茗荷に想う青春の日々
_球根を植える場所の草取りをしていたら、何か白っぽいものが目に入った。
??? ここはニコチアナやジギタリスのコーナーだったので、
今ごろ開花する草花はないはずだけれど・・・・。
近寄ってみると、「あらっ」

クリーム色のミョウガの花だった。
日本の代表的なハーブともいえるミョウガは、
ランの花に似た花弁がいかにも高級な花に見える。
このまま薬味として食べてしまうのは、惜しい。
鼻を近づけて嗅いでみたら、上等な線香のような香りがした。
香りに触発されたのだろうか。
学生時代のクラブ活動の、懐かしいワンシーンが蘇った。

私の学んだ女子短大は女子大となったが、
同じ敷地にある女子高校も含めて、ここを戸山キャンパスとよんでいた。
この私立の学校は、同系列の学校同士で仲が良く、いい雰囲気の思い出がたくさんある。
目白にある大学へは教職の授業と、メンバーとなっていた混声合唱部の練習のために、
週の半分は通っていた。
このクラブは大所帯で、高等科、女子高等科、女子短大、大学から部員が集い、
男声、女性、混声、OB,OGにオーケストラまであり、現在もすばらしい活動を続けている。
混声合唱部に入った私は、友人たちと古びた講堂で暗くなるまで練習を続けた。
パートはアルト。
取り上げる歌の傾向はは宗教音楽が多く、
ヴェルディの「レクイエム」を、アルビット・ヤンソンスの指揮により、
上野の文化会館のステージに上がったことは、忘れることができない。
その他大勢の中の一人だったけれど、私にとって大切な青春の歴史となった。
長々と脱線してしまったが、言いたかったことは、
男声コーラスがよく練習していた曲の中に、ミョウガが出てくるのだ。

ひとりかくれたたかむらに
茗荷もしろく香ににほふ。
酔うてほろりとする日でも
わしやさびしいぞ、青雀。
背丈ほどもある茗荷の藪が、眼に浮かんでくる。
これは6曲からなる合唱組曲の最初の歌で、人気が高い演目だ。
毎回隣のコーナーで何度も練習するのを聞くうちに、
いつの間にか頭に入っていたのだろう。
この頃、昔のことを思い出すことが多い。
高校時代のクラスメイトも同じような気持ちらしく、
明後日は、懐かしい母校・福島女子高校時代の同期会がある。
昭和35年に卒業したので珊瑚会と名づけたこの会は、
世話人の方を中心に仲がよく、チームプレイで見事に事が運ぶ。
今回は卒業後50年記念の会なので、大いに盛り上がることだろう。
私も楽しみにしていたが、残念なことに都合が悪くなってがっかりしている。
茗荷から始まった想い出の中、秋の夜は更けてゆく。
*
北原白秋の作詞、多田武彦の作曲による
男声合唱組曲「月夜孟宗の図」の最初の曲「竹林幽居」より
??? ここはニコチアナやジギタリスのコーナーだったので、
今ごろ開花する草花はないはずだけれど・・・・。
近寄ってみると、「あらっ」

クリーム色のミョウガの花だった。
日本の代表的なハーブともいえるミョウガは、
ランの花に似た花弁がいかにも高級な花に見える。
このまま薬味として食べてしまうのは、惜しい。
鼻を近づけて嗅いでみたら、上等な線香のような香りがした。
香りに触発されたのだろうか。
学生時代のクラブ活動の、懐かしいワンシーンが蘇った。

私の学んだ女子短大は女子大となったが、
同じ敷地にある女子高校も含めて、ここを戸山キャンパスとよんでいた。
この私立の学校は、同系列の学校同士で仲が良く、いい雰囲気の思い出がたくさんある。
目白にある大学へは教職の授業と、メンバーとなっていた混声合唱部の練習のために、
週の半分は通っていた。
このクラブは大所帯で、高等科、女子高等科、女子短大、大学から部員が集い、
男声、女性、混声、OB,OGにオーケストラまであり、現在もすばらしい活動を続けている。
混声合唱部に入った私は、友人たちと古びた講堂で暗くなるまで練習を続けた。
パートはアルト。
取り上げる歌の傾向はは宗教音楽が多く、
ヴェルディの「レクイエム」を、アルビット・ヤンソンスの指揮により、
上野の文化会館のステージに上がったことは、忘れることができない。
その他大勢の中の一人だったけれど、私にとって大切な青春の歴史となった。
長々と脱線してしまったが、言いたかったことは、
男声コーラスがよく練習していた曲の中に、ミョウガが出てくるのだ。

ひとりかくれたたかむらに
茗荷もしろく香ににほふ。
酔うてほろりとする日でも
わしやさびしいぞ、青雀。
背丈ほどもある茗荷の藪が、眼に浮かんでくる。
これは6曲からなる合唱組曲の最初の歌で、人気が高い演目だ。
毎回隣のコーナーで何度も練習するのを聞くうちに、
いつの間にか頭に入っていたのだろう。
この頃、昔のことを思い出すことが多い。
高校時代のクラスメイトも同じような気持ちらしく、
明後日は、懐かしい母校・福島女子高校時代の同期会がある。
昭和35年に卒業したので珊瑚会と名づけたこの会は、
世話人の方を中心に仲がよく、チームプレイで見事に事が運ぶ。
今回は卒業後50年記念の会なので、大いに盛り上がることだろう。
私も楽しみにしていたが、残念なことに都合が悪くなってがっかりしている。
茗荷から始まった想い出の中、秋の夜は更けてゆく。
*
北原白秋の作詞、多田武彦の作曲による
男声合唱組曲「月夜孟宗の図」の最初の曲「竹林幽居」より