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寝る子は育つ

雨上がりの庭は、キラキラと輝いて美しい。
ただし、これは天気が安定している日中に、2~3時間降った場合のことだ。

せいこの部屋ガーデン


今の季節、一晩中降った翌朝は、すぐにはなじめないほど植物が生長していることが多い。
人間も全く同じで、こんな体験を思い出した。

三男が風邪をひいて学校を2日ほど休み、家で寝ていたときのことだ。
158・5cmの私とちょうど同じ背丈の頃だから、小学5、6年生だったろうか。
台所でシンクに向かい、野菜を洗っていたら、すぐ後ろから三男の声がした。

「お母さん、水が飲みたい」

手近にあったコップに水を入れ、くるりと後ろを向くと、
そこには息子と違う人がいた。

いや、息子みたいな人とでもいうのだろうか。
似ているけれど、どこか違うのだ。
そう、昨日までは目線がちょうど同じだったのに、
な、な、なんと今日は私が見上げている形ではないか。

まさしく[寝る子は育つ」の諺は嘘ではなかった。

その息子のお嫁さんから、メールが入った。
[明日の午後、一緒にお寄りしたいのですが」と。
きっと息子はサーフィンの帰りだと思うが、もちろん大歓迎。

ちょうどバラが咲き始めたし、勿忘草も庭中を青く染めているから、
庭でお茶をしましょう。

それでは午前中に、お菓子を買いに出かけなくては・・・・。

近所には美味しいケーキ屋とパン屋ができて、
いつもどの店へ行ったらよいか迷うことが多い。

さて、どの店にしようかな?
こんな嬉しい悩みは,毎日でも大歓迎だ。

雨の日の手紙

A子様

その後、お体の調子はいかがですか。
長い間、望んでいたことがようやく叶って、よかったですね、
ほんとうにおめでとう。
でも、油断は禁物よ。
庭を見に来るはずだった今日の約束を延期したのは、庭や階段のレンガが滑りやすいためです。
うっかりして駈け出したり、躓いたら大変ですもの。
もう少したって安定期に入ったら、いつでもどうぞいらしてくださいね。

あれほど楽しみにしていてくださったので、庭から摘んだ草花をお届けします。
ヨーロッパを連想させる野の花の雰囲気が、
リバテイプリントのよう、と友人がよろこんでいましたが、いかがでしょうか。


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:せい子の部屋青い花

* 庭から摘んだ草花で作る花束は、自作自演とでもいおうか、気楽に好きなように作る。
4種の勿忘草、プリムラ・ブルガリス、ムスカリ3種、プリムラ・オーリキュラ、アスペルラ・オリエンタリス
ヴィオラ2種を水揚げしているところだが、自然の色の美しさにあらためて胸が熱くなった。


それにしても、今の季節は草花の生長が早く、朝と夕方ではびっくりするほどサイズが変わるんですよ。
毎日の様に変化してゆく庭をを見ていると、必ず思いだす映画があります。

バーネットの有名な児童文学の‘THE SECRET GARDEN’((秘密の花園)を、
読んだことがあるでしょう?
私も少女時代にこの本を読んで、感激したものでした。

これを映画化したのが、あのフランシス・F・コッポラです。
同タイトルの映画は彼が総指揮を取り、
アグニエンシュカ・ホランドというヨーロッパで初の女性監督によって、ハリウッドで製作されました。

楽しみにしていたので初日に出かけたものの、原作から受けた感銘が強かったために、
スクリーンの映像になかなかなじめなかった記憶があります。
特に、ネグレクトされたままの(無視されて手入れもなにもされていない状態)花園が甦えるシーンは、
早送りで撮っているために、嘘臭くて嘘臭くて、たまらなかった・・・・。
あぁ、この女性監督はガーデニングをしたことがなく、頭だけで考えている・・・・。

ごめんなさいね。昔話に熱が入ってしまって。

ところが、あれ以来、よーく観察していると、あの映画ぐらいの育ち方はないこともないと、わかってきました。
特に今年のように暖かい日と雨の日が交互に続くと、伸びが早いようです。
忙しすぎた若い頃には、気がつかなかったことです。

せいこの部屋ガーデン

*雨上がりの庭。居間から見えるこのアーチには、左右からロー・ブリッターとレディ・ヒリンドン、
上からはポールズ・ヒマラヤンムスクの花が垂れ下がり、豪華に咲きそろう。
後方に見えるのは、30歳近い武者立ちのハコネサンショウバラ。


雨の日を嫌う人が多いけれど、私は好きです。
気持ちがゆったりとして、生き返るような感じがするのは、草花と同じ様なサイクルになっているのかしら。
今日は庭仕事がOFFになったので、
裁断したままになっているスカートを、仕上げるつもりです。

今度いらしたときは、スカートのお土産を楽しみにしていてくださいね。
もちろん、おなかが大きくなっても大丈夫なように、ウエストはゴムにしておきましょう。

それではお母様によろしく。どうかお元気でね。


                            すみれが丘のおばちゃまより


弱点

今までこのブログを続けて来られたのが、我ながら不思議だ。

何を隠そう、私は機械音痴なのだ。


恥を忍んで白状すると、

私はテレビの予約ができない。

CD はセットできるのだが、DVDは使えない。

数年前の正月にお嫁さん連盟から、ソニーのDVDセットをプレゼントされたのに、

まだ新品のままだ。

だから「つたや]へは、まだ行ったことが無い。


夫と3人の息子がいるのに、と私は思うのだが・・・。

携帯は長男からプレゼントされたが、電話代わりでメールを送ることができない。

パソコンで原稿を書いているのだから、覚えようとすれば出来る筈なのに、

日常生活にあまり困らないので、そのままになっている。


昨日は金魚の水槽や甕の水換えを1人で行った。

ブクブクといっているフィルターが汚れていたので、分解をしてきれいに掃除をした。

解説書が無いので、よく考えて実行に移したのだ。

私としては[よくやった]とほめてもらいたいのだが、小学生でもできることのようだから、

黙っていた。


さて、なぜこのような恥をさらしているのかというと、


数日前からこのウインドウズの使い方が変わったために、写真の取り込み方がわからないのだ。

何回か夫に聞いてみようと思ったが、彼はひじょうにタイトなスケジュールで、

こんなことで時間を浪費させるのが心ぐるしい。


長い間ブログは写真とセットになっているように思いこんでいた。

しかし、写真が無くても、伝えたいことを書けばよいのでは?

こんな簡単なことにやっと気づくなんて、やはり年のせいかしら・・・


今年の庭の表情は、これまでとかなり変わった。

庭全体がワスレナグサの青い色に染まり、バラの開花を待っているところだ。

パソコンの件が解決したら、

まとめて写真をドーンとお見せできるように、たくさん撮っておこう。

そうだ、写真は後から入れてもいいのですものね。

どうかしばらくお待ちあれ!!!

アルマンディーの香りに慰められて

2泊3日の予定で京都へ出かけた時は、

留守中の草花の水やりと、金魚や猫の世話が心配だった。

天気予報では、雨と出ていたので植木鉢や庭の草花は運を天に任せ、

ホームレスの経験がある猫のために、段ボールとビニールで[おうち]を作り、餌を置いてきた。

朝早い新幹線だったので、バタバタとあわただしく出かけたのだが、

静かにしていると京都行の目的が辛くのしかかってくるので、

わざと忙しくしたことは私自身がよく知っていた。


「桜の季節の京都はいいでしょうね。楽しんでいらしてね」

などと友人は羨ましがるが、じつは京都に住む病気の妹を見舞う旅なのだった。


京都に集まったのは、長女の私と夫、自宅療養中の妹を含む3人の妹、弟夫妻の計7人。

ジャンボタクシーをチャーターして、嵯峨野のあたりを逍遥するはずだったのに、

雹が降り雷が暴れる大嵐に見舞われ、妹の運命を暗示しているようで辛いものがあった。

ところが妹は大病を患っている人とは思えないほど元気で、

渡月橋での昼食、夕食は加茂川沿いの料亭で本格的な京料理のコースを完食したのには、

驚いてしまった。

翌日はお会いしたかったご家族を訪ね、有意義な1日を過ごすことができた。

それでも、3日の旅はかなり疲れ、自宅へ着いた時はへとへと・・・・。

玄関へ上る階段に立った時、やさしい香りが辺りに漂っていることに、気がついた。

「あぁ、花のいい香りがするわ」

草臥れた私を慰めてくれたのは、玄関の前に植えた夏ミカンの樹に、

白いレースをふんわりと掛けたようなクレマチスの花だった。

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「アルマンディ」という早咲きのこの品種は、確かヒマラヤの辺りが原産地だったと思う。

花のサイズは小さいが、夏の夕べに白い花を無数に付ける仙人草によく似ている。

しかも、英語では Traveler‘s Joy (旅人の喜び)という。 

洋の東西を問わず、ちょうど私が今感じているほっとした気持ちと同じなのだろう。


それにしても、つくづく思うことは、命のありがたさだ。

妹は人一倍正義感が強く、社会の悪に敢然と立ち向かう強い精神と、

登山やトレッキングの経験が長く、世界各国へ単身で花を訪ねる旅をしてきた丈夫な身体なので、

本人はもとより誰も心配などをしたことが無かった。

ところが、昨年の夏、ひじょうに悪い病気にかかってしまった。

せっかく定年の前に退職し、自由な時間を有効に使うはずだったのに・・・・。


私ならすぐにめげてしまうところなのに、

冷静な態度で客観的に自分の病気を理解するために、医師たちに質問を投げかけ、

原因をはじめとし今どのような状況か、対処法などについて納得がいくまで説明をうけたという。

いよいよ、病院でこれまでの検査結果や病状を照らし合わせて病名を告げ、

これからの対策をたてる日となった。

私達姉妹は互いに携帯で連絡を取りながら、結果発表を待った。


午後に妹が受けた電話は、何と「病気が消えている」とのこと!!!

正直のところ、誰もが覚悟をしていたと思う。

ギリギリの絶体絶命でも、逆転することもあるのだ。

彼女の信念と強い意志の力によって病気を退けたのだろうか。

詳しいことは、これから分かってくるとして、

こうした事例が身近にあるのだから、窮地に立たされても諦めてはならない。

Never give up !


これから桜の花が咲く度に、命拾いをした妹のことをきっと思い出すことだろう。

庭からの贈り物

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年を重ねると、1日があっという間に過ぎて行く。

サンタクロースが来る日を、遠足の日、手紙の返事、デートの日や、子供の出産日などを待ち焦がれ、

指折り数えていた頃がなつかしい。

今年の時の流れも、昨年に増してなんと早いことだろう。

頭では信じられなくても、重ねた時間のスピードは庭の草花が証明してくれる。


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今、私の庭にはこんな花が咲いている。

季節の移ろいを桜の尺度計で計ってみると、早咲きの河津桜は花吹雪となって、散っている最中だ。

隣の家の彼岸桜は7分咲きで、ひじょうに美しい盛り。

家の前の染井吉野は、ほんの少しだけほころんだ程度だ。

「時間よ止れ」、とまでは言わないが、もう少しゆっくりと願いたい。

長い時間をかけて花を開いた花々と、いろいろと語りあいたいから・・・・。


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同じ素材でも、クリスタルの卓上花用容器に活ければ、ちょっとお澄まし顔に。

眺めてみると、ムスカリとコリダリス(エゾエンゴサク)のブルーが、際立って美しいことに気付いた。

これから咲くバラの花はピンク系統が多い。

下草として青い花を先行して植えたのは、

お互いによく引き立てあい、ロマンチックな雰囲気を漂わせたいからだ。

果たしてうまくいくかどうか、乞う、ご期待。


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春一番の花束を今年は誰に送ろうか、などと考えなくても、もう決まっている。

明日の4月3~5日は京都で姉弟会を開くので、前土産として京都の妹へ送ろうと決めていたのだ。

さぁ、準備をしなければ・・・。

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