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花園のようなこの春のリバティ ①

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雪の積もった庭で、2、3日前からキョッ、キョッ、キョッとツグミが鳴いている。

ツグミが訪れると冬の実感をしみじみと味わっていたが、今日はそれどころではない。

リバティの2013年春夏コレクションを、リバティ・ジャパン社の公式サイトで眺めながら、

春の気分を味わっているところだ。


タイトルは ずばり FLOWER SHOW.

テキストによれば、心に響く出会いや、アーテイストとのコラボレーション、

アーカイブに残された古いボタニカルアートをコレクションしたという。


リバテイと言えば、即座に花模様の生地を連想するほど、自然をテーマにした意匠が多い。

と同時にイギリス国民も大の植物愛好家が多いことで知られ、

エリザベス女王が総裁を務められているRHS(王立園芸協会)主催による、

チェルシーのフラワーショウ―は、今や世界的なイベントとなっている。

爽やかな5月になると、セレブな住宅地のチェルシー地区に巨大なマーキ(テント)が建つ。

ここはたしかヨーク公ゆかりの病院の敷地だったと思うが、

突如として出現したマーキはまるで魔法をかけられたかのように、花の殿堂と化すのが素晴らしい。

ベテランガーデナーたちが競い合いながらマーキの中と周囲に、

色とりどりの趣向を凝らした花の庭を創りあげるのだ。

RHSJ(英国王立園芸協会日本支部)の理事をしていた私は、何度かこのショウへ行ったことがあるが、

確かに花の種類や色の傾向、ガーデンのスタイルなど、流行の発信地はここだとわかった。

今回のリバテイの色は、このチェルシ―のフラワーショウからインスピレーションを受けている。

特に、デルフィニューム,フューケラ、マグノリア、シャクヤク、バラ、チューリップなどの色に

強い感動を受けたという。


サイトでは、それぞれの花の品種の色も紹介していて、私にはとても参考になった。。

ここまでは Colour Story について書いてみたが、

素晴らしいサイトなので、続きの Design Story と

New Season Fabrics をこちらとタッチしよう。


その代わりといってはおかしいが、

昨年、解禁と同時に求めた私の好きな意匠をシェアしたいと思うので、お楽しみに。。
                                           続く

春を待つふるさとの友へ


福島の皆様、こんにちは。

今日は成人式だというのに、私の住む横浜では初雪が大雪になり、

ミモザの大きな枝が折れたり、マートルが雪の重みで倒れそうになり、気が気ではありませんでした。

そちらはいかがでしょうか。

あの日からまもなく2年になりますね。

福島市生まれの私には人ごとには思えず、家事の合間やふとした時に被災した皆様のことを案じています。

何か私に出来ることがあればと思い、私なりにささやかな支援を続けてきましたが、

住み慣れない仮設の家で寒い季節を乗り越えるのは、さぞかしつらい事だろうと思うと、

胸が痛くなります。

大切なものを失い、これから先のことが見えないばかりか、

家に寄って友だちとお茶を飲んだり、おしゃべりや買い物などのような、

これまでのごく普通の暮らしが一変してしまったのですから、ストレスもかなりのものでしょう。

目には見えませんが、ストレスほど体を傷めつけるものはありません。

ストレスを除き、心身を癒してくれる何かいい方法はないものだろうか。

それには身近な材料で誰でも簡単に作れ、童心に帰ってグループで遊べるものがよいのでは?

いろいろ考えた末に、「お手玉」はどうかしらと、思い当たりました。

幼かった頃、縁側やこたつなどでよくお手玉をして遊びましたが、

これなら一人住まいの方を訪ねて一緒にプレイしたり、経験のない若い人や子供たちに教えるなど、

コミニュケーション作りにも役立つように思います。


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まず、昔のことを思い出しながらお手玉を作ってみました。

楽しい、楽しい。なんと楽しいのでしょう。ほんの少しの布と時間で、俵型と三角型は簡単にできました。

2枚の布をパッチワークのように組み合せた座布団型は、最初は難しくても慣れたらとても面白いもの。

嬉しいことに、私がお手玉作りを始めたことを知ったハーブ仲間が進んで協力を申し出てくれ、

こんなにたくさんのお手玉が出来ました。


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どうぞ皆様で、炬燵を囲んでお手玉遊びに興じてくださいませ。

想い出の服をほどいた布、リバテイのローン地の端切れ、サンプルの布地・・・、

使っている布地や色、柄などもさまざまですが、かえって愛情深いものが伝わってくるようです。


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お手玉は5個を一組として、ポーチに入れてあります。

このポーチの一部は京都の友人とお仲間が協力してくださり、

中に詰めた小豆や豆の一部は、北海道のハーブ友だちから寄せられました。

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また、窓を閉め切った冬の間は部屋に生活臭がこもりがちですので、

お手玉をするたびに部屋がよい香りになるように、約半分のお手玉にラベンダーを少々加えました。

残りのお手玉は、ポーチにお手玉と一緒に入れて香りづけをするための、

ロ-ズマリーのサシェも作りましたので、お使いください。


先日、本屋で2冊の本を見つけました。

「お手玉をするとうつ、パニック障害が治る」 マキノ出版

「お手玉が癒す心と体」 海鳥社


どちらも筆者は、医学博士の中原和彦先生です。

先生は、お手玉をすることによって疲れた脳を整え、

適度な運動を伴うお手玉遊びはは、身体全体の血流をよくしてストレス解消に効果的だと、

述べています。

私の考えは間違ってなかったと、ほっとしました。

なお、お手玉を作ってみよう、作ってみたいと思う方がいらしたらと思い、

いろいろな布もお入れしました。

足りないときはすぐにお送りしますので、ご遠慮なくご連絡くださいませ。

それでは、皆様、どうぞお風邪にお気をつけてすごされますように、

そして1日も早く復興なったふる里の我が家へ帰ることができますようにと、お祈りしています。


                       ごきげんよう   
                                  広田せい子


小鍋の中の宝石

台所からプチ、プチという音が聞こえてきた。

ふ、ふ、ふ、クランべりー(ツツジ科 ツルコケモモの近縁種)がつぶやいている。

最初にこの音を聞いたときは、どこで何がどうなっているのか見当もつかず、

ひじょうに驚いたものだった。

これはクランべりーのジャムを作るときによくあること。

ベリーの表皮が硬くて、しかも内部に空間があるため、沸騰すると破裂する音なのだ。


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昨日は七草だったのに、今頃クランベリーのジャムを作っているとアメリカの人が聞いたら、

首をかしげるに違いない。

なぜなら、原産地の北米やカナダでは秋が収穫期で、

11月の Thanks Giving Day に食べる七面鳥料理に添えるのがクランベリーソースなのだ。

我が家には鉢植えが11鉢ある。

収穫期を過ぎても実用と観賞用を兼ねて大事にしてきたのは、

寒くなるにつれて葉が痣やな赤に紅葉し、深紅の果実が殺風景な冬の庭に彩りを加えてくれるからだ。

ところが、昨日の朝カーテンを開けたら庭にいたヒヨドリが数羽パッと飛び立ったではないか。

餌の無い季節に無防備に出しっ放しにしておいたこちらが悪いのだけれど、

クランベリーはひじょうに強い酸味のためかこれまで餌食になった記憶がない。

余談だが、ピラカンサも味が悪いのか春まで実がついていた年もあったのに、

どうしたわけか今年は食べられてしまったようだ。




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ぐずぐずしてはいられない。

ずいぶん目減りがしたと思われるクランベリーを摘み取って、よく洗い、倍量の水を加えて加熱する。

沸騰した頃からあのつぶやきが始まるのだが、

大量にジャムを作る北米のキッチンでは、どんな音がするのか、聞いてみたいものだ。

弱火にして煮つめている間に、以前アメリカのグラビア雑誌で見た記事を思い出した。

広大なクランベリー畑の収穫は、ひと粒ひと粒手摘みで、などと悠長なことはいっていられない。

まず、畑の周りに防水の壁を作り、水を張る。

次にクランベリーの株をゆすって実を落とし、ボートに乗って水面に浮いた実をかき集めるのだ。

思いもつかない何んとダイナミックな収穫法だろう。


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このジャムを甘くしようなどと思っては、いけない。

砂糖がいくらあっても足りないぐらい酸っぱいからだ。

7分目ぐらいに煮詰まってきたら、好きな量の砂糖を加え、火を止める。

これが甘酸っぱいぜりーのようになって美味しいのだ。



紅葉した葉、深紅の果実、宝石のようなジャム・・・。

自然の色の美しさをさまざまなステージで見せてくれるクランベリーに感謝!!!

只今 「マリコの家」 に夢中なり

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「知らなかった。こんな楽しいことがあったとは・・・」

何かとせわしない時期なのに、私が夢中になって作っているのはこんな段ボールの家だ。

出来上がりの上手下手などを気にせず、

ましてブログにアップするなど考えもしないで、勢いに任せたためにお恥ずかしい出来だが、

あまりにも面白かったし、こんな時間の使い方もあるということを、お伝えしたくなった。


ことの始まりは、マリコの暖房対策である。

マリコとは、気取った言い方をするとガーデンキャット、ふつうの言い方だと野良猫で、

数年前から庭に棲みついていた。

手毬のようにまるまるとした体型とまーるい目が愛らしいので、

誰ともなしにいつの間にかマリコとよぶようになった。

私にはよくなついていたが、庭が荒らされ猫臭くなるという理由から、

夫は家猫として認知することを拒んでいた。

ところが、ある時マリコがどこからともなくネズミを3匹捕えてきたことから夫の気が変わり、

晴れてヒロタマリコとして家族に加わった。

マリコは外で遊ぶのが大好きで、晴れた日はハーブやバラの匂いをぷんぷんさせて帰ってくる。

やがて、寒くなるとホカロンを入れた段ボールで1日中寝ているのが日課となった。

しかし、広告入りの段ボールは見苦しい。

同じサイズの細長い段ボ-ルを2個組み合わせて、両端を折り曲げると、

ひさしのついた家のような形になる。

赤い画用紙があったので、まずは広告を隠すために赤瓦の屋根のつもりで貼ってみた。

こうなると、屋根のスペースがペロンとして魔が持たない。

それなら、2階に個室を二つ作り、ドーマー風の窓をつけてみよう。


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花柄のカーテンから顔をのぞかセているのが、マリコ。

リボンも付けて、あら、かわいい。

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彼の部屋も出来たので、これから婚活をして旦那さまを探さなくては・・・。

仮の名前はマリオということにして、理想のタイプはこんな感じ。


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別紙にブルーのアクリル絵の具を塗ってドアを作成。

写真ではよく見えないが、このへんはなかなか凝っているのだ。

小窓にはレースのカーテン(じつはレースのリボン)を内側に付け、

ガラスに見立てた硬質のセロファンを外側に貼ってある。

小窓の上には、HIROTA MRRKO の表札も漬けた。

さぁ、後は楽しいガーデニングだ。

園芸雑誌から切り抜いて、パースも何もお構いなしに、好きな草花を集め、飛び石も置いた。

最初の写真のように、つる薔薇が屋根まで登り、今、庭の花はさらにもっと増えている。


建て増しも考慮中だ。

庭を拡張したらセットしたいベンチやガーデンテーブルの切り抜きも溜まっている。


一番愉快なのは、

こんなお化け屋敷みたいな外観には関係なしに、

屋根とドアの隙き間にするりと巨体を潜り込ませては、

マリコが「おうち」に帰っていくことだ。


あり合わせの材料で十分にエンジョイしている「マリコハウス」に、

明日は、煙突をつけようかナ・・・・。

必ず新年に咲くバラ

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皆様、明けましておめでとうございます。

どうか今年もよき年でありますように。


新年のご挨拶を記しながら、私は今、庭を眺めている。

2013年の元旦は、霜柱で庭全体が真っ白に染まる寒い朝となった。

寒々とした枯れ草色の中で、ひときわ目立つのは優しいピンク色のバラだ。

北国では猛吹雪が荒れ狂い、大雪が人々の暮らしを妨げているというのに、

露地に植えたこのイングリッシュローズは、毎年のように正月に花を開く。

しかも、その名は「ヘリテイジ」といい、

「代々受け継がれていくもの」、あるいは「遺産」を意味する。

これほど新年にふさわしいバラがあるだろうか。


イギリスのデビット・オースチンが1961年から発表してきたイングリッシュローズは、

新旧ローズの欠点を互いに補い、優れている特徴をさらに生かした魅力的なバラのグループだ。

すでに225種のバラが発表されているが、

このヘリテイジは初期に作出された名花で今でも香りのよい品種の代表格として、一目置かれている。


初めてこのバラがわが家へ来た時のことを思い出した。

今でこそ、イングリッシュローズは簡単に買えるようになったが、

庭ができた20数年前はまだ代理店もなく、どこへ注文してよいかもわからなかった。

そこで、まずアメリカのハーブフレンドがイギリスへ注文し、

受け取った苗を米軍オフィサーのご主人が厚木まで米軍機に乗せてくれ、

国内ではクロネコ便が引き継いで、我が家へ到着したのだった。


ルドウテの絵から抜け出してきたような端正な美しさ、

ミルラの香り(と表現されるが私にはフル-ティな感じ)を持つ花、

名花アイスバーグの孫に当たる血筋の良さ・・・・・。

数え上げればいくらでも美点があるが、

正月に咲くバラというのが、何よりも嬉しい。


さて、あなたの庭ではいかがだろうか。


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