球根のパワー

明日は11日。
あの日からひと月がたつ。
3月は毎日悲しい思いで過ごしていたので、
玄関の踊り場に香りのよいクレマチス・アーマンダーが咲いても気がつかず、
あっという間に春が来てしまったような感じだ。
ぼんやりとしていたわけではない。
庭の植物たちの生長ぶりが今年は特にイレギュラーで、ときどき前後がつながらないこともある。
たとえば原種系の黄色カノコユりは、まず地上部にこげ茶色の芽が出る。
これまでの経験では、30cmに生長するのには約1週間ほどかかっていた。

ところが、今年はたった3日で40cmを越してしまったのだ。
何度数えてみても3日に間違いはない。
外気温、地熱、風向き、土の栄養状況などのほか、
いろいろな条件でこういう結果につながるのだろう。
球根だから生命力が強い、生長も早いという考え方もある。
確かに、球根とは栄養素を蓄えたカプセルとはよく言ったものだ。
そうだ、被災地の方々に秋植えの球根を送ったら、さぞかし喜ばれるにちがいない。
お盆が過ぎたころに届くようにすれば、お彼岸に植えることができる。
寒くつらい冬でも、翌年の春の開花を夢見ながら世話をすると、暮らしに張り合いが出るのでは?
庭がなくても、水栽培が出来て良い香りが癒しになるヒヤシンスや水仙などは、
初心者でも簡単に育てることができる。
1人では限界がある。市民運動みたいな流れの中で、
何とか成功させるノウハウはないものだろうか。
考えてみるとハードな面での支援があっても、
こうしたソフトな心のケアが必要だし、ちょうどその頃だ。
種苗会社がストックを寄付してくれないだろうか・…。
今からお願いしておけば、協力者は球根を掘り上げて乾燥させておける・・・
何だかできそうな気がしてきた。
皆様もどうぞよろしく。