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HOME:広田せい子のハーブガーデン

ブランド名は“Ecoist ”

まぁ、きれい!!!
今まで見たことがないけど、
この華やかなメッシュは、何で出来てるのかしら?



一見、メタリック素材に見えるでしょ。
でも、よ-く見て。ほら、なにやら文字とかロゴが入ってるのよ。わかる? 
これはキャンディーや飲み物、食料品などの袋をリサイクルして作ったものなの。

えっ、これが? そう言えばこの編み方は、日本にもあるわね。
ほら、包装用のプラスチックの平らな紐とか、
葉書を折って小物を作る手芸に、似ていると思うの。

そうそう。candy wrapper(お菓子の包み紙)を畳んだブレードを使っているけど、テクニックはあれと同じよ。



へぇ、でもこちらはオシャレね。もしかしたらブランド物?

いいえ、メキシコの人たちが作ったの。
デジタルカメラや携帯電話用のポシェットで、もちろん小銭入れのお財布にもなるのよ。



ブランド名は、Egoist(利己主義者 )ではなく、Ecoistなの。
Ecology(自然環境保護運動)とist(~する人)を足した造語だと思うけれど、資源のリサイクルによって出来た製品なの。

タグの裏側には BUY a BAG PLANT a TREE とあるけど、どういう意味かしら?

その前に、Fair Tradeって知ってる?。
本来は公正貿易の意味だけれど、
国際協力の新しい形として、このバッグが良い例なの。
例えば途上国の生産者に製造法やデザインを教え、
できた製品を発展国で売れば、その利益で人々の暮らしが楽になり、
ひいては、途上国の自立や、環境保全を支援できる・・・・。
あなたがこのバッグを買うと、砂漠化している途上国に木を植えたことになる、というわけなの。

なるほどねぇ。国際援助だ、協力だとといってやたらにお金をばら蒔くどこかの国もあるけれど、こうして手間と時間をかけてコーディネートすれば、意識も高まるし、結果的に地球規模でよくなることなるわけね。

そうね、貧しい国の援助ばかりでなく、地球温暖化に伴うさまざまな問題もあるし・・・・。

アイテムは、バッグだけ?

いいえ、ブレスレットやベルト、もっと大きなバッグもあったわ。
カラフルでキッチュな感覚だから、リサイクル製品なんて、誰も想像できないでしょうね。

私にでも、何か協力出来そう。でも、どうしたらいいの?

www.ecoist.com で検索してみて。

ハーイ、私、ささやかながら、国際貢献に寄与したいと思いマース。


満月とコメット



「午前中は少しぐずつくものの、満月ははっきりと見えるでしょう」
TBSテレビの「お天気キャスター」・根本さんの予報は、
毎朝明るいハイトーンの声で始まる。

昨夜は中秋の名月だった。

ぜひお月見をしようと思ったのは、朝の天気予報を聞いた時だが、
家の片付けを夫と夢中になってしているうちに、
すっかり忘れてしまった。

へとへとになって、ベッドにもぐりこんだ時間も定かではない。
真上にある天窓から射しこんだ光で、目が覚めた。
体を少し右へずらせば、寝ながらにして満月が見られる・・・。

と思っているうちに眠ってしまい、
今度は反対側から射しこんだ月光で、ぼんやりと目が覚めた(ような気がした)。

結局、満月は見られずに朝を迎えてしまった。

今夜は十六夜。
忘れないように気をつけるので、晴れた夜空になりますように。

ところで、なぜ金魚の写真?
と思っている方も、多いのではないだろうか。

じつは、月と彗星(comet)を宇宙つながりで書くつもりだったが、
なかなか難しいので、紹介風に変えてみた。

金魚の中で尾びれが長い品種(というのかな?)が、コメットだ。
コメットとは「ほうき星」とも呼ばれる彗星のことで、光の尾に特徴がある。

私は小さな水溜りのような池に、コメットを3匹と和金、メダカを飼っているが、
美人のコメットシスターズが、潜ってしまったのは残念だ。
頭からひらひらと長い尾まで全身が白く、
背中にぽちんと紅い日の丸をつけた姿が、じつに愛らしい。

食欲が旺盛で、私の足音を聞いただけで寄って来ては、口を開けて餌をねだる。

ここまで書いて、はっと気がついた。
何だ、これでは孫自慢と同じで、とうとう金魚まできてしまったか・・・。

でも、いいじゃない?。
孫も金魚も小鳥も猫も来る庭だから、消毒もしない、農薬も使わずに気をつけているのだ。

どうやら、ワインがまわってきたようだ。
今夜はこのへんで、ハイ、お粗末様。



初秋を告げる青い花

この季節は
庭に出ると、あっという間に蚊に刺されてしまう。
秋の蚊はとりわけかゆみが強く、
平気で顔を狙ってくるから性質が悪い。



刺されるとわかっているのに、
蚊取り線香を二つも下げて、朝の庭へ「突撃」するのは、
露草を見たいからだ。

秋草といえば、河原撫子や女郎花、吾亦紅などもあるが、
私はこの露草が一番好きだ。
Esseyのコーナーの「ルッキング・ブルー」に記したように、
私の名前の中に青が入っているからかもしれない。

英語で Asiatec Day Flowerというが、
一日花で昼前にはしぼんでしまう。
「万葉集」や「枕草子」にツキクサとあるのは、この花のことで、
花弁を絞って衣服にこすり付けて染めるからだ。

そんなことより、アケボノアシと露草のツーショットを見てほしい。
虫の音に耳をかたむけながら・・・。


オリエンタルガーリックとはニラのこと

スーパーへ行けば、1年中手に入るからだろうか。
ニラを植えている人は、かなり少なくなったようだ。

一度植えたら、毎年必ず芽を出して殖え続け、
根元から切り取って、使えば使うほど柔らかな葉が出てくるニラは、
丈夫で世話要らずなハーブの代表格だ。

わが家では菜園の縁取りや、
花壇の中に花と同じ扱いで植えて、とても重宝している。

「えっ、花と一緒にニラをですって?」と、
のけ反らないで、この写真を見てほしい。





ベルギーの繊細なレース編みを思わせる純白の花には、
どんな花にも負けない品格と美しさがある。

それなのに、見る前からニラと聞いただけで、
すぐに「餃子」を思い浮かべてしまう人が多いようだ。

アメリカでは、オリエンタルガーリックとよんで、こんな使い方をしている。

葉はみじん切りにして、
サラダのトッピングや、ベイクドポテトにハーブバターとして使う。
この白い花はほぐして、
サラダやスープにふりかける。
あるいは、オムレツに焼きこむ、ドレッシングソースに混ぜるなどなど、
「ガーリックよりはマイルドなフレーバーで、オニオンよりは色が冴えて素敵なのよ」と人気が高い。

ニラではなく、オリエンタルガーリック、またはガーリックチャイブとよんで、頭の回線を切り替えてみよう。

新しいレシピが、たくさん生まれてくるにちがいない。


ゲンノショウコをおぼえてね

「もしもし、せいこばーば?」

孫の美海から、電話が入った。
長男の家族は、長野県の松原湖にある山の家で連休を過ごしているのだが、
お天気はどうだろうか。

「お天気? 今15度。霧が出てきたよ」

「わぁ、それじゃ寒いわね。何か花が咲いている?
例えば、道端とか家のまわりとか」

「まだ外へ出てないので、あとで見てくるね」

「今、すみれが丘にはゲンノショウコが咲いているけど、
この花のこと教えたっけ?」





「いいえ、まだよ。どんな色の花が咲くの」

「東北地方では白に近いピンク色、
関西から九州地方では薔薇色で、
直径7ミリぐらいの5枚の花びら。
可愛いわよ。そのあたりではたしか、
筋が入った桃色だったと思うわ」

「面白いのね。それって何かにいいの?」

「そうよ。お腹の痛いときによく効くのよ。
今度ゆっくり教えようか」

「うん、おぼえたいわ」


今、彼女は5年生。

自然の植物の力に頼る日が来るのは、そう遠くはないかもしれない。


またやられた!





「おや、何だか、景色が変わってる。なぜかしら」
よくよく見たら、階段脇のプランターボックスに植えてあった
sweet violet(ニオイスミレ) が丸坊主になっている。
「あっ、またやられた!」

7月27日に「サイケデリックな毛虫」のタイトルで、
ツマグロヒョウモンの幼虫を紹介し、
8月14日は、蝶になって姿を見せてくれたことに感謝したことを記した。

あぁ、なんと私は甘ちゃんの感傷家だったのだろう。

あの時はこれほどひどくなかったので許したが、
今回は、勘弁できない。
写真はまだよいほうで、もっと食われているポットもあるある。

消毒はしたくない。
棒で毛虫をつついているうちに、よい方法をみつけた。
細い棒を近づけると、毛虫は棒にしがみついてくる。

これをビニール袋に入れて口をしっかりしばり、ゴミ箱へ。

指折り数えてみると、
天気が悪いので水遣りをしなかった日が2~3日あった。
毛虫を早く見つければ、ダメージも少なくて済む。
これからは、水遣りをしなくても、苗のチェックをするようにしよう。

続・4ひきのねこ “にゃーこ” “りりー”

彼岸花の花が咲いている。昨日に続いて、

3匹目の猫 にゃーこ

うちからお嫁入りした猫の中で、
このにゃーこほど、愛された猫はいないと思っている。
猫親となってくださったのはHさんだ。
この節、猫の縁談はなかなかまとまらない。
部屋が荒れる、忙しくて世話が出来ない、匂いがいやだ、旅行が出来ないなどなど、まことにご尤もな理由があるからだ。

しかし、Hさんのお宅は撮影スタジオになるぐらいセンスのよい家で、
アンティークな道具に囲まれた生活を送る、超多忙な編集者だ。
家の中は清潔そのもの。国内はもちろん海外へもよく出かけている。
「聡明な女性は何でもできる」を地で行く方だ。

そのHさんが、にゃーこをどんなふうに愛していてくださったかが、ブログを遡りするたびに伝わってくる。
アドレスは右LINKS欄の「民家再構」をクリック。

9月19日の「猫まんが」、
8月27日の「個人的なお知らせ」(H様とあるHとは広田のこと)を読むと、大事なことが分かり、
8月24日、 7月27日、 7月7日、 7月1日というように、
ブログの中から緑の瞳と美しいバイカラーの猫の幸せな時間を、
辿ることが出来る。

それと同時に、H御夫妻の経営する「蔵の中」の品揃えが、軽妙な描写で
紹介されていて、毎日楽しみにしている。

ここであらためて、にゃーこの御両親様、ありがとうございました。


最後に4匹目の[:猫:] りりー

八ヶ岳南麓に、ハーブのご縁で知り合ったミーシャさんがいる。

彼女は夢を夢で終らせないために努力を重ね、
数年がかりで憧れのグリーンゲイブルズをセルフビルドで建てた。
彼女の夢とは世界中の野菜と花を植えて、
自分もみんなも喜ばせたい・・・。

彼女のブログを読んでいると、
何事にも真摯に向き合い、質の高い豊かな暮らしを、
お金でなく自分の手で築く日々を送っていることが、伝わってくる。

そんなカントリーライフにイヌのハーブと、
猫のリリーが加わって、
今や、ミーシャさんも「リリー・命」の毎日を送っている。

それにしても、リリーの何と美しいことだろう!

*リリーの寝姿に注意! 
 laura Ashleyの生地でパッチワークをした、ぜいたくな肌掛けを使用。

Http://plazarakuten.co.jp/cottagegarden/

8/16, 7/29, 7/3, 7/2, 6/26~


4匹の猫 "リー子” “小姐ちゃん”

近頃、知人友人の猫に悲喜こもごもなことがあった。
お彼岸を機に、振り返ってみよう。

一匹目の猫りー子

私は身寄りのない子猫を、一度うちの子としてしつけをし、
幸せな家に引きってもらうことを続けてきた。
これまで、かなりの数の猫ちゃんにパパやママができたが、
リー子は例外で、もらわれ先から9キロの道を歩いて帰ってきた。
綱島に住む女子大生が「可愛がるから」と嬉々としてもらっていったのに、
後で分かったことによると、夏休みになって子猫を置き去りにしたまま、静岡の実家へ帰ってしまったのだった。

9月のある朝、隣の車の下で一晩中惨めに泣いている、やせ衰えた茶虎の子猫がいた。
おびえきって尻込みし、水にも餌にも口をつけようとはしない。

「もしかしてあの子猫かな?」と思ったのは、しっぽの形と顔の模様に見覚えがあったからだ。
女子大生に電話してみると、
「へー、生きてたんですか。お返ししますのでよろしく」
すみませんという謝罪の言葉は、ひと言もなかった。

人間不信となった子猫が心を開くまで、3年はかかったろうか。
取材や旅行で家を開けた時など、
出先からの電話で先ず「り-子は?」と聞いてから、仕事や家族の話になった。

思い出は星の数ほどある。
結婚によって3人の息子たちが家を出たあと、
娘のような存在となったリー子に、どれほど慰められたことだろう。
気がつくとリー子に話しかける私がいた。。

この夏、彼女は老衰のため、17歳で旅立った。

ちなみにリー子の名前の由来は、お利口のり-、それと出戻りのリーである。


二匹目の[:猫:] 小姐(シャオちゃん)

千葉に住む次男夫婦は、黒のラブラドルを飼っている。
散歩の途中、後をついてきた子猫を保護した。
もらってくれる人も決まっていたのに、しだいに気持ちが揺れて・・・・。

ブログでストーリーを追って行くと、
こちらまで小姐ちゃんと名づけた子猫に惹きつけられてしまう。
小姐ちゃんの運命は果たして、いかに。

http://diary.tetsudoshashin.com/

うまく繋がらない時は、画面右側にあるLINKSの「広田泉の撮影日記」へ

8/17, 8/24, 9/11, 9/13  のブログをご覧あれ!

                              つづく

果物は美しい



疾風怒濤といおうか、つむじ風といおうか、
山梨の高原から駆け下りてきた「おどろき」桃と、「黄金桃」は、
贈り先のあちこちで話題を振りまきながら、
にぎやかに去って行った。

あれから、もう1月になる。

駅前で目に止まった「黄金桃」のチラシに、
懐かしい思いが吸い寄せられ、
買ってみた桃は巨大で、傷一つない。
上品なレモンイエローの果実と、



大事に残しておいたブラムリーや、
これも山梨を思い出させるネクタリンにプラム、
高知から届いたミカンなどと盛り合わせて、
記念写真を、ぱちり!

晩夏の光を浴びて、果物は美しい。

越冬チャレンジのトウガラシ

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朝夕の温度較差が大きくなるにつれて、
トウガラシ類の色づきが鮮明になってきた。

韓国系のクアンナラ〈光)や、ソンゴン〈勝利)などは油を塗ったように、
てらてら光り、赤い色につやが出てくる。

写真のbaloonは、急に冷え込んだ朝方、
つや消しの明るい緑色から、一気に油絵の具のバーミリオンに染まった。

来客は庭の一画を占めている、朱い果実をふさふさとつけている植物が気になるらしく、
誰でも「これは何ですか」と聞いてくる。



「待ってました」とばかりに説明を始める私。
「これはトウガラシなんですよ」
「へぇ、うっそー」とここまでの反応は、皆同じだ。
次の質問は、「食べられるの?」「どのぐらい辛いの?」とくる。

株張り1.5m、果実の重みで枝の先端が垂れているが、伸ばせば3mはある細い幹の植物を、これまでトウガラシなどと思う人は誰もいなかった。

「もちろん食べられますよ。この下の方の出っ張りのところは甘くていい香りだから、ちょっとかじってみて」
「ほんとだ。甘い。よく見ると可愛いわね」

ここで気を許したら、大変なことになるから要注意。軸に近いタネとワタの部分を口にしたら、涙と悲鳴の数時間が待っている。

南米生まれの面白い形のトウガラシは、昨年の暖冬のおかげで露地で冬を越した。しかし、春先には寒波もあり、かなりどきどきした。
何度も、ビニールで囲ってあげようか、落ち葉で足元をマルチしようかと考えたが、これも実験、と一切手を出さなかった。

冬を一緒に耐えたという連帯感があるせいか、このトウガラシには特別の
思い入れがある。
まだ花を咲かせたがって、枝の先に蕾がかなりついているがどうしたものか。越冬2年目にチャレンジするのなら、そろそろ切り戻しをして、お礼肥をする時期にきている。

あるいは、このまま果実を生らせてもう少し楽しみ、運を天に任せるか。

子育てが終っても、こんな悩みが待っているとは・・・



ナイヤガラ



リニューアルしたばかりのフルーツ店をのぞいたら、
甘くてどこか酸っぱいラムネのような香りが漂ってきた。
あっ、あれだ。黒光りしている巨峰、赤紫の甲斐路、
粒の小さなデラウエイなどの葡萄コーナーに、緑色の葡萄が見えた。
マスカットのように透明感はない、エメラルドグリーンの粒々だ。



そう、これはなつかしいナイヤガラという品種で,
実が柔らかくて傷みやすいために、市場にはなかなか出回らない。
小学校へ途中の家に、この葡萄棚があり、
小さな粒々がしだいに房になっていくのを見上げたものだった。

季節になると近所の家へ分けてもらいに行き、
おやつは、一人一房の豪華なナイヤガラだった。

北海道で、ナイヤガラの香りがするワインを飲んだことがあった。
はたしてあれは本物だったのだろうか。

敬老はベトナム料理で

「敬老の日」のお祝いに、長男から晩御飯をプレゼントしたいとの電話があった。
「どこへ行こうか」
ヌーベルシノワ、フレンチ、寿司、イタリアン、ベトナムなど近くにある
店でいくつか候補を上げた中で、ベトナム料理に決まった。

長男ファミリーは4時に迎えに来てくれ、1台の車で、南町田のグランベリーモールへ行った。
ここにも石鍋さんの「ヴェトナム・アリス」があるのだ。

久しぶりのグランベリーモールはペット立ち入りOKで、イヌの社交場と化していた。
暮れなずむ晩夏の広い道に、プードルやチワワ、ペキニーズ、ヨーキー、
シェルターなどのほか、さまざまな子犬のオンパレードだ。

「ヴェトナム・アリス」ではカフェに席を設けてもらい、コースとアラカルトの組み合わせでオーダーした。



先ずは蒸し、揚げ、生の3種類の春巻きに、蟹爪の詰めもの、野菜のあしらいの一皿。




空芯菜と厚揚げの炒めもの




名前を忘れたが、このオムレツそっくりの皮には卵は一切使ってないという。タピオカの粉と小麦粉、それに黄色の色付けにターメリックだそうだ。




ベトナムカレー。見た目よりもスパイシーで美味なり。




鶏肉のフォーはベトナムのうどんのようなもの。スープはさっぱりした中にも品がある。右の小鉢はデザートのライチーゼリー。




調味料いろいろ 左端からニョクマム、ピーナッツソース、パクチー、
スイートチリ。




これがないともの足りないパクチー〈コリアンダー〉




食べられる箸置き。




孫の尚君とお嫁さんの久美さん.お腹一杯になったかな。


指折り数えれば、夫が11月で72歳に、私は12月で66歳になる。
敬老の日など、まだまだ自分たちには関係がないと思っていたのに、今夜は充分に老人老婆の資格ありと再認識した。



大成功! 名古屋の講演会

名古屋は近い。
「のぞみ」に乗ったので、次が下車駅の新横浜だ。

大役を果たした心地よい疲労感に包まれて、
缶ビールなどを飲みたいところだ。
しかし、眠ってしまうとたいへん。東京駅まで行ってしまうかもしれない。
帰宅してから、報告がてら夫とゆっくりといただくことにする。

それにしても、今日の受講者たちの何んと熱心な方が多かったことだろう。
うなづきながらメモを取る方、
思い出を確かめているのか目配せを交わしているカップル・・・。
12日から名古屋JR高島屋では、「名古屋ガーデニングショウ」を開催している。
その一環として、「トーク & レクチャー」をお頼まれした。

タイトルは、「イングリッシュガーデンの魅力」。
夫と12年掛けて「イギリス花の庭」という本を作ったので、
資料もスライドも万全だが、一つ心配なことがあった。
それは持病となってしまった腰痛がひどかったら、どうしよう。
担当の方にその旨を告げたら、「何とかなりますよ」と力強く励まされ、
おかげさまで、ほんとうにそのようになった。

10時に配った整理券は3分でなくなり、
立ち見の方が椅子席よりも多かったという。
男性の参加者も多かった。
愛知県はさすが、花卉栽培や切花産業のリーダー的存在となっている地区だ。

スライドを40枚に絞って、できるだけ楽しく美しいシーンを楽しんでもらったつもりだが、果たして聞き手側はどうだったか。

後で、たくさんの方から声を掛けていただき、握手を求められて、
「よかった」、「また来てください」と口々にいわれると、お世辞でも嬉しいものだ。

園芸関係の先輩や仲間にもお会いできた。岐阜の「ローズ オブ ローゼス」の大野社長、可愛い学生さんの頃から知っている大野耕生さん。
クレマチスの専門家として有名な春日井園芸の杉本夫人。
東京ではいつも和服姿なのに、
今日はヨーロッパの貴婦人を思わせる、
クラシックな黒いスーツがまたお似合いだった。


気がついたらレクチャーの時の写真がない。
誰かに頼めばよかったのに、残念。



代わりにといってはおかしいが、お昼にいただいた名古屋名物「ひつマムシ」の写真を。最初は普通にうな重風に食べ、次には山椒などの薬味で、最後はだし汁でお茶漬け風にと3回楽しめる。

たしかに3回どころか、4回分のボリュームがあった。。





トウガラシのおばんざい

京都に住む一つ違いの妹から、宅急便が届いた。
何かしら? 

カッターナイフで箱のふたを固定していたガムテープをはがすと、
中から現われたのは、
つやつやした緑色のトウガラシと、チリメンジャコだった。
京都ではこの組み合わせの料理が、
むかしから夏の伝統的なおばんざい(お惣菜)として伝わっている。



こんなに美味しいものが、こんなに簡単に作れるのはCOOLだ。
しかも、ヴィタミンCとカルシュウムがしっかり摂取できる。
これぞまさしく、高齢者のためのハーブ料理ではないだろうか。
ご飯はもちろん、おかゆ、そうめんやうどんのトッピングにすると、栄養のバランスがよくなる。

作り方は、
?軸を取った青唐辛子(シシトウガラシでも可)とチリメンジャコを、サラダ油でさっと炒める。
?水少々を加え、チリメンジャコの塩味がもの足りなかったら、塩か醤油で
味を調えて、できあがり!





毎日でも食べたい一皿だ。

ローズマリーの挿し穂セット

挿し穂セット作りが、ようやく終った。

名古屋での講演会が、明後日に迫った。(詳細はスケジュールを)。
来場者へローズマリ-の挿し穂をプレゼントをする準備に、かなり時間がかかったのだ。
夕方6時が集荷の締め切りだから、ぼやぼやしていると間に合わない。


今回は、(左から)マリンブルー、タスカンブルー、マジョルカピンク、の3種に決めた。蚊に食われながら切った小枝は、60人分x3種=180本。


3本の枝をチェックしてから、1時間ほど水揚げを。次にキッチンペーパーで切り口をくるみ、
ボウルに張った水にさっとくぐらせる。軽く絞ってファスナーつきのビニール小袋へ。


テーブルの上にはまだ枝が半分も残っている。急げ、急げ。


素朴なハンドペインテイングの、ギャザリングバスケット。


挿し穂セットを、トネリコのパイバスケットに入れて。

「イングリッシュがーデンの魅力」の
レクチャーが始まるのは11時だから、8時ごろの「のぞみ」で間に合う。
スライドに使うポジフィルム選びも、終えた。

レクチャーやトーク、講演などに来てくださる方に、
私はこれまで必ずといっていいほど、ローズマリーの挿し穂を差し上げてきた。
その数はおそらく、万本の単位になっているのではないだろうか。
うまく発根して自信がつき、ハーブに興味を持つ人が多くなったら、
こんな嬉しいことはない。
ローズマリーの花言葉は、「友情」と「素敵な思い出」だ。

名古屋の皆さん、See you Soon!!!

読んでよかった「病院のクワバラさん」



誰にでも巡ってくる親の介護は、
人の道としてベストを尽くさなければならない大きな仕事だ。

社会福祉の面で立ち遅れているばかりか、
厚生省や社保庁のますます泥沼化してきた最低の不祥事に、
私たちのこれからはお先真っ暗である。
どこかの国の首相のように、
いやなことが続けば「やーめた」というわけにはいかないのだ。

こうした状況の中で、
好むと好まざるにかかわらず病院や介護師の世話にならざるをえない。
私の場合、父の入院によって初めて介護を体験したが、
何から何まで戸惑うことばかりだった。

こんな時、この本があったらどれほど参考になったことだろう。



病院へ行くときは、どんなことが待ち受けてるか、不安でたまらない。
検査も会計も病院のシステムも、初体験の人が多いのにちがいない。

作者のクワバラアツコさんは、家政婦という設定になっている。
筋書きからみれば、新米家政婦が最後には「スーパー付き添い家政婦」になるまでの、
さまざまな経験や失敗を重ね、キャリアを積んでゆくというストーリーだ。

ところが内容が半端ではない。
50編からなるエピソードのひとつひとつに、目からウロコクラスのフカー
イものがちりばめられている。
家族でも医療スタッフでもない、中間の立場にいる付添い人だからこそ
参加できる多くのドラマがある。

目次を開いてみると、
★初めての「お受診」、★医者の一言は毒にも薬にも、★手術の謝礼「ほんとのところ」、★カルテのBは何の略? ★言葉遣いと医師のプライド、★食事介助で試される病院の姿勢、★夜中の駆け足、など読みたくなってし舞うタイトルばかりだ。 
どこから読んでも面白そうで、ためになる。

明日はわが身。
上手に介護を受けるためにも、この本は役に立つ。

*「病院のクワバラさん」  文クワバラアツコ、絵百田まどか

              発行所(株)法研  952円+税


赤ちゃんサボテン物語?

知らない植物を育てるのは、
未知の国へ足を踏み入れるようなものだ。
これまで、多肉植物に夢中になったことはあったが、
苗をただ集めて眺めるだけだった。

ところが昨年の12月16日に、
お土産にいただいたサボテンのタネを蒔いてから、
一喜一憂している(ナチュラルウオッチング ? 06/12/16)。

2月12日(? これよりカテゴリー→ガーデニング)の写真と比べてみると、
今日の生長ぶりは目を見張るばかりだ。
恥ずかしいけれど誰かに自慢したくてたまらない。







数えてみると18本も芽が出ている。
2月のぽちっとした緑の点のような芽とは、比べものにならない。
それに緑も濃くなって、立派な毛も生えてきた。
この赤ちゃんたちがそれぞれどのような顔かたちに成長するのか、
いつまで大きくなるのか、
育ててみなければ分からない。

マニュアルがないのが、心配でもあり魅力でもある。

★3番目の写真について。
天気が悪くて鮮明ではないが、
窓の外に見える赤い点々はトウガラシのBaloon。
露地で冬を越し、現在3メートル近くまで生長中。


なつかしき英国のアップルパイ



一昨日、大原照子先生からお電話をいただいた。

「広田さん、昨日小布施からリンゴが届きました。
なつかしいリンゴを送ってくださって、
どうもありがとう。
箱を開ける前からいい香りがするので、
クックキングアップルのブラムリーかなと思ったのよ。
でも何よりも嬉しかったのは、
大小取り混ぜてごろごろ入っているのが、
イギリスと同じなの。
あちらでは、ちょうどジャガイモみたいに、
気取らずに八百屋とかスーパーで売っているんですよ」

料理研究家の道を歩みだしていながらも、
さらに次のステップを求めて、
イギリスへ2度も長期留学なさっただけに、
滞在中の日常生活には数々の思い出がおありなのだろう。

「いただいたブラムリーは長男のお嫁さんと分けて、
私はアップルパイとジャムを作りましたの。
あっという間にリンゴが溶けて、酸味が素晴らしいパイができましたよ。
ジャムは最後にグラニュー糖を使ったら,きれいな色に仕上がって・・。
何度もいうようだけれど、とてもきれいなの。
6個のリンゴで1ポンドの瓶に3個できたわ」

先生のアップルパイはどんなお味だろう。
思いついて10冊を超える御著書をぱらぱらとめくってみたら、
ラッキーなことに冒頭のアップルパイが目に入った。
本のタイトルは、「私の英国菓子」
サブタイトルは、Shoko Ohara's British Cakes ,Sweet and Bread.
出版社は柴田書店、1985年発行。

22年も前に出版された本とは思えない、
素敵な内容と写真に魅せられて、ついつい読みふけってしまった。
とりわけ、66pと90pに書かれたフルーツにまつわる話の中で、
“英国で羨ましく思ったのが、庭のフルーツ。
庭に立って見上げれば洋梨、りんご・・・・"と続くくだりが、
心に残った。
お菓子が作れない人でも、お菓子作りのベテランでも、
きっと手放せない本になるにちがいない。

黄金桃入りブラムリーとブラックベリーのジャム

ことことと、何か煮ているときの雰囲気が好きだ。

今日は取って置きのブラムリーアップルで、ジャム作りを始めた。
これまでの生食用リンゴでは、煮溶けるまで時間がかかり、
うっかり焦がしてしまったことがある。
その点、このリンゴなら長くてもおよそ10分間でとろとろになる。

いつものようにシャンペン色のジャムが出来たが、遊び心がわいてきた。
ブラックベリーで薔薇色の色をつけ、
この前コンポートにしておいた黄金桃を、刻んで混ぜたらきっときれいにちがいない。

自家製ブラックベリーのはちみつ漬けは、冷蔵庫の中で少し発酵していた。
ピリッとして舌を刺激するが、かえって美味しいかもしれない。
タネの粒々が歯に挟まると不愉快なので,漉してからジャムに混ぜ、
刻んだ黄金桃を加えた。
きれい、きれい!



蜂蜜で少し甘味を足し、さっと火を通して出来上がり。
アイスクリームに載せたら見た目にもきっと美しいのではと撮影してみたが、
あっという間に溶け始めてごらんのとおり。



ぜりーにするといいかもしれない。
あるいはポ-クソティのソースに、ぴったりではないだろうか。

リバティのフルーツ柄 アップル



昨日の台風は、山梨や長野が通り道になった。
真っ先に心配したのが、小布施のブラムリーアップルのことだ。
せっかく丹精したリンゴが、強風と断続的な激しい雨に翻弄されているのではないだろうか。

ブラムリーとは、イギリスから導入した緑色のクッキングアップルだ。
詳しくは、昨日発売になった「ミセス」10月号に、このりんごの歴史や魅力
などについて書いたので、ごらんいただきたい。

タイトルは「辰巳芳子さん、広田せい子さんがおすすめする、クッキングアップルのブラムリー」

さて、ブラムリーアップルにちなんで、今日のリバティプリントの図案はリンゴを選んでみた。
これまで、野生のベリー類や木の実などはあっても、果物の絵柄はほとんど見かけたことがない。
丸のままと、縦半分にナイフを入れたリンゴと洋梨は、
楽しげな細密画でデコレートされている。

日本にはない、イースターエッグの感覚なのかもしれない。


無事だったタバスコ






嵐の中でも、突然セミが鳴きだすことがある。
これは雨が一時的でも止んだ証拠だ。
今朝の夜明けから、どれほどこの一瞬を待ったことか・・・。
もの凄い風と雨が断続的に襲ってくる嵐の中で、庭が気がかりでならないのだ。

4時35分、急にミンミンゼミが鳴きだした。
それっとばかりに外へ出ると、昨日と景色が違う。
花もハーブもぺたんと打ち伏しているせいだ。
前の公園から飛んできた桜の枝や葉っぱが散乱して、目も当てられない。

一番気がかりだった、下の庭のトウガラシのコーナーへ急いだ。
残念! もろに吹きつけた強風で支柱を立てていたのに、ほとんど根こそぎ倒れている。
それではデッキのほうは? 
こちらにはめぼしいものを鉢植えにしてあるのだ。
ここは囲まれているので、比較的風には大丈夫と思って何も対策をしてなかったから、急に心配になった。

ああ、よかった。よかった。
ようやく色づき始めたタバスコもぷックリ肥ったハラペーニョも無事。
酔っ払った赤ら顔のハバネロや、コロンとしたセラーノ、蝋細工のようなアヒ・クリスタルも大丈夫だった。
特に、冬を越して2年目を迎えたタバスコは、これから朱色の果実が花のように美しくなるときだ。命拾いが出来て本当によかったと思う。

また降り出した雨の中で、私の足取りは弾んでいた。


リバティーのハーブ柄 デタニー

Dittany



この布の名前は、Dittanyという。

すぐに以前栽培したことのあるDittany of Creteを、思い出した。
オレガノの仲間のアマラクス類に属し、ドライな感じの苞葉をつけた茎の先端に、ピンクの小花が咲く。
下葉のあたりは少し肉厚で産毛が生えていて、雨に濡れると蒸れが心配だった。

はじめて見たのは、イギリスのキフツゲートコートで、六角形の噴水の近くに飾られた鉢植えだった。
夜中でも温度が下がらない日本と比べて、朝夕の温度較差が大きいイギリスでは、
噴水の傍でも蒸れないことに感激したことを覚えている。

Creteとは、エーゲ海に浮かぶクレタ島のことだ。フラワーウオッチングに訪れたのは、もう10年前になるだろうか。
4月のクレタ島はすでに夏の気候で、サルビアの仲間やビー・オーキッド、野生のグラジオラスが咲き、ユーホルビアが岩の間にこんもりとしげっていた。

私は、せっかく来たのだから、デタニー・オブ・クリートを探して歩いてみた。
日当たりのよい草むら、古い石積み、オリ-ブ林の樹の下などなどを。

この島の人は、デタニーのお茶を飲んでいると聞いたが、誰も知らないという。

この植物は、なぜDittanyなのだろう。
もしかして、この林の下草に生えていたりして・・・。
あるいは、名前だけ残した園芸品種になっているのかもしれない。

未だに謎である。


リバティのハーブ柄 ワイルドパンジー

Wild pansy



現在のパンジーは、にぎにぎしい大型の花に品種改良(悪?)されているが、
昔はこのような野生のパンジーだった。

シェイクスピアの「真夏の世の夢」で、この花は「キューピッドの花」とよばれている。
パンジーの絞り汁を眠っている人のまぶたに塗っておくと、目が覚めて最初に見た人を、
好きで好きでたまらなくなってしまうというまじないだ。
妖精のいたづらから、男女の愛情のもつれを描いた喜劇だが、
この花ほどさまざまな名前で呼ばれているものはない。

Pansyはフランス語パンセの英語訛り。
パンセとは「思索」とか「思想」の意味で、花の形が物思いにふける顔に似ているからという。

英語のパンジーには,何と200以上の名前があるそうだ。
もともとは心臓の痛みを和らげる治療薬のハーブとして、
Hertsearsの名前が生まれたが、
のちに「心の慰め」や媚薬としての「恋の花」の意味でも、使われるようになったらしい。

このほか、「抱きしめて」、「キスして」、「誘って」、「飛び上がってキスして」、
「頭巾の中の3つの顔」、「三位一体草」などいろいろあるが、
植物の英名の中で最も長いといわれている、
「彼女に入口で会って、部屋の中でキスをしなさい」という名称もある。

このリバティの図案は、洗練された配色だが、
ある言い伝えによると、パンジーの白が忠実、黄色が勇気、紫が思慮を意味しており、
三つ合わせると完全な人格を象徴するという。



リバティのハーブ柄 チャービル

Chervil

ふつう、こうした商品に選ぶパターンといえば、額縁に入れられるほどパーフェクトな構図や色彩の作品が多いのに、私はこのデッサンに先ず目がいった。


風にそよぐヒナゲシ、咲き終わりのアラセイトウ、ほっそりとしたデイジーなどと描かれている、このセリ科の植物は何だろう。
ディルという人がいるかもしれないが、私は半ば野良になったチャ-ビルのような気がする。

このスケッチをした場所は、きちんとしたガーデンではない。
おそらく裏庭あたりか裏木戸のへんで、庭から逃げ出した草花が好き勝手に生えているのが、アーティストの絵心を刺激したのだろう。

元来、植物は人のために生きているのではない。
好きな場所で自由に生きているのが最も幸せなのに、幸か不幸かたまたま美しかったり、珍しかったりすると、人間が放ってはおかない。
観賞用とか稀少植物などと勝手にラベルをつけて、すぐに商売のアイテムとしてしまう。

ガーデンに植えられた植物は、身だしなみよくきちんと刈り込まれ、自由行動をしない株は、評判がよい。しかし、人の世話にならずに、元気旺盛で列からはみ出したり、こぼれダネから生えた株は悪い子扱いを受け、雑草ランクへレベルダウンとなる。

ここに描かれた草花たちは、なんと伸び伸びとリラックスしていることだろう。
中でも、チャービルは白いレースのような花をつけ、実を結び、一生のうちで最も華やかな時を迎えている。誰に見せるでもない、競うでもない。自然のサイクルのままだからこそ、美しい。

チャービルのタネは、取り蒔き1週間というほど、こぼれ落ちてすぐの方が発芽力が強い。そして、野生化したような株のほうが香りは何倍も強い。

これはいつまで見ていても、見飽きない素晴らしいデッサンである。


リバティのハーブ柄 ハーブ

Herby



リバティ社の発表したこの意匠の名前は、Herbyという。

解説によると、“このデザインはアウトドアをヒントにした、
クラシックなソングブックから生まれた、忘れがたいテキスタイルの宝物”、とある。
そして、Herbyについては、
“パセリ、セイジ、ローズマリー、タイムなどのハーブが並べられたカントリーフェアー・・・”
こう記されていたら、あとは読まなくても名画「卒業」の主題歌となった、サイモンとガーファンクルのデュオによる「スカボロフェア」と、分かるにちがいない。

この図案は、どれがパセリでどれがローズマリーだなどと目を光らせずに、
ぼうっと眺めているだけでハーブガーデンに佇んでいる気分になってくる。

作曲者ポール・サイモンがまだ無名の頃、一人でイギリスのフォーククラブをまわっていたことがあった。あるとき、北海に面したひなびた漁村のスカボロウで、心に残る歌を耳にした。
そのマザーグースのナーサリーライム(童謡)に、詠唱(カンティクル)という祈りの曲を微妙に絡ませて、彼は美しい歌の綴れ織りを完成させた。

歌の中で何度となくリフレーンされるのが、
Parsley,Sage,Rosemary,Thyme の4種類のハーブの名前である。
果たして、どのような意味が込められているのだろうか。

この曲が歌われた1960年代は、ベトナム戦争の真最中だった。
ハーブの香りの漂う台所は、戦場の兵士たちのなつかしい場所・・・。
そこにはパセリやセイジ、ロースマリー、タイムなどのハーブと、母の姿がいつもあった。
反戦の意味も込めてこの歌は歌われ、Back to Nature (自然に帰れ〉の
波とともに、健康食品や菜食、ハーブ、ポプリ,薫香、パッチワークなどの〔古きよきもの〕への郷愁を、あらためて見直すきっかけともなった。

ちなみに、HerbとはHerbert のように、男の子の名前だ。
Herby とはどんなニュアンスなのだろう。
8月28日に記したミントも、資料に minty とある。



りバテイのハーブ柄 モナルダ

Monarda

リバティにはロマンチックな花柄ばかりではなく、
このような野の花を思わせるパターンもある。
花盛りや開花寸前のハーブがこんなに密に描かれていると、
通り抜ける時など、スカートに触れた足元から、
強い香りが立ちのぼってくるような錯覚に陥りそうだ。



じつは、このハーブの名前を書くのに、どれがよいか迷ってしまった。なぜなら、名前が4つもあるのだ。
多くの出版物が学名で紹介しているように、
私もモナルダ(Monarda didyma)としてみた。
これは新大陸へ渡った、スペインの医師であり植物学者の
Nicholas Monardez 博士にちなんで、命名されたという。

英名が二つある。
柑橘類のベルガモットオレンジに似た香りなので、Bergamot,
もう一つは、ミツバチが好む花なのでBeebalm.
4番目は、アメリカ先住民のオスエゴ族が愛飲していたことにちなみ、Oswegoという。
かってアメリカでは、歴史に残る「ボストンテイパーテイ事件」があった。
日常生活に欠かせない紅茶に、高額の税金をかけてきた英国政府へのレジスタンスとして、人々は紅茶を海に投げ入れて、ボイコット運動を続けた。
その間、人々はオスウエゴ族に教わったこのハーブティを飲みながら、
耐え忍んだという逸話がある。

私は和名が最もおしゃれだと思う。
花の形からカガリビバナ、あるいはタイマツバナというのだ。
田舎の農家の庭などにぴたりと似合って、帰化植物のようになっているのを、長野県で何度か見かけたことがある。

それはそれは豊かな景色だった。


リバティのハーブ柄 チャイブ

Chives



チャイブは、ネギ一家で、一番小さな家族だ。
ニンニクや玉葱、ネギ、リーク、ニラ、ラッキョウ、ワケギなど親戚が多い
が、この中で、最も細くて最も繊細な風味を持っているのが、チャイブである。



美しいみどりいろの細い茎をきちんと並べて、端から小口切りにしていくと、エメラルドのビーズがころころとこぼれる。
和、洋、中華の何にでも合うから,密閉容器に入れて冷凍し、使う時だけスプーンですくって、スープやサラダなどに散らすとよい。

チャイブの花も、これだけたくさん咲いてくれたら、どれほどよいだろう。
プリントの色はさまざまな配色になっているが、本当の色はパープルピンク
だ。花盛りの菜園はとてもロマンチックな色に変身する。
花をドライにしたらきれいに乾いて、リースにぴったり。
ただし、匂いが匂いなので、花束に入れられないのが残念だ。

花をオムレツに焼き込めば、ブルーオムレツができる。
あぁ、せっかくのリバテイなのに連想するのは食べることばかり。
今日から9月。
天高く、馬肥えぬように気をつけなくては・・・。


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