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トンイとオオバコ

韓国のテレビドラマが大人気だ。

私は宮廷物が好きで、「宮廷女官チャングムの誓い」や「イ・サン」、「トンイ」など、

イ・ビョンフン監督のドラマを楽しんでいる。


今夜の「トンイ」では、興味深いシーンがあった。

このドラマの時代背景は李王朝の頃で、李氏朝鮮19代王の粛宗(スクチョン)と、

賤民の出ながらも聡明な娘・トンイの恋を中心に、

権力闘争や陰謀、嫉妬、愛憎などが渦まく宮廷のお定まりのストーリーだ。


王の側室となったトンイは、賤しい出自のことで王に迷惑をかけることを恐れ、

王子とともに城外でひっそりと暮らしている。

ある日、父とは知らずに王と楽しい時間を過ごした王子は

「水遊びで冷えたのでしょうか。先ほど、咳をしていらしたので、この葉を煎じて飲んでください」と、

別れ際にオオバコの葉を束ねたものを手渡すのだった。


韓国では古くから健康維持や治療のために、薬草を使ってきた歴史があり、

「チャングム」の番組では数えきれないほどの薬草が紹介された。

日本でもオオバコは地面近くに生える緑色の葉がカエルに似ているので、

ガエルッパ、ゲロッパ、ビッキグサなどの他、各地の方言が多いことでも有名な薬草だ。

道路や道端など生える雑草で、引き抜こうとしてもなかなか抜けない嫌われ者だが、

民間薬では、おできなどには葉をあぶって貼り付けると、膿が出てなおるという。

生薬名を車全草(全草)、車前子(種子)というのは、種子が水で濡れるとゼリー状になり、

人の靴底や車輪などについて運ばれるので、この名がついたと参考書にある。

さて、肝心の薬効は、咳止め、去痰、利尿、消炎剤、膀胱炎、目の充血、下痢止めに効くとある。

テレビドラマの裏を取るなど厭な性格だが、おかげで少し賢こくなったかな?

学名 Prantago asiatica   オオバコ科

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