ユリの花咲く小道

バラの花の季節に、食卓の位置を変えた。
庭に面するガラス窓に食卓をぴったりつければ、身体はもう花畑のなかにいるような感じだ。
窓の前に、余ったレンガで小道を作っておいたのは、よいアイデアだった。
春はプリムラポリアンサのビンテージ苗で縁どりをし、
今は桃色の大きめの花が咲くゲラニュームが、小道をふさぐようになだれこんでいる。
突き当りはオリエンタルポピーが、豪華な花を開くはずだった。
ところが、七分咲きまで行ったのに突然黒くなって溶けてしまった。
原因はまだわかっていない。

反対に、この場所を気に入る植物もある。
ゴールデン・カサブランカだったと思うが、
数年前に植えた球根がこの場所を気に入って毎年増え、
大きな花を開く。

春先に土をかき分けるようにして顔を出す新芽の太さは、感動そのもの。
その上、タケノコのように一晩で20センチも伸びた年もあった。
お日様が大好きですくすくと伸び、左の茂みのように見事に大きく育っている。
小道の近くへ行くと強い芳香も漂って、いよいよ夏本番だ。