夜に香る草花たち
来る日も来る日もあれほどの猛暑だったのに、台風一過。
カナカナ蝉の朝夕のコーラスとともに、今朝の風はさわやかで涼しい。
公園に沿った道路よりも高い位置にある我が家は、
庭の手入れをしていると、道行く人の声が下から聞こえてくる。
ウオーキングの人たちだろうか。。
「この辺りに来ると、なんだかいい香りがするのよね」
「そうそう、私も気になっていたの。ほら、あの小さな白い花じゃない?」
「あれは、なんの花?」
思わず、「ロイヤルジャスミンですよ」と声を掛けそうになったが、
このほかにも夕方から朝まで香る花がある。
例えば、よくある花では、オシロイバナやマツヨイグサ、サポナリヤなどは
やさしい香りを漂わせるので大好きだ。
しかし、いずれも丈夫でよく増え、場所ふさぎとなるために「困ったちゃん」でもある。

暗くなると香りだすのがこの夜香木で、笑い話と言おうか、こんな苦い思い出がある。
夜香木は、同じナス科のニコチアナによく似た筒型の小花を房状に付け、
日中は花を閉じて、素っ気ないおばさんといった風情だ。
ところが、夜の8時頃ともなると花を開き、
まるで別人のようにあでやかな香りで、人々の胸の中に深く入り込む不思議な魅力を秘めている。
この話を友人にしたら、ぜひとも香りを嗅いでみたいという。
あいにく夜は都合がつかないとのことなので、一計を案じた。
昼間に香らないのなら、一時的に暗くして夜だと思いこませれば、香るのではないか?
というわけで、前々日の早朝から植木鉢を真っ暗な押し入れの中へ閉じ込めておいた。
これなら二晩分の香りがこもる計算になるので、
さぞかし濃厚な香りが押し入れ中に漂っているに違いない。
さて,夜香木をうまくだますことができただろうか。
友人が見守る中で、わくわくしながら押し入れを開けた。
あらら、なによ、これは!!!
香るどころか、肝心の主人公は枝先が萎れ、まさに半死半生といった状態だ。
夜香木の立場でよく考えてみると、水も貰えず、環境はほとんど密閉状態に急変。
しかも、ナフタリンなどの混じった空気がよいはずはない・・・。
「ごめん、ごめんね」と植木鉢に謝るやら、友人からは笑われるやら・・・。
あの幼稚なジッケンをした日が懐かしい。

ハワイのレイによく使われる八重咲きのジャスミンで、
学名は Jasminum sanbacといい、和名はマツリカ。
ハワイではピカケと呼んでおり、インドネシアや、フィリピンでは国花とされていると聞いた。
植木鉢に数株あるのだが、バラ咲きの小さな花には高貴な芳香があり、
小枝の先には3輪の花しか咲かない。
咲く順番によって花の大きさが違うから、一番花ばかり集めてレイを作るのには、
いったい何本のピカケの木が必要になるのだろう。
いつの日か、コロンとしたピカケの花をつないで、
チョーカーぐらいの首飾りが出来たら・・・、というのが私の夢である。

擁壁の上から垂らしている白い花が、このロイヤルジャスミン(英名)だ。
最も基本的なジャスミン Jasminum officinale の品種で、
春から秋まで断続的に花をつける。
純白の花弁と清らかな香りをもつ小花は、、細い細い針金のような茎の先端についていて、
そよ風に揺れると小さな蝶が飛んでいるように見えるのが素敵だ。
だからと言って花束やコサージュに使おうとしても、それは無理というもの。
1日花で、そのうえ触るとすぐに散りやすいからだ。
この花を生けるときは、前日の夕方につぼみの枝を切り、
明日活けるはずの花を前倒しにして、活けることにしている。
こうすると、花全体の鮮度はやや落ちるが、開花したジャスミンに触らなくても済む。
東南アジア生まれだから暖かい気候が好きなはずなのに、
異常気候のせいか横浜の我が家では冬でも伸びのびと育っている。
擁壁はともかく、雨どいをよじ登って屋根で咲いている株もあるらしい。
恐ろしいことになる前に何とかしなくては・・・
カナカナ蝉の朝夕のコーラスとともに、今朝の風はさわやかで涼しい。
公園に沿った道路よりも高い位置にある我が家は、
庭の手入れをしていると、道行く人の声が下から聞こえてくる。
ウオーキングの人たちだろうか。。
「この辺りに来ると、なんだかいい香りがするのよね」
「そうそう、私も気になっていたの。ほら、あの小さな白い花じゃない?」
「あれは、なんの花?」
思わず、「ロイヤルジャスミンですよ」と声を掛けそうになったが、
このほかにも夕方から朝まで香る花がある。
例えば、よくある花では、オシロイバナやマツヨイグサ、サポナリヤなどは
やさしい香りを漂わせるので大好きだ。
しかし、いずれも丈夫でよく増え、場所ふさぎとなるために「困ったちゃん」でもある。

暗くなると香りだすのがこの夜香木で、笑い話と言おうか、こんな苦い思い出がある。
夜香木は、同じナス科のニコチアナによく似た筒型の小花を房状に付け、
日中は花を閉じて、素っ気ないおばさんといった風情だ。
ところが、夜の8時頃ともなると花を開き、
まるで別人のようにあでやかな香りで、人々の胸の中に深く入り込む不思議な魅力を秘めている。
この話を友人にしたら、ぜひとも香りを嗅いでみたいという。
あいにく夜は都合がつかないとのことなので、一計を案じた。
昼間に香らないのなら、一時的に暗くして夜だと思いこませれば、香るのではないか?
というわけで、前々日の早朝から植木鉢を真っ暗な押し入れの中へ閉じ込めておいた。
これなら二晩分の香りがこもる計算になるので、
さぞかし濃厚な香りが押し入れ中に漂っているに違いない。
さて,夜香木をうまくだますことができただろうか。
友人が見守る中で、わくわくしながら押し入れを開けた。
あらら、なによ、これは!!!
香るどころか、肝心の主人公は枝先が萎れ、まさに半死半生といった状態だ。
夜香木の立場でよく考えてみると、水も貰えず、環境はほとんど密閉状態に急変。
しかも、ナフタリンなどの混じった空気がよいはずはない・・・。
「ごめん、ごめんね」と植木鉢に謝るやら、友人からは笑われるやら・・・。
あの幼稚なジッケンをした日が懐かしい。

ハワイのレイによく使われる八重咲きのジャスミンで、
学名は Jasminum sanbacといい、和名はマツリカ。
ハワイではピカケと呼んでおり、インドネシアや、フィリピンでは国花とされていると聞いた。
植木鉢に数株あるのだが、バラ咲きの小さな花には高貴な芳香があり、
小枝の先には3輪の花しか咲かない。
咲く順番によって花の大きさが違うから、一番花ばかり集めてレイを作るのには、
いったい何本のピカケの木が必要になるのだろう。
いつの日か、コロンとしたピカケの花をつないで、
チョーカーぐらいの首飾りが出来たら・・・、というのが私の夢である。

擁壁の上から垂らしている白い花が、このロイヤルジャスミン(英名)だ。
最も基本的なジャスミン Jasminum officinale の品種で、
春から秋まで断続的に花をつける。
純白の花弁と清らかな香りをもつ小花は、、細い細い針金のような茎の先端についていて、
そよ風に揺れると小さな蝶が飛んでいるように見えるのが素敵だ。
だからと言って花束やコサージュに使おうとしても、それは無理というもの。
1日花で、そのうえ触るとすぐに散りやすいからだ。
この花を生けるときは、前日の夕方につぼみの枝を切り、
明日活けるはずの花を前倒しにして、活けることにしている。
こうすると、花全体の鮮度はやや落ちるが、開花したジャスミンに触らなくても済む。
東南アジア生まれだから暖かい気候が好きなはずなのに、
異常気候のせいか横浜の我が家では冬でも伸びのびと育っている。
擁壁はともかく、雨どいをよじ登って屋根で咲いている株もあるらしい。
恐ろしいことになる前に何とかしなくては・・・