高熱が続く恐怖の「Rose fever} ①
思い切って打ち明けるが、私は今奇妙な病気に罹っている。
このビョーキは免疫性が強く、
一度抗体ができるとその後は落ち着くので、それほど気がかりではなかったが、
ここ数年来周囲の知人、友人の間で、再発の話をよく聞くようになった。
病名を明らかにすると専門用語で「Rose fever」、日本語に訳すると「薔薇熱」という。

症状は、初期の段階では薔薇と訊くとなぜか懐かしさを覚え、
シューベルトの「野ばら」などを口ずさみながら、
雑誌の特集をスクラップしたり、カタログを取り寄せる、
散歩と称して近所の薔薇を見て歩いたりする程度で、
再発はしない。
ところが、一度この菌が体内の中枢部に入ってしまうと、
ほとんどの人が突発性の高熱と悪寒、震えなど薔薇熱の症状を覚え、
特に目がぎらぎらと光る例も報告されている。
年齢的には女性の場合、子育ての手が一応離れ、
自分の時間ができた30代後半から40代前半にかけて始まり、
稀には介護の役割を果たした70代の例も珍しくはない
男性の場合は、感染のきっかけが3回考えられる。
まず、マイホームが手に入ったとき、
幸せのシンボルとして78%の家庭で、薔薇を垣根に植えている。
また、性格的にオタクと呼ばれている人たちにも薔薇の愛好家は多く、
定年に達した男性が薔薇の道へ進む例も顕著である。

中期の症状は、患者といっても環境も懐具合も違うので、断定はできないが、
誰でも所有熱という新たな熱を伴うようである。
「薔薇は難しい」と聞いていたので手を出せなかったが、
最初の一鉢二鉢をクリアすると、
俄然勇気が沸いてきて、怖いもの知らずというか、
いきなり難易度の高い薔薇に挑戦する大胆な人もいるようだ。
結果、やはりこの道はそう甘くはなく、うどん粉病や黒点病、アブラムシ、
葉ダニなどのお定まりの病気と害虫に悩まされつつも、
頭の中はさながら3Dのイングリッシュガーデンとなっている

素敵な薔薇をゲットして始まった、「薔薇のある暮らし」は、人さまざま。
参考書に付箋をはさみ、英文字で薔薇の名前を書き出してはルビをつけ、
いかにも言い慣れているように、
何度も発音の練習をするエレガントな奥様をめざす人、
少しでもお安く買って、種類を増やしたいと、
ネットのオークションを必ずチェックし、
バラトモ(薔薇友)との情報交換で、
セット売りやスペシャルセールを上手に利用する人、
庭がなくても、シーズンには薔薇のある公園や名園をめぐり、
手間をかけて世話をしなくても、
「最高に美しい時のいいとこ取り」を楽しむ賢い人・・・・

私のグレードは自覚症状から推測すると、
この中期に該当するようだが、
どの例かはまだ伏せておく。
もしかしたら、さらに病状は悪化しているかもしれない。

さて、恐ろしい末期的な薔薇熱とは・・・。
続く
このビョーキは免疫性が強く、
一度抗体ができるとその後は落ち着くので、それほど気がかりではなかったが、
ここ数年来周囲の知人、友人の間で、再発の話をよく聞くようになった。
病名を明らかにすると専門用語で「Rose fever」、日本語に訳すると「薔薇熱」という。

症状は、初期の段階では薔薇と訊くとなぜか懐かしさを覚え、
シューベルトの「野ばら」などを口ずさみながら、
雑誌の特集をスクラップしたり、カタログを取り寄せる、
散歩と称して近所の薔薇を見て歩いたりする程度で、
再発はしない。
ところが、一度この菌が体内の中枢部に入ってしまうと、
ほとんどの人が突発性の高熱と悪寒、震えなど薔薇熱の症状を覚え、
特に目がぎらぎらと光る例も報告されている。
年齢的には女性の場合、子育ての手が一応離れ、
自分の時間ができた30代後半から40代前半にかけて始まり、
稀には介護の役割を果たした70代の例も珍しくはない
男性の場合は、感染のきっかけが3回考えられる。
まず、マイホームが手に入ったとき、
幸せのシンボルとして78%の家庭で、薔薇を垣根に植えている。
また、性格的にオタクと呼ばれている人たちにも薔薇の愛好家は多く、
定年に達した男性が薔薇の道へ進む例も顕著である。

中期の症状は、患者といっても環境も懐具合も違うので、断定はできないが、
誰でも所有熱という新たな熱を伴うようである。
「薔薇は難しい」と聞いていたので手を出せなかったが、
最初の一鉢二鉢をクリアすると、
俄然勇気が沸いてきて、怖いもの知らずというか、
いきなり難易度の高い薔薇に挑戦する大胆な人もいるようだ。
結果、やはりこの道はそう甘くはなく、うどん粉病や黒点病、アブラムシ、
葉ダニなどのお定まりの病気と害虫に悩まされつつも、
頭の中はさながら3Dのイングリッシュガーデンとなっている

素敵な薔薇をゲットして始まった、「薔薇のある暮らし」は、人さまざま。
参考書に付箋をはさみ、英文字で薔薇の名前を書き出してはルビをつけ、
いかにも言い慣れているように、
何度も発音の練習をするエレガントな奥様をめざす人、
少しでもお安く買って、種類を増やしたいと、
ネットのオークションを必ずチェックし、
バラトモ(薔薇友)との情報交換で、
セット売りやスペシャルセールを上手に利用する人、
庭がなくても、シーズンには薔薇のある公園や名園をめぐり、
手間をかけて世話をしなくても、
「最高に美しい時のいいとこ取り」を楽しむ賢い人・・・・

私のグレードは自覚症状から推測すると、
この中期に該当するようだが、
どの例かはまだ伏せておく。
もしかしたら、さらに病状は悪化しているかもしれない。

さて、恐ろしい末期的な薔薇熱とは・・・。
続く