみよう。
こぼれ種子から芽生えた小さな命を、いくつも見つけることが出来る。
大掃除の勢いで、
除草鎌で庭もすっきりとしたい気持ちはわかるが、こんな芽生えもある。




ジャーマン・カモミール。
中央左下の、ほっそりとした葉がもじゃもじゃと生えている株が本命で、
周囲にある*印のような芽は、似ているようでも違うツメクサの仲間。

カモミールの種子は細かくて軽いので、靴の底等に種が付着し、
意外なところに運ばれることがある。

カモミールの花言葉は「逆境のエネルギー」というが、
私はこの命名者の観察眼に拍手を送りたい。
というのは、肥料分の多い場所よりも、
空き地とか駐車場、ごろ石だらけなどの道端などで育った方が、
アブラムシも出ず、花つきもぐんとよいのだ。
これは窒素肥料が多いと花つきが悪くなることが多く、
葉が繁りすぎて害虫が出やすいことを意味している。
もしも芽生えを見つけた場合、その場で育ってもよいようなら、
そのままにしておくとよい。
手間要らずで丈夫に育ち、
その場にきっと新しい景色が生まれることだろう。
ハーブガーデンとかコンテナに定植するなら、早いうちにするとよい。
このぐらいに育っていれば、ポット上げも定植も大丈夫だ。




ロースマリーの生垣で丸く囲った一画に、
夏に収穫したコリアンダーの枯れ枝を捨てておいた。
これは計算づくのことで、ここにコリアンダーを植えたかったからだ。
コリアンダーを含むセリ科のハーブは、
真っ直ぐな根が多いために、移植を嫌う。
すなわち、直かまきが適しているので、
意図的にこの場所に種子をこぼしておいたら、うまく発芽。
セリのような葉がコリアンダーだ。

これからもぞっくりと発芽するので、間引き菜を利用しながら、
よい苗を残して大きくしよう。




こんなに小さくても、三つ葉ということがすぐに分る。
セリ科のハーブの中で、三つ葉ほどこぼれ種子で発芽しやすいものはない。
初夏に咲く上等なレースを思わせる白い花が終っても、そのままにしておくと、
あちこちから三つ葉の赤ちゃんが顔を出す。
これも移植するなら、小さなうちに根を切らないように注意して行うこと。
半日陰を好み、一度植えるとこぼれ種子のリレーで、
店から買わなくてもよくなるのが嬉しい。

このほかにも、雑草と思って大事な芽生えを抜いてしまわないように。
それには、何といっても日頃の観察が一番、一番・・・。

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