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HOME:広田せい子のハーブガーデン

イギリスの春の花






3月23日に「すみれの花の砂糖菓子」をアップしたところ、
あのお皿について教えてほしい、
あるいはどちらで求めたのか、というお問い合わせが多かった。

私もこの‘April’という銘があるトリオ(カップ、ソーサー、ケーキ皿のセット)が大好きで、
描かれているプリムローズとニオイスミレが咲くと、
このセットを使うことにしている。








このセットは、英国・ロイヤルドルトン社のボーンチャイナだ。
(ROYAL DOULTON ,MADE IN ENGLAND, BONE CHINA )

こうして本物の花を置いてみると、
ほとんど写実的に描かれていることがわかる。
春一番〈Prim)に咲く花(rose)の名前のとおり、
プリムローズはイギリスでは春を告げる花として、愛されている。

Edith.B.Holdenの文と絵でつづった、‘Nature Note in 1906’によると、
4月9日にブリストル近くのストーク・ビショップまで旅をした際に、
「エイボン河沿いの肥沃な低地ではリュウキンカが黄金色に輝き、グロースターシャーでは、このキバナノサクラソウもスモモもたくさん咲いていた」
と記している。
スミレも同じページに、描かれてあった。

私の庭では3月中旬から、日当たりのよい一画で星のような花が次々と咲く。
これは実家の庭から移したもので、私の母が嫁入りした時には、大株があったという。
おそらく祖母が植えたものと思われるが、少なく見積もっても70~80年ほど前から実家で咲き続けてきたことになるから、じつに嬉しい。

そうそう、これは銀座松屋のアンテイックの店で、夫がプレゼントしてくれたものだ。
数年前まで、ちょうど今頃に松屋の催事場で、恒例の「NHK趣味の園芸フェスティバル」というガーデンショウがあった。
毎年出展していたが、20回目でお仕舞いになったときに、「おつかれさま」と渡されたのが、このティセットだった。

明日から‘ April ’
プリムローズもスミレも、雨上がりの庭で元気に微笑んでいる。

レモングラスのタネ



レモングラスは苗から育てるのが、一般的だ。
栽培暦は30年を超えるが、横浜で花が咲いたことがないし、聞いたこともない。
ただし、1回だけ花が咲いたのを見たことがある。
それは静岡県の中伊豆にある、町民手作りのハーブガーデンだった。
役場からの依頼で、ハーブの指導に何度か通ったが、
その年は異常に暑い夏のせいか、花が咲いた。
茎の先端についた花はイネ科の雑草のようで、レモングラスといわれなければ、見落としてしまいがちの、地味な花だった。

世界的にも名高いイギリスの種苗会社・Tompson & Morgan社からタネが発売されたのは2~3年前だったろうか。
実験の意味も込めて蒔いてみたかったが、タイミングがあわず、
今回が初めてだ。

発芽しても雑草と間違えやすいので、新しい赤玉土の小粒に蒔いてみた。
50粒のうちいくつ発芽するだろうか。


柳生信吾さんの卒業式

しっとりと春雨が桜の花を濡らし始めた夕刻、
青山にあるNHKのクラブへ。

NHK「趣味の園芸」の司会者が4月から変わることになり
、 これまでの柳生真吾さんと宮本愛子さんの卒業式が心温まる雰囲気の中で行われた。
同時に新しい司会者の、金子香織さんのお披露目もあった。
盆栽家の彼女は昨年ママになったばかりのホープさん。
若くてきれいではきはきとした話しぶりに、多くの人がファンになることだろう。
会場には「趣味の園芸」の講師や出演者、制作スタッフなどが集い、
まるで同窓会のようだ。

振り返ってみると、「趣味の園芸」に初出演したのが1985年だから、
もう23年目になる。
私にとって初めての司会者は、美人で爽やかな森みどりさんだった。
みどりさんとはずいぶん長く、
その後松田さん、榊さん、宮本さん〈のど自慢の司会者で、最近フリーに)、
須磨さん、山本さん、坂東さん〈元中日の野球選手)、柳生さんと続き、
柳生さんの司会は数えて8年目になる。

その前の司会者が中高年の坂東さんだったので、
息子のような柳生青年が、たいそう新鮮な感じだった。
実際に、彼は私の長男と同じ大学で学び、
柳生夫人と長男の嫁も同じクラスの友達どうし。
また、フォルクスワーゲン社のヴァナゴンというキャンピングカーも同じ
で、八ヶ岳の麓にある彼の家と我家の山荘が近いことなど共通点が多く、
すぐになじむことができた。

印象に残っていることといえば、
地方都市での公開録画やスタジオ収録などで私を紹介するたびに、
「広田さんのこの手を見てください。
本当に緑を育てている人は、このような手をしているのです」
と、私の荒れてごつごつした手を、「勲章もの」と褒めてくれた。

たしかお子さんが4人いたはず。
これからは八ヶ岳の家で、よきパパぶりを発揮し、
英気を養ってほしい。
おつかれさま!!!



ほろ苦いうこぎ飯



幸柳の花がデッキまで飛んできて、まるで雪のよう・・・。
「あっ、そうそう」
去年、フェイジョアの樹の下に植えたウコギを思い出した。
雪柳が散る頃が、ちょうど食べごろなのだ。

「もう大きくなりすぎたかな」
育ちすぎると苦味とエグミが強くなってしまう。
ちょっと心配しながら樹の下を見ると、
柔らかそうな葉が、びっしりと枝から生えていた。
エメラルドのような緑が、美しい葉だ。

とげに気をつけながら摘み取って洗い、
炊き立てのご飯に塩少々とこのウコギを加え、
5分ほど蒸らしてからいただくと春の香りが何ともいえない。
ウコギ特有のほろ苦さも、大人の味のような気がする。

ウコギは、何故か退廃的な感じがする春の食べもの・・・。
このニュアンスがわかる人は、おそらく東北人ではないだろうか。

アーマンディ



花盛りのアーマンディーは、
えもいわれぬ芳香をかなり遠くまで漂わせる。






階段を登りきった玄関脇に植えた、
この白いクレマチスは、
サマーオレンジの樹にかぶさるように誘引した。
植えて10数年もたつと、幹(?)は手首ほどに太くなり、
花どきには真っ白なレースの巨大なパラソルを広げたよう・・・。

私としては、レース模様の白いキャノピー(天蓋)のイメージで悦に入っていたのに、夫は「お化け屋敷」だという。

玄関の屋根も傷むし、サマーオレンジもかなりくたびれたので、
一昨年思い切って、切り詰めた。




結果として、切ってよかった。
古い衣裳を脱ぎ捨てたアーマンディーは、
ピーターパンのように元気はつらつなつるを伸ばし、
ピーターパンの服の裾のような常緑の葉を繁らせている。
そして花のサイズは心なしか、大きくなった感じだ。
香りもかなり強くなった。

この季節は、帰宅する時に香りの出迎えが嬉しい。

花見が出来る幸せ



「せい子さん、秘密の場所は今頃がちょうどじゃない?」
友人のMさんから、明るい声の電話が入った。
「そうなの、お誘いしようと思っていたのよ」

すぐに話がまとまり、朝の10時に駅前で待ち合わせ、
例の秘密の丘へ直行した。
上り坂を左に曲がって、まもなく右にハンドルを切ると、
目の前に現れるこのシ-ン・・・・。

ここは昨年の3月14日に、
「桃源郷へ」のタイトルでアップした所だが、
何度訪れても、季節の中で自然に触れる喜びがある。




ゴッホが感動したアルルの桃の花は、このような感じでは?




草むらでブルーサファイアが輝くような、オオイヌのフグリ。




農家の裏庭では、コブシの大木が白い炎を吹き上げていた。




日当たりのよい土手にはホトケノザと青い草のタピストリーが。




濃い蜂蜜の香りがする、黄金色のポンポンを下げたミツマタ。




生け花の花材につかわれる、コロンとした蕾が愛らしい、紅葉スモモ。

どの道を通っても、春の印が数限りなく刻まれている。
今年も、お花見が出来てよかった。

年を重ねてくると、しみじみとそう思うようになってきた。
どうか、来年もこの秘密の場所へ来られますように。

怪しいサフラン

続・妹のトルコ土産





袋の中には、まだまだ入っている。
どれどれ、並べてみよう。

左上の渋いワインレッドの粉末は、何だろう。
舐めてみるとシソのような酸っぱさがある。
わかった。これはハイビスカスの花か蕚をくだいたものにちがいない。
ハイビスカスといっても、
ハワイヤ沖縄の観光ポスターで見るような、あの花ではない。
Hibiscus属には220種ほどあるが、これはローゼル(H.sabdariffa)という非耐寒性の植物で、花はオクラに似ている。
アフリカや中近東、地中海沿岸地方などでビタミンCを多く含むハーブティーとして用いているから、そうだと思う。
日本で露地栽培が出来るのは沖縄で、11月ごろが収穫期だ。
昨年の12月6日に「ハイビスカス物語り」、12月7日に「ハイビスカスの散らし寿司」をアップしているので、御参考までに。

サフランは後回しにして、
黒い粒々が胡椒
緑色の乾燥葉がタイムだ。

さて、問題のオレンジ色のサフランだが、これは怪しい。
私はこれまでスペイン、インド、トルコ、ブラジル、タイなどのお土産として、
「本当はとても高価なものだけれど、
現地だから特別に安く手に入ったサフラン
」なるものを、いただたことがある。
当の御本人がすっかり信じているので、けちを付けては悪いと思い、黙っていたが、みんなだまされている。
このトルコ土産は、妹が
「偽物をお姉ちゃんに見せたくて、買ったのよ。これで90円だったかな、本物だったらそんなばかな話はありっこないし、第一こんな形ではないものね」と、入れてくれたのだった。

このトルコの偽サフランは紅花の雌蕊で、毒ではないが色も香りも風味もない。インド土産はトウモロコシの毛を赤く染めたもの、それから赤いおがくずのようなサフランもあった。
もしも中世のヨーロッパでこんなことが発覚したら、火あぶりの刑かもっと残酷な処刑が待っていたことだろう。
遥かな昔から、金よりも貴重なサフランの価値が知れわたっていたために、
さまざまなインチキサフランが作られ、厳罰とのいたちごっこだったという。

旅先で超安値のサフランを見つけても、絶対に買わないこと。
絶対に偽物だから。

妹のトルコ土産

トルコを旅してきた妹からお土産が届いた。
開けてみると、
エキゾチックな香りとともに、こんなものが入っていた。






さまざまなトルコ料理に使われる、最も一般的なペースト。
原材料は赤唐辛子、塩、ニンニク、クミン、胡椒、クローブ、シナモンなど。
こんなに赤い色なので、どれほど辛いかと思いきや、
アレレ、あまり辛くないのでがっかり。
でも、クミンやクローブなどのスパイスがバランスよく配合されていて、
食欲をそそられる。
肉や魚とかスープにも美味しそう。




ナッツやドライフルーツがこんなに。
上の段左から、食べると口の中がクリーミーになるヘーゼルナッツ(ハシバミの実)。
ローズマリーの香りが効いた塩味のオリーブ
ピスタチオやザクロを蜂蜜で固めたトルコのスイーツ
甘い無花果のドライフルーツ。
これは絶品。黒いかなり大きめのブドウをドライにしたもの。
つまんでみたら、アマ~イアマ~イ味で全部食べてしまった。




ミックスハーブティー。 バラやショウガ、カモミール、西洋菩提樹のほか数多くのハーブをブレンドしたもの。
味が楽しみだ。
ダフネ入りの石鹸。ギリシャ神話に登場するダフネは、アポロンに言い寄られて月桂樹に変身した妖精の名前だ。素朴なこの石鹸に月桂樹のエキスが入っているのかも・・・・。
西洋菩提樹のお茶。プロヴァンスのティユールの花よりも小さくて、香りが深いようだ。
バラのお茶。ダマスクローズ系のバラの香りだ。きっと美味しいお茶になると思う。

                         つづく

ニオイスミレの砂糖菓子

温室への小道に、
シャネル5番のような香りが漂っている場所がある。
そこは花盛りのプラムの樹の下で、
ニオイスミレのエリアとなっている。
温度が上がると香りも強くなるため、
天気がよい日のお昼前は、まさにパラダイス・・・。
いつまでもプラムの下に佇んでいたいと思う。





ニオイスミレはギリシャ・ローマ時代から、
薬用や香料に使われてきた歴史的なハーブだ。
スミレにまつわる数多くのエピソードの中でも、
私はナポレオンの話が気に入っている。

英雄色を好むというが、
ナポレオンはスミレも大好きで、
結婚記念日には皇妃ジョセフィーヌへ、スミレの花束を贈っていた。
ナポレオンがエルバ島へ流刑になっったとき、
「余はスミレの花が咲く頃に必ず還ってくる」と言い残したという。
彼を支持するナポレオン党の人々は、
「いつかスミレが咲く頃に」を秘密の合言葉として、復帰を待ち望み、
ナポレオンがパリへ戻ったときは、スミレの花束を手に歓迎したそうな。
時は1815年の3月、ちょうどスミレの花咲く頃ではあった・・・・。

たくさん花が摘めたので、
Crystallised sweet violets(スミレの花の砂糖がけ)を作ってみた。



作り方
?スミレは茎をつけて摘み取る。
?卵白にフロストシュガー少々(スミレに砂糖がよくつくように、すなわち展着剤の効果)と水を等量加え、フォークで泡立てる。
?ワックスペーパーの上に、グラニュー糖を5ミリほどのせておく。
?スミレの花弁に面相筆で、?の液を表裏ともに塗り、?の砂糖の上に花の表を下にして置く。
?スプーンで静かにグラニュー糖を花の裏にかけ、1日ほど置く。
?砂糖が完全に乾いたら、茎を静かにピンセットで持ちあげ、ワックスペーパーを敷いた密閉容器に入れる。
?冷蔵庫で保存し、早めにいただく。





* フランス製のように色や香りをつけていないので、かすかな香りだが、
私はケーキに飾ったり、紅茶の砂糖に添えるなど、春の名残を楽しんでいる。


お花見は国立劇場で

今日、予告よりも1日早く桜の開花宣言があった。
靖国神社の指定樹ソメイヨシノに、
6輪ほど花が咲いたことが確認され、発表となったが、
私は国立劇場の前庭で、素敵な素敵なお花見をしてきた。

三宅坂にある国立劇場は、歌舞伎や文楽、邦楽、舞踊、民俗芸能など
日本の伝統芸術の公演の場として親しまれている。
私も何度となく行ったことがあるが、
いつも開幕ぎりぎりで駆け込むために、
これまで前庭に注意を払ったことがなかった。
それが、こうしてうららかな春の日差しを浴びながら、
ほころび始めた桜の花に顔を近づけて、
ゆったりとお花見ができるのは、何と嬉しいことだろう。

一月ほど前に、
国立劇場の庭園管理室の内山泰幸氏より、お手紙をいただいた。
「私が管理している庭園の桜が見ごろを迎えるので、ぜひ御案内したい。
ちょうど22日の午後から桂歌丸の独演会があるのでよろしかったらご招待を」、
と結んであった。
彼は私がハーブの講座を持っていたNHK文化センター青山の、
熱心な受講生だったことを思い出し、
これもハーブのご縁と、夫と二人でありがたく招待をお受けした。




大劇場前の広々とした庭園には、広いフラットな園路が設けられ、
よく手入れのされた松や樟などの常緑樹が、
桜を引き立てるように配置されている。

小松乙女(コマツオトメ) 
駐車場近くの園路入り口には、ちらほら咲き始めた小松乙女が。
ソメイヨシノよりも小ぶりな花で、
つぼみの紅が乙女の名にふさわしく初々しい。




神代曙(ジンダイアケボノ)
神代植物公園で栽培されているエドヒガンと、他種の雑種と推定されている。
ばら色を帯びた華やかな花色と、ほっそりとしたつぼみのつきかたに品がある。




八重紅枝垂(ヤエベニシダレ)
エドヒガンの園芸品種。花は八重咲きで紅色。枝は下垂する。
遠藤桜(エンドウザクラ)とも。
パラソルを半開きにすぼめたような美しい枝に、
紅色の花がびっしりと咲く日ももうすぐ。




仙台屋(センダイヤ)
高知市内の仙台屋という店の庭にあった遅咲きの桜で、
花色が濃く一重のオオヤマザクラに似ている。樹皮の色も艶も美しい。
高地出身の牧野富太郎博士が命名した。




駿河桜(スルガザクラ)
白みを帯びた大きめな花が房咲きになり、豪華な雰囲気の桜。
三島遺伝学研究所で創られたもので、庭園の主役を務める。
ソメイヨシノよりも数日早く開花。樹形の素晴らしさも抜群だが、
足元のマウンドにも注目を。スミレの群落が・・・・。

このほか八重桜の関山も遅れて咲く。
しかし、話題をさらっているのが、駿河桜2世の仮称で呼ばれている新種の桜だ。
これは駿河桜が自然交配した実生苗で、親とはまるで似てない。
可憐な花を開き始めているこの桜の名前を公募しているので、お花見がてら出かけてみてはいかがだろう。
採用者への賞品が、素晴らしい。
国立劇場の歌舞伎公演ペアチケット7万円相当と、苗木の第1号だ。
私も応募してみるつもりだが、自分の命名した桜があると思っただけでも、
幸せ気分だ。

花もきれいだったが何よりも印象に残ったのは、この庭の植物の1本1本を心から愛し、誇りを持って管理している内山氏の笑顔だった。
久しぶりに本当の笑顔に出あい、いい春になりそうな予感がしている。


明日の夜は、ジャズ三昧

明日、土曜の夜は、テレビの前に陣取って、
ジャズびたりになるぞ!
と今からわくわくしている。

「綾戸智恵メモリアルコンサート meets 原信夫とシャープス&フラッツ
放送日 3/22(土)
放送局NHK-BS-2
放送時間 22:~24:30

小柄な体に信じられないほどのパワーをみなぎらせ、
底抜けに明るい大阪弁のトークで笑わせた次の瞬間には、
しみじみと愛のバラードを歌いこむ綾戸智恵。
彼女は幼少の時からクラシックピアノを学び、
本場アメリカでジャズ修行を行ったものの、
40代で遅咲きのデビューを果たした。
自由奔放なピアノの弾き語りを得意とし、
魂を揺さぶるソウルフルな歌唱力は、
ジャズファンを魅了してやまない。

一方、原信夫率いるビッグバンドは、
ゴージャスなフルスイングで彼女をサポートし、
ジャズの世界の醍醐味を味あわせてくれるだろう。

ちなみに、
これは2月17日にNHKホールで開催されたコンサートを中心に、
過去のインタビューなどを織り交ぜた90分番組みで、
以下のような演目らしい。

00.Blue Flame 〜 Opening Theme
01.Stormy Monday
02.On The Sunny Side Of The Street
03.You'd Be So Nice To Come Home To
04.Just In Time
05.Tennesse Waltz
06.Lover, Come Back To Me
07.I Can't Stop Loving You
08.West Side Story (メドレー #&♭)
09.Alright Ok. You Win
10.L-O-V-E
11.Massachusetts
12.Sentimental Journey
13.Summertime
14.I Love Being Here With You
15.Take The 'A' Train
アンコール
・真赤な太陽
・Blue Flame
・愛の讃歌
・Going Home

いずれもジャズのスタンダードナンバーばかりで、懐かしい曲も多い。
美味しいオードブルにワインなどを飲みながら、
楽しむこととしよう。

フキノトウ風味のパスタ

フキノトウがあちこちから生えて、
2~3日摘まないとけっこうの量になる。
フキノトウ味噌も作った。佃煮もばっちり。
それなら、フキノトウのパテといこう。
去年も冷凍しておいたら、
スパゲッティやフェトチーネなどのパスタ類に好評だったので、
あらためて記しておく。



フキノトウは蕾だけでなく、咲いてしまった花も使える。
よく洗い、ざるに広げて水気を完全に切る。

*花盛りのヒメオドリコソウをバックに、
いかにも春らしい雰囲気を出そうと意図したのに、
途中で電話が入ってしまい、大急ぎで撮影した失敗作。
せっかくきれいに洗って乾燥させたのに、
こんな風に地べたに置いては、
ほこりだらけになるので気をつけること。




よく切れる包丁で、手早く粗みじんに刻む。
パーッと立ちのぼる春の香りに、しばしうっとり・・・。
でも、時間が経つと酸化して色が黒く変化しやすいので、
手早く手早く。




きざんだフキノトウを容器にいれ、
オリーブオイルと塩を適宜加えて混ぜ合わせる。
オリーブ油も塩も吟味して、
良質のものを使うと「やっぱりね」「なるほどねぇ」という味になる。

わが家の三春






これからの季節は、毎日がドラマチックだ。

一夜にして今まで枯れ枝だったところから、
緑の若葉が炎のように噴き出し、
一日で固い蕾が割れて枝の先端にまで、花の蕾が鈴なりなのを見て、
昔の人々は、佐保姫という春の女神の存在を信じていたに違いない。

家庭果樹についていえば、
早春から梅、桃、桜の順に開花するのが一般的だ。
ところが、滝桜で知られる福島県の三春では、
寒冷地のため3種類がいっせいに花を開く。
三春町の由来は、ここからきているという。

さて、わが家の三春は、
桜、桃、スモモ。

桜は昨日の記事と河津桜に。

桃の「照る手姫」(写真上)。鉛筆のようにほっそりとした樹形に、
華やかで大ぶりの花が密に咲く花桃。このつぼみ、かわいいでしょ。

スモモは「サンタローザ」(写真下)。緑色を帯びた白の花が、無数に咲く。
夏休みが始まる頃が、美味しい食べ頃。

バレンタイン桜






昨日から、庭のテーブルの上で、
素晴らしいドキュメントフィルムが、同時進行で公開されている。

17日10:30
    桜の蕾の先端が、薄ピンク色に染まって膨らんでいる。

   16:00
    気がついたら、3輪開花していた。
    恥じらいを含んだ少女ののような愛らしさだ。
    
18日 6:30
    暖かい夜だったので、もう2分咲きになっている。
    樹肌の感じから八重咲きだとばかり思っていたら、一重だった。

   13:00
    午前中あわただしく仕事をしていたが、
    はっと気がつくと、写真のような状態に開花していた。
    蕾の薄紅色と、上品な桜色の花弁がとてもマッチしている。
    
このミニ盆栽の桜は、バレンタインデイーに、夫へのプレゼントとしてお嫁さんから届いたものだ。
「ドラゴン桜」ならぬ「バレンタイン桜」などと呼んでいたが、
この桜には、「薄紅小町」という立派な名前があった。
咲いてみて、この名前と実物がいかにぴったりかということがわかった。

2月14日のブログを見直してみた。
まぁ、何と幼かったことだろう!

そして、明日の生長ぶりが楽しみでならない。



ローズマリーのフォークロア





秋からぽつぽつと咲いていたローズマリーが、
急に花をつけ始めた。
とはいっても、50品種近い中では約1割強で、
残りはこれからといった蕾の状態だ。

上の写真は左側が木立ち性の‘マリン・ブルー’、右側が匍匐性の‘サンタ・バーバラ’。
下の写真は、マリン・ブルーのアップ。
現在開花中の品種はほかに、‘ブルー・ボーイ’、‘アルバ’、‘ロゼア’、‘ハーブ・コテイジ’、‘ウインター・ハーディー’など。

この唇の形をした青い花を見ていると
春山行夫著の「花の文化史」に記された、ローズマリーに関する俗信を思い出した。

イギリスで最初に出版された「本草書」は、
1525年にリチャード・バンクスが出版したものだ。
この中で、ローズマリーについて
「花を粉にしてネルに包み、それを右腕氏結び付けていると、
明るく愉快になる。
また、花を着物や本にはさんでおくと、虫に食われない。
葉を白ぶどう酒で煮て、それで顔を洗うと、顔が美しくなる。
また、その葉をベッドの頭部の下に入れておくと、すべての悪夢も退ける。
また、葉をドアに吊るしたり、室内に持ち込んだりしておくと、毒蛇に咬まれる危険を避けることが出来る。
また、葉をワインの桶に入れておくと、そのワインを売るとき、売れ行きが早く、幸運に恵まれる」
と、記している。

まさに、いいこと尽くめではないか。

これからローズーマリーの花の季節が始まる。

ナチュラル感覚なクロッカスの植えつけ方



「ダイちゃんから電話だよ~」と夫の声。

ダイちゃんこと、戴子は京都に住むすぐ下の妹のことだ。
今頃はトルコへ春の球根を見に行っているはずだけど、
そうか、もう帰ってきたんだ。

「お待たせ。トルコどうだった?」
「アネモネの群落がすばらしかったわ。まるでテッシュペーパーを散らかしたみたいに、咲いているの」
「そう、きれいだったでしょ。イスラエルでもちょうど今頃、咲いていたわ」
私はまだトルコへ行ったことはないが、
この妹はトルコ語をマスターし、もう何度もトルコへフラワーウオッチングに出かけている。
「キプロス島へ行ったらね、船が欠航して、いやぁ、まいったまいった」
とか、
「チューリップは4月らしいよ」
「シクラメンの原種はいいわねぇ」
と話が長い。
私が京都へ送った黄八丈のコラージュが、無事ついたかどうかを聞くと、
「まだ見てない」という。

「えっ、紛失事故だわこれは」と気色ばむ私に、
「だって、まだトルコにいるんだもの。このBGMはトルコの雑踏の音よ。
携帯を借りてきたんだけど、度数がちっとも上がらないので、いくら話してもOKなのよ・・・」

肝心のクロッカスがトルコに咲いていたかどうかを、聞くのを忘れてしまったが、
私は4月にギリシャのパルナッソス山で、雪渓の消えかかったところに紫の大群落を見たことがある。あれはじつに壮観だった。

わが家の庭でも、黄色に続いて紫、白、筋の入った薄紫、すみれ色などが咲き始めた。
一度植えたら、律儀にも毎年忘れずに春を告げてくれるクロッカスを、
等間隔で真っ直ぐに植えたり、幾何学模様にしては野暮というもの。
アメリカで教わった、自然に生えてきたように見える植え方がある。
それは、球根を手のひらの中に握りこみ、植えたいあたりに軽く投げつけるのだ。
ランダムに散った球根の場所を掘り、植え込む、といかにもナチュラルな感じの景色が出来る。

この方法を覚えたのは、ウイスコンシン州にあるフィッシャー家の広い芝生
が教室代わりだった。
たしかに、緑の中で点々と花を開くさまは自然そのもので、風景の中に溶け込んでいる。
せっかく習ったこのテクニックを、我が家では一度も使ったことがない。
その理由は、残念ながら狭い場所には適してないからだ。

とてもすてきなので、広い芝生のあるお宅でぜひ試してみてほしい。


大宮の一本桜







昨日の嵐はどこへやら、
春らしい弥生の朝となった。
温度も19度に上がり、公園の桜ばかリか、庭ではアンズやスモモのつぼみが膨らみ始めた。

昼前に都心へ出かけた夫から電話が入り、
「今、音羽の護国寺なんだけど、もう桜が咲いているぜ」
「本当に? ソメイヨシノかしら?」
「どうもちがうようだよ。花が小ぶりで色が少し濃いみたいだ。
東池袋へ向かう道に、何本も咲いているよ」
「それじゃ、246の江田の交差点のところと同じかもね」

昨日はさいたま市の大宮で、満開の見事な桜を見た。
高速道路を出て直進すると、新幹線の高架手前右側に、こんもりとしたピンク色のドームが目に入った。
ここは昔、大宮の操車場だった場所らしい。
すぐ後ろを、新幹線と京浜東北線、埼京線、東北線があり、貨車も通っている。
近寄ってみると、その桜は太い幹から円を描くように天空に向かって枝を伸ばし、手まりのような花房が枝という枝に、びっしりと咲いている。
下から見上げると、大きな花笠の下に隠れたような錯覚に捉われそうだ。

おそらく、線路に沿ってかなりの数の桜が植えられていたのではないだろうか。
操車場を整理するにあたり、ばっさりとやってしまったものと思われる。

しかし、よくぞ1本だけでも残して置いてくれたものだ。
この桜には、人の足を止める何かのパワーがある。
きっと明日の日曜日は、桜の下で弁当を開き、お花見をする人が多いような気がする。

近かったら、私だってここへお花見に来たいもの・・・・。



庭でも育つオカワサビ





プラムの樹の下に3株植えたワサビが、こんなに大きくなった。
1週間ほど前は、紫がかった葉の先端が落ち葉の間からのぞいていただけなのに、
もうつぼみをつけている。
この調子では今日の春の雨で、
明日はびっくりするほど大きくなっているかもしれない。

へー、ワサビって冷たくてきれいな水がなくても、育つの?
と質問されたことがある。
たしかに渓流で育つワサビはよく知られているが、
同じワサビがこれこのとおり、畑でも育つ。
ただし、陸で育つ山葵の意味から陸山葵と書いて、
オカワサビとよんでいる。

もう少し根を太く大きくしてから使うつもりなので、
もったいなくて味はまだ見ていない。
昨年は、葉と茎を何度か漬け物にしてみたが、
静岡や長野から出荷している山葵の花と変わらない風味だった。

今年もそろそろ店頭に並ぶかと思うが、(あるいはもう終ってしまったかも・・)
もしも、スーパーなどで、
山葵の花として売られている福島県の月館(つきだて)産を見つけたら、
手にとって見てほしい。
この美しい名前の山里は、
母が女子師範学校を卒業後、小学校の教師として最初に赴任した所なのだ。
数年前、母を懐かしく思った私たちは、
弟の運転で妹たちと月館を訪ね、母の下宿先まで行ったことがあった。

何とこの町には、立派なハーブセンターがあり、
ハーブや秋草の咲く敷地に、福祉関係の施設もあった。
何よりもここに集い、そして働く人々の笑顔がすばらしかった。

陸山葵を植えたのは,たしかあの翌年のこと。

思い出したが、母の生家では梅の樹の下に陸山葵の畑があった。
その葉山葵が届くと、私の祖母はわさび漬けを上手に作り、必ず三段重ねの瀬戸物に入れていた・・・。

私と山葵には、何か深い縁があるのだろうか。

気がつけば毒草だらけ





昨日は、毒ゼリ中毒事件のニュースが日本中を震撼とさせた。
毎年、今頃の季節から各地で毒草を誤って食べる人が多いのは、山菜採りや摘み草などへ、行楽気分で出かけるからだろうか。

長い冬も終わり、明るい春の日差しに気分はうきうき。
数年来、田舎暮らしや里山、エコなどがキーワードとなっているせいか、
自称ナチュラリストたちが野に山に出かけていく。
毒草のチェックなどおかまいなしに、リュックを野草でいっぱいにする人がいるかと思えば、
植物の知識が無い人は、少しばかり詳しそうな人の説明を感心して聞き、
疑うこともせずに、口にしてしまう。
昨日の宮城県の事故は、まさにこの例の通りだった。

あらためて周囲を見回してみると、あるある! 
毒のある植物がこんなに多い。

毒草のほとんどは、植物体に含まれているアルカロイド類が関与する場合が多い。
春の季節は芽出しの状態を見極めることが出来ずに、誤った判断をしやすい。( )内は、似ている食べられる野草。
毒ゼリ(セリ)、芽の生えたジャガイモ、ハシリドコロ、アセビ、トリカブト(ニリンソウ、シャク、ヨモギ)、ウマノアシガタ、バイケイソウ(ギボウシ)、オキナグサ

園芸用、観賞用の花にも有毒のものがある。
フクジュソウ(シャク)、クリスマスローズ、スイセン(ニラ)、スズラン(ギョウジャニンニク、アマドコロ)ジギタリス(コンフリー、ボリジ)、ケシ、ケチョウセンアサガオ、ヨウシュチョウセンアサガオ、グロりオサ、ニチニチソウ、オシロイバナ

山野草では
アキカラマツ、ウマノスズクサ、オニドコロ、キツネノカミソリ、キツネノボタン、センニンソウ、タケニグサ、ツリフネソウ、ツルシキミ、ドクゼリ、ヒガンバナ、ヒヨドリジョウゴ、ムラサキケマン、ヨウシュヤマゴボウ、

樹木類では
アセビ、シキミ、カルミア、シャクナゲ、キョウチクトウ

ざっとあげただけでも、これほどあり、秋は有毒キノコの季節だ。
いかに普段から気をつけなければいけないかが、よくわかる。

20数年前、あの当時借りていた市民農園でこんなことが起きた。
イギリスのワイルドフラワーミックスの種を蒔いたところに、何となく気になる草が混じって生えた。チャービルに似ているが、どうもどこかおかしい。そのうちぐんぐん大きくなり、ネズミのおしっこのような匂いがする。牧野の図鑑で調べてみたら、何とドクニンジンではないか。






ソクラテスがこの毒汁で自殺を余儀なくされたという、あの有名な毒草だ。念のため、東京都の薬草園で同定をしていただいたが、やはり同じ答えだった。
大急ぎで市民農園へ戻り、即、根こそぎ掘り上げて、清掃局の焼却炉で燃やしてもらったことが、鮮やかに甦ってきた。

早く気がついたおかげで事故にならなくて、ほんとうによかった。
意図したことではないのに、結果としてこんなこともあるのだ。
今思い出してもヒャーッとする。

それにしても、口に入れるものには気をつけなければ・・・

トイレットペーパーは紫陽花の葉



昨日のぽかぽか陽気で、家の前の河津桜も全開となった。

やはり花はいいものだ。
犬の散歩やジョギングの人だけでなく、
カメラ持参でわざわざ見に来たり、
赤ちゃんと記念撮影をしている若い母親もいる。
花を見ているときの顔は、みんな優しい。

いよいよ種蒔きの季節。
ことしは準備が遅れ、
ニオイスミレの事前処理ももう一息というところだ。
50品種近いので、間違えないように、
一粒もこぼさないように気をつけながらラベルを書き、
ジベルリン処置をしてから、冷蔵庫で春化させている。

ハーブの種も手配は済んで、もうほとんどは手元にある。
今までは苗からスタートしていたレモングラスも、
イギリスの種でトライアルをしているし、
コリアンダーもユニークな品種を取り寄せた。

土作りの計画をしていたら、
また八丈島のことを思い出した。
大里地区にある民家跡を訪ねた時のこと、
閑所とよばれる小さな小屋(写真)があった。
中をよく見ると、穴の上に板を渡した昔のトイレだった。
隣接してマヤと呼ばれる牛小屋があるのは、
牛の餌の残りや排泄物と、下肥を混ぜて、
堆肥を作るのに便利だったからだという。

昔、人糞はたいせつな肥料だった。
お客をもてなしたあとは、帰り際に閑所へ案内して、
貴重なものを置いていってもらう習慣があったという。
今は閑所の字を当てているが、歓所という説もあるとか。

興味深かったのは、トイレットペーパーに何を使ったかということだ。
当時は紙などなかったし、あったとしても貴重品だ。
答えは何と紫陽花の葉!
しかし、新鮮な葉では具合が悪く、
2~3日たってしんなりしている状態のときが、使いやすいとか。
なるほど、島では冬でも紫陽花の青々とした葉が繁っている。

いいことを知った。
笑っている場合ではなくなる日が迫っているかもしれないのだから、
サバイバルの知識として、覚えておこう。
だが、紫陽花の葉がどこにでもあるわけではない。

江戸時代に遡って、
当時の暮らしからヒントを探してみるつもりだ。


なつかしいアイロン

久しぶりに、懐かしい道具に出会った。

それは八丈島の歴史民族資料館に陳列してあった、
古いアイロンだった。

おそらく若い人には、
形を見ただけでは、アイロンだと見当がつかないだろう。
昔は「火熨斗」(ひのし)といっていたのを、
幼いときに何度か、観音講のお年よりから聞いたことがあった。
熨斗とは、熨斗鮑や熨斗紙にみられるように、
平べったくのばす、という意味である。
このクラシックなアイロンは、鉄で出来た重い箱の中に熱した炭をいれ、
布の皺を「のす」ので「火熨斗」というわけだ。







ところで、
実家には、蔵の棚にしまってあった立派な蓋がついたアイロンと、
マストのような煙突(?)がついていたものがあった。
しかし、幼いときの記憶をたどってみても、母が使っていたという覚えが無い。

実家の電気アイロンは、いつ頃からあったのだろうか。
僧侶の父は、ほとんど和服か法衣で過ごしていたので、
母がアイロンを使うのは、娘たちの洋服を縫ったり、洗濯のあとだった。
洗濯やアイロンといえば、私たちもひだスカートに寝押しをしたり、
手で洗ったハンカチを濡れているうちにガラスに貼り付け、
皺一つなくパリッとさせたものを使うのが、嬉しかった。

浴衣に糊をつけてパンパンと叩き、皺を取ること、
ほどいて張り板に張り、縫い直したことなど、
50~60年前の当時の丁寧な暮らしがよみがえってきた。
伸子張り、洗濯板、洗濯石鹸、モノゲン・・・。
何と懐かしい言葉だろう。
張り板はムクのりっぱな杉板で、滑り台にして遊んだっけ・・・。
私と同じ感想を抱いた方は、きっと66歳前後の方に違いない。

主婦の家事を炊事洗濯というように、洗濯もアイロンがけも、
昔は今よりももっと時間と労力を費やしなければならなかった

ロンドンのリージェント・ストリートにリバティ百貨店がある。
リバティといえば、小花模様のタナローンという絹のような手触りの布が、代名詞になっている。
これはコットン100%の布地の皺が、目立たないようにという、
アイデアから生まれたものだと聞いた。

ところで、外国の時代物の映画を見るたびに、
当時はどのようにして、アイロンをかけていたのだろうか、と思うことがある。
西部劇に出てくる長いスカートに、皺一つ無いブラウス。フリルやフレイヤーの多いワンピースなどの手入れは、容易ではない。
特に「ピアノ・レッスン」は、印象に残る映画だった。
ヒロインはスコットランドからグランドピアノ持参で、
ニュージランドへ嫁入りした女性だ。言葉を失い、複雑な精神状態にある彼女が、
泥の中でどろどろに汚れたのに、きれいになったピンタックの服で再登場したシーンがある(記憶が正しいかどうか怪しいが)。
たしかあの映画は、19世紀のニュージランドの未開の部落という設定だった。
現地の召使がアイロンをかける技術をもっていたのか、彼女が身につけてきた生活文化だったのか。
どうでもよいことだけれど、なぜか気になる。

明日か明後日、「エリザベス・ゴールデン・エイジ」を見に行く予定だ。
エリザベスのコスチュームが今から楽しみでならないが、
あの衿飾りには、特に注目してこよう。

手作りのレバーペースト



昔は、よく作った。

わが家の3人の息子たちは、レバーペーストを「肉バター」といって、
パンにつける前に、ぺろぺろなめるようにして食べていた。
小さな瓶にちょんと入っているレバーペーストや、
チューブ入りのものは、
少量すぎるし、値段が高すぎる。
手作りなら防腐剤も添加物もない。

この肉バターは、新鮮な鶏レバーを手に入れることから始まる。
幸いにも近くのスーパーで、岩手鳥のガラや内臓類が入手できるようになったので、4パック購入。
普通はレバーと心臓がセットになっているが、
血抜きなどの下拵えまでは一緒に行い、心臓は生姜煮にする。


レバーペーストの作り方

1.レバーはナイフを入れて血の塊を除く。水道の蛇口を細くし、流水で1時間ほど血抜きをする。

2.レバーの水気を切って、臭みを消すためにひたひたの牛乳に1時間ほど浸す。さっと水洗いしたら大まかに切り、ざるに上げて水気を切っておく。

3.フライパンにバター大匙1を溶かし、ニンニク2かけの薄切りを軽く炒めてから、?のレバーとエルブ・ド・プロバンス小匙1を入れた小袋、胡椒少々、月桂樹の葉1枚を入れて、炒め煮をする。

4.充分に火が通ったら味見をし、月桂樹とエルブ・ド・プロバンスを除く。
塩で味を調え、水分がなくなるまで、ゆっくりと炒める。

5.ミキサーかフードプロセッサーにかけて、ペースト状にする。味にコクがないときはバターや、生クリームを少し加えると美味しい。ブランディーかコニャックを垂らすとさらに美味。

*トーストにつけるほか、クラッカーなどに塗ってオードブルに。
セロリボートやディップなどにも。



水仙とローズマリーの花配り



練習のつもりで、毎日いろいろな形の器に庭の花を活けている。

これはシェリーグラスというのだろうか。
シンプルなカットが入った小さなグラスに、
水仙のペーパーホワイトの花を活けてみようと思った。

こうした口が広がっている容器は、
丈が低い素材をマッスで活けるのには適しているが、
頭が重くて茎が細い花には向いていない。
どうしても、花が倒れて下を向いてしまい、
花の顔が見えないからだ。
かといって、剣山は殺伐としているし、こうした透明な器では丸見えなので使いたくない。




もう一つの課題は、細く長い枝物を活けること。
匍匐性のローズマリー「サンタバーバラ」を切ってきた。
ただ、器に挿しただけでは、蛇がとぐろを巻いたようでサマにならないし、
何かの拍子に、茎元が抜けてしまうかもしれない。

ならば、この二つを組み合わせてみよう。
青と白の色合わせ、曲線と直線の対比もポイントだ。




まず、ローズマリーをくるくるとたわめる。
花が落ちないように気をつけ、水に浸す茎元の部分は直線で。

水仙の茎で、ローズマリーを縫うような感じで縦に差す。
同様に葉も縦に差して、自然な感じにまとめる。




なるほど、扱いにくい容器と花の取り合わせは、
いろいろ試してみるものだ。
雪柳や、スイカズラ、モッコウバラなどの枝物でも、試してみよう。

生け花の手法やアイデアで、
活ける素材をしっかりと固定することを、「花配り」という。
何事も足元がしっかりしていないと、よい結果が生まれない。
人生の「花配り」も、大切だなあと、しみじみと思う。

真っ白な水仙



庭のあちこちで、真っ白な水仙が咲いている。
植えてから10数年はたっているのに、
一度も植え替えをしたことが無い。
園芸書によると、
毎年掘りあげて夏場の管理が必要な方法もあるようだが、
植えっぱなしのままでも、毎年元気な花を咲かせて、
寒い季節の殺風景な庭の慰めとなっている。

この純白な水仙の名前は、「ペーパーホワイト」。
地中海沿岸地方を原産地とする房咲きの芳香水仙で、
私の庭では水仙のトップバッターであり、
最も遅くまで咲いている品種でもある。
その年の気候条件にもよるが、12月から4月頃まで開花期間は長い。
花の香りはかなり強いほうだ。
しかし、けっして甘ったるくない、きっぱりとした香りに特徴がある。


前にも記したが、
知る人ぞ知る。イスラエルは、ペーパーホワイトの輸出国だ。
クリスマスの花として、ヨーロッパ方面へ大量に出荷していると現地で聞いた。
一点の穢れも無い無垢の花は、ヴァージン・マリーに捧げるのだろうか。

そのまんまままれーど



なにやら、宮崎県を連想させるような名前だが、
これは私が勝手に名づけたもので、何の関係も無い。

最初に考えた名前は「いきなりママレード」だった。
要は、いきなりなべにいれ、そのまんま煮ただけで、
パンチのきいたママレードが出来るのだ。

そのまんまままれーどの作り方

夏みかんはぬるま湯でよく洗い、5ミリ幅の輪切りにする。
金気の出ないなべに入れ、ひたひたの水と、70%の砂糖を加えて、
あくを取りながらとろ火で煮詰める。
最後にフォークで種を取って出来上がり。

ほんとうに簡単でしょ?

*ほろにがさと強い香りが、大人の味。
 好みでコアントローやコニャックなどを加えると、
 さらにグレードアップする。

*刻んでフルーツケーキに入れれば、絶品!!!

横浜 桜だより? ただ今7分咲き











今朝撮影した我が家の前の河津桜。
これだけ見れば、言葉はいらないと思う。
今日は富士山が真っ白。
行きつ戻りつしながら、春は確実に近くまで来ている。

*「横浜 桜だより」は、ナチュラルウオッチングのカテゴリーで検索を。




今年もオレンジピールを



昨日の来客にお出しした、
手作りのお茶うけが好評だったので、ほっとしている。

それは毎年作るオレンジピールで、
砂糖とココアの2種類が、わが家の定番となっている。
一番香りがよい素材は、バレンシアオレンジだが、
農薬の危険を考えると、怖ろしくて作る気にならない。

初夏になれば、
和歌山県のたけひこオレンジ農園から
ノーワックスの日本では珍しいバレンシアオレンジを、
取り寄せることが出来る。
昨年は獣害(イノシシやカラス、サル)で収穫ができなかったため、
今年が期待されている。

バレンシアオレンジに比べれば香りが弱いが、
友人やわが家の庭で実った消毒ゼロの柑橘類は、
安心して口に出来るから、ありがたいものだ。

オレンジピールの作り方

?大きめの夏みかん2個を、ぬるま湯で表面の汚れを落とす。

?清潔な布巾できれいに拭き、皮をむく。

?皮を6~7ミリx5センチほどに切る。ハサミで切ると簡単。

?たっぷりの水に1晩浸して、苦味やあくを出させる。

?琺瑯びきかステンレスなどの、金気の出ないなべに入れて火にかけ、
 沸騰したら湯を切り、新しい水と取り替えて再び火にかける。
 これを3回ほど繰り返す。
 最後はざるに上げて水気を切っておく。

?鍋に夏みかんの皮を戻し、
 表面より1センチほど多めの水と50%の砂糖を加えて、
 あくを取りながらとろ火で煮る。
 木杓子でゆっくりとかき混ぜて砂糖を溶かし、
 焦がさないように煮詰めていく。

?途中で味を見て、もの足りないようなら20%ぐらい砂糖を加え、
 香り付けにコアントローかコニャックを大匙3ほど加える。
 極弱火で煮続け、
 なべ底の砂糖液が1センチぐらいになった火を止める。
 
?皮が砂糖液を吸い取ったら、ざるに広げて風にあて、軽く乾燥させる。

?表面がまだしっとりしているうちに半分に分ける。
 砂糖がけはグラニュウ糖を入れた深めの皿に?を入れ、
 揺すりながらまぶしつける。
 ココア味は、バンホーテンのココアを同様にまぶしつける。

?何回となく揺すって、まんべんなく砂糖やココアをつけ、
 中がしっとり、外側が乾いたらできあがり。

?ワックスぺーパーを敷いた缶の中に入れ、冷蔵庫で保存する。

*書き出してみると手間がかかって面倒くさいようだが、簡単簡単。
 唯一つ、注意点は・・・・食べ過ぎないこと。



ヘルシーな5色ふりかけ



春の海 ひねもす のたりのたりかな

釜揚げシラスの季節となった。
江ノ島からのお土産を、
早速、大根おろしで食べたが、残ってしまった。
海辺で茹でただけなので、足が速い。

美味しいうちに、常備菜のふりかけを作ることにした。
いつもは乾燥したちりめんじゃこを使うのだが、
釜揚げの湿ったものでも、よく炒めれば大丈夫だ。

?フライパンにサラダオイルを熱し、
 シラスを焦がさないようにゆっくりと炒める。

?パリッとしてきたら、キッチンペーパーの上に広げて油を切る。

?サクラエビも同様にする。

?セロリやアシタバ、大根の葉などの粗みじん切りをさっと炒め、
 ?と?、クコの実、松の実を加える。

?松の実が焦げないように気をつけて軽く炒め、塩で調味する。

?完全に冷めてから容器に入れ、冷蔵保存をする。

* ふりかけとして用いるほか、お茶漬け、お握りなどに重宝する。
* 滋養強壮の素材ばかりなので、いつでもつまみ食いが出来るように
  食卓に置いている。

リバティーの古着



ロンドンから小包が届いた。
夫がドイツへ注文した品物が、ダイレクトに日本へ送ってもらえないため、ロンドンの友人を経由して来たのだ。

私もこの便を、わくわくしながら待っていた。
友人がパッキング代わりに、古くなった彼女のリバティの洋服を隙間に詰めたと、メールが来たからである。
私のブログを見て、リバティーにはまってることを知ったのにちがいない。

さて、箱から出てきたのはワンピースが2着と、ブラウスとスカートのスーツが2着、それに新品同様のスカートが1着。
スゴイッ! 全部リバティーのタナローンばかりだ。それに今はもう売ってないビンテージ物も入っている。
それにしても、彼女は何とほっそりとしていたのだろう。
この服を着た可愛い彼女が、目の前にちらちらする。

お礼のメールを入れたら、
「あの赤いワンピースは、20年ほど前にニューヨークからボストン経由で、プリンスエドワード島へ行ったときに着ていた思い出の服なのよ」

「マタニティー風のオレンジ色の服は、トルコのシデでギリシャ遺跡を見たときに着た、これまた思い出の服・・・・」
と当時を懐かしむ返事が届いた。

ふと耳にした音楽やなつかしい洋服、香りなどから、
即座にその時代へワープしたことはないだろうか。
思い出がいっぱい詰まった服をパッチワーク用に送って
くれた友人に感謝、感謝。

元来パッチワークというものは、古くなった服や端切れなどの再利用の精神から生まれたものである。
彼女の好意を無にしないためにも、何かいいものを作ってみたい。
これだけの量があれば、ベビーキルトどころかベッドカバーもできそう。
どんなパターンにしようかな。

古着の中に座り込んで、白昼夢を見ているわ・た・し・

青紫の春の花

ぽかぽか陽気に誘われて、庭が目覚め始めた。

春の訪れは、黄色から始まる。
黄水仙、黄花のクロッカス、雲南黄梅と咲いて、プリムローズ、バターカップと続くところだが、今は雲南黄梅でストップしている。

その代わり、今年は紫系統の花が早いようだ。
1月 日に記したニオイアラセイトウに、昨日のスイートバイオレットが開花。

そして今日は、
青いヒヤシンスを西洋菩提樹の根元で、
青紫のぺりウインクルを、スパニッシュブルームのそばで発見した。




10年ほど前にヒヤシンスの球根を植えたものが、
消えてしまわずに野生化している。
フリルのお化けみたいな、巨大輪ヒヤシンスも出まわっているが、
私はこのほっそりとしたヒヤシンスの方が何倍も好きだ。

かつてイスラエルの山奥で見た、原種のヒヤシンスがよみがえってきた。
空の色というか水の色といおうか、
透明感のある淡いブルーの、
ほっそりとしたヒヤシンスだった。

今朝のニュースによれば、
パレスチナ自治区のガザ地区で、大規模な攻撃があったという。
ちょうど今頃は、聖地にヒヤシンスをはじめ、アネモネ、アドニス、
マッテオラ、ミニョネット、シクラメンなど、野の花の咲き乱れる季節だ。

早く平和が戻り、これ以上の悲しいことが起きないようにと、
祈るばかりだ。

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