HOME:広田せい子のハーブガーデン

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なつかしきクランベリー

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11月の第4木曜日は、アメリカでは Thanksgiving Day (感謝祭)という祝日にあたる。
今年は27日だったが、前々からスケジュールを立てて家族ともども故郷や両親の家に帰り、
心温まる集いを楽しむ人が多い。

今から10数年前、
ウイスコンシン州に住むフィッシャー家に長期滞在しながら、
日常生活の中でのハーブ利用法を、ジーン夫人に学んだことがあった。
彼女は5代続いた家柄の出身で(アメリカでは旧家)、成績優秀のため飛びクラスで大学を卒業。
キャリアウーマンのさきがけを経て、家庭に入った後はまさに女の鑑の良妻賢母。
アメリカハーブ協会のリーダーとしても、多くの人々から慕われている素晴らしい女性だ。
ハーブのご縁は何とありがたいことか。
ジーンは実の娘のようによくしてくださり、今も私のたいせつなアメリカンマムである。

ジーンはハーブを使った各国の料理に、精通している。
感謝祭には、娘のジルと孫娘のハネロワが手伝って、伝統的な家庭料理をたくさん作ったことだろう。
メインディッシュはきっと定番の「七面鳥のクランベリー添え」。
ほかにはトウモロコシやパンプキンなど、アーリーアメリカン時代の食べ物が並び、
家族の久しぶりのパーティーは、さぞかし盛り上がったにちがいない。

ミシガン湖に面したフィッシャー家の庭の一画に、英国スタイルのハーブガーデンがあった。
ジーンからバジルの切り戻しを教わっていた時、片隅に生えていたブッシュ状の植物を指差して、
「セイコ、このクランベリーはイチゴとはちがうのよ。薬効のあるハーブで、染色やハーブティー、ビタミンの補給や料理などに利用するんですよ。生食? 無理無理。とっても酸っぱくて・・・」
 Thanksgiving Day のいわれも、話してくれた。
1620年の12月、信仰の自由と新天地への希望を抱いて、メイフラワー号に乗ったピルグリム(清教徒)たちが、東海岸のケープコッドに上陸した。
彼らを待っていたのは、厳しい寒さと飢え、病気や怪我の数々・・・・。
窮地に陥った入植者を助けてくれたのは、先住民たちだった。
農耕や狩猟、食べ物、薬など暮らしの知恵も授かり、何とか迎えた最初の実りの秋!
人々は神に、そして大地の恵みに祈りを捧げ、収穫物を分け合って祝ったのが、感謝祭の始まりで、
祭りをにぎわした野生の七面鳥と、野生のクランベリーは受け継がれ、今やアメリカの伝統料理となっているという。

思い出のクランベリーが、わが家の庭で幸いにも夏越しが出来た。
サクランボよりも一まわり小さなサイズだが、その酸味は爽やかでかなり強い。


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カップ3杯しかといおうか、3杯もといおうか、ようやく採れたクランベリーは宝石のようだ。
まずはフルーツパイに14粒を。
パイフランの上に紅玉のシロップ煮を敷き、グリーンの干しブドウ、ラムレーズンをトッピングした。


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パイ皮がうすく色づき、クランべりーの形が崩れたらしオーブンから取り出す。
少しぬくもりがあるうちに、取って置きのアップルジェリーをトッピング。
きらきら輝いて、とてもきれいなバイの出来がり。
*アップルジェリーの作り方は、近日中にアップの予定。


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紅玉のジャムにクランベリーをミックスしてみた。
ジャムの仕上がり15分前に加えると、クランべりーの形がぼんやりと残る。
スコーンやマフィン、アイスクリームと実によく合うが、おすすめできない。
Because, 美味しくて美味しくてついつい食べ過ぎてしまうから。


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クランベリーのジャムは、あっという間にできる。
これは50%のグラニュー糖に水少々を加えて煮ただけだが、10分もしないうちにゴリゴリという感じに固まった。そうとうペクチンが強いようだ。
おもしろいことに気がついた。クランベリーがおしゃべりをするのだ。火にかけると、
プツプツプッチーン、ブツブツポンなどと音を立てるのが、楽しい。
種明かしは、果実の中が空洞になっているので、煮えると破裂する。
その音がつぶやくように聞こえるのだろう。
果たして何といっているのか?

甘酸っぱいガ-ネット色のジャムを、来年はもっと作りたいものだ。


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ピンクの杖

「転ばぬ先の杖」という諺がある。

ハードな園芸作業で腰を痛めてからというもの、
悲しいかな、歩き方がアンバランスになってしまった。
60歳を過ぎると転んだら最後。骨折で1か月も入院すると、
歩けなくなってしまうという。

いやいやながらも杖を買うことになった。
今まで、まさか自分が杖をついて歩くなど夢にも考えたことがなかったから、
予備知識がまったくない。
近くの介護センターで、最も軽くて若々しい杖を選んだ。
すみれ色を帯びたローズピンクの合金製で、高さが調節できる。
最初は慣れなくて、つまづきそうになったものの、今では何とか使えるようになった。

それにしても、杖の世界は奥深いものがある。
新宿のヒルトンホテルの地下街にある「チャップリン」という専門店には、
手描き模様の婦人物から、
象牙やシルバーなどの精緻な彫刻入りのアンティックな物まで、
数えきれない杖が並んでいた。
ピンからキリまでというが、キリはおそらく1千万円は超しているにちがいない。

一方、例の百円ショップにも杖がある。
いつも通る店の、通路に面した場所に置いてあるが、
30本ほど入荷したと思ったら、翌日前を通るとほとんど完売している。
私を含めて杖を必要としている人口は年々増えているのだ。

最近は、ピンクの杖で出かけることが多くなった。
以前ほど、内心の葛藤も少なくなり、
杖の色にファッションを合わせる余裕もできてきた。
ところが、昨日のこと、がっくりこけそうになった。
目黒の蕎麦屋で夫と昼食をとったが、この店は手で開閉する昔ながらの入り口だ、
客を送り出す際に店員が戸を閉める時に、ひとりひとり声をかけている。
近頃は珍しいほど奥ゆかしいマナーだ。

背広姿のサラリーマンには「お仕事頑張ってください」
学生風の男性には「またどうぞ」
奥様風には「またのお越しを、お待ちしております」

そして私には、何といったと思う?
ガーン!!!
 「お達者で」

そう、いくら杖をピンクにしても、杖は杖。
学生アルバイトの女の子には、お婆さんに見えるのだろう。
「お達者で」ごときでショックを受けるとは、まだまだ修行がたりないぞ!」
という声が、聞こえたような気がした。
そして、長い老いの坂の入り口に立って、
これからどんなことが待ち受けているのか、と思うと、
杖を持つ手にも自然と力が入っていた。

イギリスの布で ②

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ヨーヨーが少しずつ増えてくるのは、楽しいものだ。
準備だけしておけば、ヨーヨーは1個につきたった数分で出来るのに、
けっこう達成感が味わえる。
10個、20個と数が増えてくると、ほれぼれと眺めてはにんまり。
ちょうど、貯金通帳の残高の欄ををながめているような気持ち、
といったらよいだろうか。

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さて、溜まったヨーヨーを何かに使ってみたい。
はてさて、何がいいかしら・・・。
ということで、サービスでもらったトートバッグを思い出した。
片側が無地で、もう一方の側に大柄なイラストがある丈夫そうなバッグだ。
何となくなじめないままにしまっておいたが、
地の色がこのニュートラルな青灰色だから、
アクセントには少々賑やかな色のほうがマッチするはずだ。
タフな布とデリケートな布のアンバランスも面白いかも知れない。

無地の側には、ヨーヨーを全部つけてしまいたいところを抑えて、5列だけにし、
イラスト入りの側はブドウの枝に見立てて、いくつか果実をつけてみた。
ワインレッドのヨーヨーは、3個とも同じ布に見えるが、
上がウイリアム・モリスによるハニー・サックル(スイカズラ)の図案、
右下は同じくモリスの有名な「いちご泥棒」である。

たった直径7センチの布切れでも、氏素性というか出自がわかるのだから、
リバテイの布はすごくクール(英語で喋らナイト風?)だ。
上部の小さなヨーヨーは、出来上がりのサイズが9ミリ。これも可愛くてクール!

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リネンのエコバッグをいただいたが、ロゴが入っている。
これを隠したくて、ヨーヨーを付けてみた。
うまく隠しすぎて、今ではどこにロゴがあったのか、わからなくなってしまった。
ここに使った35個のヨーヨーは1個1個、みんな違う布だ。
地下鉄で都心へ出るときなど、元の絵柄を思い出しているうちに、
あっという間に目的地へついてしまう。
これからは、「けっしてたいくつしないエコバッグ」とよぶことにしてもいいかも・・・・。


イギリスの布で ①

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アメリカから届いたヨーヨーキルトのことを記したのは、11月4日だった。
最初はものめずらしかったが、
いかにもアメリカらしい鮮やかな色彩の布は、見ていると少々くたびれる。
また、どういうわけか、ごつごつした感じが気になる。

それなら、イギリスの布ではどうかしら。
ちくちく、ちくちく・・・・。
移植ゴテや植木鉢を持ち上げる、頑丈な指で縫うこと、1個で3~4分。
大好きなリバティプリントの布で作ってみたら、
落ち着いた色合いで、艶のあるやさしい風合いのヨーヨーができた。
一つずつ出来上がるたびに、うっとり。
丹精込めた花壇に、可愛い花が一輪ずつ咲いていくような感じ、
といったらよいだろうか。

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縫い方はいたって易しい。
縫い代込みで直径7・5センチ前後の円形の型紙を作り、布を丸く切る。
缶のふたやジャムのビンなどでこのサイズを見つけ、利用すると簡単だ。
布の端を3~5ミリほど内側に折って、周囲をぐし縫いする、
*この針目はへたくそなので、真似をしないこと。なお、今はやや上達。

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一周したら糸を引き締め、ギャザーを美しく整えてから、糸止めをして出来上がり。

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絞った口の所はこのようにしっかりと閉じるタイプと、
Oの形の唇のように、中心を少し開けるタイプがあるようだ。
いずれにせよ、どちらかに統一するとすっきりする。

ヨーヨーを作る楽しみは、布の模様が劇的に変化するところにある。
縫う前の模様からは想像も出来ないほどお洒落になったり、
反対に野暮になったりするからだ。

この4個の前の模様は、どんなパターンだったと思いますか?

ヘクソカズラの夢

明け方、夢を見た。

ストーリーの前後は忘れたが、はっきりと覚えているのは、
高い擁壁の上から一条の茶色の紐がぶら下がり、
ゆっくりと風になびいている。

まるで映画を見ているように、紐にズーミングアップすると、
メドウサの髪ではないが、100本も200本もありそうな細い茎の束が見えてきた。
茎には細かい毛が生え、先端には小さな葉がついている。
「あっ、これはヘクソカズラ!」と叫んだ所で目が醒めた。

不思議なことに、夢にまで現れたこの光景とそっくり同じ場所が近所にある。
駅へ行く途中、右側にある郵便局の本局を過ぎた壁面が、夢に現れた現場(?)なのだ。
いや、これは不思議ではないかもしれない。
ここ数日、ヘクソカズラのことばかり考えていたので、頭から離れなかったのだろう。。

このかわいそうなほど汚い名前の植物になぜこだわるかといえば、
私は今、ツルを編む、洒落た言い方をすればBASKETRYに夢中なのだ。
もともと自称バスケットフェチと名のるぐらい籠が好きで、以前からコレクションをしている。
長男の家が建つために、下の庭が無くなるのが決まったときから、
鎮魂の意味を込めて庭に生えている植物で、何か形を残そうと思った。

最初はハニーサックル(スイカズラ)のツルで、ハーブバスケットを編んでみた。
習ったっこともないのに、思いのほかうまく出来たのが嬉しくて、次々と作り始めた。
素材は、ハニーサックルのほかに、クズ、ヤエムグラ、ホップ、ブドウ、スパニッシュブルームなどいろいろある。

意外な素材といえば、

モッコウバラの枝。このバラは棘がなく、枝が長くしなやかで細工がしやすい。

出来上がってしばらく緑の色が美しいのが、ツルニチニチソウだ。細い紐のようでしなやかなツルは、小さな籠を編むのにぴったり。

クレマチスのアーマンディはかなり太い枝だ。皮がはげやすい点を活かして大胆な大皿などに。

ヘクソカズラは何にでも絡みつくツルで、しなやかな皮の紐のような感触がある。先端の細い部分でもかなり丈夫で、小物を編むときれいにできる。とにかく切れにくいのと、細工がしやすいのが嬉しい。
採取する場合の条件といえば、地上を這っているものは地面に接した部分から根が生えて、引っ張ると切れやすいし、上手に取れても根が引っかかって扱いにくい。また、フェンスに絡んだのをほどくのもこれまた大変。
理想的なのは擁壁などの上部から垂れ下がったツルだ。真っ直ぐで長く、扱いやすいからである。
ただし、欠点は乾燥するまでの間、名前のとおりの異臭がする。
面白いことに、英語では sukunk vine (スカンク ヴァイン)という。
やはり、洋の東西を問わず、発想は同じらしい。

わが家の下の庭だった所は、すでにブルドーザーが入り、宅地造成の真っ最中だ。
何か編みたくてももう素材がない。
だからヘクソカズラが夢に現れたのにちがいない。

もしも、フロイトが生きていたら、いったいどんな夢判断を下すことやら・・・・。




カラフルなピクルス

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後遺症とでもいうのだろうか。
3人の息子が食べ盛りの頃に刷り込まれた記憶が、まだ残っているような気がする。

例えば、料理の量だ。
今は老夫婦二人ぐらしなのに、まだ5人家族の時の分量を作ってしまうことが多い。
たくさん作ったほうが美味しいのは確かだし、
i今でも誰かが「ただ今、あぁ、腹減った。なんかある?」と、帰ってきそうな気がするのだ。
せっかくだから、何でも美味しいものを食べさせてあげたい、
と思う母心の潜在意識が働いているのかもしれない。

さて、これは老夫婦のジジババ食にふさわしい、少量づつ作るカラフルなピクルスだ。


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①  カラーピーマン(赤や黄色、オレンジなど。他の料理に使った残りを利用するとよい)、ピーマン、
   は、短冊に切り、熱湯に2分ほどつけた後、水気を拭く。

② 紫タマネギの小粒は皮をむいて、へたを取り、水気を拭く。

③ ピクルス液のベースには、寿司酢がぴったり。
  気軽に作ることができるので、ぜひおすすめしたい。

④ 広口瓶に①と②を入れ、寿司酢をひたひたに注ぐ。
  この場合はタマネギとピーマンがスパイスの役目を果たしているので、ストレートにしたが、
  ゲッケイジュの葉、トウガラシ、ディル、フェンネル、シナモン、コリアンダーの実、
  クローブなどの中から2-3種を選び、
  寿司酢を煮立てた中へ10分ほど浸して香りを移すとよい。

⑤ 当座用なので、早めに食べきること。


ピクルスに適した素材は、オクラ、カリフラワー、セロリ、インゲン、キュウリ、エリンギ、ブロッコリー
などなど。お好みでぜひお試しを。

や、やられた!!

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地球温暖化の影響は、こんなところまで及んでいる。

昨年に続いて、このいかにも毒々しい虫が、
わが家のたいせつなニオイスミレの葉を、一晩で食べつくしてしまった。
調べてみると、タテハチョウ科のツマグロヒョウモンという蝶の幼虫で、
刺しもしないし、毒性もないという。


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最初はびくびくしながら眺めていたが、無害だと知ってひとまず安心。
しかし、蝶の幼虫の中でもこれはかなりユニークな部類に入るのではないだろうか。
黒い地肌に、背中のオレンジ色のラインと赤い突起物が目を惹く。
デフォルメしたら、デイズニー映画のキャラクターになれるかもしれない。

もともとは南方の暖かい国に生息していたが、温暖化に伴って北上を続け、
1990年以降は東海地方から関東南部へ、
2002年には関東北部でも目撃者報告があったという。
2005年には鎌倉で確認、2006年頃には北関東にも定着したらしい。


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食草はスミレ類で、パンジーやヴィオラ、ニオイスミレなど、
見事に食べつくしてしまう。
ヒョウモンとは、超の羽の模様が豹柄模様に似ているからで、
青い模様のあるのが雌。
一般にオスのほうが美しいのに、この蝶の場合は例外らしい。

それにしても、飛び回っている蝶を撮影するのは、何と難しいことだろう。


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2月に43品種を蒔き、4月にポット上げをしたニオイスミレの葉はぼろぼろ。
早春には馥郁とした香りの可憐な花が咲くはずなのに・・・・。
どうか緑の葉が生き返り、かわいいつぼみがつきますように・・・・。

トホホ・・・、出るのはため息ばかり。
あぁあ・・・・。

アメリカ ・布の万華鏡

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夏も終わりに近い頃、
アメリカのハーブ仲間から、ちょっと大きめなエアメールが届いた。
茶封筒の上からでもわかるぷくぷくした感触、でも、それほど重くはない。
いったい何かしら・・・・。
わくわくしながら開けてみると、カラフルで丸い形のものが洪水のようにこぼれ落ちた。

「あっ、ヨーヨーキルトだわ」
思わず大きな声で叫ぶほど、何と嬉しいプレゼントだろう。
以前、オハイオ州クリーブランドで開かれたアメリカハーブ協会の集まりで知り合ったビクトリアは、
ときどきこうしたサプライズで、私を喜ばせてくれる。
彼女の家でお茶をご馳走になったとき、家中に飾られたパッチワークの数々を見せてもらった。
ゲストルームにはグランドグランドマザーが刺したという質素な、しかし気品と風格のあるベッドカバー、
彼女が結婚したときに、友人たちがピースを持ち寄ってシャワーをしてくれたというベッドカバーは、クラシックな花のパターンだった。めくって見せてくれた裏の隅には、参加した人たちの名前が気取った書体で刺繍されていた。
ソファに置いたひざ掛けも、食卓の上のテイコゼーやコースター、犬専用のマットまでパッチワ-クが施されている。
インテリアと実用を兼ねたパッチワークの素晴らしさに圧倒された私が、
「これなら簡単そうね」と、ヨーヨーキルトのコースターを手に取ったのを覚えていたのかもしれない。
ビクトリアからの手紙によると、家族の古着や手芸友達と交換した布、スカーフ、ハンカチ、バザーの売れ残りの布から、美しいものを選り分け、家事の合間に作ってくれたという。


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ヨーヨーキルトとは、布地を丸く切り、周囲をぐし縫いして縮めたものだ。
おもちゃのヨーヨーに形が似ていることから、アメリカではこうよばれている。
興味深いことに、イギリスではパフというそうだ。ギャザーを寄せてふっくらとした形からきているのだろう。

それにしても、いつも多忙なグロリアがセイコのために、よく作ってくれたものだ。
アメリカ独特の鮮やかな色がミックスしたヨーヨーを、白い紙の上に並べ、
混ぜては並べ、並べては混ぜているうちに、何かに似ていることに気がついた。

そう、これは万華鏡。
太平洋の上空を飛んで、はるかなアメリカからやって来たカレイドスコープだ。
こんなふうに並べて、白いセーターの背中につけたら、どうだろう。
それとも?

白昼夢を見ていた晩夏の昼下がりが、なぜか思い出される日だった。


今年のトマトはよいトマト

私にとって11月3日は、「文化の日」よりもたいせつな祝日だ。
この日は両親の「結婚記念日」で、幼い頃から食卓に何かしら一皿が加わり、ささやかながら家族で祝った思い出の日でもあった。
二人が旅立って久しいが、私は両親を想いながら小さな一皿を作ることにしている。
さて、今年はどうしようかしら・・・・。そうそう、いいトマトがあるじゃないの。

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これは10月の末にトマトの株を整理した時、収穫した最後のトマトの一部だ。
6月25日のブログを見ていただきたい。
青臭い匂いがぷんぷんとしてくる、いかにも若々しいトマトの写真がある。
このトマトたちが過酷な梅雨に耐え、酷暑の夏を超し、秋を通り抜けてここまでがんばったのだ。

トマトは簡単そうにみえても、ゴールまでたどり着くまでにいくつものトライアルがある。
連作を嫌うので同じ場所に植える場合は、それなりの工夫と対策が必要だし、照っても降ってもうどん粉病や病気が出やすい。
落とし穴だらけの道を何とかここまでたどり着けたのは、10号のスリット鉢と新しい土で栽培したこと、そして、8月に挿し木で更新したからではないだろうか。
正直のところ、栽培用として思い切ってテラコッタ鉢を処分し、スリット鉢だけにするには勇気がいった。
けれども今は、使ってみてよかったと実感している。根の張りがまるで違うので元気に育ち、何よりも軽いのがありがたい。

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サバイバルチームのトマトたち。
ちなみにこのバスケットは、私が庭のハニーサックルで編んだもの。
生まれた場所が同じせいか、妙に似合うような気がする。

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小ぶりながらも握ると弾力があり果肉は硬そうだ。
切ってみると、それぞれの個性的な果肉の色と、熟成した香りが食欲をそそる。
へたにいじらずに、オリーブ油とヴィネガーに塩と胡椒少々だけのシンプルなサラダが一番かな。
いやそれよりも、そのまま味わったほうが何倍もお洒落・・・・。

お父さん、お母さん、結婚おめでとう。
長女が育てたきれいなトマトを、どうぞ召し上がれ。

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