HOME:広田せい子のハーブガーデン

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よかったね、ハトさん

毎朝庭へ餌をついばみに来るハトの番いを見ながら、
昨日のことを思い出した。

私は腰痛治療のために、秋から近くの大学病院へ通っている。
予約をして行くのだが、診察券を出して自動受付まではスムーズにいっても、
順番が回ってくるまでに長い時間がかかる。

待合室を兼ねた大きなロビーで、名前を呼ばれるのをひたすら待つことになるのだが、
何となくインフルエンザなどの伝染病病をもらいそうな感じがする。
そこで正面玄関の車寄せのベンチで、順番待ちをすることにした。

一列に並んだベンチは、日向ぼっこを楽しんでいる患者や待ち合わせをする人で、満員状態だ。
ようやく空いたので腰を下ろすと、右隣のおじいさんが話しかけてきた。
「何とか捕まえられないでしょうかね、あのハトなんですが」
「え?どうして?」 怪訝な顔をした私に、
「ほら、あのハトの足を見てやったください。両足に糸が絡まっているでしょう? 
何んとか無理して歩いているけれど、あれでは猫に狙われたら一発でやられます。
足に食い込んでいれば、黴菌が入るし…。見ていてせつないんですよ」

本当だ。そのハトの足には白い木綿糸が何重にも巻きついている。
たとえくちばしで引っ張っても、かえってきつく絡んでしまうだろう。
売店からせんべいを買ってきて餌でおびき寄せたり、鳴き声を真似て近寄っても、逆効果で逃げられる。

その時、夫が目にもとまらぬ早業で、ベンチに立てかけてあった杖を手に取るなり、
両足に絡んでいた糸の真ん中に突き刺した。
ハトは足を引っ張られた形で、身動きができない。
おじいさんはさっとハトを捕まえて、地面に横にした。
私は、手芸用の糸切りバサミを持っていたことを思い出し、ハンドバッグから取り出して夫へ手渡した。
「これは大変だ。糸が食い込んで肉も切ってしまいそうだな。眼鏡を頼む、カバンの中だ」

野戦病院の外科手術のような救助作業は、3分もかからず無事終了。
屋根の上で羽を休めている仲間の元へ戻ったあのハトは、もうどれがどれだかわからない。
とっさのチームプレイで小さな命を助けた3人は、思わず拍手、そして握手!!!

きっとあのおじいさんも帰り道は、にこにこ顔で思い出していることだろう。
私たちは、今日もあのハトのことを語りあっている。

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