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美しきムラサキシキブ



散歩の途中で、ムラサキシキブを見つけた。
すっかり葉を落とした枝に付いている丸い小さな粒々は、
晩秋の弱々しい光を受けて、宝石のように輝いていている。

横浜市郊外のこの辺りは、多摩丘陵地帯で起伏が多い場所だ。
ニュータウン開発の波とともに宅地造成が進んでいるが、
思いがけないところに切通しや雑木林が残っている。

初夏の頃、この道を歩くと、ヤマザクラやエゴノキなどの下で、ムラサキシキブの花を見ることができる。
教えられないと見落としてしまうような、地味で小さな白い花なのに、
なぜこのように美しい実がつくのだろう。

和名は、優美な紫色の果実を平安時代の才媛・紫式部のイメージになぞらえて美化したものと、牧野博士の図鑑にある。
この名前からイメージするといかにも日本的だが、クマツヅラ科のムラサキシキブ属は約135種もあるのには驚いてしまった。
アジア、オーストアリア、北米、中央アメリカなどに分布し、

英語は Beauty berry,
中国名は  紫珠属
学名は Callicarpa japonika
属名は ギリシャ語の kallos「美しい」と、karpos「果実」に由来する。

やはり、洋の東西を問わず、美しいものを美しいと感じる気持ちは、同じようだ。


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