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マリコの恋人?

愛猫のリーが17歳で旅立ったのは、3年ほど前のことだった。

あまりにも悲しかったので、当分ペットを飼わないつもりだったのに、
何処からともなく現われたキジトラの子猫が、庭に住みつくようになった。
いつも日当たりのよいハーブ畑で、丸くなって寝ている姿が愛らしい。
いつの間にか「マリコ」とよぶようになった。

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そのマリコが、この頃庭のコーナーに置いたフェアリーの彫像が気に入ったらしく、
1日に何度もこうして見つめている。

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この小さな彫像は、かなり前に英国の “ Past Time" から通販で取り寄せたものだ。
我が家のように小さな庭にマッチするサイズが、気に入っており、
手のひらにのせた花びらを,ふっーと吹いている妖精の表情が愛らしい。
これまで庭のあちこちに飾ってきたが、
今は長男の家と我が家の境にあるマートルの樹の下が、フェアリーの住処だ。

マートルはアーチの先のフォーカルポイントになるので、シンボルカラーを青に決め、
ブルーを中心とした草花を寄せるつもりだ。
今咲いているのは水色が魅力的なプランパゴとヘリオトロープだが、
季節に合わせてベロニカやワスレナグサ、ムスカリ、イフェイオン、ブルーベル、などを、
少しずつ仕込んで、青い花を絶やさないようしたい。

それにしても、マリコの様子が気がかりりでならない。
もしかして、妖精に恋をしているのかも・・・・・。

テレビが好きなガマガエル

我が家の庭に面した広間には、大きな4枚のガラス戸がある。
ふだんは両端の戸をフィックスしたままで、内側の2枚のガラス戸を開閉している。
今は網戸を使っていて、時々閉め忘れると、思いがけないお客様が来ていることもある。
ハトやスズメ、セミ、カブトムシ、オニヤンマ、チョウチョ、ネコなどでは驚かないが、
昨日はびっくりした後に、思いっきり笑ってしまった。

薬味を摘みに庭へ出て、引き返してきたら、
ガマガエルが大きな液晶テレビの前に、ちょこんと座って大相撲を観ているではないか。
前足を揃え、見上げている姿を想像してほしい。
ガマガエルの大きさは、ミニカボチャぐらいで、背中は汚い茶色。
腹側から背中にかけて、黄色っぽい迷彩模様が入っている。
毎日のように庭のあちこちでガマガエルに出会うが、どうやら10匹以上はいるらしい。
以前は池の周りにいたが、池がなくなってからは植木鉢の下や、
石の陰、湿ったところなどにじっとしている。

何しろ我々が越してくる前から、この地にいたと思われる主だし、
何も悪さをしないので、びっくりはしても、怖くはない。

そうだ、カメラ、カメラ・・・・。
だが、カメラのある部屋へ行くには、どうしてもカエルの近くを通らなければならない。
そうっと歩いたつもりだったが、残念!
ガマちゃんは、そろりそろりと庭の敷石の上を歩いて去っていた。

私が鳥羽僧正だったら、鳥獣戯画巻のようにすらすらと絵筆で描けるのに・・・・・。
たしか、蛙と兎の相撲のシーンもあった。
平安、鎌倉時代に蛙は人気者だったのか、この絵巻物にも蛙の登場回数が極めて多い。
それにしても、あのガマちゃんはどんな気持ちでテレビを見ていたのだろうか。

また来てもいいよ、ガマの介。

小さな水たまり

毎朝、目が覚めると 真っ先に行く場所がある。
T*****? 残念でした。

正解は、玄関前の踊り場に置いた容器で飼っている、
小さな魚たちを見たいからである。

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左奥にチラッと見えるのが、比較的大きな金魚、コメット,朱文金、鰭長鯉などの水甕。
長く飼っているのと情が移るものだ。
私が水甕の傍まで近寄っただけで、水面に顔を出し、水草などをきれいにしているときなど、
体を摺り寄せたり、指をなめるなど、とても慣れている。

これまでは下の庭に小さな池があった。
しかし、長男が家を建てたので、今はもうない。
ホームレスになった魚たちは、仮の住まいとして、プラスチック製の洋服入れで飼ってみた。
その結果、育つ場所や一緒に住む仲間などに、順応性があることがわかった。
それまでは上の庭に池を作ることを考えていたが、水たまりのように小さな容器で、
種類別にトライアルをしてみることにした。

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この青磁色の睡蓮鉢は、メダカハウスとよんでいる。
メダカは、水温が上がると産卵する。
そのままにしておくと親や仲間が食べてしまうので、卵をお腹にくっつけているメダカをすくって、
左隣の耳がついたテラッコッタ、別名、分娩室へ隔離する。


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うちで孵化した稚魚を入れておく江戸ガラスの特別室。
孵化したばかりの1~2mmぐらいの赤ちゃんでも、
イッチョマエにすいすい泳ぎ、1週間もたたないうち餌を食べ始める。


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飛び出さないように金網をかぶせた金魚用の水甕。
この水草は正月用の料理で残ったクワイを、水の中に入れておいたもの。

このコーナーは、ラセンイ、シペラス、アジアンタム、カラジューム、
原種に近いラン類などをあしらうと、いかにも水辺という感じが出るので面白いものだ。


安比高原に咲いた友情の花

安比高原から帰ってもう2週間になるのに、
まだ夢の中にいるような気がする。

心の通い合った友人たちと岩手県のガーデンめぐりをしながら、
笑い声の絶えたことがなかった日々・・・・。

初めて見た、漆黒の天空の隅々まで彫刻を施したような夏の星座、

窓を半分開けたまま眠りにつくと、レースのカーテンを揺らして風が入り、
森の向こうで歌っているカッコウの鳴き声で目覚める幸せ・・・・。

あの楽しかった日々を、思い出しては微笑んでいる。



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今回の楽しい1週間は、
10数年前から盛岡でボランティア活動を一緒にしていた石坂美智子さんを中心に、
それぞれ専門の仕事を持つ3人のお誘いによるものだった。
生まれも年齢もまるで違う、(私を入れて)4人の共通項は、「大の花好き」。

安比高原の「ウイングライト」は、
美智子さんがファミリーで営んでいる家庭的な雰囲気のペンションだ。
しかも、建物に面した庭が素晴らしい。
ウリハダカエデやシナノキを自然風に配して、森の続きの感じを演出し、
木漏れ日を受けたロックガーデンには、咲き競う野の花がタピストリーを織り上げている。

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植えてあるのは、高山植物ばかりではない。
英国の庭を思わせるジギタリス、色とりどりのゲラニューム、園芸品種のヴァーバスカム、
金色に輝くヒペリカム、プリムラなどなど、おそらく300種はありそうだ。
美智子さんの植物好きは、半端ではない。
6時半に朝の散歩で庭に出たら、美智子さんと花談義が始まりl、気がついたら10時半!!!
危うく朝ご飯を食べ損ねるところだった。

「ウイングライトの」の魅力は、家族の仲がよいこと。
料理はご主人の勇さんが担当で、季節を生かした献立が嬉しかった。

安比は、秋のキノコの頃もいいと聞いている。

また、訪ねてみたいところが一つ増えた。

マルベリーのお酒

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昨日、今シーズン初めてセミの鳴き声を聞いた。
もう夏なのだ。
これから、耳がおかしくなるほど、アブラゼミの歌を聴かなければならない。

夏といえば、桑の実(マルベリー)も昨日で最後の一粒を摘んだ。
この写真は、摘み始めの5月21日に撮影しているが、
桑の実も葉もまだ幼い。

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6月に入ると、
長さ2cmほどの実が、毎日手のひらにちょうど1杯ぐらいの収穫がある。
このように黒々として、見るからにジューシーになった果実は、
ヒヨドリやカラスも目をつけているので、夕方か早朝に摘むようにしている。

もっとも美味なのは、「触れなば落ちん」状態で、
完熟したものは触れただけでほろりと落ちてしまう。
薄手のゴム手袋でもはめて収穫すればよいのだが、
面倒なので素手で採っている。
注意深く採ったつもりでも、右手の指先は真っ黒に染まり、なかなか消えない。

思い出したことがある。
友人の話では、指先を使うときは、事務用のゴムサックが便利だという。
S,M,Lのサイズがあり、草むしりにはとても重宝しているそうだ。
なるほど、桑の実摘みにもよいのではないだろうか。

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毎日少しずつ生食も悪くはないが、保存をかねて焼酎に浸けてみた。

その日に摘んだ桑の実を、ビニールの袋に入れてつぶしてから、
砂糖と焼酎を入れた大きめ目のガラスの容器に少しずつ貯め、時々かき混ぜる。
これを冷蔵庫で保存していると、発酵して美味しそうな香りがするようになった。
試飲してみると、ピリッとして、飲み口がよい。
あらら、このまま進むとフルーツの密造酒 ?

酒になったら犯罪者だ。今のうちに何とか消化してしまわなくては・・・・。
ヨーグルトの上にかけても美味だったし、
ジンジャーエールにミックスすると、きれいなガーネットのような色が魅力的だった。

来年は、最初からテーマを「家庭の果実酒作り」に絞り込んでみようカナ・・・・。

ダブルの松葉ボタン

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我が家と、隣り合わせに新築した長男の家との間には、1・5mほどの段差がある。、
両家を往来するには道が必要だが、勾配をできるだけ緩やかにするために、
斜面に く の字を2回続けたような道をつけた。
格好よく言えば、ロックガーデンといいたいところだが、それなりに植物を選んで植えてみた。
例えば、道の隅や曲がり角にクリーピングタイムにエリゲロンやオオブレチア、
土止めした岩の間から匍匐性のロ^ズマリーやエリカが顔を出し、
少し湿り気のあるコーナーには、ペニーロイヤルミンが早くもカーペット状に広がっている。。

嬉しいサプライズがあった。
日当たりがよすぎる場所のために、乾燥に強い松葉牡丹の苗を作っていたが、
一重のはずがなんと八重咲き種で、しかもこんなにきれいだ。

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ほかの色は、金貨の輝きのようなこの黄色と、パールを思わせる白で、
ミックスの種子袋の楽しさを実感している。

梅雨が上がったら、連日の猛暑が待っている。
松葉牡丹ちゃん、グアンバレ!!!

それにしても、ダブルの松葉牡丹のなんと愛らしいことだろう。

金花と銀花

ハニーサックルについて、もう少し。

昨日のハニーサックルの「セロチナ」は、香りがよい品種で知られている。
しかし、私はスイカズラ(英名/Japaneze honysuckle .学名/Lonicera Japonica)のほうが、
何倍もよい香りだと思う。
ヤポニカの種小名がついているように、日本をはじめ中国に分布しており、
気をつけてみると、藪や垣根、林など意外に身近なところに生えている。

葉は明るい緑色で、咲き始めの花の色は白。
一夜明けて翌日はこっくりとした黄色に変化するので、中国では金銀花と呼んでいる。
漢方ではこの花や葉を陰干しにして、健胃、利尿、解毒などに用いると聞いた。
スイカズラがハーブのカテゴリーに入るのは、薬草だからだ。

最近、中国に伝わるスイカズラの民話を読んだので、ご紹介しよう。

昔々ある所に、双子の姉妹がいました。
姉の名は金花、妹の名は銀花といい、気立てがよいうえにとても美しいので、
毎日のようにたくさんの若者から求婚を受けていました。
しかし、二人はひじょうに仲がよく、結婚して別れ別れになるのを恐れて、
どちらも首を縦にふることはしませんでした。
あるとき金花が熱病に冒され,不治の病の宣告を受けます。
まもなく銀花も病に冒され、
「私たちは薬草に生まれ変わるでしょう」という遺言を残して、旅立ちました。

二人のお墓から生えてきたのが、金と銀の花が咲くスイカズラでした。

日本にも、金さん、銀さんの双子のお年寄りがいたが、
あのお二人は何に生まれ変わったのだろうか。



ハニーサックルとつるバラのタペストリー

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梅雨の晴れ間に、ハニーサックルの花が咲いている。
見れば見るほど、色といい形といいパーフェクトで、造化の神の存在を信じたくなる。
この美しさは、アーチストの創作意欲をかりたてるのだろう。

昨年の5月8日のブログで、手作りしたん夏服を紹介した。
これはウイリアム・モリスのデザインによる、リバティの生地で、
瓔珞百合と組み合わせたハニーサックルが、モチーフとなっている。
地の色がブラウンのものもあるが、私はこのバーガンディのほうが好きだ。

「バラとハニーサックルが織り成す香りのタペストリー」などと勝手に想像して、
3月末の同じ日にアーチの足元へ植えつけたのだが、
なかなかそううまくいくものではない。
成長の速度が合わないのはわかっていたが、
ハニーサックルのほうがするすると伸びて、つるバラを置いてけぼりにしている。
芯を止めて脇枝をふやしているので、
タペストリーの夢は、来年か再来年には実現するのでは、と心待ちにしている。                                                                                                                                    

続 ・ 母と娘の手の物語

私が考え付いた作文というのは、会話だけで進行する。

「ねえ、お母さんの手は前からそんなにごつかったの?」
「いいえ、結婚する前は小学校の先生だったから、ほっそりしていたわ」
「だったら、なぜ? この間の父兄会で、とても恥ずかしかった」
というような感じの対話が続く。
私が生まれた昭和16年の12月16日は、第2次世界大戦が始まった直後だったから、
旧家に嫁いだ母は厳しい姑に仕え、ムギやカボチャやイモを植えて耐乏生活をしのいだ。
母の手荒れの原因を知り、母の苦労を思いやることもせずに、
外観で人を判断していた自分を恥じる私・・・・:。

たしかこのようなストーリーだったと思うが、実話だからペンが進む。
当然原稿用紙が足りなくなってしまった。
文字数も決まっていたこともすっかり忘れ、手を上げて原稿用紙をもらっては書き続けた。

テストが終わて正気に戻った私は、
文字数オーバーのことを思い出し、愕然とした。
「あぁ、大失敗・・・・。これでおしまいね」

すっかり諦めていた私に、面接の知らせが届いたのは、
冬休みで実家に帰っているときだった。

今は就活とか婚活などの言葉が流行り、すべてが早め早めで進んでいる。
今から47年前の就職試験は、ずいぶんゆったりとしていたものだった。

えっ、首尾はですって?
おかげさまで、合格でした。

考えてみたら、約半世紀前のできごとである。

母と娘の手の物語

盛岡から帰る新幹線の中で、気づいたことがあった。
約1週間というもの、家事や畑仕事から離れていたら、今までにないほど手がきれいになっている。
手の甲のしわしわが心持ち消えて、ややふっくらとし、
爪の色も美しいピンク色を取り戻している。
あぁ、これが本来の私の手だったのだと、しみじみと眺め入ってしまった。

ふだん土いじりをしない人は、、「この程度できれいだなんて、よく言うわ」かも知れないが、
私にとって、爪の間に土が入っていない日はほとんどない。
外科手術用や専用の爪ブラシでていねいにこすっても、はかばかしくなく、
髪を洗うときに爪を意識して指を立てると、ややきれいになる。
今まで、何度手袋を使おうと決心したことだろう。
ところが、隔靴掻痒といおうか、
草むしりにしても、鋏を使うにしてもまどろっこしくて、素手の感触とは遠いものがある。
結局、庭のどこかで脱いでしまい、あとで脱皮(?)した手袋を回収するのだ。

日焼け止め対策も同様で、
何もつけていないためそばかすが顔だけでなく肩や腕、手の甲まで浮き出ている。
そうえば、講談社の入社試験に出た作文の題も「手」だった。
たしか400字で、短文を書かなくてはならない。

啄木の「働けど~、  じっと手を見る」をイントロに引用するのは、陳腐すぎる。
まずは何とかして審査員の目に留まることだ。
わかり易い内容で、しかも読み易くするには、どうしたらいいだろう。

制限時間は迫ってくる。
もう、さらさらと慣れた感じで書き始めた人もいるようだ。

その時、「そうだ。これだ」と、ひらめいたものがあった。
                                  つづく

明日の朝、「趣味の園芸」で

うっかりするところだった。
明日の朝、テレビのオンエアーがあることを、忘れていた。

「趣味の園芸」の収録を終えてから、
ちょっと早めの夏休みを、岩手県の安比高原で過ごしたが、
毎日毎日楽しいことが続いて、
帰宅してもう1週間もたつのに、頭の中はまだ安比タイム・・・・・。

安比のことはおいおいに記すつもりだが、
久しぶりのテレビだったので、とても心配でならない。
どのように映りどのように編集されているかを、
オンエア前に見せてもらうことは、できないからだ。
その点、雑誌などはゲラといって下書きの段階で、
訂正や加筆などの校正ができることが多いが、
テレビでは、まず難しい。

心配というのは、
まだ腰痛が治っていないため、姿勢が悪く写っているかもしれないことと、
リニューアルして間もない若い庭が、どんな風に写っているか・・・・・・。

いやいやこんなのは単なるエクスキューズだ。

問題は、今週は「香りの花」、来週は「香りの葉」のテーマどおり、
テレビの画面から、香りがうまく伝えられたかどうか。
テレビというのはチームプレイだから、なかなか難しいものがある。

私が出るのは、4月から新しく設けられた「フルール」というコーナーだ。
多岐川華子さんという花のように華やかな女優さんが、
進行役をつとめてくださったので、
どうぞお楽しみに。

香りの花 7月5日 ( 日) 8:30より    再放送 7月10日 (金) 9:30より

香りの葉 7月12日(日)  8:30より    再放送 7月17日 (金) 9:30より

いずれも教育テレビ。「フルール」は、番組後半に。

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