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HOME:広田せい子のハーブガーデン

Sketch of Sweden 3 キャンドルを灯して

スエーデン最初の晩御飯は、母屋でいただくことになった。
アトリエと母屋の間は100mもないから、杖をついて歩ける距離だ。
芝生を横切っていくと、モックオレンジ(ニオイバイカウツギ)の花の香りが、
どこからともなく漂っている。
さて、この広い庭のどのあたりに咲いているのだろう。

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案内された居間へ入ったとたん、思わず「まぁ、素敵!」と声をあげてしまった。

出窓になっているのか、そこだけ独立したスペースにテーブルを配置し、
すでにおしゃれなセッティングがされていた。
白い空間を作っている天井や壁の色に合わせてクロスは白。
キャンドルの炎に映えるガラスの器も美しい。

お嬢さんのリーナさんの手によるのだろうか、窓の飾り方も凝っている。
樹の葉をつないで作ったガーランド、
鮮やかな色の花で描くウインドゥピクチュア・・・・。

心のこもったひとつひとつが「ようこそ」と語りかけているようだ。



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「どう? 似合うと思わない?」

御土産の藍染めの服を来てさっそうと現れたアグネータさんに、リーナも私も拍手!
まるで誂えたようにぴったりだし、本当によく似合うのだ。
私と同じように、日本の藍染めをこよなく愛している人がここにもいた。


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「わたしたちは、日本が大好きなんですよ」
宮崎、京都、犬山…、訪ねたときの思い出を穏やかな口調で語るのはご主人のパールさん。
彼の趣味は美術鑑賞と合唱。
これまで「オスカシュカンマル・コーラス」のメンバーとして宗教音楽を歌っていたが、
年齢制限のラインに達したため今年で退会したという。



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ディナーのメニューは4品。

スタートは、本場のスモークトサーモンだった。
意外にもごく軽い風味で、ねっとりとした食感がたまらない美味しさだ。
このガラスのお皿はシンプルな料理を引き立てている優れものだ、
後で伺ってみよう。


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ラデッシュ。

コロコロとした二十日大根は見ているだけでもかわいらしい。
「こうしてナイフで切れ目をいれてから、バターをつけて食べるのよ」と教えてもらった。


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ヴェステルボッデン・チーズパイ

再初に?と思ったのは、パンがなかったことだった。
しかし、この豪華なチーズパイを見たとたん、私は一瞬にして納得した。
ヴェステルボッデン地方のチーズを使ったこのひと皿は、
スウェーデンを代表する料理で、アグネータさんの得意料理でもあるという。
この風味豊かなチーズに、ポロねぎ、産みたての卵、生クリームを加えて焼いたのだから、
極上の味だ。

パールさんのサーブによるワインも美味しく、
身も心も癒されたみんなの顔も幸せそう・・・。


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グリーンサラダ

ベビーリーフのミックスを、自家製ドレッシングでさっぱりとリエゾンしたもの。
オイルはたしかひまわり油だったような・・・。


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気がつけば、この部屋にはテレビも音楽もなかった。
あるのはキャンドルのほのかな明かりと笑顔だけ・・・。
それにしても、キャンドルのあるテーブルは何といいものだろう。

窓の外は、まだ明るい。

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