HOME:広田せい子のハーブガーデン

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ハラペーニョの味噌漬け

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急に涼しくなったせいか、トウガラシ類の色づきがよくなってきたようだ。
しかし、肉厚のハラペーニョたちは鈍感なのか、全然温度に反応しない。

今年は鈴なりなので、緑色のうちにピクルスや塩漬けにしたが、
ふと思いついたのはぬか漬けのこと。

よく腐敗防止に乾燥トウガラシを加えので、フレッシュなものでも効果は同じのはず。
しかもハラ7ペーニョの果肉は、シャキシャキ感があって歯触りがよい。
丸ごとぬか床に入れ、ぬかの風味と塩味が付いたところで種をこそげ取り、
皮の部分だけを食べたら美味しいかも・・・。

うまくいったらお慰み、報告をお楽しみに。
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無臭ニンニク妊娠中

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野菜かごの中に、見たことのない白っぽいものが転がっている。
何だろう。
しばらく眺めているうちに、
7月末に猪苗代湖のの朝市で買った「無臭ニンニク」を思い出した。

買った時も普通のニンニクの2倍はあって驚いたが、
今は私の握りこぶしと同じぐらいの大きさになっている。

手にとって触れてみると、ごつごつした感じがする。
白い和紙のようになった外皮をはがして行くうちに、
小さな鱗茎がポロリ、ポロリと面白いように落ちた。

以前、流行した「妊娠玉ねぎ」のように、
未熟な果実の中で増殖する性質があるのだろうか。

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バラしたところを写真に撮ったので、この倍の大きさで想像してほしい。
肝心の無臭のことだが、生でも加熱しても確かに匂わない。
「プロヴァンスのバニラ」とよばれるほど、美味しそうな匂いが素晴らしいのに、
エチケットやマナーのために品種改良されたと聞いた。

スパゲッテイの「アリオ・エ・オリオ・コン・ペペロンチーノ」や、
焼き肉のたれなどの料理に使ってみたら、まことにつまらない。
全体的に間が抜けたボヤーっとした、締りのない味になった。

しかし、元気の出る食材だから働き盛りや育ち盛りの家族のために、
匂いを気にせずシチュウやカレー、ソースなどに、朝から使えるのが嬉しい。

ちょうど今が植え付け時だ。
これを全部植えたとしたら。来年の収穫はどのくらいだろうか。

今夜はミス・マープルと

世界中で、聖書、シェイクスピアの次に読まれている本はなーんだ?
正解はアガサ・クリスティの探偵小説だとか。

彼女の生誕120年を記念して、代表作のテレビドラマがNHKのBS2でオンエアされている。
今夜はシリーズの第3弾になるが、
月曜日から金曜日までの4日間は夜の9時から、たっぷりとイギリスの空気に触れることができる。

アガサはエルキュール・ポワロとミス・マープルの名探偵を世に出した。
数年前にもそれぞれシリーズで放映されたが、
私はジェラルディン・マクィーワン演ずるミス・マープルのほうが女性同士の近親感があり、
見所も多くて、充分に楽しんだ。

舞台はセント・メアリー・ミードという架空の住宅地。
どの家でもガーデニングが盛んだ。
庭にはどんな花が咲き、どんなデザインや世話が流行りなのか、植木鉢まで気をつけてみよう。

家の中も興味深い。
庶民階級もあれば、アッパークラスの御屋敷も出る。
執事から小間使いまで召使いのお仕着せや、壁紙とかカーテンの模様まで私は目を皿にしてよーく見る。
ときどきウイリアム・モリスのデザインがあったり、有名な家具が出てくることもある。
当時の車がこれまた素敵で、タクシーにいたるまで楽しめる。

食器やティセットなども凝っているので、楽しむべし。

何よりも好きなのは、ミス・マープルのファッションだ。
重ね着の名人でいつもぐずぐずと、ニットやブラウスを長めに着ている。
ちょっとの時間を見つけては、信玄袋のような手下げから毛糸を取りだして編み物をしている。
しかし、指使いが変わっていることまでは気がつかなかった。

さすが、編み物の達人の目の付けどころは違う。
詳しくは、

http://www.trenteetun.com/ あるいは トランテアン

で検索し、トップページの右側にある項目の「糸偏生活」をどうぞ。
これでさらにドラマが楽しくなるはず。

いけない、もう始まる!!!


愛しのベビーリーフ

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「美味しいサラダが食べたい」
スーパーで売っているレタスやサラダ菜などは,高価なうえに、
出荷前にかなりの薬を使っていると聞いたことがある。

連日のこの暑さだもの、
野菜の種子を蒔いても無理とは分っていた。
けれども万が一ということもある。
去年の使い残しのレタス類にロケットの種子をミックスして蒔いてみたのが、
たぶん9月10日前後だったと思う。

案の定、朝夕水をやっても緑の双葉はちらっとも見えない。
その後、ひょろひょろとした芽が数本出たには出たが、溶けてしまった。
発芽適温を無視したり、買うとお高いからなどという動機がよくなかったのかな?
植木鉢をかた寄せて、そのまま忘れてしまった。

今日は午後から雨が降るという予報なので、庭の雑草取りに精を出した。
涼しいので汗をかかないし、蚊がいないのではかどること・・・。

何よりも嬉しいのは雨上がりだから土が柔らかく、
大きめの雑草でも気持ちがよいほどスカッと抜ける。

抜いた草を植木鉢を置いているコーナーへ運んで行くと、
一つだけ緑色の鉢がある。???
あっ、あれはあの諦めて放っておいたサラダ菜ミックスの鉢ではないか。
置き場所を涼しい場所に変えたのと、この数日間の雨と寒さで発芽したのだろう。

何とkれいなな緑色で、やわらかそうなこと・・・。
「こんにちは、ベビーリーフちゃん」

困った、食べるのがかわいそうになってきた・・・。



宝石のようなトマト

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昨夜もかなり降ったようだ。

庭に出ると、葉焼けを起こしていたトマトが元気に活き返っている。
秋、冬用の野菜類を植えるために、もう抜かなくてはと思いながらも決心がつかないのは、
小さいけれど青い実がたくさん付いているからだ。

プロとアマの違いは、計画通りに進行するのがプロだそうだが、
私は立派なアマチュアなので、いまだに抜けないでいる。。

午後から、これまで撮りためた写真の整理を始めた。

野菜はそれぞれ備わっている個性的な特徴が魅力だが、、
トマトの品種には、見ていて飽きないフォトジェニックな楽しさもある。

「何んときれいなトマト! まるで宝石みたいね」
独り言をいいながら、友人から届いたトマトも一緒に、
パチリと写したのがこの写真である。


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たくさん収穫できたので、美味しいうちにお福分けをしよう。

美しいもの、優しいものがお好きな先生には
小さなバスケットにトマトを彩りよく詰め合わせ、
庭から摘んだ小さな花のブーケを添えて、お届けしたら、
早速お電話をいただいたっけ。

「宝石のようなトマトをありがとう。」と。


* ちなみにこのバスケットは、昨年の暮れごろに編んだもの。
  素材はヘクソカズラ。もちろん、臭くない。


ロウ・メンテナンスの庭に

来年用のカタログが山のように届いていたのに、
汗ダラダラの毎日では、ページを開くのもうっとうしくて、そのままにしていた。
台風の影響で、今日は一日中雨だ。
昨日は32度の暑さで汗が止まらなかったのに、今日の寒さはどうだろう。
昼はタートルネックの木綿のセーターに長袖のブラウスで、
夕方からはウールのヴェストを重ね着している。

普通は1時間はかかる朝の水やりが要らないので、
久しぶりにカタログとインターンネットを開きっぱなしにして、、
来年のガーデン・プランニングについて考えてみた。

コンセプトはロウ・メンテナンス。
すなわち、「手間いらずの庭」を心がけて
間もなく迎える70代でも「らくらく園芸」を楽しみたいと思うからだ。

これまでの経験からヒントを得たのは、「宿根草と球根」を上手に使うこと。

どちらも一度植えたら毎年芽を出し、手をかけなくても次第に増えたり株が大きくなる楽しみがある。
植える場所と開花期間を上手にプランニングすれば、1年を通してどこかに何かが咲く。
ただし、マンネリにならないように、わくわくする植物を時にはプラスしたい。


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たとえば、原種系のユリは咲くまで待ち遠しく、バラや西洋系の草花とよくマッチして嬉しかった。

これはマルタゴン・リリーの白。
花弁をくるりと巻きあげた花容は、まるで天使のようだ。

マルタ騎士団ゆかりのマルタ島が原産地かと思ったら、
ヨーロッパからシベリアにかけて分布している。
植えて1年目で背丈ほどに育つので、
ここだけ飛びぬけて高くならないように、周囲とのバランスを考えて植え場所を決めたいもの。

来年用にピンクのマルタゴン・リリーを注文したので、楽しみ。


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黄金オニユリ。花壇の中でここだけスポットライトを浴びたように輝いていた。


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赤カノコユリ。綺麗なピンクの筋が入った魅力的な花弁。


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コオニユリ。正月料理用のユリ根の売れ残りを植えたら、こんなに立派な花が。

このほか4,5種類のユリを植えているが、
いかにも夏を思わせる、手間いらずの球根植物だと思う。

小鮒の佃煮

昼ごろ、男の人から電話があった。

もじもじしながら、「長野県の・・・」と口ごもり、
「去年注文いただいたのに、物がそろわなくてすみませんでした」
と遠慮がちに話す。

てっきりリンゴのことかと思ったら、
「小鮒がちょうど今最盛期だ」という。

それで思い出したのは、2009・11・17 に記したように、
あの時はなぜか無性に小鮒の佃煮が食べたくて、
自分で作ってみようと思い、長野県の佐久に活きた小鮒を注文したのだった。

しかし、鍋の中で小魚がのたうち苦しむさまがまぶたに浮かび、どうしても殺生ができない。
一晩悩んだ末に断りのメールを入れるところに、先方から、
「もう小鮒ではなくなっているので」、と電話が入り、
「それではまた来年」ということになったのだった。

やれやれ、良かったと胸をなでおろし、あれ以来すっかり忘れていた。
しかし、今回は
「小鮒と似ている金魚やメダカを可愛がっているので、自分で佃煮は作れないんです。
御親切に連絡していただいたのに、すみません」と、はっきり断ってしまった。

こんなしおらしいことをことを言っても、
自分で手を下さないなら、海老の踊りや生白魚、鯵の活け作りなどが大好物なのだから、
私はなんといい加減なのだろう。

そして、やはりまだ小鮒の佃煮が諦めきれない自分に気づいている。

出来合いの甘くてべたべたする商品でなく
生醤油と酒でさっぱりと煮た家庭的な味の小鮒の佃煮を、売っているところはないだろうか。

青い林檎の不思議な力

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「広田さーん、お荷物、ちょっと重いですよ」
玄関まで運んでもらった大き箱は、、
ふたを開ける前から、中身はわかっている。
さわやかなリンゴの香りが、箱の中から漂い出しているからだ。


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今年も届いた、英国生まれのクッキング・アップル・・・・。
その名は、Bramley’s seedling といい、
私たちが親しんできた今までのリンゴと、まるで違う特性を持つ。

形はやや扁平で、表は頬を膨らませた顔に似て、後ろはぷっくりとしたお尻のよう。
サイズは大小さまざまだが、つやのある果皮はやや厚い。、

最大の特徴は酸味が強く、生で一切れ食べただけで震え上がる人もいたとか。、
果肉は白くて硬いが、いわゆるボケるのが早いこともある。
独特の芳香に癒やしの効果があるようで、部屋の中に数個置いただけでハッピー気持ちになれる。

香りと酸味は加熱しても消えない。
信じられないほど短時間で火が通るため、
パイのフィリング、ソース、ジャム、チャツネ、ソルべ、煮込み料理などに適している。


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信州の小布施でこのブラムリー栽培を始めたのは、ちょうど20年前のことだった。
イギリスから品種の導入にあたり、
見事に縁組をまとめられたのは初代英国王立園芸協会日本支部の理事長A氏で、
理事の私はほんの少しお手伝いをした。
ただそれだけなのに、自分がかかわった外国の果物が生長し、
鈴なりに実をつけるようになったことは、ただただありがたい気持でいっぱいだ。

それにしても、この青い林檎には、人と人を結びつけ、
より良い状況へ導びく不思議な力を秘めているように思えてならない。
そのあらましは、以下のブログの隅々まで読んでいるうちに、よくわかる。

ブラムリーファンクラブ

blog.livedoor.jp/apple5555


2003年、ブラムリーのキーワードで知り合った3人の女性が、
それぞれの場でこの林檎について調べ、行動し、
ブログというステージでフルに発表している。

一般的にいって3という数は、
女性の友情を長く保たせるのには難しい数といわれている。、
ところが、彼女たちの知性と教養に裏打ちされた知的好奇心で、
ブラムリーについてさまざまな情報をゲットし、惜しげもなくブログで紹介をしてきた。

ファンクラブ発信のブラムリーにまつわる情報や現物などから、
可能性を見出したシェフや企業が動き始めている。、

また、小布施から始まった食の文化による村おこしは、
近隣にまで気運が伝わり、何が起こりそうな予感がたかまっているとか。

「蒔かぬ種子は生えぬ」という諺のように、
彼女たちがブログ畑に種子を蒔いたから、芽が出始めた。
ちなみに、Bramley’s seedling の seedling とは実生の意味である。

ファンクラブのフィールドに、種子を蒔いている多くの人々は、
いつかきっと見事な果実を味わう日がくることだろう。

江戸時代の薬草園

クズの花といえば、
古い薬草園と「本葛の里」を、奈良県の大宇陀町に訪ねたことがある。

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月日のたつのは早いもの。数えてみたらおよそ30年も前の話だ。

あの頃、私は江戸時代の本草学について興味を持っていた。
本草とは薬草のことで、すなわちハーブに該当するからだ。

話は遡るが、幕府が江戸城内に最初の薬草園を開いたのは、寛永15年(1638年)のことである。
八代将軍・松平吉宗が、国産奨励の一環として、
漢方薬の栽培と普及、国産の生薬作りを奨励したため、各地に薬草園が作られていった。

このプロジェクトにかかわる役人たちも全国へ視察に出掛け、
さまざまな職方で優秀な人材を探し出しては登用し、
実力のある本草家もとりたてられている。

その頃。奈良県の大宇陀に、自ら薬草を栽培し、研究をしている森野藤助という本草家がいた。

彼は幕府の御薬草御用掛りが採集に来た時、御薬草見習いとして出仕し、
大和地方ばかりでなく、関西や北陸地方まで採集旅行の案内と指導を、立派に成し遂げた。
経験に基づいた博識なことや、真摯な人間性などが抜きん出ていたのだろう。

幕府はその労をねぎらい、こうした例は稀有のことだが、
門外不出の珍しい薬草の種子や苗を彼に下賜した。
藤助は自分が集めていた薬草に加えて、この大切な賜り物を裏山に植え、森野薬草園とした。

その後、数多くあった薬草園も時代の波の中に消え、
江戸期の薬草園で現存しているのは、
この大宇陀と小石川の植物園(現在の東京大学理学部付属植物園)の2か所のみとなった。


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青葉が目にしみる季節に、私は森野吉野薬草園を訪ねた。
どのルートで行ったかは記憶にないが、
「桜井」という駅を通過したときに、「青葉茂れる桜井の・・・」と口ずさんだ事と、
レンゲソウやクローバーが咲く田舎道を歩いて行った事を覚えている。

この辺りはクズの生産地として知られている。
中でも400年も続いている老舗・森野吉野葛本舗の裏山一帯が薬草園となっていて、
見学させていただくことができた。
小高い丘のような斜面に付けた小道を登りながら、
自然な感じに植えられた薬草に目をやるという趣向だったが、リニューアルをしたという話も聞いた。
今はどのようになっているのだろうか。

歴史がある庭は、小さな植物よりも年月を経た大木が印象的だった。
初めて見たハナノキやオウバクなどに興奮し、
カミツレやラッシャンヒレハリなどのように、知っているハーブが和名で書いてあるとほっとした。、
こうした個人の庭を400年の長きにわたって管理するのは、容易なことではない。
御当主の努力に頭が下がる。

さて、前置きが長くなったが、いよいよ本葛の話だ。

体調が悪い時や風邪をひいたときなどに、クズ湯を飲んだ経験があると思う。
これはよほどこだわりのある家庭でない限り、クズでなくカタクリ粉で作る。
それでは可憐な花が咲く、あのカタクリで作った粉を使うのか。答えはノー。
正解は何とジャガイモから採る、澱粉でありました。

この例は特別に秘密でもなく、誰でも知っているというのもおかしな話なのだが…。
だからクズの根から作るものに、本物の意味の本を冠して本葛とよぶのだろう。

30年前の見学で、何を覚えていたかといえば、
クズの根があまりにも大きくて、びっくりしたことと、
砕いた根を屋外の巨大なプールに入れて沈澱させ、あくを抜く工程が印象的だった。

なるほど、あの大宇陀の里には、
白くさらすための清らかな水と、根が喜ぶ肥沃な土があったからこそ、
400年後の今まで本葛を伝えてこられたのだろう。

上等なクズは、高級な日本料理や和菓子によく使われている。
京都の鍵善の葛切りは、彼岸過ぎでもまだオーダーできるかな?

あぁ、冷たい葛切りを黒蜜で食べたい!!!

クズの花は何の香り?

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突然、何かジュースのような香りがした。

ここは成田空港近くの里山の端。
例によって夫の撮影に同行してきたのだが、ジュースどころか自販機さえもない。
体をゆっくりと回転させ、注意深く香りの源を探ってみると、
あった、あった。

甘い香りを漂わせているのは、やはりクズの花だった。
この花の香りには、思い出がある。

息子たちがまだ幼かった頃、よく散歩をしたが、
彼らが「ファンタグレープの花」と名づけたのが、クズの花だった。
たしかにあのジュースの香りとそっくりで、よく似ている。
新興住宅地には、クズがあちこちにはびこり、
赤紫の花を集めると、あっという間に花束ができた。

この花は、古来、和歌に詠まれたり秋の七草に数えられているのに、
意外に花を見たことがないという人が多い。

花屋には売っていないので、目にするチャンスがないことは確かだ。
しかし、花を知ってはいても9月の初めというのはなにかとあわただしく、
思い出した時には、もう花が終わっていることも多い。

マメ科に属するクズは、林の入口や屋敷森、垣根などに根を下ろし、
大きな3枚葉の旺盛なつるで、辺り一面を占領してしまう。
今や野山を荒す嫌われ者となってしまったが、
もともとはれっきとした葛根という漢方薬で、
高級食材の本葛はこの根から採るのだ。

我が家の近所は開発されて、クズを見かけなくなって久しい。
しかし、どこかにはあるはず。
息子たちと散歩をした場所を、歩いてみよう。

干天の慈雨

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最初の雨音を聞いたのは、明け方の4時過ぎだった。

起きようか、それとももう少しベッドの中でぐずぐずしていようか・・・。

その時、ボツンという音が頭上の天窓から聞こえた。
「ま、まさか、本当に雨?」、

初めはポツリポツリだった天窓を打つ音も、次第に強くなってきたのに、
窓から見下ろした庭の表情は、水まきをした程度で、少しも変っていない。
それほど長い間、渇いた状態が続いたということなのだ。

風も出て、激しい降りが続いた。
久しぶりに嗅いだ湿った雨の匂いと、
髪の毛がまとわりつくような湿気が妙になつかしい。

遠くで、雷が鳴っている。

ようやく緑の葉がしゃんとしてきたのは、昼過ぎぐらいだった。
十分に水を吸った土は黒々とひかり、雑草までもニコニコと輝いて見える。

今さらながら、恵みの雨のなんとありがたいことだろう。

なにしろ,熱風が吹く砂漠と熱帯夜の状態が長期間続いたのだから、
待ちに待ったお湿りは
植物ばかりではなく、私たちにもまさに「干天の慈雨」であった。

昨日までは、ミンミン蝉とヒグラシ蝉が夏を惜しむかのように鳴いていたが、
気がついたら、コオロギが鳴き始めている。

そう、もう9月だもの。

驚き 桃の木

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今日、大切に残しておいた「おどろき」の、最後の1個を食べた。

このユニークな名前の果物は、晩成種の桃で、
驚くほど大きいサイズ、薔薇色の果肉は硬く、糖度が高いという特徴がある。


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先日、ジャーナリストのK・Iさんから、素敵なお礼状をいただいた。
読んでいるうちに、なつかしいイメージがふくらみ、
爽やかな香りが漂ってくるようで私も嬉しかった。


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“おどろき”桃を、ありがとうございました。
男性的な力強さと、女性的な繊細さを併せ持った、“おどろきの桃”ですね。
滑らかな白桃にも美味しさを感じますが、
歯ごたえのしっかりした桃には、どこか幼い頃の懐かしさを覚えました。(後略)

気がかりなことがある。
この桃園のオーナーが認知症にかかり、後継者もいないという。
来年はこの驚きに満ちた桃を、食べることができるかどうか、・・・。

詳しくは、2009年10月29日にも記した。

ハバネロ色づく

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トウガラシの実りの季節がやってきた。

こんなに長い間、雨が降らないカリカリの夏を経験したことがなかったので、
観察しているとこれもまた面白い。

いわゆるピーマンやパプリカのように果肉の厚い種類は、水分を欲しがり、
水が切れると、表皮にさざ波のような小じわが出る。
テレビのCMなら、ヒアルロンサンとかコラーゲンの出番だろう。

反対に原種に近い小粒のものや、果皮の薄い品種などは乾燥してしまったものも多い。

上の写真は、数年前までギネスブックで辛さ世界一を誇っていたハバネロである。
比較的果皮が厚いほうだが、ランタン型の形といい、
つやつやと照り輝く色艶といい、見た目にもひじょうに魅力的だ。

この猛暑で色づきは早く、辛味も例年よりはさらに強いようである。
「ようである」と、他人事のように書いたのは、一昨年の怖ろしい光景が忘れられないからだ。

あの夏は、工事関係の人たちが毎日出入りしていた。
10時と3時のお茶出しをするうちに、目立ちたがる職人さんがいることに気がついた。
彼は何事にも知ったかぶりをして、なぜか仲間に差をつけようとしている。

あの日も3時のお茶の用意をして、声をかけに行くと。
彼は庭のハバネロの実を手にしながら、若い職人さんの前で、
「これが暴君ハバネロでござい・・・」と口上を述べたとたん、ぱくっと口へ放りこんでしまった。

止めることも、もちろん説明をする間もない。
「あぁ、どうしよう」と思った次の瞬間、職人さんの顔から滝のよう汗が噴き出した。
スローモーションで撮影したかのように、汗が流れ出るのだ。

タオルで拭いても拭いても止まらない。
あそらく作業着の下も、同じように汗だく状態にちがいない。

氷水を持ってきたり、胃壁を荒さないようにと、牛乳を飲ませようとしたが、
そこでうろたえては男がすたる。
彼は何事もないようにふるまっている。
救急車を呼ぼうと思ったが、彼は「大丈夫です」と言い続ける。
救急車などに乗ったら、男の美学に反したと、一生悔んだことだろう。

あの後も平気な顔をして、仕事に来ていたのでほっとしたが、
いたづらに植物をもてあそぶなかれと、と教えられたような思いだった

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ハバネロの世界は、奥が深い。

このほかにもチョコレートやピーチ、クリーム、ホワイトなどカラフルな色と、
面白い形のバネロが、数えられないほどある。

これまで育てた中で選ぶなら、
私は涙の形をした小さな実を鈴なりにつける、ホワイトが好きだ。

どっちがレモングラス?

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地中海沿岸地方を生まれ故郷とするハーブたちは、
連日の猛暑でげんなりしている。

その中でもひときわ生き生きと育っているのは、レモングラスだ。
やはり、高温多湿の東南アジア出身だけあって、この程度の暑さなど何でもないのだろう。
日当たりのよい斜面に大株を植えたのは昨年のことで、、
利用する度に使い残しを親株の周囲に埋めておいたら、それぞれ小さな株となった。
幸いにも暖冬だったので、植えっぱなしで冬を越した。

この斜面は藪蚊が多いので、普段あまり近寄らないエリアだ。
今日はレモンフレーバーのお茶を飲みたくなったので、蚊取り線香を肩から下げて庭へ乗り込み、
まずはレモングラスを、鋏でチョッキン。

あれっ、おかしい。

モングラスもレモンバビーナも、個体に傷をつければぱ香りのしぶきが辺りに立ち込めるはずだ。
ところがまるで反応なし。強いて言えば、青臭い。

周囲の植物などと比較してみると、これはエノコログサであることが判明!

しかも、右側の水平になっている葉の部分だけが、エノコログサなのだから、
ほんとうに見た目だけでは、見当がつかない。
きっとレモングラスの株の上に小鳥がプレゼントを落としていったのだろう。

そして、エノコログサが毒草でなくてよかったと、しみじみ思った。

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