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ヴェルヴェーヌのお茶

人間の好みとは、いいかげんなものだ。
私自身にしても、思い当たることが多々ある。

例えばハーブティー。
初めてレモンバームのお茶を飲んだ、40数年前、
世の中にこんな美味しい飲み物があるとは、信じられなかった。

それから10数年が過ぎ、インドでレモングラスのフレッシュティーを飲んだ。それはショックを受けるほどのテイストで、今までのお茶は何だったんだろう、と考え込んでしまうほど、レモングラスが一番好きなお茶となった。



そして今、最も気に入っているお茶はレモンバビーナだ。
細長い葉にちょっと触れただけでも、
あたりを緑に染めるシトラスの香りがすばらしい。
フランスではヴェルヴェーヌ(Verveine )とよんで、多くの人々のお気に入りとなっている。この琥珀色の神秘的なティザーヌ〈ハーブティ)には、身も心も癒してくれる何かがある。

レモンバビーナは、クマツヅラ科の落葉性小低木だ。南米が原産地なので耐寒性があまりない。しかし、昨年の暖冬で露地植えもコンテナーの数株も、ダメージを受けることなく冬を越した。
しかし、葉を全部落として来春までの耐久レースに備える姿は、ほとんど枯れたように見える。実際に枯れ死してしまったと誤解して、捨てた友人もいた。こんなときは、茎を切って切り口の色で確かめればよかったのに、と思う。





冬に備えて、今日は朝から葉の収穫をしている。
レモンバビーナの長所は、すぐにきれいに乾燥することだ。
風通しのよい日陰に置いておくと、美しい色のまま半日でパリッと乾く。

葉の摘み方には、二通りある。
寒さが来る前にもう一度多めに収穫したかったら、枝から葉っぱを摘みとるとよい。すると間もなく葉のあった場所から、3枚もの新芽が出てくる。

もう一つの方法は、3分の2ぐらいを切り取り、葉をしごき取る。
茎は直ちに水揚げをして、赤玉土の小粒に挿し木をする。
挿し木もそう難しくはないから、プレゼントにして喜ばれている。

ちなみに英名では、Lemon verbena と綴る。ほとんどの日本のハーブの本ではレモンバーベナと表記しているが、外国ではヴァビーナといわないと通じないことが多い。しかし、ただ一冊だけがヴァヴィーナと表記した本があった。
それは「世界のスパイス百科」(T・ストバース著、辻 静雄監修、小野村正敏訳、}という昭和56年の本で、今ではぼろぼろになっている。
さすが、早稲田の仏文科を出られ、読売新聞社で記者生活を送り、あべの・辻
調理師専門学校の校長だ。しかも、ワインや文学、アートなどのエッセイもすばらしい文学者でもある。

さぁ、朝から菩提樹の木陰に広げておいた、レモンヴァビーナがもうそろそろ乾く頃だ。 

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