「婦人の友」の12月号に

70歳を過ぎたころから、そろそろ身辺整理をしなくてはと思うようになった。
なにしろ、モノに対する愛着が人一倍強く、我ながらつくづくあきれてしまう。
とは言いながらも、そんな自分を嫌いではないのだから、困ったものだ。
本人はコレクションのつもりでも、他人から見たら「ため込む」ようにみえるらしい。
これまで「ため込んだもの」をざっと挙げてみよう。
布、糸、紙、リボン、ボタン、色鉛筆、本、タネ、和ガラス etc.etc.

例えば布の場合、その量は半端ではない。
絵柄に惹かれて、手触りが気に入り、シリーズを揃え、ノスタルジーに酔い・・・・・・・、
気が付いたら大変な数になっていた。
それでも処分する気はさらさらなく、整理するつもりでパンドラの箱を開けると、
再び布の魅力に溺れ、ますます「捨てられない病」は悪化していく。
習ったわけではないのに、縫物が大好きで、
長い間自分の洋服や子供が着るものは手作りをしていた。
仕事で忙しくなっても、小さいものを何か作っていると心が落ち着くので、
針箱をしまい込むことはなかった。

先日、思いがけない電話をいただいた。
数年前、「婦人の友」に執筆をしていた時、
家にあった小さな布で作ったものが、訪ねて見えた編集者の目に止まっていたらしく、
同誌の編集長からの依頼があった。

テーマは「布をつくりかえて、最後まで、活かす」。
掲載されたのは、以前に作ったものだが、
とても簡単なものからちょっと大作、まで4ページにまとめていただいた。
興味のある方は、
「婦人の友」12月号をごらんください。
「あぁ、これまで作ってきたものを、捨てないでいてよかったわ」