こんな写真を撮りたかった

私がガーデニングを飽きもせずに続けてきた理由の一つに,
草花を組み合わせたこんな絵柄を、
いつか構成してみたいと思っていたことをあげたい。
条件は、全部自分の庭から摘んだものであること。
構成を自分が行い、写真も自分で撮ること。
。
なぜこんな条件を付けたのか記憶にないが
きっかけっはっきりと覚えている。
1985年の夏。ハーブガーデンの調べごとをするためにイギリスへ出かけたことがあった。
訪ねた先はほとんどがカントリーサイドのマナーハウスやコテイジ、大学とか町の庭などで、
ロンドンへはあまり出かけなかった。
帰国も間近に迫った頃、
お世話になっていた家の奥さんが
「車でロンドン出かけるから、よかったらつれていってあげましょうか」と声をかけてくれた。
いつもはセーターとスカート姿の奥さんしか見ていなかったが、
シンプルなブラウスに絹のスカーフを肩にかけ、
カメオのブローチで止めたおしゃれぶりには、すっかり見とれてしまった。
とりわけ目を惹いたのは絹のスカーフで、フェンディのタグがついていた。
野の花と小さめの花壇の花々が咲き乱れ、その中には知っている花も数多くあった。
一見手描きのように見えるが、よくできたプリントで、
鮮やかな色でも上品に見える。
あれから37年・・・・。
京都の友人へ花を送ろうと庭に出たが、
先ほどまでの大嵐でめぼしい花はほとんど傷んでいて、
小さな花しか残っていない。
板の間に広げて水揚げを行っていたら、目の前がすっきりし、
「キョウコソナンデモデキル」 という気持ちになってきた。
思い出に頼らずに、きれいだと思う自分の感覚を頼りに
花で絵模様を描いてみたのがこの作品(?)である。
花屋に頼んでも、おそらくこれだけの花材は揃わないだろう。
品種の問題だけでなく、同じ場所でえこひいきなしに育てないと、
この調和は生まれないのだ。
さて、今度はあの色鉛筆で一輪一輪描いてみようかな・・・。