雨の日はことことと

今年は、気がついたらもう梅雨入りだった。
梅雨の晴れ間に急いでした洗濯物は、パリッと乾かないし、
庭用のサンダルもしとっとして気持ちが悪い。
小止みになるとバラの花がら切りや、
咲き終わったプリムローズやクリスマスローズなどを、ポットにあげる仕事が待っている。
雨脚が強いときはじたばたしても無駄なので、
キッチンで煮物の火加減を見ながら、縫物をすることにしている。
今日は佐賀県から届いた、山椒の実がある。
ちょっと触っただけでも指が山椒の枝に変わってしまったと錯覚するほど、
このスパイシーな香りは、まさにアジアのハーブではないか。
まだ少し若いので、祖母から教わった、
日保ちよりも風味を生かした当座煮を作ることにした。
① 山椒の軸を手で取り除き、ばらばらにする。
② 鍋にお湯を沸かして静かに①を入れ、とろ火で5分ほど煮る。
③ ぎろぎろした油が浮いてくるので捨て、ぬるま湯を加えて②~③を2、3度繰り返す。
④ ひと粒を噛んでみて、まだ香りとしびれるような味が残っているうちに、
酒少々と生醤油、水を加えてことことと煮る、
⑤ 煮詰まる寸前で火を止め、完全に冷めたら瓶などの容器に詰め、冷蔵庫で保存する。
祖母は口癖のように「山椒の実は、体に入った毒を殺してくれるから、毎日食べなさいよ」
といっていたのを思い出す。
利用法は幅広い。
カブや大根などの漬物に、煮魚、おにぎり、吸い物、チラシ寿司や混ぜご飯に・・・。
山椒とはちょっと混ぜただけで食欲が増すばかりか、
夏場には「毒消し」として、お腹を守ってくれる大切な薬だ。