白夜の国へ行ってきまーす
更新がせっかく再開したのに、また?」
と心配をかけそうなので、ひとこと。
これからスエーデンの夏至祭へ出かけてきます。
お土産話をお楽しみに。
と心配をかけそうなので、ひとこと。
これからスエーデンの夏至祭へ出かけてきます。
お土産話をお楽しみに。
花束が生まれる庭
英国庭園のデザイン集を見ていると、Cutting flower garden
というエリアがある。
これは来客などの目に触れる表立った庭の植栽はそのままにし、
切り花として飾るための花を育てる専用花壇のことで、富裕層の館などに多いようだ。
そんなスペースがない我が家では、最初から切り花になる種類の花を植えている。

花束に使うバラは、大輪の豪華なものは適さない。
花の色やサイズ、花の形などを頭に入れて植栽プランを立てるとよい。

卓上に飾る花は上品で何か話題になるものを。
心にしみる芳香と変わった咲きかたが珍しい Grace

細い小道にしだれるように咲くヒナゲシやエキウム、ゲラニウム。
奥に咲くのは、チョコレート色のおしゃれなヤグルマソウ。

切り取って飾るよりも、このままで眺めていたい自然流の1シーン。
自慢のマルタゴンリリー、素敵でしょ。
夢路より帰りて

つい先ほどまで、私は夢の中にいた。
夢うつつと言おうか、あるいは夢に溺れていたといった方が正しいかもしれない。
夢とはきわめて抽象的な表現だが、
ここでは庭に関わる様々な喜びや楽しみを意味している。


幼いころから自分の庭を持つことが夢だった。
アパートの出窓、マンションのベランダ、市民農園、貸し農園,そして念願の My Garden !
場所を変え、夢を追いかけているうちに、私の後ろには経験してきた栽培や研究の足跡が残り、
気がつけば、いつの間にか「ハーブ研究家」として一人歩きをしていた。
あのころが楽しくなかったとは言わない。
執筆や出版、カルチャースクールの講師などからスタートし、
1985年にNHK[趣味の園芸」でハーブのレギュラー講師となってからは、
講演、海外取材、ガーデンデザインに企画やプロデュースなどの仕事も増え、
スケジュール表には2、3年先までの予定が入り、連載5本という年もあった。
今にして思えばぞーっとするような超多忙の日々だったが、
あの当時の慰めであり、同時に自信とエネルギーの源なっていたのは、
近所に土地を借りて様々な実験栽培をしていたことだった。
暇さえあれば嬉々として農作業も管理もほとんど一人で行っていたが、
皮肉なことにこのときの過労が遠因となり、後でひどい腰痛で苦しむことになるとは,
一体だれが想像しただろう。
数年前、主治医から「これ以上無理をせぬように、できたらしばらくの間仕事を休むように」、
というイエローカードが出てしまった。

ところで、おかしなたとえだがガーデニングは、恋愛に似ている。
朝から晩まで頭の中を占めるのは、あの人(庭)のことばかり・・・。
相手の幸せのためにはどんなことでもしてあげたい・・・。
こんな想いがあるからこそ、イエローカードを切られても庭作りへの情熱は冷めず、
十分に世話ができないという負い目があるために、かえって熱が上がるのかもしれない。
仕事を辞めるのに未練はなかった。
これまで仕事で費やした時間を、自分自身のためにで取り戻したいと思っていたから、
これほどのグッドタイミングはない。
決めたとなるとすぐに行動に移すのが私の良いところ。
我が家は南向きの高台にあるため、日当たりと風通しは抜群だ。
これまでは、柑橘類やベリー類、ポポーやフェイジョアなどのトロピカルフルーツのほかに200本近いバ
ラ、ハーブ類、草花が同居する、花も団子もあるミックスガーデンだった。
しかし、これを契機に前から考えていた「花束」をテーマに、植栽を考えてみた。


あれから4年。
この春の庭は夢のような色どりに包まれた。
毎朝早起きしては小鳥のさえずりを聞きながら、今日の花束に使う草花を切る幸せ・・・・。
日ごろお世話になっている方々、恩師、友人たちへ送る花束に、
弾んだ声でお礼の電話が入る。
何よりも励みになる褒め言葉は、「花屋には売ってない花ばかりね」だ。

庭の仕事は私一人でしているが、ハーブとか野菜などのカテゴリーを超えて、
様々なアイテムを育てたことに気づいてくれたのがとても嬉しい。
「足腰が不自由という理由で引退したのに、なぜ畑仕事が?」と聞かれたことがあっなた。
私にも不思議なのだが、集中して作業をしていると痛みを感じないのだ。
サぁ、花の季節は終わった。来年に向けてまた頑張ろう!!!
