絵付けの気分で

スイートヴァイオレット、ヴェロニカ、ムスカリ、ディジー、
プリムローズ、ワスレナグサ・・・。
イギリスの野原で咲いていた草花が、私の庭で咲き始めた。

自然を相手に開花のタイミングを揃えるのは、
野の花ゆえに難しいものがある。
ここに並ぶはずだったクロッカスはとうに花が終わり、
キンポウゲはようやく目覚めたばかりだ。
英国の田園をこよなく愛したナチュラリストの Edith HOlden は
The Country Diary of an Edwadian Lady の中で、
1月29日に野原で見たディジー(ヒナギク)について、
チョーサーをはじめ、多くの美しい引用文を交えながら、記している。

庭から摘んできた草花で、一人遊びをするようになった久しい。
小さくて愛らしいガラスのカップに活ければ正解だとは知っていても、
この花を小さめに組んでみたら、西洋陶磁器の絵柄に見えてきた。
手描きのマイセンの皿やイギリスのアンテイックによくある絵柄に近い感じだ。
ならば、絵付けをするつもりでアイテムを不透明な皿の上に置いてみよう。
うーん、これでは当たり前で、面白みに欠ける。
それなら角度を変えてみようかな?

トリミングといいうテクもある。
「これでどうかしら。一番美しいと思う部分を切り取るのよ」
「わぁー、すてきじゃない?」
「こんな模様の布で、サンドレスがほしいわね」

「素適なテキスタイルねえ」
「カーテンとかベッドカバーにしたいこと・・・・」
「北欧風っていうのかなぁ、すごくいいと思うわ」
近くに住む友達もビューアーを覗き込んで、
ワイワイガヤガヤと好きなことを話している昼下がり。
遊び心があれば、年齢は関係がないようだ。