春を告げる日本のハーブ

今日は嬉しいサプライズがあった。
先日お会いした近所の方から、採りたてのフキノトウをどっさりいただいたのだ。
きっと落ち葉の重なった半日蔭の肥えた土の所に生えていたのだろう、
道端に近い場所の堅い葉とは違い、お嬢様育ちのようなソフトな感触のフキノトウだ。
顔を近づけると、春の香りがした。
暖かい日差しのせいか楽しく話がはずみ、玄関先で、あはは、おほほと笑い声をあげて、
しばしおしゃべりに花が咲いた。
東北生まれの私は、春風を感じると幼い頃に覚えた摘み草の楽しみを思い出す。
日当たりのよい土手や田んぼの縁には、銀色の産毛が美しいモチグサ(ヨモギ)、
根に真珠のような玉がついたノビル、
切り口の汁がつくと洗ってもなかなか取れないタンポポ、
コロンとした形ノフキノトウなどが生えていて、
誰が採ってもよかった。
20数年前のことだ。
横浜とはいっても、山林を切り開いた新興住宅地に住むようになって、
摘み草の楽しみを再び楽しめることになった。
当時はちょっと散歩をすれば、すぐに籠がいっぱいになるほどの宝の山・・・。
雲雀の声をききながら、自然の中で伸び伸びと遊ぶような感覚がたまらなくて、
よく近所でフキノトウなどを摘んだものだった。
ある時、白いムスタングに乗って畑に大根を採りに来た地主さん(?)に、声をかけられた。
腰の手ぬぐいがよく似合っている。
[奥さん、そんな道端の草を採って、食べるのかね。かわいそうだなぁ。
よかったら、この大根をもっていきなさいよ」
立派な大根を2本いただいて帰ったが、
よほど貧しそうに見えたのだろうと、思い出し笑いをしてしまった。

感心したのは、フキノトウの花を飾れるように茎の部分を長く切リ、
ゴムで束ねたものを、別に持ってきてくださったことだ。
早速マグカップに活け、イギリスのケーキやパン庸の古い木皿に載せてみたら、
とても新鮮な感じで美しい。
フキは日本が誇る春のハーブの代表格だ。
さぁ、どんなふうに楽しもうか。