がんばロ- ズマリー

まもなくあの忌まわしい東日本大震災から、1年が巡ってくる。
自然の猛威をまざまざと見せつけられた津波に大地震、人災以外の何物でもない原発事故・・・。
福島、宮城、岩手の各県の被った被害は悲惨なもので、多くの人々の命が奪われ、人生を狂わされた。
東北地方の被害が大きかったために、あまり報道されなかったが、
茨城と千葉の受けた地震の被害も忘れてはならない。
水戸植物公園の園長・西川綾子さんから電話をいただいたのは、昨年の秋のことだった。
国営ひたち海浜公園と水戸植物公園で、被災者に元気を届けるための企画を考えているので、
ぜひ協力してほしい、とのこと。
そういえば、かなり前に植物公園へプロヴァンスから届いた西洋菩提樹を寄付したことがあった。
たしか、公園をオープンした年だったように記憶している。
腰痛で悩んでいる私だから元気をあげるよりも反対にもらいたいほうだが、
私でお役にたつことがあるのなら・・・・、それに記念植樹をした西洋菩提樹もみたい、ということで、
3月10、11日に茨城県で講演を行うことに決めた。
「それなら何かお土産を・・・
」擁壁の隙間にタネが着地し、可憐な花を咲かせているローズマリーはどうだろう。

以前(2010・4・13)(2011・9・19)も記したように、
このローズマリーはコンクリートの擁壁にタネがこぼれて発芽し、
何の手入れもしないのに、コンクリートゆえの酷暑と厳しい寒さに耐えて生き抜いてきた「ど根性ハーブ」だ。
近くに植えていたローズマリーはマリンブルーとマジョルカピンクなので、
このカップルがパパとママではないだろうか。
驚いたことに、青い花とピンクの花の愛の結晶は、今までにないラベンダー色の花をつけた。

これを参加者にプレゼントをしようと、昨年から挿し木をしている。
ロマンチックでないのが気になりつつも、名前は[がんばローズマリー]に決めた。
「頑張ろう」と[ローズマリー」を足した造語だが、この強い芳香と
誕生物語は被災者の方々を慰め、希望を与えてくれるにちがいない。
今、私はもう一つのプレゼントを製作中だ。
作り始めてから知ったのだが、それはうつ病やパニック症候群に効果的だと専門の医師が著書で述べている。
数が足りないときは、じゃんけん大会になるかも・・・。
いずれにせよ、当日は梅の香りが漂う、暖かい日であってほしい。
★ お問い合わせ先
3月10日 国営ひたち海浜公園 Tel 029-265-9001
3月11日 水戸植物公園 tel 029-243-9311