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HOME:広田せい子のハーブガーデン

水色の車いすで

腰痛のために、悲しいかな、スマートに歩くのが難しくなった。
長い距離を歩くのがつらく、人ごみの中へ出かけたり一人での外出は長い間していない。

以来、連載の原稿3本だけは続けることにして、テレビや講演などで人前に出るのを止めた。

ステッキをついて外出すると、
見知らぬ人からでも、必ずと言っていいほど根掘り葉掘り訊ねられたり、
その人の体験を聞かせられたりする。
何より我慢できないのは、勝ち誇ったような笑顔で同情されることだった。

歩く姿の見た目は悪くとも、家事や庭仕事は今まで通り続けてきた。
買い物もちょっとした用事も、車で行くことができる。
それよりも、かえってこれまでよりゆったりとした気持ちで植物の観察ができ、
参考資料と比較して自己流の研究をしたり、新しい文献を読んだりする時間が増えた。

パッチワークや洋裁、編み物などを楽しむゆとりもでき、
超多忙だった日々と比べると、
かなり充実した時間を持てたように思う。

ステッキをついて歩く姿を毎日見ている夫は、
早い段階から[車いす]に乗ることを勧めてくれていた。

しかし、かたくななまでに車いすに乗るのを拒んだのは、
一度乗ってしまうと、
体調がより改善すると信じ続けていたことを、自ら諦めてしまい、
病気に負けたことを受け入れるような気がしたからだ。

[私の人生はこんなはずではなかったのに・・・・。
息子たちが独立して何事も心配ががなくなった今、これからは夫と楽しく暮らしていく予定だったのに、
こんな落とし穴があるとは・・・」

何度落ち込んだことだろう。

このような私を慰め、励ましてくれたのは、外界への窓口であり接点ともなっている
マミ川崎先生主宰の「フラワーデザインライフ」に、エッセイを書くことだった。

タイトルは「癒しの香り」 -私の庭からー。

3年目の中盤を迎えたこの連載は、
私自身の来し方を見直し、身も心も癒してくれた草花への賛歌ともなっていたことに気付いたのは、
ごく最近のことだった。

そのきっかけは、マミ先生のフラワーデザイン50周年の記念展で、
トークショウに出演してほしいとい言う依頼だった。
あの時、私は素直な気持ちで、「はい」と返事をしたことをおぼえている。(*5月30日参照)

松屋で用意してくださった車いすで登場した私に、
オーディエンンスは驚きもせず、かといって好奇の目を光らせる人もなく、
川崎景介先生と私のトークで、和やかな雰囲気で終始することができた。

そして、今日はマミフラワーデザインスクールのオープンクラスで、講師を務めてきた。
車いすでの社会復帰はこれで2度目だが、何よりも嬉しかったことがあった。
それは準備してくださった車いすが、私の好きな水色でシンプルなデザインだったことだ。


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ちょうどこのコリダリスの花のような色で、私の着ていた服とぴったりとマッチしているではないか。

リバティの布を98枚はぎ合わせたブルー系のロングスカートに、
白地に青い花が描かれたリバテイのTシャツ、
そして車いすもブルー系統・・・・。

さすが、デザインスクールのスタッフはセンスが抜群!!

参加者の方々は仙台、静岡、北海道など遠くから来てくださった方も多く、
見ただけで花好きな人とわかる。
おかげで心楽しく、クラスを終えることができた。

きれいな色の車いすがこんなに私をハッピーにしてくれたことから考えてみると、
グッドデザインのベッドや歩行器、パジャマ、食器などなど老人向けの品々は
いくらでも開発の余地がありそうなもの。いえ、開発してほしい。

一億総老齢化の日は、間近に迫ってきている。

ドクダミ・コスメ・ファクトリー

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パソコンのご機嫌を損ねたようで、この頃は不仲な関係が続いている。
そんなわけで前回は途中でストップしてしまい、ごめんなさい。


さて、ドクダミ化粧水の作り方をあらためて記してみよう。

まず、採取するのに適した時期は、植物体の成分が充実している開花期がよい。
ドクダミは細いながらも強い根が土中で横に伸び、引っ張ると途中で千切れてしまう。

深く掘ってもなかなか全部取りきることは難しいので、来年の貯金と考えて残すとよい。

集めたドクダミをきれいに洗い、10本ぐらいずつ束ねる。
ざるに広げたり、タオルなどで水気を拭いて半乾き状態にしtら、ザクザクと粗く切る。

清潔な広口瓶などに切ったドクダミを詰め、35度の焼酎を注ぎ入れる。
量の目安としては、ドクダミが空気に触れないように、浸っている状態に、

暗くて涼しい場所に置き、時々瓶を揺すって浸出を促しながら状態を観察する。

3か月もたてば使えるが、半年は熟成させるとよい。
がーぜで漉す、さらに底が盛り上がっているワインの瓶に入れると滓が沈むので、
濁りのない化粧水ができる。

この原液を、冷蔵庫で保存する。
使うときはそのままか、水で薄めるとよい。
あるいは、肌の状態にあわせて掌の窪みをパレット代わりにして、
原液少々にはちみつや良質のオリーブオイルなどを混ぜて使うと楽しい。


仕込みの作業が進むにつれて、
あの匂いはどこへ行ったやら、まるで気にならない。

幼い頃に遊んだ、なつかしい「色水作り」を思いだしてしまった。


*6月15日にもドクダミの記事を書いたので、併せてどうぞ。



ドクダミ・コスメ・ファクトリー ①

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ここ2~3日、各地で30度をぐんと超す気温を記録している。

湿度も高く、じっとしているだけでも汗がわーっと噴き出し、背中をタラタラと流れるのを感じる。

今日は長袖の木綿のシャツ、マスク、作業用の帽子、膝の抜けたトレパン(実はこれが一番働きやすい)

のスタイルで、ドクダミを裏庭からどっさり収穫してきた。

これは、「ドクダミ・コスメ・ファクトリー」こと、自家製でドクダミ化粧水を作るためだ。

風呂やシャワ-を使うたびに、冷蔵庫で冷やしておいたドクダミエッセンスでスプレーをするだけなのに、

さっぱりとした風呂上がりがなんとも気持ちがよい。

作り方のコツは、

葉、茎、根をきれいに洗い、、

水気を切ってから10本ぐらいに分けて、ザクザクと切ってゆく。


PCが不調なので、ここまでに。続く。

弟からの手紙

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福島市の弟から、今年も甘くて美味しいサクランボが届いた。

姉想いの弟は、姉たちが自分で買ってはなかなか食べられないふる里の味を、
旬の季節に送ってくれる。

「あら、手紙が・・・」

輝く宝石のようなサクランボに添えられた一通の手紙。

それは原発による風評被害で悩み、自殺者まで出した福島人の気持ちを代弁していた。

その一部を、書き写してみよう。


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福島の初夏をお届けいたします

ー風評に流されず福島を応援してくださいー

連日福島の第一原発事故のニュースが発信されますと、

国民のすべてが福島 イコ-ル  ”放射能” ”おそろしい場所 ”を連想するようになってしまいました。

福島県民は誰一人として悪いことはせず、真面目に真剣に毎日を過ごしていますが、

洗脳されてしまった他の人たちは、福島への観光を取り止め、福島産と書かれたものを買い控えています。

それどころではありません。福島県人は汚い、近づくと伝染するなど、恐ろしい発想で人種差別までおこなってい

るのが、現実です。

国や東電によって起こされた許すことのできない大人災事故なのに、

何故私たちが風評のために苦しまなくてはならないのか。まさに不条理そのものです。

風評にも負けず、頑張っています。どうか安心してください。

さて、ご存知のように、福島はサクランボ、モモ、ナシ、ブドウ、リンゴ、カキなど、果物の名産地として知られ

ています。このような最悪の状況にあっても、農家の人たちは自慢の作物を丹精込めて作ってきました。

このなかでも、ちょうど”赤い宝石・サクランボ ”が収穫期を迎えましたので、お届けしたいと思います。

1年をかけて愛情いっぱいに育てられた、安心できるサクランボです。

どうか食物の命を殺すことなく食していただければ幸いです。(後略)
                                    
                                 円通時住職 吉岡棟憲


弟の悔しさは、痛いほどわかる。

事故が起きてから100日以上もたったのに、政治家たちは自分のこと、党派のことばかりを考えていて、

一向に事が進まない。後手後手に回る対処策は、危険極まりなく、今や福島だけの問題ではなくなっている。

ふるさとから届いたサクランボが甘くて美味なため、

気持ちはなおさら複雑である。


マートルのウエデイングブーケ

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「お母さん、夜になるといい匂いがするんだけど、何の花だろう」

隣に住む長男が自分の庭で実ったアンズを届けに来てくれた。

「ありがとう。美味しそうなアンズね。花の匂いが素敵でしょう? 

ほら、バラのアーチの突き当たりのところにあるマートルガ咲き始めたのよ。


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アーチの中に見える面白い形の幹がマ-トル。3月下旬の庭。


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5月21日。

花盛りのつる性コウシンバラとコーネリア。マートルがフォーカルポイントになっている。


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和名の銀梅花と書けばいかにも日本的だが、この花は地中海沿岸地方が原産地だ。

私は6月末に、プロヴァンスの山中でブッシュ状に育っているのを見たことがある。

ゲッケイジュに似た香りの葉と濃い紫色の小さな実を、ワイルドな肉料理に使うハーブとして知られるが、

ユダヤ教のホリーツリーであることを知っている人は意外に少ない。

それよりも、ウェデイングブーケの原型はこの花を束ねたものだったという。

愛らしいまん丸のつぼみが無数に付き、純白の清らかな花が次々と咲いていくことから、

豊饒のシンボルとして、花嫁が手にする花となった。

その後、同様の意味合いからオレンジの花が使われ、今ではフリースタイルとなっている。

ところで、先般行われた英国のロイヤルウエデイングでは、ケイト妃が手にするブーケが注目を浴びた。

残念なことに、私は何度かテレビ前の席を立ったので確認が出来なかったけれど、

フラワーデザイン関係の方が「やはりマートルだったわ」と教えてくれた。

そうか、やっぱりねえ。でもこの花をブーケにする場合は一つだけ欠点がある。

それは散りやすいこと。

細い糸のような蕊、5弁の薄い花弁があっという間に散ってしまうのだ。

もしかしたら、ダミーをいくつか作って途中で取り換えているかもしれない。

今度ビデオを見るときは、この点に注目しよう。

ここから始まる。

日曜日の朝、メール便が届いた。
差出人は、広田泉 とある。

彼は私の次男で、父親と同じカメラマンの道を歩み出している。

「何だろう」とつぶやきながら封を切ると、

中から現れたものは、横長のこの本だった。


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あの3月11日の東日本大震災が起きた時、

彼は明日の撮影会で講師をつとめるため、「ひたちなか海浜鉄道」の下見に訪れていた。

そこへ突然襲った地震を、彼は「車が跳ねた」と表現している。

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写真はまだまだまだ続く。

車両が写っている写真を選んでしまったが、胸を打つ作品も少なくない。

ページを繰りながら、気がついたことがある。

それは昼の間に撮影した写真がほとんどなく、夕方や早朝の写真が多いことだ。

聞いてみると、彼は週末には物資を運び、現地でボランテア活動を続けてきたという。

そのため、ボランテアの仕事を終えてから撮影するので、日中の作品が少ないのだそうな。


このボランテアと写真集の出版のことを知ったのは、つい最近のことだ。

しかも自費出版で、利益が出たら、被災者への義捐金として寄付をするという。

こんなことを書いたら叱られそうだが、

ついこの前までは子供だったのに、いつの間にかおとなに育っていて嬉しい。

40歳を過ぎても、子供は子供だとばかり思っていたのに、ついほろりとくる。

彼のこの写真集が売れると、被災者の方々へ届くのだから、私も協力しなくては・・・・。

というわけで、どうぞよろしくお願いします。


http://shop.home-3.com/?pid=32190916

問合せ先 info@home-3.com

そ、そんな・・・

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16日のブログに記したように、メダカが孵化した。

小さな命が生まれたことに感激し、一日中わくわくしていたが、

接写するのは難しいので、夫に撮影を頼むことになった。

しばらくすると、「おーい、見てごらん」と夫の声。

「はーい、今行きます。

写真写りが良いように赤ちゃんメダカをあやしてくれ,なんて言わないでね」

冗談を言いながら,子メダカハウスを置いてある玄関へ行った。

瓶の中をしげしげとみると、メダカの動きが妙だ。

くるっと身を曲げたり、ばねを効かせて弧を描くように水中を飛んだりして、

動きがどうも活発すぎる。眼を凝らしてよく見ると、ま、まさかそんな筈はない・・・。

[そうだよ。これはボウフラだ。ボウフラってことは蚊になるんだよ。

わかってるのかねぇ」と、夫はあきれ顔だ。

へー、いつ入れ変わったのだろう。確かに水草に産みつけた卵を確認しているのに、

おかしなことがあればあるもの。

おそらく、親メダカが自分の卵を食べた後、隔離されて空っぽになった瓶に、

蚊が卵を産んだのではないだろうか。

とにかくこれは蚊だ。はてさて、どうしたものか。

・・・・・・・・。

考えた末に出した結論は、このまま続行。

蚊の羽化もめったに見られるものではない。ただし、蚊になった時に家の中で血を吸われるのは困る。

自由に飛び出さないように、瓶の口にストッキングをゆったりとかぶせ、輪ゴムで止めた。

さぁ、これなら大丈夫。人間を刺すこともないだろう。

今回の「メダカすり替え事件」で、ひとつ面白い勉強をした。

それはボウフラの漢字である。

パソコンには載っていない字なので、ボウフラで検索してみよう。

またもや、皆さんの[へぇ・・・]というおどろ声が聞こえてきそうでならない。

評判の良いねぎみそ

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この頃の子供たちは、味噌離れをしていると聞いた。

若いお母さんたちは、味噌汁よりはカップヌードルのほうが美味しいし、簡単だからという。

味噌は日本が誇る発酵食品だが、難しいことを述べるよりも、まずは美味しく食べてみよう。

例えば我が家発で、息子たちの家からよくリクエストが来る、
ネギ味噌を試しに作ってみては? きっと病みつきになることだろう。

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昔どこかで味わった、なめ味噌の味を思い出しながら作った常備菜だ。

白いご飯によく合い、野菜ステイっクに着ける、おにぎりの中や弁当の隅に入れたり、

バターやチーズと意外にマッチするの、でトーストに薄くつけると美味しい。

また、ちょっと甘めだがお椀にひとつまみ入れてお湯を注げば、即席みそ汁になる。

分量を一応入れてみたが、これは全部アバウトなので、ご自分の好みや材料の有無などで、アレンジするとよい。

作り方 
① フライパンでごま油を大匙2ほど弱火で熱し、
いりごま白を大匙3、松の実大匙3を加えて焦がさないようにゆっくりと炒める。

② ニンジン1本、玉ねぎ小1個をすりおろして①に加える。

③ カツオブシ粉大さじ4、赤ザラメ大匙4(どうぞ、好みの甘さに)、みりん大匙3,赤味噌カップ1を加え、木杓子で練るようにしてよく混ぜる。途中から弱火にかけて練ると、砂糖も溶けて混ぜやすい。

④ 日本ネギ3~4本は、2ミリほどの輪切りにする。葉の部分も部分も使える。太いネギなら縦半分に切ってから横切りに。山盛りになるが、別の鍋に入れ、水を少し加えて蓋をし、蒸し煮にする。

⑤ ネギの量が少なくなりぺったりしたら、③のフライパンに加える。全体をよく混ぜてから、弱火で時間をかけて練り上げる。

⑥ 一気に作るよりも、味見を何度も行って味を調えるとよい。
火を止めて、鍋を時々休ませ、余熱を利用しながら練り上げるのがコツ。
最後は少し焦がし気味にすると、香ばしい。

* なお、お子さんがいる家庭で、ピリ辛の味が好きな方がいる場合」、
途中で別に取り分けてトウガラシを加えるとよい。
私は韓国産で、種抜きの輪切りトウガラシを用いている。




小さな命

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11日のブログで、メダカの分娩室について記した。
分娩室とは、くだらないシャレで、こんなジャムの瓶だ。

お腹の膨れたメダカを個室(瓶?)に入れて隔離し、
産卵したらすぐにまた親メダカを別にする。
これは卵や孵化したばかりの子メダカを、母親に食べられないようにするためだ。

だいたい10日前後でふ化するようだが、昨年は気がついたら3ミリぐらいに育っていた。
今年こそは、誕生の時からじーっと観察するぞ!!!

まるで小学生のように張り切って、瓶を逆光で見えるようにオルガンの上に置き、
何度も何度も注意深く見ていた。

夕方の5時半、瓶をのぞいたら何かが動いた。
「もしや?」
確かめるために、瓶の縁を爪で弾いてみると、
底に溜まっていたごみのようなものの中から、
小さな小さな黒い点が飛び出して、水中を一人前に泳いでいる!!!

「やったぜ、ベイビー」などとふざけてVサインをしたのに、今夜は私一人だけだ

夫が出張から帰ったら一緒に見よう。

うちで生まれた小さなメダカの赤ちゃん。その命をたいせつに守ってやりたい。


ドクダミはかわいそう

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強く降っていた雨が、ようやく小止みになった。

周りの植物をチェックしながら郵便局へ。

今はちょうどドクダミの開花期で、
日陰になっている道端や、イネ科の雑草の中、隣り合ったアパートの中庭などに、
深い緑色の葉が茂り、遠くからでも白い花がよく見える。

あらら、間違えた。
正しくは、白い花弁のように見えるのは苞の部分で,淡い黄色のブラシ状の部分が花だ。


それにしても、誰がドクダミなどというかわいそうで、誤解されやすい名前を付けたのだろう。
花も清楚で美しいし、丈夫で世話が要らないハーブなのに。
むしろはびこり過ぎるので、困るほどだ。

普通の人は、ドクという文字が入っているだけで毒草だと思ってしまう。
あの一種独特な匂いも、尋常ではないから、仕様がないのかしらん。

名前の由来には諸説ある。

ドクイタミ(痛み)、ドクタメ(溜め)、ドクタメ(矯める)などからドクダミになったといわれ、
別名も「魚せい草」*せいはナマグサイの意味、「地獄蕎麦」などというおどろおどろしい言葉だ。


私は最後の[矯める」からきた「毒を矯める」ではないかと思っている。

矯めるとは、「矯正する」、とか「直す」という意味だからだ。
というのは、この植物は日本薬局方にも記載されている生薬(メデシナルハーブ)で、
解熱や、利尿作用、動脈硬化の予防、抗菌作用に優れ、浴湯料に用いれば皮膚のトラブルを直して体を温める。

このほか10を超す薬効があることからジュウヤク(十薬、または重薬)とよばれている。

このように力説すると、ドクダミ屋のまわし者かと疑われそうだが、
何を隠そう、私とドクダミとの付き合いは長い。

実際にドクダミ湯に入ってみると、肌がすべすべになり、身体が温まってベッドに入ったらバタンキューだ。
化粧水など何もつけなくても、肌が突っ張ることがない。

そうそう、あの匂いは? と心配だろうが、全然匂わないから、気にすることはない。

今日は夕方になってから、少し冷えてきた。
生のままのドクダミをたっぷり入れて
「スペシャルフラワーバス」にしよう。

恥ずかしながら、畑仕事でで汗まみれになり、この年でアセモに悩む年もあった。
ドクダミ風呂は、アセモ予防にもなるから、ありがたい。


あす朝6時・TV朝日をどうぞ

先ほど、

料理家の辰巳芳子先生に電話でお礼を申しあげていたら、

[明日の朝6時にもしも起きていらしたら、

テレビ朝日をごらんになってね」と、おっしゃった。

ワぁ、嬉しい、先生にまたお会いできる。

「先生、番組の名前は何でしょうか」と伺うと、

「タイトル? 学びアイっていうのよね。30分の番組です」とのこと。

早速,調べてみると、ありました。

6月12日[日)テレビ朝日[学びeye]朝6時より

内容は、「日本各地の放送局が、地域の食を入口にして、

各地の絶景映像とともに各地の歴史や文化を学ぶ番組。

今回は大人気の辰巳芳子さんが特別出演、日本の食を語る」とある。


明日はどんなお話をなさるのか、楽しみ楽しみ。

寝坊しないように、ね。



尾ひれの付いたお友だち

今年の夏の暮らしは、いったいどうなるのだろう。

やはり計画停電があるのか、ないのか、
天気予報の見通しは、冷夏か、猛暑か。

この2点だけでも、
場合によってはルーテンワークの水やりと生き物の世話が不可欠となり、
夏の計画はガラリと変わる。

冷たい言い方だが、家を留守にする泊まりがけの旅などは無理だから、前もって諦めておくとよい。

私の場合は、とうに諦めている。
庭の水やりと、この玄関先に置いた鉢やら壺の生き物の世話が足止めとなっているからだ。
それほど大切な生き物なら、さぞかし珍しいか、高価なものだと思われるだろう。


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残念ながら、メダカにドジョウ、コブナ、タニシ、金魚類( コメット、シュブンキン、ワキン )、
コイ(ヒレナガゴイ)などの、雑な小魚ばかりだ。


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以前の庭には、小さいながら池を作ったので、全部一緒に飼えたし水管理も楽だった。

ところが今は、それぞれ種類別に世話をしているので、1日でも目を離すのが怖い。
特に夏場は、温度が上がるから心配だ。

毎日、我が子のように可愛がっていると、足音がしただけで寄ってくる。
ほんとうは餌をねだっているだけなのだが、
こんなことでもコミュニケーションが生まれるのが素敵だ。

手を水の中に入れてやると、
いつの頃からか、ごあいさつのつもりで(本当は餌とまちがえて)、
私の指をなめに来る習慣がついた。


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こんなときはたまらなく愛らしいと感じるが、
忙しいときはわずらわしい。
代わりにカエルのおもちゃの指先を、しゃぶらせている。

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それぞれの容器は、尾鰭の付いた友だちのハウスだ。
この火鉢に住むメダカは昨年の秋に生まれ、冬を越したつわものばかり。

ちなみに、玄関を入ったところに置いたオルガンの上には、
分娩中のメダカのガラス瓶が、2個置いてある。

こうして書いてみると、いい年をしているのに、私ってバカだなぁ・・・・。


6月29日に、オープンクラスで

69歳のルーキーが、

今度はマミフラワーデザインスクールのオープンクラスで講義をする。

期日は6月29日、タイトルは「ハーブの楽しみ」。

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大きくくったのは、

はてさてどの話をしたらよいものか・・・・、嬉しく悩んでいるところだ。

たとえば、約3年に及ぶ休暇中に学んだことや新しい体験、

これだけはぜひ伝えたいこと、

利用法や栽培での新しい発見などなど、

話したいことが山のようにあるからだ。

一般の方も受講できるので、詳しく知りたい方は下記へどうぞ。

★ お問い合わせ先  フリーダイアル 0120-378-786



sayasaya と

あなたは、草花などを扱っているとき、
絡まりあった花や葉っぱをどうしているだろうか。

たいていの人は、「えい、やっ」と、両方を強く引っ張って、
だめにしてしまうことが多い。

私も昔は同じようなことをしていたが、
母から教わったおまじないを使うと、面白いようにうまくいく。

その方法とは、
絡まりあっている植物をそれぞれ右手と左手に持ち,
[sayasaya」とささやきながら、やさしく小刻みにゆっくりとうごかすのだ。

胸の高さぐらいの高めの位置で、
突き出すようにして「さやさや」をすると、しだいにほぐれてくる。

後はそうっと外せば一件落着。

応用編としては、バラのとげが引っ掛かったとき、
特に背中などのように見えない部分のときは、
逃げずにぶつかっていくようにすると、トゲがはずれる。

この「さやさや」は、
こじれたれた人間関係の修復にも、功を奏するようだ。


ガーデニングは痛みどめ?

梅雨の晴れ間にせっせと花がら摘みや、雑草取りをしている。

本来ならば、雑草取りをしたら地面に空間ができるはずなのに、
いつもかえって混雑状態になってしまう。

それはなぜか。
コボレダネや実生で発芽した株を見つけるとていねいに植えてやり、、
まだ生きている親株を引き抜く勇気がなくて、長生きをするように切り戻しをしてやる。
だから、結果的には前よりももっと込み入った状態を呈するというわけである。

腰痛で医者通いをしているが、
中腰で行うことが多いガーデニングは最も良くない行為とされ、
ドクターストップがかかっている。

確かに理解はできる。

しかし、作業中は痛みなど忘れ、嬉しそうに作業をしているのと、
家の中でいらいらしながらじっとして、ストレスをためるのと、
どちらがよいのだろう。

悩んでいるのをみせてしまったが、
痛いのは本当につらい。

それでも、庭仕事は私にとって最もよく効く痛み止めなのだ。

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誰がハートを描いたか

夏のような日差しが、無防備の肌にチクチクと刺さる。
おもわずバラのアーチの下に逃げ込んで、
セットしておいたアイアンの椅子に腰を下ろした。

ここは涼風の通り道で、
酷暑でも猫が気持ちよさそうに昼寝をしていることから見つけた、
パワースポットだ。

気持ちのよい風にぼんやりとしていると、
見るともなしに視界に入っている葉っぱに、白い塗料でハートが描かれている。

さらに眼を近づけてよくよく見ると、ヒエー!!!

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白いのは塗料ならぬ虫の卵であった。

しかし、見れば見るほど見事なハート型ではないか。
ばらのローブりッターだが、ほかの品種はどうだろう。

すーっと観察していれば、
バラの葉を食草にする虫がわかるというもの。

夏休みにはまだ間があるが、私の自由研究だと思って、観察をしてみようかな。

サワーチェリーの数を数えて

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昨年はたったの2個しか成らなかったサワーチエりー。

今年は緑がかったクリーム色のさくらんぼが57個、枝に残った。

深紅に色づくのは、時間の問題。
とばかりに安心していたら、
どうもおかしい。

色づいているのは、11個だけではないか。

一瞬、ヒヨドリやカラスを疑って、ごめん。

樹の下に色づくことのなかったしなびたサクランボがたくさん落ちていた。

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生きるって、たいへんなこと。

じっと見ていたら
サクランボに後光が差した。

名残のブーケを

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雨が降るたびに、庭の花が終わりを告げていく。

あの花もこの花も・・・。

もう1週間早かったらもっといろいろな花があったのに、残念でならない。

というのは、南こうせつさんのコンサートが、今夜麻生の総合会館で開催される。
うちから車で20分もかからない距離なので、夫と妹と出かけることにした。
さて、手土産に何がいいだろう。
夫の発案で、ステージ疲れを癒してくれる香りのよいブーケを作ることにした。


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今は6月。春の部の幕を下ろし、夏の部の幕を上げるまでの幕間。
言いかえれば端境期で、名残の草花やハーブ類ばかりだ。                                             

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束ねてしまうと一方方向からしか見えない。
そこでこのように、真上から撮影してみたが、思っていたより素敵だ。

さ、もう一度水切りをして、ブーケを作ろう。

ラッピングは、こげ茶色の張りのある紙を用意している。

急がなきゃ、急がなきゃ!!!

キクラゲの警報

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「木耳」と書いて,キクラゲと読む。

英語でもJwe's Ear (ユダヤ人の耳)というのは、
ふっくらというかぷよぷよとした形が耳に似ているからだろう。

このキクラゲが、シンボルツリーの西洋菩提樹の幹から生えた。
雨に濡れているときは、もう少しゼリー状にみえる。

我が家でキクラゲが自然に生えたのは、これで2度めになる。
下の庭がまだあった頃、隣の家との境界にセイヨウニワトコを植えていた。
そのニワトコが枯れ始めるにつれて、キクラゲが生えたのだった。

ちなみに、キクラゲの別名で Juda's Ear ともいうのは、
キリストを裏切ったユダが罪を恥じて、ニワトコの樹で首を吊ったという言い伝えによる。

キクラゲは広葉樹に生えるが、うちと同様に特にニワトコによく発生するそうだ。
この樹を伐ると生臭いようないやぁな匂いがする。
そのために嫌われ、「ユダの耳」と俗称でよばれるようになったのではないだろうか。


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菌類のキノコは枯れた樹などの養分を摂って、生長する。
ということはもうすぐ枯れてしまうのだろうか。

あわてて、友人の植物設計家に相談をしてみたところ、

「あぁ、あの樹はもともと寒い地方の樹だから,こんな暑くて湿気の多いところでは無理なんだよ。

植えてから20年? いい方じゃないの、よう頑張ってくれたと思わなくちゃ。

しかし、いくつか案があるからそのうち見てあげような」

あぁ、持つべきものは友。

それにしても、目に着きやすいキクラゲという形で寿命を知らせてくれた自然のアラーム装置には、
ただ感腹するばかりだ。

何としても、この樹の命を救いたい。

エールフランスに乗ってやってきた、
プロヴァンス生まれのテイユールよ、いっしょにがんばろうね。

雨の日はことことと

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今年は、気がついたらもう梅雨入りだった。

梅雨の晴れ間に急いでした洗濯物は、パリッと乾かないし、
庭用のサンダルもしとっとして気持ちが悪い。

小止みになるとバラの花がら切りや、
咲き終わったプリムローズやクリスマスローズなどを、ポットにあげる仕事が待っている。

雨脚が強いときはじたばたしても無駄なので、
キッチンで煮物の火加減を見ながら、縫物をすることにしている。

今日は佐賀県から届いた、山椒の実がある。
ちょっと触っただけでも指が山椒の枝に変わってしまったと錯覚するほど、
このスパイシーな香りは、まさにアジアのハーブではないか。

まだ少し若いので、祖母から教わった、
日保ちよりも風味を生かした当座煮を作ることにした。

① 山椒の軸を手で取り除き、ばらばらにする。

② 鍋にお湯を沸かして静かに①を入れ、とろ火で5分ほど煮る。

③ ぎろぎろした油が浮いてくるので捨て、ぬるま湯を加えて②~③を2、3度繰り返す。

④ ひと粒を噛んでみて、まだ香りとしびれるような味が残っているうちに、
  酒少々と生醤油、水を加えてことことと煮る、

⑤ 煮詰まる寸前で火を止め、完全に冷めたら瓶などの容器に詰め、冷蔵庫で保存する。

祖母は口癖のように「山椒の実は、体に入った毒を殺してくれるから、毎日食べなさいよ」

といっていたのを思い出す。


利用法は幅広い。

カブや大根などの漬物に、煮魚、おにぎり、吸い物、チラシ寿司や混ぜご飯に・・・。

山椒とはちょっと混ぜただけで食欲が増すばかりか、

夏場には「毒消し」として、お腹を守ってくれる大切な薬だ。


こんな写真を撮りたかった

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私がガーデニングを飽きもせずに続けてきた理由の一つに,
草花を組み合わせたこんな絵柄を、
いつか構成してみたいと思っていたことをあげたい。

条件は、全部自分の庭から摘んだものであること。
構成を自分が行い、写真も自分で撮ること。

なぜこんな条件を付けたのか記憶にないが
きっかけっはっきりと覚えている。

1985年の夏。ハーブガーデンの調べごとをするためにイギリスへ出かけたことがあった。
訪ねた先はほとんどがカントリーサイドのマナーハウスやコテイジ、大学とか町の庭などで、
ロンドンへはあまり出かけなかった。

帰国も間近に迫った頃、
お世話になっていた家の奥さんが
「車でロンドン出かけるから、よかったらつれていってあげましょうか」と声をかけてくれた。

いつもはセーターとスカート姿の奥さんしか見ていなかったが、
シンプルなブラウスに絹のスカーフを肩にかけ、
カメオのブローチで止めたおしゃれぶりには、すっかり見とれてしまった。

とりわけ目を惹いたのは絹のスカーフで、フェンディのタグがついていた。
野の花と小さめの花壇の花々が咲き乱れ、その中には知っている花も数多くあった。

一見手描きのように見えるが、よくできたプリントで、
鮮やかな色でも上品に見える。

あれから37年・・・・。
京都の友人へ花を送ろうと庭に出たが、
先ほどまでの大嵐でめぼしい花はほとんど傷んでいて、
小さな花しか残っていない。


板の間に広げて水揚げを行っていたら、目の前がすっきりし、
「キョウコソナンデモデキル」 という気持ちになってきた。

思い出に頼らずに、きれいだと思う自分の感覚を頼りに
花で絵模様を描いてみたのがこの作品(?)である。

花屋に頼んでも、おそらくこれだけの花材は揃わないだろう。
品種の問題だけでなく、同じ場所でえこひいきなしに育てないと、
この調和は生まれないのだ。

さて、今度はあの色鉛筆で一輪一輪描いてみようかな・・・。












































































































































































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