HOME:広田せい子のハーブガーデン

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水色の車いすで

腰痛のために、悲しいかな、スマートに歩くのが難しくなった。
長い距離を歩くのがつらく、人ごみの中へ出かけたり一人での外出は長い間していない。

以来、連載の原稿3本だけは続けることにして、テレビや講演などで人前に出るのを止めた。

ステッキをついて外出すると、
見知らぬ人からでも、必ずと言っていいほど根掘り葉掘り訊ねられたり、
その人の体験を聞かせられたりする。
何より我慢できないのは、勝ち誇ったような笑顔で同情されることだった。

歩く姿の見た目は悪くとも、家事や庭仕事は今まで通り続けてきた。
買い物もちょっとした用事も、車で行くことができる。
それよりも、かえってこれまでよりゆったりとした気持ちで植物の観察ができ、
参考資料と比較して自己流の研究をしたり、新しい文献を読んだりする時間が増えた。

パッチワークや洋裁、編み物などを楽しむゆとりもでき、
超多忙だった日々と比べると、
かなり充実した時間を持てたように思う。

ステッキをついて歩く姿を毎日見ている夫は、
早い段階から[車いす]に乗ることを勧めてくれていた。

しかし、かたくななまでに車いすに乗るのを拒んだのは、
一度乗ってしまうと、
体調がより改善すると信じ続けていたことを、自ら諦めてしまい、
病気に負けたことを受け入れるような気がしたからだ。

[私の人生はこんなはずではなかったのに・・・・。
息子たちが独立して何事も心配ががなくなった今、これからは夫と楽しく暮らしていく予定だったのに、
こんな落とし穴があるとは・・・」

何度落ち込んだことだろう。

このような私を慰め、励ましてくれたのは、外界への窓口であり接点ともなっている
マミ川崎先生主宰の「フラワーデザインライフ」に、エッセイを書くことだった。

タイトルは「癒しの香り」 -私の庭からー。

3年目の中盤を迎えたこの連載は、
私自身の来し方を見直し、身も心も癒してくれた草花への賛歌ともなっていたことに気付いたのは、
ごく最近のことだった。

そのきっかけは、マミ先生のフラワーデザイン50周年の記念展で、
トークショウに出演してほしいとい言う依頼だった。
あの時、私は素直な気持ちで、「はい」と返事をしたことをおぼえている。(*5月30日参照)

松屋で用意してくださった車いすで登場した私に、
オーディエンンスは驚きもせず、かといって好奇の目を光らせる人もなく、
川崎景介先生と私のトークで、和やかな雰囲気で終始することができた。

そして、今日はマミフラワーデザインスクールのオープンクラスで、講師を務めてきた。
車いすでの社会復帰はこれで2度目だが、何よりも嬉しかったことがあった。
それは準備してくださった車いすが、私の好きな水色でシンプルなデザインだったことだ。


2011_0508_164914-R9323645_convert_20110630163345.jpg

ちょうどこのコリダリスの花のような色で、私の着ていた服とぴったりとマッチしているではないか。

リバティの布を98枚はぎ合わせたブルー系のロングスカートに、
白地に青い花が描かれたリバテイのTシャツ、
そして車いすもブルー系統・・・・。

さすが、デザインスクールのスタッフはセンスが抜群!!

参加者の方々は仙台、静岡、北海道など遠くから来てくださった方も多く、
見ただけで花好きな人とわかる。
おかげで心楽しく、クラスを終えることができた。

きれいな色の車いすがこんなに私をハッピーにしてくれたことから考えてみると、
グッドデザインのベッドや歩行器、パジャマ、食器などなど老人向けの品々は
いくらでも開発の余地がありそうなもの。いえ、開発してほしい。

一億総老齢化の日は、間近に迫ってきている。

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