HOME:広田せい子のハーブガーデン

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寒い夜には南仏風の一皿で

今年もあとわずか。
スーパーに商店街、どちらを向いても正月関連の品揃えばかり・・・。
その中で見つけたのが、ムール貝だ。
今日は冷え込みそうだから、ガーリックの効いたプロヴァンス風でいこう。

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作り方は、超簡単。
貝から飛び出しているのひげのようなものを、引っ張って取り除き、きれいに洗う。
平鍋に入れて白ワインをふりかけ、蓋をして加熱。
貝の口が開いたら、夏に作って保存しておいたバジルのピストウをたっぷりと加える。
鍋を揺すりながら、全体に絡めたら、
ハイ、できあがり!!!

貝の一枚をスプーン代わりにしていただく、南仏プロヴァンスの一皿は、
体をぽかぽか温めてくれた。

大掃除は明日にして、さぁ、寝ようっと。

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「ハーブ風味のベーコン」完成 ④

12月17日に仕込んだベーコンは、11日目にしてついに完成した。
一晩休ませた手作りベーコンの味は、果たしていかに・・・。

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5時間の燻製で美味しそうな飴色になったベーコン。スモーキーな香りが食欲をそそる。


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切ってみると脂と赤身が美しい層を描き、「外はパリッと中はしっとり」という状態だ。
薄くスライスしてみたらねっとりとして、どこか生ハムに近い感じもある。

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朝食用に早速焼いてみた。
うーん、イギリスのB&Bでたっぷり出たベーコンに似ている。
ということは、ホームメイドの味といえるのかも・・・・。
これだけ作っても3人の息子たちに1本づつお正月のお土産に上げ、約束していた妹に1本、友人に2本上げるので 、残りは3本だけだ(最初はハーフで12本あったのに、途中でおかずに3本流用)。

この3本はお正月に集まった家族のオードブルに使う予定だが、ちょっと足りなさそうだ。
次回は、ついでに沢庵やチーズ、一塩の鯖やイカなどもスモークしてみよう。

さぁ、これから大掃除、大掃除。

「ハーブ風味のベーコン」製作中 ③

今朝、ベッドから出て真っ先に見に行ったのは、昨日から風乾していたベーコンだった。

遠目でベーコンの数を数えたら、一応数は揃っているようだ。
しかし近寄ってみると、や、や、や、近くの植木鉢に猫の毛が付着している。それよりも、メダカの水鉢の蓋にしていた金網がへこんでいるではないか。この上にのぼってジャンプを試みたのだろう。
よく見ると白と黒の毛だ。この辺りを縄張りにしている猫でこの色は、私が「ウシオ」とよんでいるホルスタインのようなブチの雄猫にちがいない。巨大な体にいつも生々しい傷を絶やさないウシオは、どこかとぼけていて憎めない。
まぁ、何はともあれ無事でよかった。


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昨夜はこれまでにない冷え込みだった。
風も吹いたので、一昼夜庭に出しておいた肉は期待通りの乾き具合となっていた。
写真ではわかり難いかもしれないが、肉の色に透明感が出て、触ってみると引き締まった弾力感がある。
さぁ 今日はいよいよ燻製だ。

燻製器はアウトドアショップやホームセンターなどで、この頃はいろいろな種類が売られるようになった。

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小人数になった我家では、ふだんは写真のような簡単に燻製ができる卓上型を使っている。しかし3キロの肉をスモークするとなると、これでは時間がかかる。
ガレージで眠っていた年代物(?)のスモーカーを使うことにした。だいぶ錆びているが、手入れはこの次ということにして、仕組みを見てみよう。
この本格的なスモーカーにはチップを燃やす釜がセットになっているが、火の管理が面倒なので、熱源はプレート型のIH(電磁調理器)をおすすめする。これなら長時間安定した温度を保てるし、弱火の調節がこまめにできるからだ。

使わなくなった鍋にサクラのチップを軽く一つまみほど散らし、月桂樹とローズマリーの生葉をのせた。

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専用の棒にベーコンのひもを通しスモーカーの内部に吊り下げる。
煙がまんべんなくよく当るように肉の間隔をあけ、加熱が偏らないように火種から少し離すようにひもの長さを調節する。

IHが汚れないようにカバーをかけて、スモーカーを上に乗せたら、スイッチ・オン。

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最初は中火で煙が出始めたら、弱火をキープする。
11時にスモーク開始。
時々、蓋をあけて進行状態をチェックしたり、間隔をずらして煙がまわるようにしてやる。
辺りは、しだいに美味しそうなベーコンの匂いになってきた。庭から流れるにおいは道路まで届き、下の道路を通る女性の声が聞こえて来た。
「ねぇ、ベーコンの匂いがしない? どこからかしら?」
「本当だわ。ウーン、美味しそう」

いつの間にか陽は西に傾き、時計は4時をとうに回っていた。最後に中火にして3分ほど煙を当てて焼き色をつけ、電源をオフにした。
数えてみると約5時間のスモークで、肉全体が飴色になっている。
ここで食べては、もったいない。一晩寝かせると味がなじみ、肉も落ち着いてよい味になる。
今晩は部屋に取り込んで、明日を待つことにしよう。

                                        
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                                          (つづく)
  

「ハーブ風味のベーコン」製作中 ②

前回(12月 21日)、豚の三枚肉をハーブとスパイスの香味料を効かした塩漬けにしてから、
昨日の25日でちょうど1週間が過ぎた。
写真を見てわかるように、塩分の浸透圧で水分が外に出たために肉は締まり、硬くなっている。
色もピンク色だったのに、やや渋い肌色に変化していることがわかる。

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さて、今日行う作業は塩抜きである。
風味を閉じ込めつつ塩を抜くのが理想だが、これがなかなか難しい。

① まずは大きめの容器に肉と水を入れ、何度も水を取り替えながら塩分を抜く。
肉に付着したハーブやスパイスが気になっても、風味の元なのでまだ取り除かないこと。
忙しいときは、水道の蛇口を細く絞り、水道の水が容器の縁から少しずつあふれるようにしてもよい。ただし、排水孔のチェックを済ませてからでないと、水浸しになることもあるので、注意のこと。

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塩抜きを止める目安は、肉の端を少し切り取ってキッチンペーパーなどで水気を拭き、フライパンで焼いて味見をするとよい。食べたときに少し塩辛いと感じるぐらいが、完成時にちょうどよい塩味となる
ようだ。このときは水ぶくれ状態の肉なので、まるで美味しくない。
でもがっかりするのはまだ早い。

② 次に、冷たい風に当てて乾燥させることによって水分を飛ばす。こうして肉を引き締めると
ハーブやスパイスの風味が閉じ込められるというわけだ。
風乾する前に、付着していた香味料をやさしく洗い流し(食い込んだものはそのまま)、清潔なタオルなどにはさんで、できるだけ水分を取る。

③ 肉の形を整え、針金やタコ糸を通して吊り下げやすいように輪にする。
最適の場所を選び、風に当てて乾燥させる。
難しい場合は、市販の脱水紙「ピチットシート」にはさむとか、軽くラップして冷蔵庫へ入れ、乾燥させてもよい。

さて、干すとしたら場所が問題である。
ベーコンを狙うカラスとネコの魔手が届かない場所が必須条件で、考えに考えた末、1メートル50ぐらいの高さに張った選択用ロープの物干しに下げてみた。

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さらに、勇敢なネコがジャンプしても手が届かないように、雨傘を逆さに下げて、忍び返しならぬネコ返しにした。しかし、上から襲うカラスにはどうしようもない。
上にかぶさっているマカダミアンナッツの枝葉がベーコンを隠してくれることと、棘がある葉を嫌ってくれることを祈るばかりだ。

大形の寒気団による冬型の気圧配置で、今日はまさにベーコン日和(?)。
願わくは、燻製前の風乾の下拵えが無事に済みますように。

                                          (つづく)

辺りの空気を緑に染めて


夕方の5時半、芳樟伐採は無事終った。
不思議なことに、覚悟していた辛さや悲しさはみじんもなく、
むしろお祭りが終った後のような、爽快感が残った。

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朝の8時半から、3人の職人さんが到着。
作業開始の前に、芳樟の太い株元を清酒と塩でお浄めをし、私がお経を唱えた。

腰に命綱をつけた職人さんが樹に登って、高い所からまず小枝を払い、次に太い枝をチェーソーで切り詰めていく。
下で受け取る役、運ぶ役、それぞれが持ち場を守り、連係プレイで仕事がはかどるのは小気味よいほどだ。
1時間もしないうちに、辺りは切り口から飛び散る香りのしぶきで、体が透き通るような緑色の芳香に包まれた。
道行く人も足を止めて、香りの源を探すかのように、きょろきょろしている。

ブログで芳樟を差し上げる旨のおしらせをしたところ、数名の方から申し込みがあった。
遠くは高知市のKさん。ハーブ農園を経営の傍ら、趣味で木工クラフトを楽しみ、秋には「夢のかけ箸大賞」を受賞した腕の持ち主だ。この樹でスプーンやフォーク、箸などを作りたいという。

近くは、幼稚園のU園長ご夫妻が、引取りにこられた。
合成や化学製品が氾濫する昨今、園児たちが自然の素材に触れることにより、本物の樹のやさしさやぬくもりを感じてほしい、とのこと。
偶然にも近くに住むもう一人の申込者Yさんは、Uさんご夫妻とは知り合いだった。
何と、Yさんの一人娘Kちゃんは、Uさんの幼稚園の卒業生だという。
自然志向の人々が呼び合ったのだろうか、和気藹々と芳樟の選別をしながら、笑い声が絶えない。

そのうち、Kちゃんがいないことに気がついた。
驚いて探すと、山と積まれた芳樟の葉の中にもぐっていて、
『あぁ、気持ちがいいなぁ。いい匂いのお風呂みたい。ママも一緒に入ろうよ」と、しきりにママを誘う。

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そのうち、通りかかった小学生の男の子たちも香りに誘われたのか参加して、なんとも賑やかなこ
と・・・・。

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ポプリを作りたいKさん、仏像を彫りたいYさんとYさん、テーブルを作りたいHさん、室内の芳香材にするSさん、通りがかったSさんは小鳥の止まり木に細い枝を選んだ。

切り刻まれても、それぞれの場所で新しい命を得て、人々の役に立つことができた芳樟の樹に、
教えられたことは大きい。
春になれば、3メートルほどの高さで残した株元から、新しい緑の枝が生まれることだろう。
それまで、ぐっすりと休んで傷口を治してほしい。

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小さな籠に小さなライム

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何事もやってみなければわからないものだ。

「へぇー、私にはこんな能力があったんだ」と、我ながら驚く日が続いている。

能力というのは少々オーバーだが、
洒落ていえば Basketry, 普通のいい方なら かご作り が面白くてたまらない。
今日の作品(?)は、21日に作ったハーブバスケットの使い残しから生まれた。
ねじれ具合に表情がある蔓は持ち手にぴったりだし、少しずつ丸めていけば何とかなりそう・・・、
捨てる前に、こうしたらどうかしら、といじっているうちにできてしまった。

庭でたわわに実っている四季生りライムを盛ってみたら、こんなにぴったりとよく似合う。
中国では「四季橘」、フィリピンでは「カラマンシー」とよばれているこの果実を、庭に1本植えておけば、ほとんど1年中利用できる。ピンポンの玉ほどの大きさで、レモンの香りとたっぷりの果汁が魅力だ。どちらかというとコーヒーより紅茶をよく飲む我家では、その都度 1個ずつ採ってくる。2人で1個がちょうど適量だからだ。そのうえ、春から秋まで爽やかでロマンチックな香りの花が咲いているのも、すばらしい。

かごが載っている切り株は、広東肉桂、ハート型の年輪の切り株は杏。
どちらも下の庭を整地したときに伐った樹の、形見である。
いよいよ明日は、芳樟を伐る日だ。
命あるものを伐るのは、心が傷む。

19日、20日のブログに、芳樟を差し上げることをアップしたら、応募者のかたたちからメールがきている。
まだまだたくさんあるので、「問い合わせ」のコーナーへご遠慮なくどうぞ。

スミレを飾ったカントリークッキー

「今近くにいるんだけど、これからちょっと寄っていいかしら?」
ハーブ友達から電話が入った。

久しぶりなので嬉しいが、あいにくお茶菓子が切れている。
「そうそう。冷凍しておいたクッキーのタネを使えば楽勝、楽勝」
というわけで、急いで焼いたあつあつのホットクッキーとハーブティーで、女同士のおしゃべりが弾みに弾んだ。

このクッキーのタネには、砂糖をぜんぜん加えていない。
シンプルな味のほうがジャムや蜂蜜をつけたり、ドライフルーツとクリームをトッピングするなど、
変化を付けやすいからだ。
初雪のニュースを聞いたばかりだったので、グラニュー糖を雪に見立てて振りかけ、春に作っておいたニオイスミレの砂糖がけを飾ってみた。

「どう? お口に合うかしら」
クッキーには生クリームがたくさん入っているので、すっきりしたミントのハーブティとよくマッチする。

今夜はクリスマスイブイブで、多くの家ではクリスマスケーキを食べることだろう。
「でも、このクッキーもいいんじゃない?素適よ」
友人はよほど気に入ったらしく、ご主人のために残りをもらって帰りたいという。
「いいわよ。だけど、簡単だから自分で作るともっと美味しいことよ」


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焼きあがったクッキーにグラニュー糖を初雪のようにトッピング。
春の妖精のようなニオイスミレを飾って。

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密閉容器に入れて保存すれば、2年間は色も香りもほとんど変わらない。

カントリークッキーの作り方

材料 (約12~15個分)

小麦粉(薄力粉) 220グラム、 ベーキングパウダー 小匙2、 バター60グラム、 牛乳 50cc、
生クリーム 100cc

作り方
① ボウルに小麦粉とベーキングパウダーをふるい入れる。
② 冷蔵庫で硬くしておいたバターを2センチ角ぐらいに切り、①に混ぜて
   スケッパーでさらに細かく切る。
④ さらさらの状態になったら、牛乳と生クリームを加えてさっくりと混ぜる。   
⑤ 大きく丸めたらなじむまで置き、切り分けて直径4センチの棒状にまとめる。
⑥ 輪切りにしたら切り口を上にして天板に並べ、180度で約15分焼く。

手作りのハーブバスケット

今日は冬至だというのに、この陽気はどうしたのだろう。
水仙はもう咲いているし、スキラ・ペルビアーナの葉が急に伸び出し、サクラが咲く頃の暖かさを思い起こさせる。
昨日もぽかぽか陽気だったので、庭で籠作りをして過ごした。
山で手に入れたフジやアケビの蔓で、思いつくままに形作っていくのだが、いつの間にか夢中になって昼ごはんを食べるのを忘れてしまったほどだ。

お正月を目前に控えて、大掃除やら障子の張替え、食器の出し入れ、3月号の原稿などしなくてはならないことが山ほどあるのに、こうして遊んでいる時はなおさら面白い。

昨日の傑作(?)に、冬至の日にはつきものの柚子を盛ってパチリ!


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取っ手はスイカズラの太い根元のカーブを活かし、
底の部分は斜めに蔓を渡して、メッシュ状にしてある。
細くてしなやかな素材が手に入ったら手を加えて、さらに細かい編み目にしてみよう。

この形は英国のハーブバスケットのバリエーションのつもりだ。
収穫したハーブや野菜、草花などを載せた絵を想像してみるとしてみると、わくわくして春が待ち遠しい。

ところで、町村合併が盛んだが、地名が変わってしまう弊害もある。
湯平との合併で由布院は湯布院となった。
香り高い柚子の里だったことから由布岳や由布院という地名になったと聞いたことがあるので、なおさら残念でならない。
由布院の「玉の湯」からいただいた柚子は、さすがこの辺で売っている柚子とは香りが違う。
今夜は柚子湯に使い、はちみつ漬け、ジャム、大根巻きの酢漬け、柚子味噌などに大切に使うこkとにしよう。

あぁ、大掃除はいつになることやら・・・・・。

「ハーブ風味のベーコン」製作中

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ベーコンを自分で作ってみると、
スーパーなどで売っているあのピンク色の「ベーコン」は一体何だろうと、思うようになる。
自家製ベーコンは、仕込んでから出来上がるまで、最低10日間は待たなければならない。
しかし、時間と手間をかけた分だけ、ハーブとスパイスのミックスした複雑な香りにスモーキーな風味が加わって、歯ごたえも上々な美味しいベーコンができる.
そして、安全なうえに市価よりもグーンと経済的なのが嬉しい。

ベーコン作りには、きりっとした寒さが必要だ。
今年はインディアンサマー(小春日和)が続いたせいで、なかなか気温が下がらない。
それでも、今シーズンのテストとして先日1・5キロほど作ってみた。
来客に差し上げたら「2歳の孫がオイチイオイチイといいながら、一人で食べてしまった」という、お礼の電話をいただいた。ホームメイドの味は、小さな人たちにも好評のようだ。

生々しい上の写真は、水曜日の17日に仕込んだもので、水、木、金、土、日、と今日でちょうど5日目になる。
1週間香味料を入れた濃い塩で漬け込み、1日:塩出し、1~2日:風乾、半日:スモーク、1日:寝かせる、という工程で作るので、予定通りにいっても食べられるのは28か29日という段取りだ。
この自家製ベーコンは、お正月に活躍してくれる頼もしい食材のひとつである。


   *          *          *          *
ハーブ風味のベーコンの作り方 その1

材料 豚の三枚肉1キロ、塩50グラム、砂糖大匙2、ブランディー大匙3、風味付けとして粒胡椒、
クローブ、シナモン、月桂樹の葉、セイジ、ローズマリー、タイム、ガーリック、セロリ、パセリなどの中から適宜、適量を選ぶ。

肉はバラ肉ともよばれている、脂と赤身が層になっている三枚肉が適している
普通ブロックで売っている三枚肉はⅠ本が約500グラムだから、計2本を用意する。写真は1本を半分に切って2段重ねで容器に入れたもの。6本で約3キロあり、アメリカ産の肉なら約3000円の見当。
肉の選び方は、切り口を横から見て脂が適当に入っているものがよい。注意したいのは、片側がよくても反対側が脂だけということもあるので、念入りにチェックを。また、脂が少ないと硬くなり、塩味がきつくなりがちである。

基本的な塩の量は肉に対して5パーセントといわれているが、多すぎた場合は塩出しの際にコントロールできるので、それほど神経質にならずにアバウトで。

① ボウルに肉以外の材料を入れ、よく混ぜる。塩はミネラルなどが入っている粗塩がよい。
香辛料の使い方のポイントは、スパイス類は粉末になっているタイプを少量。ハーブの場合、乾燥葉はよく揉んで少量、新鮮葉なら刻んで一つまみぐらいを目安にする。香りや風味は個人的な好みなので最初は控えめに使い、家族の反応などを見ながら徐々に変えてみるとよい。

② 肉を洗い、ペーパータオルで水分をふき取る。
風味をよくしみこませるために、フォークを肉に数箇所刺す。

③ ①を肉によく擦り込む。骨を取った跡のくぼみにも指でていねいに擦り込むこと。

④ ファスナーつきの密閉袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫で保存する。1日1回裏返しにして、平均に風味を付けるようにする。塩と香味料で締まった肉から液体が出てくるので、この液に浸すように。
量が多いときは写真のように、密閉容器に入れてもよい。
                                             (つづく)

このようにして仕込まれた三枚肉は、目下冷蔵庫の中で次のアクションを待機中だ。
美味しいベーコンができるまでの、次のステップに乞うご期待!

芳樟の樹を伐る日決定

昨日お知らせした香料植物・芳樟を伐る日が決まりました。
12月25日(木曜日)
仕事開始は8時半からで、作業は1日で終える予定です。
作業の妨げにならないようにお声掛けいただき、ご自由にお持ちください。

雨などで作業延期>の場合は、改めてブログアップいたします。

芳樟の樹を差し上げます

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庭に植えた「芳樟」という香料植物のことで、悩んでいる(写真上)
20年前に植えた小さな苗がすくすくと生長し、
住宅地には適さないほど大きく育ってしまったのだ。
日陰になるお宅には申し訳ないし、若葉の頃に古い葉を落とす落ち葉でも迷惑をかけている。

これまで定期的に枝を払ったり、芯を詰めたりして、樹形をコントロールしてきたが、
この樹のエネルギーたるや底知れないものがあり、
切れば切るほど喜んですぐに倍以上に大きくなってしまう。
今にして思えば、植える前にこの樹の高さや株張りを調べなかったのが、一番の反省点だ。.

「長い間憧れていた香りのよい植物が植えられる!!!」
庭付きの家ができたとき、真っ先に思い浮かべたのが、芳樟だった。        
中国や台湾原産のこの常緑性高木はクスノキの亜種で、
葉や幹に香水の原料となるリナロールを含有している。
また、仏像を彫るのに適した、尊い香木だということも聞いた。
さやさやと葉ずれの音も涼やかで、この樹から発散する芳香成分のため、
辺りの空気はいつも清らかになることだろう・・・。
というイメージどおり、根付いた芳樟は緑の葉がつやつやと輝き、
いつの間にか心地よい木陰を作ってくれた。
ところが、あれよあれよと驚くほど生長が早く、
何度となく切っても2階の屋根をすぐに越してしまう。

造園関係の誰に聞いても、
「この樹は公園や広い敷地に植えるもので、住宅地の庭に植えるのがそもそも間違っている。
枝が折れやすいので早く切らないと台風や強風が心配だ」と答えが返ってきた。

というわけで、まことに残念ながら切ることを決心した。
しかし、これだけ立派に育った樹を処分してしまうのはしのびない。
誰かの役に立つようであれば差し上げたいのだが、欲しい方、心当たりの方がいらしたら、
遠慮なく問合せてほしい。


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見上げても梢が見えないほどに茂った葉は、無農薬で健康そのもの。
葉や枝からはリナロールが多いホーオイルが抽出できるので、アロマテラピー関係とか、
大学の実験室、香料会社の方にいかがだろうか。


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今年の初夏に枝下ろしをしたのに、もう二階建ての屋根を越した生長ぶりだ。
樹形は根元から幹が二つに分かれ、胸高の位置でそれぞれの幹の周囲葉110センチと130センチ。
どちらも真っ直ぐで傷やこぶは無い。
最初の枝分かれの位置までは、およそ5~6メートルはありそうだ。

芳樟の名前が示すように、この樹には高貴な香りがあり、
仏像を彫ったらさぞかしありがたい御像が出来ると思う。
また、カンファーも含まれているので虫除け効果は抜群だと思われる。
たんすや家具などにはならないものだろうか。
樹肌を活かした床の間柱とか梁、門柱、製材してテーブルや炬燵板、風呂の蓋もよいかもしれない。香りのよい小箱などができたら、買いたいものだ。

それから、染料にもなるのでは? 
枝葉も樹皮もきっとしっかりした色を出してくれそうな感じがするので、染色関係の方にもどうぞ。

なお、樹の伐採は年内中の予定で、期日が決まり次第、このブログでお知らせする。
引取りに来てくださる方に限り差し上げ、発送はしない。
ご希望の方はホームページに戻って、右下の「お問合せ」からご連絡をどうぞ。

「篤姫」を本にした人

「日曜日の楽しみが、なくなっちゃってがっがりだわ」
「それって、篤姫のことじゃない? じつは私もそうなの。
でも、26日から28日まで総集編があるそうだから、調べておくわね」
スーパーで会計を待っていたら、こんな会話が聞こえてきた。

15日のブログに記したように、やはり高視聴率を出した番組は終ってからも余韻を残し、評判がよいようだ。

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私の本棚に、ドラマの原作となった単行本がある。
下巻は友人に貸し出し中だが、ページを繰っているうちに、さまざまな思い出が蘇ってきた。
加山又造画伯の絵が表紙を飾るこの本は、昭和58年から59年にかけて宮尾登美子が日経新聞の夕刊に連載していた小説・「天*院篤姫」を、講談社から出版したものだ。
担当者は大ベテラン編集者のTさん。
なぜ詳しいかといえば、彼女は講談社に私と同期入社したベストフレンドだからだ。
新入社員の中で、国文科卒はTさんと私の二人だけのせいかすぐに打ち解けて、今なお50年近い付き合いが続いている。
彼女は文芸部に配属されて以来、定年まで文芸書一筋で仕事を続け、数えきれないほどの名作を世に送り出した。
幾つになっても童顔の彼女は、著名な作家たちに娘のように可愛がられ、苦労せずに仕事をこなしてるかのように見えたかもしれない。だが、人に優しい分だけ自分には厳しく、見えないところでの気配りや思いやりは、誰にも真似のできないものだった。毎日のように自宅へ持ち帰っての残業は、ほかの人を傷つけたくない優しさだということを、私は知っている。
一般的にいって、女性の場合は仕事に没頭すると、家事がおろそかになることが多い。
ところが彼女は仕事も家庭も両立させ、ご主人の両親と同居して嫁として尽くし、二人の息子も立派に成人した。
何よりも驚いたのは、「夫婦喧嘩?そんなの今まで一度もしたことなんて無いわよ」と、けろりと言い放つ。
大嘘つきか、普通でないか、どちらかだろうが、いや、きっと本当かもしれない。

私はといえば、「若い女性」という月刊誌の部署へ配属が決まり、駆け出し編集者として毎日が新しい経験と、失敗の連続だった。
ファッション以外のページが私の担当で、小説やエッセイなどの読み物から、料理やマナー、クラフト、美容、園芸など暮らしの実用物、旅やスポーツまで、範囲は多岐にわたった。
忘れられないのは、1年間で完結する連載小説の担当である。
松本清張、水上勉、源氏鶏太の各先生にお世話になったが、メールもファックスもコピーも無い時代だったから、資料をお届けしたり原稿待ちで遅くまでお宅に詰めるのは、大変でも貴重な体験となった。
欲張りで何本もの企画を抱え込み、月に164時間の残業をしてしまい、厳しい注意を受けたこともある。優等生のTさんとは、何たる違いだろう。

初夏の頃、同期のメンバーで仲良しだったUさんも誘い、久しぶりに3人でランチをした。
11時半から5時までおしゃべりが続いたのだから、イタリアンのお店の人もさぞかしあきれたに違いない。
もちろん追加注文をして、ロングステイの許可を得てのことだが、積もる話は尽きることがなかった。
しみじみ女友達は、いいものだと思う。

さて、女だけの大奥で、篤姫が心を許した人はどれほどいたのだろうか。
そんなことも頭に入れて、総集編を観ることにしよう。


67歳のバースディケーキ

今日は私の67歳の誕生日。
2日前には長男の家族がお祝いの昼食を設けてくれ、今日は次男夫婦と末の妹が来てくれた。
次男たちの友人に、素晴らしいお菓子を創るパティシェの尚さんがいる。プレゼントは、彼女特製のイチゴとラズベリーを豪華にあしらったバースディケーキだった。結局、大人5人でぺろりと平らげ、夜ご飯は食べられないほど満腹。夜に3男からの、おめでとうの電話も嬉しかった。

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幼かった日、12月は楽しい月だった。
6日(弟と妹の双子)、16日、24日と、5人姉弟のうちで4人の誕生日が続き、
父が3日に生まれているので、合計5回の誕生日とクリスマスで、6回もご馳走の日があった。

合同ですれば1回で済むものを、戦後で物資の乏しい中を母は苦労して一人ひとりの誕生日のために、ささやかでもハレの献立を用意してくれた。
ご馳走といっても、今ではケになってしまった料理だ。
思い出すのは、ライスカレー。カレーライスではない。子供用にちょっぴり黄色の色がついた「辛くないカレー」で、ふだんは使わないセイヨウザラに盛りつけただけでも、あらたまった緊張感があった。
たぶんオールドノリタケだと思うが、その皿はクリーム色の地に薄緑色の幅広い縁取りがあり、中央と縁取りには金色の鳥と草花が描いてあった。
散らし寿司、五目ご飯、鶏飯など、今では1年中コンビニで買える。
しかし、めったに食べられないこうした祝いの食事は、たとえ五目が揃わずにニ目ご飯でも晴れがましく、その美味しさは忘れられない。
なつかしいのは、緑色の寒天。外側は濃い緑、内側は白、輪郭が青の琺瑯の四角いバットに流し固めたぷるぷるんの寒天は、最高の「オショクゴ」だった。

そうか、いつの間にか67歳。
若い頃、67歳と聞いたら「老婆」というイメージ以外の何物でなかった。
60歳も80歳も同じくおばあさんだと思っていた。
ところが、いざ自分がその年になってみると、67歳と68歳の違いが実感としてわかる。

さて、来年の誕生日はどんな日になるのだろう。
楽しみであり、そして少しばかり気がかりでもある。

篤姫ゆかりの庭は今

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NHKの大河ドラマ「篤姫」が、昨夜で最終回を迎えた。
薩摩の島津斉彬の養女・篤姫は紆余曲折を経て、徳川家13代家定の御台所となったが、
その生涯は波乱に満ちたものであった。
時は、あたかも攘夷か開国かで揺れる幕末の動乱期・・・。
数えきれないほど多くの試練に遭いながらも、宮崎あおいが演ずる篤姫は、
ポジティブな信念を持って物事に対峙すれば、おのずと道が開けてくることを教えてくれた。
そして、近代社会の幕開けとなった明治維新についても、あらためて考える機会を得たことに感謝したい。

先日、三田」に用事があってでかけた折りに、薩摩藩邸の跡を訪ねてみることにした。
有力な大名の島津家は京都や江戸に藩邸を構えていたが、
篤姫が徳川家定への輿入れが決まるまで過ごしていたのが、芝の薩摩藩邸上屋敷であった。
その敷地は広大で、現在のジェイアールの田町駅前には薩州の蔵屋敷があり、
セレスティンホテルとNECの高層ビルの周辺が上屋敷だったという。

篤姫ゆかりの地であるNECの周囲をひとまわりしてみるにつれて、
企業と市民が緑の空間を共有するというコンセプトで作り上げた、素晴らしい開発の例だと思った。
多くの人々の幸せを願って、江戸無血開城への努力を惜しまなかった篤姫の考えと、
どこか一致するような気がする。
おそらく名のある造園家や都市計画の達人たちがプロジェクトを組み、
アイディアを出し合った結果に違いない。
建物の周囲に塀はなく、誰でも敷地内の小道を散策することができる。
近道として横切っていく人もいた。
印象的だったのは、上の写真のように植え込みの縁取りがベンチを兼ね、
園路と同じ信楽風の舗装にしたせいで、すっきりとした美しさがある。


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手入れの行き届いたアベリアやトベラ、サツキなどの植え込みの間には、
季節を感じさせる花木が植えられ、標識も見やすいところにつけてあった。
武者立ちのこの樹は、春を真っ先に告げるコブシ。ほかにヤマボウシやサンシュユなどもあり、
外周には南国薩摩らしいヤマモモの並木がある。


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はらはらと舞い落ちる黄金色の落ち葉。
小春日和の都会の晩秋は、意外に静かだった。

愛しい唐辛子たち

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何故これほどトウガラシに惹かれるのだろう。

ここ10年来、世界中のトウガラシを知りたくて、情報を頼りにタネを取り寄せては、
200種を超えるホットな果実を育ててきた。
専用に借りた畑が2ヶ所あったが、老人のための施設が出来るということでお返ししたし、
今年は夏ごろには下の庭が、工事のためになくなることがわかっていた。

腰痛もあることだから、今年は止めようかなと思ったものの、
越年している数十種の株に加えて新しいトウガラシ仲間の協力があり、
やはりかなりの数を育ててしまった。
ピークの時期は過ぎたが、
まだまだ彩りも派手やかな実りの時期が続いている。
数ある中でユニークなものを紹介してみよう。


ナガ・ドーセット(ナガ・モーリッチ)

インド原産のトウガラシだが、英国のドーセット地方で栽培されている世界で1,2を争うhottest種。
これに比べたらハバネロの辛さなど・・・。
1ミリほど切り取った果皮をなめただけでも、目がくらむほどの衝撃が来る。
いったい神様は誰のために、このトウガラシを創られたのだろう。
インドの荒ぶる神々が、戦の前に自らを奮い立たせるために、この火の玉のような果実を食したのだろうか。

果実はくるみ大。照りがある濃い緑色からバーミリオンへ変化する。
とがった果実の先端が、だんだん曲線になってくるにつれて、辛味も増しているようだ。
高さは2m30センチほどで、ガラスが割れた無加温のハウスの中でも、元気で過ごしている。


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パンプキン

形がカボチャに似ているので、この名前がついたと思われる。
刻みのついた面白い形は、革のように硬い果皮で覆われ、
切ってみると果肉にはトマトみたいにゼリーが多い。
味といったら、えぐ味と苦味ばかりで、不味いのなんのって・・・・。
「こんな美味しくないものはもう2度と育てたくない!」 といい切りたいところだが、
こののっぽのトウガラシには妙に情が移って、可愛いのだ。

私は以前、これによく似た赤いナスを育てたことがあった。
ブラジル原産だったと記憶しているが、ナスとトウガラシは親戚同志だから、
区別があいまいな点があるのかもしれない。
食材だけにこだわらず、
飾るトウガラシとして考えれば、新しい花材として注目されるにちがいない。


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ファタリ

輝くようなオレンジ色の美形のトウガラシ。
ハバネロと同じキネンセに分類され、柑橘類の香りが特徴だが、油断は禁物。
やはり辛さもハバネロに近いからだ。
アメリカ南部の郷土食・ケイジャン料理によく使われる。


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アヒ・アマリロ(イエロー)

これは交雑した品種の例だ。
本来のアヒ・アマリロは、黄色の細長い形をしているのに、このような果実が生った。
おそらく、ピーターというちょっとエッチな形のトウガラシと愛を交わしたのではないだろうか、
と推測される。


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数年前アメリカの農水省から、研究用に送られてきたコロンビア産のトウガラシ。
マイルドな辛さはさまざまな料理に使え、
栽培も手間要らずで、5年目の冬を迎えようとしている。
後方にチラッと見えるのは、タイのプリッキーヌ。


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下の庭の工事のため、上の庭へグラスハウスを移動した。
そのときにガラスを破損してしまったのが、そのままになっている。
今のところ小春日和が続いているからいいようなものの、来週あたりから寒くなるという。
そろそろどげんかせんといかんナ・・・・・。

クランベリーはWiltshire berry?

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クランベリー(ツルコケモモ)を育て始めてから、気になっていたことがある。
リバティー社の生地の、ウイルトシャー(Wltshire)という絵柄に、よく似ているのだ。
布と果実を、一緒に並べてみよう。
葉の形、葉のつき方といい、果実に残された花が落ちたあとのぽちんとした印までそっくりである。

リバティ社では1920年代から、絹のような手触りの上質な木綿地を売り出している。
自然をモチーフにした小花模様や、ペーズリー、アールヌーボースタイルなどの絵柄が多く、
このウイルトシャーはたしか1930年代から販売されてきた超ロングセラーだ。


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約80年の間には数多くの色変わりの生地も生まれており、これはその一部である。
同じデザインでも、配色を変えればこれほどイメージが変わるもの・・・・・。

ウィルトシャーはイギリスの南西部に位置し、古代遺跡のストーンヘンジで知られている。
マナーハウスも数多くあり、レイコックなどのクラッシックなビレッジもあった。

クランベリーはツツジの仲間で、酸性土壌に生え、ヒースと近い。
ニューフォレストのあたりには、8月なのに酸性土壌を好むヒースが咲いていた。
だから、クランベリーも生えている可能性が大有りではないか。
植物図鑑やワイルドフラワーなどの参考書で調べてみても、わからない。
明日にでもロンドンの友人に、
ウィルトシャーべりーはクランベリーと同じものか聞いてみよう。


緑のリンゴ・ピンクのリンゴ

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宅急便のトラックが止まる音を聞くと、いつも私はわくわくする。

先日富山に住むI さんから、荷物が届いた。
箱を開けると、緑色をしたいわゆる青リンゴと、
彼女の故郷からのシークアサーなどが顔をのぞかせている。
添えられた手紙を読んだとたん、私は思わず「ウッソー」と、独り言を言ってしまった。


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「まさか・・・・・、この立派な青リンゴがグラニースミスですって? 」
長野県から取り寄せて、私へおすそ分けをしてくれたリンゴは、手のひらに載せるとずっしりと重い。グリーンのハンサムなこの果実には、なんともいえない爽やかな香りがする。
私が知っているグラニースミスは、イギリスでクラスに通っていた時に、いつも弁当につく小さな青リンゴだった。日本ではおそらくC級品扱いで、とても店頭に並ぶことはないような直径7~8センチのサイズだ。しかし、ほかの学生たちの真似をして、ジーンズでこすり、かぶりついたときの感激は今でも忘れはしない。酸味の中に隠れた甘味があり、皮のあたりが特に風味がよい。
「リンゴの味といったら、きっとこの感じではないか」と思った。
パリのキオスクで求めスイスへ向かう特急列車で食べたのも、アメリカのスーパーで山のように積まれていたのも、同名のリンゴだった。
2月の北京の高級スーパーでは、輸入品のコーナーに小さなこのリンゴが並んでいた。
すでに出回っていたのかも知れないが、私は初めて国産のグラニースミスを見たことになる。
そして、驚くと同時に気候風土への適応性を考えて取り組み、これほど見事なリンゴに育て上げた栽培農家の方たちへ、エールを送りたくなった。

資料によると、このリンゴはオーストラリアで偶然に実生から栽培された品種で、1968年(明治元年)
に始めて市場でデビューしている。
Grany Smithという名前は、「スミスおばあちゃん」という意味だが、このスミス夫人がシドニーの市場から、ワインの空き箱をもらってこなかったら、このリンゴは存在しなかったろう。箱の中に入っていた、タスマニア産の腐りかけた「フレンチクラブ」という品種のリンゴを蒔いてみたら、この雑種が生まれたのだという。果たして父親はどんな品種なのか、未だに謎だとか・・・。

酸味を生かしてジャムやパイ、ソースなどに使って見たが、私には生食が一番美味しい。


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さて、「日本ピンクレディー協会」をごぞんじだろうか。
ピンクレディーといっても、かつて一世を風靡したあのアイドルたちではない。
西オーストラリア生まれの新しいリンゴにつけられた商標名が、「ピンクレディ」だ。
この品種の栽培権利はAPALという本部が所有し、栽培に当たっては各国の生産者が協会を作って契約し、本部にロイヤリティーを支払うことによって栽培の許可がでるというシステムである。
要するにこのリンゴは、これまでの果樹のように誰でも自由に栽培することはできないというわけだ。

日本では2006年に「日本ピンクレディー協会」が設立され、栽培本数は約2700本になっているという。
このリンゴは、「レデイ・ウイリアンムス」と「ゴールデン・デリシャス」を交配育種した新しい品種で、日本では12月から出回る。

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予約していたピンクレディーが、届いた。
ロゴが入ったピンクの箱にびっしりと詰められたリンゴは、やや小ぶりで可愛らしい。
真紅というよりは薔薇色に近い果皮は薄く、そのせいか手で掴むと果肉の硬さがじかに指先まで伝わってくる。
さくっとした歯ざわりが心地よく、フルーティーな香りと酸っぱさの優ったジュースが口中に広がる。
探していたリンゴにようやく巡り会えた・・・・、そんな感じがする果実を、編み終えたばかりのコクワのバスケットに盛ってみた。

ピンクレディーは日保ちもよいらしいし、タルトタタン、アップルパイにもよさそうだ。
もちろん、生食も極めて美味だから、私の好みに似た弟妹や息子たちへ送ってあげよう。
それからあの友達や、この人にも・・・・・。

リンゴをかじりながら、プレゼントのメモを作るのはなんとも楽しい。

     *              *                *

グラニースミスとピンクレディーの注文先

339-8102 長野県安曇野市三郷温2280-3 
        ナカムラフルーツ農園                 Tel  0263-77-3853

*ナカムラフルーツ農園で検索をどうぞ。

青いリンゴの物語り 

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リンゴが美味しい季節となった。
私は、リンゴに関してはちょっとうるさい。
リンゴの顔を見ただけで、美味しいか不味いかを判断できるのだ。
私が生まれた福島市はフルーツ王国といわれ、特に優秀なリンゴや桃の生産地として知られている。
実家が禅寺だったため、檀家の方たちがお供えに持って来てくださる自慢の旬の果物や野菜を、
幼い頃から味わえる機会に恵まれて育った。
学習院女子短大へ進学するまでの18年間だったが、
本物の味を覚えることができたことは、何よりの食育だったと思う。

リンゴといえば、旧のお盆の頃に出回る極早生の「祝い」が、なつかしい。
この青リンゴはいつの間にか消えてしまった幻のリンゴで、覚えている方は私と同じ年代ではないだろうか。
暑い盛りに手にした青い果実は見た目にも爽やか。
1年ぶりのリンゴの香りが嬉しくて、くんくんとかいだものだった。
早く採りすぎると、渋さが残る。それに、なぜかこのリンゴは唇の端に白い泡がついた。
それでも芯のすぐそばまで食べたのが、酸っぱい味とともに思い出される、
父の話によると、明治の初め頃アメリカから来たリンゴだったが、大正天皇のご成婚を祝して「祝い」と名づけたという。

赤いリンゴが多い中で、青リンゴとよばれる緑色のリンゴにひかれるのは、
「祝い」へのノスタルジックテイストに繋がっているからだろう。
青リンゴには「王林」もある。
香りが抜群によく、歯ざわりがハードなのは悪くないが、甘すぎるのがどうも好みではない。

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写真は、長野県の小布施で収穫したニューフェイス。
イギリス生まれの青リンゴで、名前は「ブラムリー」という。
9月の初旬に出回り、酸味と香りの強いクッキングアップルとして注目され、
すでに来年の予約も入っていると聞いた。

これまで生食がほとんどの日本では、糖度の高いリンゴがもてはやされ、
酸味のある料理用リンゴといえば「紅玉」ぐらいしかなかった。
けれども、食生活が欧米化し、料理やお菓子に使えるリンゴが必要とされているのに、
20年前でも品種の新陳代謝で「紅玉」は伐られてしまい、絶滅寸前という状態に近かった。

そこで、RHSJ(英国王立園芸協会日本支部)の理事長だった荒井豊氏が、RHSからの導入に尽力され、
努力と情熱で生まれ故郷の信州・小布施に、文字通り根付かせたのがこの「ブラムリー」だ。微力ながら私も協力ができただけに、思い入れも強い。

やや扁平な形で、果皮は青みを帯びたグリーンに小さな点々の星が入っている。
果肉は白く、強い酸味がここちよい。私にはこの酸っぱさがたまらない魅力で、生食もサラダにもイケル。火にかけると驚くほど早く煮溶けるのが大きな特徴で、ソースやジャム、お菓子などに適している。

不思議なことに、このリンゴに魅せられた人は多い。
研究熱心な応援三レデイが立ち上げたブログの「ブラムリーファンクラブ」を読むと、
このリンゴのことがさらに詳しくわかり、興味が増すに違いない。

http://blog.livedoor.jp/apple5555

ところで、2006年から書き続けてきた私のブログは、8月にレイアウトを変更した。
内容の引越しが途中だが、ブラムリーに関して下記の文を書いている。
以前の「広田せい子のハーブガーデンダイアリー」にアクセスし、
年月日をクリックすると、

07/9/18 ブラムリー つづくのつづき
07/9/22 ブラムリーは美味しい
07/9/28 青リンゴによる至福のひととき    

が出る。よろしかったらどうぞのぞいてみてほしい。


「きれい」の定義

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秋も深まった今、輝くばかりの銀杏の並木が美しい。

我家の近くのバス通りも両側が銀杏の街路樹だ。
おそらく1週間ほどで、見ごろになるだろう。

今日は世田谷から目黒通りを経て、三田まで出かけた。
どの道を通って、もゴージャスな装いの銀杏が目に入る。
絵画館前の銀杏並木がよく話題になるが、目黒通りも素晴らしかったし、
帰りに通った駒沢公園では、重なり合った銀杏の枝が透き通り、
まるで印象派の絵のように光が踊っていた。
地面に散り敷いた金色のカーペットに赤ちゃんを座らせ、
ひらひらと舞い落ちる葉と一緒にシャッターを押している若い母親の、
幸せそうな表情が素晴らしかった。


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家の近くまで帰り、銀杏並木の道にさしかかると、何かおかしい。
異変が起きていた。片側がばっさりと枝を切られているではないか!!!
明日には両側を切り、きっと殺風景な景色になることだろう。
もう少しで絵に描きたくなるようなきれいな光景になるというのに・・・・。
その日を楽しみにしていた人もあったことだろうに・・・・、もうっ、ほんとに・・・。
切った関係者も意図もわかっている。
市役所の***課が、葉が散った後では掃除がたいへんだから、
散る前に剪定と称して切ってしまうのだ。

街路樹を管理する***課には、その道の専門家がいるのが当たり前なのに、
なぜ今頃急いで枝下ろしをするのだろう。
落葉樹の剪定は葉が落ちてから行うのが、素人でも知っている常識だ。
絶対におかしい。

数年前、同様のことがあった時に真意を聞きたくて市役所へ電話をしたことがあった。
「それはですね、きれいにしてあげたわけですよ。早めにこうしておけば散らからないし、
さっぱりとしてきれいです。市民のために町をきれいにする努力をしているんですよ」

今年も電話をしたら、こんな返事が返ってくるような気がする。
はてさて、「きれい」っていったい何だろう。



「清姫」の柿の葉寿司

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都会の紅葉は、山間と比べるとあまりぱっとしないのが普通だ。
だが、今年はかなり美しいほうだったと思う。
ケヤキ、サクラ、モクゲンジ、ネグンドカエデ、セイヨウボダイジュ、ユリノキ、イチョウなど、
それぞれに変化する個性的な彩りの服を脱ぎ捨て、
ナンキンハゼやトウカエデが次の出番を待っている。

今日は紅葉した最後の柿の葉で、お寿司を作った。
この柿は、今は亡き根本さんから苗をいただいたもので、名前を「清姫」という。
横浜市の南区に、いつ訪ねても感じのよい「こども植物園」がある。
今は休んでいるが、10年近くここで子供たちのガーデニング教室を担当していたことがあった。
毎回、二人の講師で1日中のカリキュラムをこなすのだ。
真の実践派で植物大好き人間の根本さんは、素晴らしいパートナーで、
教えていただくことがひじょうに多かった。

「これは私が作った《清姫》」という柿の実生苗だ。
広田さんの庭へお嫁入りをさせてもらおうかね。
甘柿というのは、普通は接木をしないと甘くならないんだが、
これは接木をしなくても甘い実が生るとても珍しいものなんだよ」と、
自慢げに話していた声が、なつかしい。


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紀州や奈良地方に伝わるこの柿の葉寿司は、
若葉の頃から紅葉した今頃まで楽しむことが出来る。
この葉には殺菌作用があると聞いたが、ハーブの役割を果たしているのだろう。

我家は奈良の「平宗」からよく取り寄せたりお使い物にしているが、
自分で作ったものもなかなかの味で、虫食いの葉や不揃いなのもご愛嬌だ。
何よりも作っているときが、とても楽しい。

よく洗って水気を拭いた柿の葉の中央に、サイズを合わせて削ぎ切りにしたしめ鯖を置き、
小さく握った寿司飯を載せる。
大きな葉なら四方からくるむのだが、葉が小さいのでくるくると巻いて器にきっちりと並べる。
ラップをした上から本などで重石をして、一晩置いてできあがり。


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家にあればケに盛る飯を、草枕旅にしあれば椎の葉に盛る

万葉集の中で有馬皇子がしみじみと詠んでいる歌を、思い出した。
椎の葉でなく色鮮やかな柿の葉にくるまれた美味しい御寿司を、
染付けのケに盛って有馬皇子にお出ししたら・・・・。

1枚の柿の葉から、時空を超えてた想いが広がってゆく。


見上げれば皇帝ダリア


もう半月ほどになるだろうか。

「咲きましたね、皇帝ダリヤ」
玄関先のジャスミンの鉢に水やりをしていたら、近所のSさんが声をかけてくれた。
わが家の庭は3.5mほど高い所にあるので、外からは見えないはず。
「あら、どうして?」とたずねると、
「下の道路からよく見えるのよ。このダリアは何しろ背が高いでしょ」

たしかにこの花は、高さ3m程度では自慢にならない。
中南米のグアテマラやコスタリカの辺りが原産地で、数年前から日本でも流行し始め、
各地で見られるようになった。
花という花がほとんど終わり、木々の葉も散り始めた頃に、
しかも飛びぬけて高い位置に咲くので、ドライブをしていると遠くからでも目に入る。
先日は奥多摩へ紅葉を見に行ったが、
青空をバックにこのダリアが農家の庭先にずいぶん多く咲いていた。


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やや青みを帯びたピンクの上品な花の色、
折りたたまれたプリーツの陰影と黄金色の花芯のコントラスト・・・・。
写真だけでは普通のダリアと変わらないが、実物はお盆ほどの巨大輪で、
小さな子供などはのけぞって見上げることになる。

竹ざおのように太い茎は緑色なので、強い風などでポッキンと折れそうに見える。
だが、まだ、折れたことはない。意外にも頑丈なのは草本ではなく、木本だからだろう。

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温度が下がり始めても、まだまだつぼみがあり、花は咲き続けている。
原産地ではたしか700~1300mぐらいの高地に咲くと記憶しているが、かなり寒さにも強いらしい。

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朝日が昇ったばかりの庭へ、オムレツに添えるロケットを摘みに出たら、
皇帝ダリアの花がはらりと落ちていた。
今朝は、ヒヨドリの餌をねだる鳴き声の数も増えたようだ。

秋も深まってきた。



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