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食用ユリを見つけたら 食用ユリとは華麗なコオニユリ syokuyou

先日、私は近くのスーパーでこんな買い物をした。


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食用ユリと記されたパックが、目に入ったのだ。
おそらく正月料理用に仕入れた品の、売れ残リだと思われる。


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パックは2種類あって、
そっと触ってみると4個入りで398円、1個入りが250円という破格の値段だ。

手の感触では、どちらも十分に成熟した硬さと丸みがある。
乾燥防止とアンチショッカ―のおが屑も清潔だから、カビや病気もないようだ。
食べてよし、植えてよし、この値段では買わないほうがおかしい。

植える場所があまり残っていないのを忘れて、
私は思い切ってたくさん買ってしまった。


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おが屑を除くと、立派な球根が現れた。
大きさがわかるように卵を置いてみたが、
卵大か、卵より大きいのにこのサイズで1球100円とは、安すぎる。

食用ユリとして知られる種類は、ヤマユリ、オニユリ、コオニユリ、カノコユリの4種だ。
ラベルに、北海道産とあるからおそらくこれはコオニユリではないだろうか。
園芸店やネットの販売などの値段は、
大きさにもよるが400円から1600円ぐらいはしているのだから、
いかにお得用かがわかる。

けれども、何か気持にざらざらした引っかかるものを感じたのはなぜだろう。
私のほうは何の苦労も無しに、嘘のような値段で手に入れる事が出来たからありがたい。
しかし、生産家の方にとってこの値段はさぞかしショックなことだろう。

以前聞いた話によると、
百合根として出荷出来る大きさに育つまで、6~7年はかかるという。
うろこのような麟茎からスタ-トし、病気が出ないように連作を避けて別の畑へ植え替えをする。
根に栄養がたまって肥大するように、つぼみや珠芽を取り除きながら、大事に育てて6年間。
それも全部手作業だというから、頭が下がる。

需要と供給のバランス、流通の問題などでこの値段になったのだろうが、
それにしてもこれでは、生産者の生活が苦しくなるばかりか
このままでは暮らしの希望や、やる気まで失ってしまいかねない。

せっかくここまでよい仕事をしてこられらのだもの、
売り上げを伸ばす策はないものだろうか。


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例えば、私のように植えてみることをPRすればよいのでは?

この写真は昨年の7月の庭のスナップだ。
中央のオレンジ色のユリが、コオニユリで夏の花壇を華やかに彩っている。
これまではピンク系のバラと青からパープル系の花を主に植えていたので、
オレンジ系の挿し色を使ったことはなかった。
だが、こうして植えてみるとなかなか素敵ではないか。

実を言うと、これは4~5年ほど前に食用ユリの芯の部分を埋めたもので、
開花した時はほんとうに嬉しかった。
また、球根の外側の鱗片を植えてみたこともあったが、芽が出てからの生長が遅く、
いつの間にか消えてしまった。
こんなけちなことをしなくても、この値段より少々高くても、
丸々1個を植えれば立派な花が確実に咲くだろう・・・。
こう思いながら、今年は多めに買ったのだった。

園芸店で「食用ユリ」という球根も売っている。
しかし、スーパーの商品から見事な花が咲き、生産者の方の励みになるのだ。
もしも、{食用ユリ}を見つけたら、夏に見る美しい夢だと思って植えてみてはいかがだろうか。

ユリ根の料理といえば、京懐石の古風なイメージがある。
古くから滋養強壮の薬草として珍重され、日本と中国しか食べないそうだが、
この食材はさまざまな料理に使える。

我が家で人気の一皿は、「百合根のイタリアン」だ。
厚手のフライパンで上等なオリーブオイルを温め、
みじん切りのガーリックで香りをつける。
火を強めながらばらばらにしたユリ根を加えて手早くさっと炒め、
まだシャキシャキ感が残ってるうちに火を止める。
味付けは塩とコショウで。

是非お試しあれ。

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