HOME:広田せい子のハーブガーデン

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勝手にしやがれ

のどが渇いて、夜中に目が覚めた。

「何時かな?」
時計代わりにテレビのスイッチを入れてみると、白黒の映画の画像が現れた。

ブレッソンの写真を見るような街だ。
聞こえる言葉はフランス語。
そして、どこか意識の底に眠っていたようなシーンが映っている。

カメラは後方から斜め俯瞰で、
ベリーショートの髪の、少女の襟足をなめていく。

モダンジャズっぽいといったらいいのだろうか、BGMはいかにも実験的な演奏に聞こえる。

少女がこちらを向いた。

「あっ、ジーン・セバーグ! それならこの映画は、“勝手にしやがれ”だわ」
半分寝ぼけていた頭が、急にシャンとなった。

私が中校生の頃、フランスの映画界にヌーベルバーグの流れが台頭し始め、
若手の映画監督が張り切って、新しい波に向かって挑戦していた。

あの当時、キネマ旬報の愛読者だった私は、高校時代には背伸びをして映画研究会の周りをうろうろし、
記録性とか即興性とか、青くさい議論をしていた先輩達が眩しかった。、

私はただファッションや音楽などに、心を奪われていた。

今でもはっきりと覚えているこの映画のシーンは、(途中から見たので見逃したが)冒頭のあたり。
ジーン・セバーグが「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン」と、大きな声で叫びながら、
新聞を売っている姿だ。
新聞は二つ折りにし、肩から斜めに懸けた幅広のベルトに挟んであった。

ぴったりとした7分丈のパンツにペッタんコの靴、
だぶだぶの男もののTシャツを着て、ベリーショートの金髪・・・。
少年のような魅力を秘めたこのようなユニセックスのタイプは、当時は珍しかったっけ。

うとうとしたのだろうか。ベルモンドが盗んだ真っ白いオープンカーに乗り込んでいる。
そうだ、この映画は3時間以上もかかるほど長いことでも有名だったことを、思い出した。

それにしても、50数年前のことをよく思い出せるものだ。
どれだけ覚えていたか、近いうちにビデオを借りてきて試してみようかな・・・。

もちろん,「悲しみよ、こんにちは」も一緒に借りるつもりだ。
あぁ、あの肩を出したホルターネックのワンピースは何んと素敵だったことだろう。

小鳥が啼き始めた。
それでは、勝手にもうひと眠りを・・・。



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