HOME:広田せい子のハーブガーデン

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‘オールドローズ’という名のバラ

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このつる薔薇の馥郁としたよい香りは、かなり手前までただよってくる。

もっともプラムの樹に、白木香薔薇と一緒にからませてアーチを作ったので、香りの強さが2倍、いやそれ以上になったのかもしれない。

ほんのりとピンクの刷毛をはいたような愛らしいつぼみ・・・。
しだいに内側から花弁がほぐれて、花の色は白くなり、最後はシャローカップ咲きというのだろうか、クラシックな花の形で数日間は咲いている。
よく名前を聞かれるが、わからないのだ。
何故かというと、近くの花屋のサービスワゴンから、助け出してきたからである。ものは言い様、サービスワゴンとは名ばかりで、ゴミ捨て場直行のかごだ。そこには、息も絶え絶えの苗が放り込まれている。
見ると辛いので、ふだんは近寄らないようにしているが、何かに呼ばれたような気がしてのぞくと、オールドローズとマジックでなぐり書きの名札が目に飛び込んできた。

「オールドローズっていう名前はないんじゃないの」
と言いながらも、見捨てることが出来ずに300円也を払って、持ち帰った。あれから4年。つるは5メートル以上に伸び、中輪房咲きの花を咲かせている。調べても確かでないので、我家の愛称の「オールドローズ」で通っている。

どなたか、御存知の方にぜひ教えていただきたい。





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当たった天気予報

窓を開けると、またいっそう緑が濃くなった。

先週は、樹々の間からグラウンドの向こう側まで透けていたのに、
噴き出した緑の炎で、もう見えなくなった。

これから始まるゴールデンウイークの初日にふさわしい、爽やかな朝だ。
こんな日こそ、庭でガーデニング三昧といきたいところだが、
水やりの時間もなさそうなのである。
というのは、締め切りがもう終っている7月号の原稿がまだできていないからだ。

自業自得といえばそれまでだが、
こんなに天気がよいのに、水を欲しがっている植木鉢が待っているというのに、
キイボードと向かい合っているのは、ひじょうにつらい。

どれどれ、今日の天気予報は? 午後から雷雨となっている。
天気予報はそれほど当てにしていないが、お湿りに期待しよう。

午前中も昼も晴れ。雨の気配はまだない。
いよいよ如雨露を持って出なくては・・・。

3時。西の空を見ると真っ暗だ。
夕立が近づいてきている。これも心配・・・。

原稿のほうは? これこそ大心配でまだできていない。

よみがえった親友

「あの病院の先生の話では、
今年の桜は見られないはずだったのにね。ふふふ。
この前は福島の滝桜を見てきたのよ。
先週行った館林のツツジもきれいだったし・・・」

近くまで用事があったからと、親友が立ち寄ってくれた。
庭のテーブルでお茶をいただきながら、
明るいいきいきとした声と元気そうな声に、私は嬉しくなった。
日差しが強いので、私の麦わら帽子をかぶった彼女は、まるで少女のように若々しく見える。

いわゆる有名病院で、彼女が死の宣告を受けたのは、昨年の12月のことだった。
「肺がんであと3ヶ月の命です。桜が見られるかどうか」
家族とともに聞いたこの言葉に、彼女は納得がいかずもっと自分の病状を知りたいと思った。限られた時間の中、瀬戸際に立っても諦めないで、ほかの病院にセカンド、そして、サード・オピニオンを求めた。

早咲きの河津桜は2月に咲く。我家の前で咲いた桜を見せたくて、このテーブルでお茶をしたのはまだ寒い頃だった。

桃の花が満開の朝、夫の運転で近くにある秘密の桃源郷を一緒にたずね、海辺の町まで足を伸ばした。汗ばむような暖かい3月、窓を開けると流れるような柳の緑と、咲き始めたソメイヨシノが目に入った。

刻々と刻まれていく彼女の命に、私たちはただ祈ることしかできない。
せめて花を見て、慰めになればと思った。

ある日、嬉しい知らせが届いた。
「いったいあれは何だったんでしょうね。肺がんの細胞はみつかりませんでしたって。がんセンターでも、今すぐどうということもないのよ」

奇跡だったのか,誤診だったのか。
彼女は身をもって、大切なことを教えてくれた。
ネバー ギブ アップ! けっして諦めないことを。
それともうひとつ、山のようにもらっていた薬を飲むことを、いっさいやめた。
一時は、死んだとおなじだったのだから、薬はもういらない・・・・。
その結果、悩まされていた体中の痛みも不調もなくなったという。

だから今日の笑顔が若々しく、生き生きと見えるのだ。
死の淵から生還できたのも、彼女の本当の芯の強さがあってこそ。
Never give up !!!

生きている人に、春の草花はやさしく香り、小鳥も歌う。
そして、土も温かい。




行儀のよい菖蒲

この春も小さな池にガマガエルが産卵をしにやってきて、ひじょうに困った。これまでは、その量たるや水が腐るほどで、とにかく半端じゃない。
今年は防止策として夫がネットを張ってくれたため、何とか一件落着の運びとなった。

咽もと過ぎればナンとやら・・・・
肝心の蛙たちの恋のシーズンが終ってしまったら、片付けるのも面倒くさい。
ネットを外せば去年のように小鷺が来て、金魚やら泥鰌を食べて全滅させてしまうかもしれないし・・・・。そんなこんなで、ネットをそのままにしていたら、驚いた。



菖蒲が網目を通って、直立不動の姿勢で水面から顔を出しているではないか。
5月5日の菖蒲湯に使うこのハーブは、英名をsweet flagという。
爽やかな香気で邪気を払い、健康を守る菖蒲は西洋でも同様にお清めに使われているとか。
洋の東西を問わず、人間は同じことを考えるものだ。

網目の間から剣のような葉を立てている菖蒲を見ながら、
ネットを外そうか、どうか、私はまだ迷っている。



今日の花束 4



花束を作っている時に楽しいのは、
これが届いた時の相手のリアクションを想像しながら、手を動かすことだ。

花を活けるのが好きな方には、素材として送ったほうが喜ばれる。

今日はブルーベルの青い花と、同じような鈴を着けた白い花を、それぞれに束でまとめた。
リボンの代わりに、しなやかで長い水仙の葉で株下を結んだら、とてもナチュラルな感じで我ながら素敵!

春らしい色の花束も楽しんでもらいたくて、
野原で作ったような、小さなハーブのブーケもつけ加えた。
かねて用意のバスケットに入れたら、ぴったりの雰囲気・・・。

T先生、明日の朝届きますよ。
お部屋や机に飾ってくださいね。




黄木香薔薇

春1番の薔薇といえば、この黄木香薔薇・・・・。
ややくすんだ黄色の花房を手まりのようにつけて、春の到来を道行く人々に
告げている。
一度花弁の数を数えたことがあったが、97枚でわからなくなってしまった。おそらく100枚以上はあると思う。
これほど精緻に作られた花なのに、神様は大せつなことを忘れてしまわれた。残念なことに香りがないのだ。



照り葉のしなやかな枝は常緑で、3m程度の長さはざら。5mでも7mでもよく伸びる。とげがないので、くるくるとまるめただけでやさしいリースが簡単にできる。
日本へは享保年間〈1716~1736〉に伝わったという。この薔薇も中国原産で
学名は Rosa banksiae lutea
この春の強剪定で信じられないほど、詰めてしまったのでやはりさびしい。
去年までの黄色い滝のような姿をもう一度見たかったら、文化出版局刊の
「フレグラントガーデン」をぜひ見ていただきたい。


庚申薔薇

薔薇はなんと魅力的な花だろう。

まさか私が薔薇を好きになるとは、思ってもいなかったのに、
いつのまにかとりこになっていた。

これから庭で咲いた順にアップしようと思うが、
この庚申薔薇だけは、順番など関係がない別格の薔薇だ。
というのは、1年中途切れたことがなく咲いているからである。
それもそのはず、恒春薔薇がなまって庚申薔薇になったそうで、
原産地の中国では月季花とか長春花とよばれている。



面白いことに、英名でもCommon monthly, Old pink monthly といい、
毎月のように咲いていることを物語っている。学名はRosa chinensis

小さめの花はピンクの半八重咲きで、とげが少ない枝と照り葉に特徴がある。色も草姿も、花の形も変異があるようで、ベトナムの古都フエの寺院には紫の色が混じった長春花がひっそりと咲いていた。

日本へは鎌倉時代に渡来。ヨーロッパへは19世紀に伝わり、四季咲き薔薇の親となった。日本と中国は歴史的にも距離的に近いからかもしれないが、ヨーロッパより早かったのは、ちょっぴり鼻が高い。

こんな事があった。
1月の沖縄で、この薔薇が民家の庭や垣根、グリーンベルトなどにたわわに咲いているので関心を示したら、
「これはウチュナンチュの薔薇だ。ヤマトンチュにはないだろう? とにかく昔からあるのだからなぁ」
と、沖縄にしかないことを力説していた。

本当にそうかも知れない。
琉球王朝は南の海に乗り出して、多くの国々と貿易をしていたのだから、堅苦しい鎌倉幕府が治めていた本州よりも、もっと早くにこのきれいな薔薇を
持ち帰ったのだろう。
庚申薔薇は病気も出ず、丈夫で、挿し木でよく殖える。

私が住む町は、港北ニュータウンという新しく開発した地区だ。散歩の時に気づいたのだが、
以前から集落があった立派なお宅や新築のアパートに、よくこの薔薇が咲いている。一度聞いてみたいと思っていたら、チャンスがあった。
「この薔薇、きれいですね。xxさんのお宅のとよく似ていますよねぇ」
と話しかけてみたら、
「これは本家の姉様からもらった薔薇で、いつでも咲いてるいい花だよ。
この花がある家は、みんな親戚だがね」と返事が返ってきた。
イギリスでは、紅白それぞれの薔薇を旗印にいただいた薔薇戦争があったが、本家の姉様がおそらく挿し木で殖やした薔薇苗を配るとは、なんともいい話ではないか。

私も挿し木で殖やし、息子たちの家に配ろうと思っている。



パステルカラーの花々に癒されて



ひどくくたびれた時、思うようにならなかった日、
意に反して相手をを傷つけてしまった時、
自己嫌悪にさいなまれた日・・・・。

そんな時は、庭を眺めているのが一番の薬だ。

風に揺れる小さな草花は、やさしいパステルカラーばかり・・・。
青い小花のワスレナグサ、
ピンクの濃淡はヴァージニアン・ストック、
パープルの花はケイランサス。
点々と刷毛で掃いたようなクリーム色は、カリフォルニアポピー。
青い星型の花はボリジ、
白い花はローンディジー、
間もなく、大根の薄紫の花も咲き始める。

リビングルームの前にある小さな花壇だが、
何も考えずに,風の行方をぼんやりと見ているだけで、
身も心もしだいに癒されてくるのが、わかる。
もうすぐ、バラの季節だ。



八重桜とムラサキツユクサ

3月25日から、ムラサキツユクサが咲いている。



例年なら霜や雪のダメージを受けて、地上部がみすぼらしいはずなのに、
暖冬のせいで少しも傷まず、粉っぽい緑色の葉を元気に広げている。
この紫色の花が咲くのは、梅雨時の蒸し暑い頃だったような気がするが、
3月に開花するとは、異常ではないだろうか。
ソメイヨシノとムラサキツユクサが、一緒に咲いていたのは事実だ。
やはり、どこかおかしい。

八重桜も、咲き急ぐように盛りを迎え、過ぎていった。
地球の回転が速くなってきたのか、
温暖化が現実となって迫っているのか、
考えることはいつも同じだ。



白い花の記憶

いつの頃からか、春になると庭のあちこちで白い花が咲くようになった。



私は植えた覚えがない。
でも、誰が置き土産として植えてくれたか、見当はついている。
アメリカ、イギリス、フランス、イスラエル・・・・。
外国の園芸仲間が訪ねてくれたおりに、
お土産代わりに、庭のどこかに植物を植えていくことがあったからだ。

この白い花は、ユリ科のAllium triquestrum という。
地中海沿岸地方原産の球根植物で、花盛りには雪が積もったように美しい。
丈夫で元気でよく殖えるので、もったいないけれど捨てた年もあった。
広い原っぱや明るい林のある公園に、寄付すればよかったと、残念でならない。

マッスに植えるのも素敵だが、
こうした青い花と組み合わせると、
小さなコーナーの爽やかなアクセントになる。
スパニッシュ・ブルーベル、イフェイオンと。

ブルーベルの野原を夢見て

少女の頃から、憧れていた花があった。

それはイギリスの野原や林の中を、真っ青に染めるブルーベル・・・・。
写真やイラストを切り抜いて、手帳に挟んでは、お守りのように大切にしていた。ロマンチックな花だから、そして私の名前に?という字が入っているからでもあった。



イギリスで、ブルーベルの花の時期は5月の初旬だ。その年の天候にもよるが、チェルシーのフラワーショーの(5月20日前後)頃は、だいたい終わっている。それでも、キューガーデンはもちろん、ロンドン市内のあちこちに群落があったり、田舎へ行けば明るい林の下草として、真っ青なカーぺットを敷いたように咲いている。私たちが憧れるのを知ってか知らずか、ロンドンっ子にはただの雑草にしか、思っていないようだ。

話は飛ぶが、フォスター原作、アイボリー監督の映画「ハワーズ・エンド」に、印象的なシーンがあった。主人公の青年が、夜中に青い花がどこまでも咲いている原っぱ(?)を、何かに憑かれたように歩いていく・・・・。足元にライトが当たって、ブルーベルとわかるしかけだった。

何とか私の庭にも植えてみたいと、イギリスから種子や球根を買ってきて植えたのが、10数年のうちに増えて、ちょうど今が見ごろだ。
ブルーベルとはよくぞ名づけたり、可憐な青い釣り鐘が風に揺れて、清らかな音が聞こえそうな風情がある。



ただし、ほんとうにそうかな?という疑問もじつはあるのだ。
イギリスから買ってきたし、うちにみえたイギリス人が太鼓判を押してくれても、これは Scilla campanulata のようだ。(シラーではなく、スキラと発音するのが、正しい)

English bluebellの学名を,昔調べた時はEndemionだったが、
今はHyacinthoides non-scriptaとなっている。
一方、Spanish bluebell は、syn(異名)として
H.hispanica、S.campanulata, E. campanurataをあげている。

また、一説によると原種と同属のHyacinthoides hispanica(別名 Scilla
campanulata)との、交配による園芸品種ともいわれている。



白い花はアリウム・トリケトラム。

調べるほどにややこしくなるので,身上調査はこの辺でお終いにしよう。
花は花。
名前など関係無しに、素敵なものは素敵だ。


リンゴの花ほころび・・・・

リンゴの花が咲いた。
残念ながら品種名は、定かではない。

たしか3年前の3月ごろ、ごみ捨て場にプラスチックの植木鉢が置いてあった。
引越しの季節だッたから、新生活にはもてあます懸念があったのか、捨てていったのだろう。どうやらリンゴの苗らしい。しかもスタンダード仕立てだ。
「これ以上、物を増やさないように」といつも夫から注意されているので、見つかったらたいへん! 辺りを見回してそっと拾い、ガレージに一時隠してから、温室の傍に植えた。





昨年も開花したが、結実しなかった。
今年は受粉の手伝いをしてみようと思って、わくわくしている。





今日の花束 3

急に友達が来ることになった。
近所まで買い物に来ていて、寄りたいというのだ。

先ず、庭に出てささっと花を摘み、
テーブルに飾る花を作った。
ウェルカムの気持ちをこめて、お茶をゆっくり、もちろん、おしゃべりをたっぷり楽しむために。





お帰りのお土産には、
この花をさっとラッピングした花束をプレゼントしよう。
今日の楽しみを、もう一度思い出してもらえるように・・・・。

スイートヴァイオレット、ヴァージニアストック、ラミウム、スノウフレークス、ローズマリー、ラナンキュラス、エンドウマメ、ワスレナグサ、キバナノモッコウバラ、フイリセキショウ、シダ、スギナ、アケボノヨシ、スペアミントに名残の香水水仙ジョン・クィルを添えて。





毒草に注意!!!


早朝のニュースで、愕然としてしまった。

イヌサフランの葉をギョウジャニンニクと間違えて、
炒めものにして食べた新潟の50代夫婦が食中毒。
夫が重態、妻が死亡とのこと。

イヌサフランとは、コルヒクムの学名でも売られているユリ科の球根で、夏の終わりごろに出回る。

「土が無くても花が咲きます」などのキャッチフレーズのように、机の上に転がしておくだけでピンク色の華やかな花が咲く。
この時、彼岸花のように葉はない。開花後、土に植えると春に幅広い立派な葉が出てくる。
この葉が、山菜で人気があるギョウジャニンニクに似ているのだ。



ハーブサミットのご縁で、北海道北見のハーブフレンドからいただいた、庭のギョウジャニンニク。もうすぐ花が咲きそう。

ユリ科のイヌサフランは、名前こそ近縁のように思われがちだが、アヤメ科のサフランとはまったく関係が無い。
イヌサフランにはアルカロイドが含まれ、食べると激しい嘔吐や下痢を起こす恐ろしい花だ。
ギョウジャニンニクの葉に似ている毒草は、まだある。

それはあの可憐スズランだ。専門の医師でなくては使えない薬草で、有名な心臓病の薬だ。
北海道の牧場には、両者とも混在している。
興味深いことに、牛や羊は本能的にスズランを食べない。しかし、欲深い人間は根こそぎ採って、中毒を起こしていることが多い。

ちなみに、イヌとは似て非なるものを表す接頭語で、これが付いた植物にはろくなものがない。くわばら、くわばら・・・・。

目覚め始めた「インカのめざめ」

激しい雨だった。
昨日の夕方から風も出て、一晩中降っていたようだ。

ベッドから起きて、先ず庭へ。

昨日抜いておいた雑草を片付けて置いてよかった。
そうでなかったら、生き返っているかもしれないからだ。

植物たちにとってはまさに恵みの雨・・・・。
どの草花も昨日よりも大きくなっているように見える。
特に目立ったのは、匂いイリスで、一晩で20センチは伸びている。

せっかく咲き始めたリンゴの花も、雨に打たれて受粉できなかったに違いない。





下の庭へ降り、ジャガイモの「インカのめざめ」を植えつけた場所へ。
わぁ、すごい!!!
2~3日前から、ぽつぽつと発芽し始めていたが、
「インカのめざめ」は、目覚め始めた。
8割は出揃っているようだ。
ここで嬉しがっていてはいけない。
葉の方にエネルギーがまわらない内に、
芽掻きをしなければ・・・・。

空を仰ぐと、
雨がまた降りそうな空模様だ。
こういう時に芽掻きをすると病気が出やすい。
出来るだけ早く、からっと晴れた日にしなくては・・・・。

甘くて美味しい黄金色のジャガイモ。
「インカのめざめ」さん、よろしくね。



カップヌードルにアカザ

雨が降る前に、庭仕事を出来るだけ済ませたい、
と朝早くから庭で働いた。

気がついたら10時。
ふつうならお茶の時間だが、
朝からまだ何も食べていないのでおなかがぺこぺこ。

でも、もうすぐおひるだし、
そうだ! カップヌードルで小昼にしよう。

お湯を沸かしている間に、青みを取りに再び庭へ出た。
通路には今引き抜いたばかりのアカザが、道をふさいでいる。
決めた! アカザのトッピングだ。
前に先端の柔らかい部分を摘み取って、おひたしと胡麻和えにしたこと
があったが、もの足りないほどくせが無く、すぐに火が通った。

ヌードルの蓋をやや広めにはがし、
洗って小さく切ったアカザを入れ、熱湯を注ぐ。
蓋をし、5分ほど待って、さぁできた!!!。



冴え冴えとした緑色のアカザでトッピングした、
ヌードルの味は上等だった。

アカザ科のアカザは、ホウレンソウの茎と葉の間にきらきらしたつぶつぶができるように,葉の裏にきらきらがある。
葉の先端が薔薇色に染まるのがアカザ、緑色のままをシロザだ。

調べてみると、アカザはヴィタミンAやCに富む薬用ハーブだった。
虫に刺されたときは、この葉を揉んで汁をつけるとよい。
歯痛には、乾燥した葉を粉末にし、同量の昆布粉末を練り合わせ、痛むところに詰める、とある。

これからは雑草園、あらため、薬草園と思うことにしようかな。



美味しい花ワサビ

春を告げる食材を見つけた。
それは、花ワサビ。

数あるハーブの中でも、ワサビは世界に誇れる日本在来のハーブだ。



清流でしか育たないので根ワサビは高価だが、
この季節にしか出回らないのが、花が付いた茎だ。
味も辛さもワサビにそっくりで、しゃきしゃきという食感がたまらない。

昔は生産地の周辺でしか手に入らない珍しい食材だったのに、
今はスーパーでも入手出るようになった。
ただ、調理法が分からなかったり、面倒くさいと敬遠している方がいたら残念だ。
とても簡単なので、ぜひ、トライしてみよう。

作り方
1 花ワサビは切り口の黒ずんだところをカットし、3センチの長さに切り  そろえる。

2 花ワサビを水切りのよいざるなどに並べ、熱湯を平均にかける。

3 さっと水をかけて粗熱を取り、塩少々を振りかけて強くもむ。

4 密閉容器に入れて、冷蔵庫で1晩おき、辛味が出たところをいただく。

酒の肴、巻き寿司の芯、魚料理のあしらいなどにおすすめ。
ピリッと辛い味は根ワサビと変わらないので、
小さな人には気をつけてほしい。


なつかしい春の味・かぶれ菜

年をとっていくにしたがって、
昔食べた味がひじょうに懐かしくなってくる。
これをノスタルジック・テイストというそうだが、
今、私はまさにノスタルジック・テイストを、
ニコニコと平らげている。

福島市大森ではいつの頃からか、「かぶれ菜」という茎を食べる、いわゆる茎立ち菜を栽培するようになった。



葉っぱにウェイブがあるので、あるいは白い粉をはたいたような葉なので、かぶれ菜とよぶのだろう。

茎を掻きとって使うこの菜は、何といっても茎が美味だ。
おひたしには、茎だけをまず茹でるとよい。
たっぷりの熱湯に塩を入れ、茹で上がったら冷たい水でさっと冷やす。
ぐずぐずしていると、茎の中で自然に茹ですぎ状態になってしまうので、要注意。もともとあくやくせがないので、葉の先端のほうもさっと茹でる。



味付け? 私は何もいらない。かすかに残る塩の味だけで十分だ。
油揚げや竹輪、椎茸などと炊き合わせても、美味しい。




日本のターシャ・チューダー

今朝はそわそわしながら、宅急便を待っている。
昨日手に入れた山野草を、早く見たいし、手当てをしてやりたいからだ。

偶然の巡り合わせには、奥深いものがある。
旅の2日目、弟からタクシー貸切という、嬉しいプレゼントがあった。
さて、どこに行こうか。4人とも自然が大好きなので、結局、吾妻山のスカイラインなどを通りながら、植物観察ということになった。
運転手のMさんは野鳥愛好家で、父や母が健在の頃、一切経や白布高湯などへのトレッキングに行く際、運転をしてくれたかただった。
土湯からビッキ沼で水芭蕉を見たあとは、フキノトウを探して旧道へ。

Mさんの奥さんは、大の野草好きとか。彼は私たちの好みを察知して、山の中の野草園へ、案内してくれた。
外で仕事をしていた老夫婦に挨拶をした後、ちょうど咲きかけていた桜草の名前を聞くと、
「“プリムラの手まり咲き”ってよんでるがね」とおばあさん。
「広さ? 何町歩もあるからなぁ・・・」と、おじいさん。
「山のほうにたくさん植えてあるから,見て行ってくださいよ」と、おばあさん。



買い求めてきた「プリムラの手毬咲き」を大好きなコンテナに植え替えて。

まだ冬の眠りから覚めたばかりの高地には、雑草すら生えていない。
ハウスの中にはシラネアオイの実生苗のトロ箱があった。
「1年目は種をまいたままで、2年目が双葉、3年目にやっと本葉が出てくるんだよ」とおっとりとした口調で、説明してくれた。

聞けば,好きで楽しんでいた山野草栽培だったが、仕事として始めたのは7年前の72歳のときからだそうだ。周囲に押されてもまだ迷っていた彼女に、若い青年が大きな看板を作ってきて入り口にかけてしまったそうだ。
そこで、思い切って踏み切ったという。おそらく80歳は越しておられる御主人と力を合わせて、森を開き、花を咲かせている。





(上)直径2センチほどの花が滝のように咲いたクレマチス・シベトリエイ。
(下)目の覚めるように鮮やかな花弁の、韓国黄スミレ。

プリムラのモデルガーデンには、たいへんインスパイアされた。
数10本はある富士桜の木の下に、ナチュラルな感じに植えられた、ライラックピンクのプリムラの数々。まだ、つぼみの状態だから、かすんで見えるのがなんともロマンチックだった。
「プリムラ・オーリキュラ」や「クレマチス・ビチセラ」など、ボタニック・ラテンがすらすら出てくるおばあさんとの出会いは、これから何かが始まりそうな予感がしている。
耐寒性宿根草を育てて、数十年・・・。日本のターシャ・チューダーとめぐり合った事に感謝!!!

*15歳しか違わない方を、おばあさんなどとよんですみません。


魚菜草のお昼

Å子 様

またまたお便りしたくなりました。
今日のお昼は、あの「魚菜草」でいただいたので、みんなで行ったあのときのことを思い出し、ご報告したくなったのです。
夫から借りていったデジカメがバッテリー切れで、写真は最初の3皿あたりまでしかありませんが、想像力を駆使してください。

魚菜草は住宅地の中にあるとは思えないほどの、野草が咲いている食事どころ。今日はショウジョウバカマ、白花のイカリソウ、キクザキイチゲ、イチリンソウなどが、咲いていました。
千葉出身の御夫婦がここに摘み草料理の店を開かれたのは、母が元気だったころでした。いつも感心していましたから、10数年前になるでしょうか。
季節の山野草を素材として、そしてセンスあるあしらいとして、本当にすてきな会席料理を出しているのは、この前の食事でわかったでしょう?

先ず、食前酒はアカシア酒。
壁の棚一面にストックされた花酒の中から選んだもので、ほのかな香りがとても上品でした。









オードブル?は、丸い大きな陶皿に何品も盛り合わせ、あしらいはヤマサンシュユの枝に、ショウジョウバカマの花を添えて。
手元に写真がないので、思い出すままに記してみますね。
筍とシャクのごまあえ、カタクリの花と葉の酢の物・・・・・。
あぁ、悲しい・・・。
食べている時は大満足だったのに、切れ切れにしか思い出せません。

とにかく、10皿ほどのコースで、最後はお抹茶で締めるまで、野の花、野の草の料理の数々。川魚、お作り、てんぷら、水菓子などすべて春の素材を作家物の器に盛った手の込んだ料理ばかりで、満腹イタシマシタ。

そうだ、こんなことをぐだぐだ書いているよりは、
食べに行きませんか。
新幹線で福島まで1時間半。駅からタクシーで15~20分ですもの、
それほど遠くはありません。
肝心の食事代は、申し訳ないような値段なのですよ。
ね、お互いの都合のよい日に決行しましょう。
それでは、お元気で!
                        靚子





兎追いしかの山・・・・

A子様

ことしのお花見は、いかがでしたか。
私は今、実家に滞在し、弟や妹たちと、2度目のお花見をしています。



東京地方はもう葉桜になってしまいましたが、
東北新幹線が北を目指して走る車窓からは、
フイルムを巻き戻すように景色が変わっていき、
下車した福島市ではちょうどソメイヨシノが7分咲きぐらいでした。

やさしい弟から、「ふるさとで花見を」の声がかかり、
実家に全員集合したのですが、
65歳になった長女の私をかしらに、
5人の姉弟がこれまで、一人も欠けずにいられたことを、
これほどありがたく思ったことはありませんでした。
それぞれ多忙なスケジュールを調整し、京都、横浜、川崎、浦和から
集結し、まずは両親のお墓参りを。



それから、あなたたち御夫妻と行った城山や秘密の桃源郷を、「兎追いしかの山・・」とばかり、童心に帰って、心行くまで楽しんできました。
城山の桜は8分咲きぐらいで、人出も多く、」今度の日曜日はきっとピークでしょう。




それから、数箇所の桜のポイントを巡りながら、ゴールの桃源郷へ。
広い広いなだらかな丘に、切花用の枝ものを栽培している花屋さんの花畑がどこまでも続きます。
ソフトな色の彼岸桜、ややピンクの濃い東海桜、八重と一重の花桃、日向水木、土佐水木などなどが夢のように咲いている中を、私たちは夢遊病者のようにふらふらと歩いていきました。

空は青く澄み、遠くには安達太良から吾妻小富士、白布高湯、蔵王まで連なる山並みがくっきりと見えます。
ここで出合った人はたったの二人。有名観光地となってしまった「花見山」の人出とはまるでちがいます。

この前咲いていたよりは数は少なかったようですが、足元のスミレもきれいでしたよ。特にアケボノスミレのピンクの色の可憐な感じが、忘れられません。
来年は、きっと御一緒しましょうね。
今夜は土湯温泉に泊まり、明日のお昼はあの「魚菜草」です。
ご主人様によろしく。
                       靚子

P.S 写真は近日中にアップしますので、また訪ねてみてください。





レタス畑へ桜吹雪

「あらあら、こんなところにまで・・・」
レタスの葉の上に、桜の花びらがちょこんとのっている。
昨日は風が強かったから、前の公園から桜吹雪となって飛んできたのだろう。思いがけない春のサインに、いつの間にか微笑が浮かぶ。



台所に近い1畳ほどのスペースが、ミニ・キッチン・ガーデンだ。
手前が韓国料理に使うサンチュ、後ろが付け合せ用のレタス2種。たった2~3枚の緑でも、すぐに新鮮な無農薬の葉を摘めるのがうれしい。



このコーナーは、別名を「お助け畑」という。
料理中、とっさに摘める薬味用ハーブや付け合せ類を少しづつ植えている。
いまのところ、レタス類に加えて、青ジソ、ワケギ、ミツバ、ガーリック、エンドウマメ、トウガラシ(何と冬を越したのだ!!!)など。これから、空いたスペースをうまく利用して、いろいろ植える予定だ。





黒花ロウバイの謎

元気のよい庭木の一つが、ロウバイ科に属するこの黒花ロウバイだ。
15年前に、鉛筆ぐらいの太さで20センチそこそこの苗木を、庭植えにしたのが、今や立派な姿に生長した。

北米原産だから、耐寒性がある。                   
冬のダメージも受けずにいつの間にか4メートルを超し,
色も形もユニークな花が、三月下旬頃から毎年咲くようになった。                              


今まで見たこともない、チョコレート色にも見える暗紫色の花には、なにやらミステリアスなニュアンスがただよっている。深い切り込みの入った花被片は、開花後しだいに赤みを帯びて、残るは釣り鐘型の果実だ。
渋い色合いと人目を引く花容は、生け花の世界でも人気があり、茶花として使う人も多いと聞いた。

また、秋には葉が明るい金黄色で、日脚が短くなった晩秋のトワイライトタイムに、幸せな彩りを添えてくれる。
香りの点では、木や枝を折ればクロモジのような爽やかな香りがする。
年の瀬に香る蝋細工のようなローバイとは異なる、ニオイローバイがあるという。ぜひとも庭に植えて、確かめてみたい。

ちなみに、英語では Carolina allspiceという。
このオールスパイスとは、一粒にシナモン、クローブ、ナツメッグ、をミックスした風味を持つクスノキ科の高木だ。写真で見るとクスノキに似た葉の陰に、丸い小さな緑色の種子がついている。しかし、似ているだろうか。
イメージからそう呼ぶようになったと思われるが、むしろ、ナツメッグの仁の表面を覆っている、仮種皮のメースに似ている。

またひとつ、調べものが増えた。


マルメロの花

マルメロ、マルメロ・・・とつぶやいてみると、
父を思い出す。
青年時代から、和歌を詠んでいた大正モダンの父には、ことのほか‘マルメロ’の語感が魅力的だったのだろう。
よく「マルメロを今度植えてあげるからな」といっていたが、実現はしなかった。

おかしなことに、ラテンのスタンダード「ハバネネラ」のメロディで、「マ・ル・メロ~♪」とふざけて歌っていた父が懐かしい。

2年前に妹から苗をもらった我が家のまるめろが、ほころび始めた。



夜は花弁を閉じて小さくなり,外気温が上がった午前10時半頃から、ピンク色を帯びた白い花がふっくらと開く。

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カリンの花とよく似ているのは、同じバラ科だから。
果実にはとちらにも甘酸っぱい芳香があり、形もよく似ている。見分けるポイントは、カリンは無毛、マルメロには密毛がある。

秋に黄金色の果実が生るのは、あと何年ぐらいかかるのだろうか。





ツグミさん、こんにちは!



植木鉢のローズマリーに名札をつけていたら、
どこかで小鳥が咽を鳴らしている。
物憂いような、けだるいような、満ち足りた鳴き声だ。
 「るるる・・・るるるる~」
鳴きなしで上手に表現するのはむずかしいが、
山鳩が求愛する時の声に似ているかもしれない。

ぐるっと頭を回して鳴き主を探すと、いたいた・・・。
すっかり緑の葉が茂ったプラムの枝にツグミが止まっている。
ことしはツグミがやって来るのが遅く、
庭の虫をほじくっていたのを、2~3度見かけただけだった。

瞼から目尻にかけて、エジプトのクレオパトラは黒いアイラインを引いているが、ツグミは同じ箇所に、白で大胆なメイキャップをしている。
いつも単独行動をしているツグミは、今日も一人らしい。
でも鳴き声は、のんびりと幸せそう。
「るるる、るるるる~」

 「ツグミさん、その枝なら安全よ。猫もカラスも来ないから。
 ゆっくり遊んでいってね」




弟からの招待状

弟から4月11日の都合はどうかと、電話が入った。
福島市ではこの前後が桜の満開期間と予想されるので、姉たち4人を招待したいという。



福島を思い出して、庭の隅に植えたウコギ。食べごろを少し過ぎたが、ほろ苦い味のウコギご飯はなつかしい。


先月銀座でプロヴァンス料理で姉弟会をしたときに、
「城山でお花見をしたいね」と盛り上がったので、弟はそれを実行しようと考えたのだろう。
城山とは、私たちの生家円通寺のすぐ後ろにある城址で、多くの人が訪れる桜の名所だ。山というより小高い丘の城山は、幼い頃から庭の延長と考え、毎日のように散歩をしに行っていた。野草が好きな両親の手ほどきで、子供たちは自然に興味を抱くようになり、いつの間にか城山の花について熟知していた。

弟の手書きのスケジュール表には、両親のお墓参りの後、秘密の桃源郷へ連れて行ってくれるという。その後城山の桜を鑑賞し、土湯温泉に一泊。

翌日はどこでも希望の場所へ。
お昼は,魚菜草で野草会席を。この食事が素晴らしいのだ。
この後、生家に寄って後は自由に。

几帳面な弟は、いつも予定表を作って行動するが、4人の姉妹達はいいかげん派ばかりだ。
当日は、どうか天気がよくて、誰も遅刻しないようにと、今から祈るばかりだ。





春の精のいたずら


二日留守にしている間、
わが家の庭には春の精が訪れ、
芽を出すゲームをして、遊んでいったらしい。
その証拠があちこちにある。

思い切って強剪定したポールズ・ヒマラヤン、ムスクの、
鋼鉄のような枝から、
赤い芽がこんなに勢いよく噴き出している・・・。



老女の顔を思わせるサンショウバラのカサカサした木肌から、
サンショウそっくりの若い芽が。



ビロードのようなテクスチャーの新芽が、固まって胴ぶきしている
スパニッシュブルーム。
芳香をふりまく、眩しいほどピュアな黄色の花が咲く。



やさしいピンクと淡いグリーン、かすかに卵白色を帯びた白。
三色の斑が入ったネグンドカエデの‘フラミンゴ’。



どれもが、魔法の杖の一振りで冬の眠りから覚めたようだ。


続・4月4日の吹雪の中で

予想外の雪に見舞われながらも、寒さにかじかんだ指に息を吹きかけ、中間駅の風の丘まで、道を下った。

リニューアルに際して、大きく変えた場所が数箇所ある。
頂上のフロアにはこれまで、音楽に関する作曲家や歌の名前がついた薔薇を、整形式のレイアウトで植えていた。いずれも剣弁高芯のモダンローズで、色は赤がほとんどだ。15年前は凝ったテーマだったが、今ではやはり古臭さを感じる。そこで、レンガの縁取りは生かし、和みのある癒しのローズガーデンに作り変えることにした。

今度のキーワードは、香り。

ローズマリーで縁取った6個のベッドには、香りで分類した薔薇を、ナチュラルな感じに咲くようにで植えた。バラエテイーに富んだ馥郁としたフレグランスは、オールドローズの香り、ミルラの香り、ティーの香りなどなど。
イングリッシュ・ローズを中心にセレクトした薔薇の植え込みも終わり、開花する日を待っている。
また、体が不自由な方のために、頂上駅のフラットなスペース内でハーブに関することを、車椅子でまわりながら理解できるようにするプランも進行中だ。
このエリアを担当している、西林和一・郁子夫妻のデザインと施工からは、植物へのやさしさと自然との調和が伝わってくる。
また、副園長の星川雅子さんはハーブに造詣が深く、クラフトデザイナーとして培ってきた彼女のセンスと情熱を、園のためにつぎ込んでいる。


新しいエリアも出来た。
ゴルフ場の設計者として有名な新井剛氏は、知る人ぞ知る、宿根草の庭造りの達人でもある。
岩手県安比にある別荘の庭を見せていただいたことがあるが、ロウ・メンテナンスにもかかわらず、植物の元気なことに驚いてしまった。
聞けば、保水性、排水性に富んだ十和田砂で植え込んでいるからだという。
リニューアルに当たって、「1年中花が見られるコーナーを作れば、花の少ない冬場でも、来園者へお礼の気持ちが伝わるのでは・・・」という安土園長の気持ちから、新井氏が「四季の庭」を作ることになった。
ハーブガーデンという名称だから、いくらきれいだといってもハーブ以外の草花を植えるのはいかがなものか、という意見も出た。しかし、何事もやってみなくてはわからない。
「四季の庭」ではぽつぽつと花が咲きだしたが、全部がハーブではないことを、頭に入れておくとよい。

このほか、風の丘にラベンダー畑を新しく作った。
ここは日当たりと風通しが抜群なので、きっとあたり一面に芳香を漂わせる花が咲くだろう。
これまでのラベンダー畑は、摘み取り用のために準備中だ。

今日は雪混じりの2007年の4月4日。
6月初旬には、きっと花も香りも素晴らしいガーデンになっているに違いない。

4月4日の吹雪の中で

「ま、まさか、これって雪じゃないの?」
サンプルガーデンで、ハーブの植栽をチエックしていたときのことだ。
いきなりみぞれ交じりの雪が、頬を打った。
今朝、自宅から新横浜へ向かう道路沿いの桜は散りかけていたのに、この冬の初雪体験を神戸でするとは・・・。

今から15年前、山陽新幹線「新神戸」駅のすぐ近くに「神戸市立布引ハーブガーデン」ができた。
駅のホームからそそり立つ山の谷間という悪条件を逆手に取り、ロープウェィーを架けることで、狭い土地の有効利用による特色あるガーデンができた。
上りは眼下に広がる自然林と草花を鑑賞し,降りはハーブの香りに包まれながら歩いて降りてくるという趣向だ。
全国に先駆けて、当時はまだ目新しいハーブをテーマに展開した構想がヒットし、年間100万人を超える来場者があった。

神戸市からの依頼で、オープン3年前から立ち上げた開発プロジェクトに参加し、プランニングや植栽設計に協力したのが、つい昨日のように思い出される。

開園してからも、この公園とは深いかかわりが生まれた。
毎年何度か講演やイベントなどで訪れる機会があり、その度に人々の憩いの場として、また学びの庭として生長するのを見守ってきた。
不思議なことに、ちょうどわが子が神戸で育っているようで、遠く離れていても神戸の天気予報がきになるものだ。日照りや長雨にも一喜一憂してきたが、大震災の時に、真っ先に頭に浮かんだのは、布引ハーブ園の事だった。
幸いにも大きなダメージが無くて済み、3年前にお礼と報告を兼ねて、復興10年目を記念した全国ハーブサミットを開催することができたことも、記憶に新しい。

時は流れ、公園の管理体制も変わった。
いわゆる官から民への流れで、神戸市は指定管理者制度を導入し、昨年の春からロープウェイの会社が経営を任された形となった。
動物園と同じように、植物園も生きた命をあづかる場所である。
経営体制が変わったとしても、植物たちには関係がないのだ。
幸運なことに、舵取り役の新園長と市役所担当者の羅針盤役、そして私も含めた各部署を守る「水夫」たちが、「布引ハーブ丸」を沈没させないように
がんばっている。
                        つづく



7歳の好奇心

長男には、二人の子供がいる。
新学期から5年生になる孫娘の美海と、1年生になる孫息子の尚だ。

今日は尚の誕生日。
朝、「おめでとう」の電話をしたら、まだベッドの中だった。

昼ごろ、玄関のチャイムが鳴った。
開ける間もなく、「7歳でーす」と尚が飛び込んできた。
先週会ったばかりなのに、
雨後の筍の譬えのとおり、尚も美海もまた背が伸びたようだ。
美海のスニーカーのサイズは、私と同じ23.5だという。
そのうち、美海のお下がりを私が履くことになるだろう。

庭を見たいというので、ガーデン・ツアーをした。
種子から育てたグレープフルーツの樹に、初めて生った果実を嫁の久美さんに、
2個だけ生ったシトロンをそれぞれ美海と、尚にプレゼントした。
どちらの樹もよく見るともう花芽があがって来ている。
最後の果実を採ったことによって、きっとまたよい果実が生るにちがいない。

小さな池には、尾の長い金魚のコメットがいる。
餌をやっている尚を見ていたら、足元で黒っぽいものが目に入った。
また、例のヒキガエルだ。
「かえる様のお出ましじゃ」と孫たちに見せたら、
怖がらないばかりか、触ってみたいという。
最初は葉っぱで静かに触ってみた。蛙のほうも平気な様子だ。
「ねえ、僕、手で抱き上げたいなあ」
久美さんは大きくうなづいて、OKを出した。
尚はゆっくりと両手で、蛙を持ち上げ、やさしく声をかけながらもとの草むらにもどした。

7歳になった日、尚は大きなヒキガエルと友達になった。
この日を彼は、きっと忘れないだろう。

たいていの女性は、確かめもせずに、虫とか小動物に偏見を持っている。
そして、怖がることが女性らしい、と錯覚している輩も多い。

いつも感心しているのだが、久美さん自身が自然を愛し好奇心が強いので、子供たちにも理解があるのだと思う。
私自身を振り返ってみても、知的好奇心は一番の原動力となっている。




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