HOME:広田せい子のハーブガーデン

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桑の実に想うこと

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日当たりのよい斜面に植えた桑の木に、今年はたくさん実がなった。

よく熟した一粒を口に入れると、ほのかな甘みとどこか日向くさい香りがあり、
なつかしい子供の頃が蘇えってきた。

桑とは大きな手のひらの形をした葉を、絹糸をとる蚕の食べ物にする植物で、
私の子供時代には通学路に桑畑があった。
蚕を飼っている家は、ヨーサンカ(養蚕家)とよばれ、
学校からの帰り道に何度となく遠回りをしては蚕を見せてもらったことがある。
白い小さな虫を手のひらに乗せるとひんやりと冷たく、
繭を作って蛹になる前は体全体が透き通ってくる。
驚いたことは、蚕が桑を食べる時の音だ。
一匹では気がつかないほどの音だが、飼育部屋へ入ると、
しくしくしくと桑の葉を食べる絶えまない音が耳を打った。

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クワゴ(大森地区では桑の実をこうよぶ)は、小さな粒々を丸めて作ったような果実で、
赤からえんじ色、暗紫色に変り、黒味を帯びた時が食べごろだ。
ところが、果汁がつくと紫色にすぐ染まるので、指先や舌、唇のまわりなどを黒くしたまま帰ることになる。
一度、体操服のポケットに母へのお土産を入れて帰宅したことがあった。
途中でクワゴはつぶれて、白い体操着を汚してしまった。
洗濯すればきれいになると思い、固形せっけんをたっぷり刷り込んで得た結果は、見るも無残なまだら染めに!!!

何んと、石鹸のアルカリ性分、が発色戸と色止めという媒染の役割をしてしまったのだった。

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私の郷里の福島では、○○様と敬称をつけてよぶ自然界のものが二つある。
(福島といっても全域のことは知らない。古くは信夫の郡とよばれた大森地区の話では )

その一つは、雷様。カミナリ様ではなく、ライ様と発音する。
いかにも、夜空を青い鋭角の光で切り裂く雷光と大音響で、万物を破壊する神への畏れを表しているようだ。
また、昔から稲妻が光ると田んぼの害虫が死に、豊作になるといわれている。
そのため、雷に良い印象を与えるために敬称を用い、よく光ってもらいたいと願う、
農民たちの切なる祈りが込められているのだ、と聞いたことがある。

もう一つは、カイコ様。さらにオカイコ様とよぶ人もいる。
これは絹織物が盛んな時代からの慣習で、養蚕で得た現金収入は家計を潤し、町を豊かにしてくれる。
ちなみに福島市の北に位置する伊達郡川俣町は、かつて絹織物が盛んだった。
立派な郡役所もここにあり、全国的に例のない日銀の支店が福島市にあるのも、
シルク産業によって大金が集まっていたからだとか。

この桑の木は、カイコ様の飼料用でなく、生食用の西洋桑で、
マルベリーという英名で売られている。
小さなかごに一杯摘んでも、翌日にはまた黒い実が熟している。

生食にも飽きたから、さぁ今日は何をつくろうかな?



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