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英旅⑤・バスケタリー入門②・1 たどり着くまで

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近頃。出かけるたびに持ち歩いているバスケット。

形はシンプルだが、ナチュラルな色のストライプが利いているこの篭は、この世にひとつしかない。

なぜなら、イギリスのバスケット教室で作ってきた私の処女作だからである。

あの日を振り返ってみよう

                *      *      *

水路の傍のホテルを8時半に出発。

10時から Suzan Early 先生のお宅で、バスケット作りのレッスンを受けることになっている。

どんな先生だろう、初心者でもついていけるだろうかなどと考えていると、少々心配になってきた。

しかし、ハイウェイの前方に広がるセルリアンブル-の青空と、透き通ったそよ風が心地よく、

いつのまにか緊張もとけてきたようだ。

再び気懸かりになってきたのは、メモした住所をよく見ると、

Far End,Sheepscombe,GL67xx, Butchers Arms,

「シープク-ム村の村はずれ、パブのお向かい 」という極めて簡単なアドレスだ。

日本なら、道行く人、ガソリンスタンド、角のスーパーなどで道を聞くことができるのに、

この国の田舎には家が一軒も無く、人っ子一人通らぬ道も珍しくは無い。

不安は的中した。

あれほど晴れ渡っていた青空は真っ暗に変わり、横殴りの雨が吹き付けてワイパーがきかない。る。

広い道路でも運転が困難な嵐の状態なのに、カーナビの示すとおりに左折をしたら、

下が見えないほど急勾配の下り坂だ。左側は削り取ったような崖、右側はガードレール無しの断崖絶壁だ。

車1台がやっと通れる幅だから、対向車が来たらバックで戻らなくてはならない。

本当にこの道路でいいのだろうか。頼みの綱の携帯は、圏外らしくまるで通じない。

夫の運転だけが頼りの心細い思いをしていると、突然視界が開けた。

擂鉢の底のような台地に小さな教会を囲む集落がある。きっとこの近くだと思い、聞いて回ること20分。

それでも、約束の時間をわずかにオーバしただけで到着できた。

レッスンが本命なのに前段がくどくなったのは、山奥の環境と急変する天候に触れておきたかったからだ。

さすがに山奥とはいえなかったが、天候は珍しいのかと聞いてみた。

「この辺りではよくあること。逆らわずに通り過ぎるのを待てばいいのよ」

なるほど。人生のあらゆる場面にも当てはまる奥が深い答えではないか。

今日のレッスンが、さらに楽しみになってきた。

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                             つづく

*写真はのちほど

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