HOME:広田せい子のハーブガーデン

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野薔薇の枝でおもてなし

日本茶でリフレッシュ
デパートで過ごす時間は、普通に暮らしている時間の3倍ぐらい疲れる。
人いきれ、にごった空気、押し殺しくぐもった騒音、あるいは絶え間なく流れているバックグラウンドミュージック……。

たまプラザの東急SCと銀座の松屋デパートには、
疲れを癒してくれる日本茶のコーナーがある。どちらも地下1階で、店の名は「茶の葉」。
今日はたまプラザの店で一休みをした。
店の目印は入り口の投げ入れだ。いつも、大きな壷に季節の樹の花や枝を、自然なかたちで伸び伸びと活けてある。
カウンターの席だけなのに、奥まったスペースのせいかリラックスできるのが不思議だ。できますものは、煎茶、玉露、抹茶などにお菓子が付き、煎茶は産地や風味の強弱をリクエストできる。

今日は久しぶりに抹茶を注文したが、そのアレンジがとても素敵だった。
まず、お盆代わり生成りの麻のマットを敷き、次に赤い実をつけた野薔薇の小枝を置いた。見とれているうちに、和菓子が運ばれ、抹茶が置かれた。
小豆餡の茶巾絞りは甘さが控えめで、かすかにゴマの味がひそんでいる。
抹茶の緑の何とすがすがしいことだろう。独特の香りも、疲れた体に染み渡り、リフレッシュするのを感じるようだ。
そのうえ、野薔薇の小枝からも、もてなしの心が伝わってくる。





デパートでいつも最後にここで一服するのは、このような心遣いが嬉しいからかもしれない。

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雨上がりの庭から

まだまだこんなに収穫が

昨夜の雨は、物凄い荒れ模様だった。
天窓を激しく叩く雨粒に、ジャズのスタンダードナンバーの'STORMY WEATHER'を思い出した。
ダイナ・ワシントンの歌う「荒れ模様」はよかったなぁ……。

朝、目が覚めるとまだ降っている。
今朝は仙台へ仕事で出かける夫を、駅まで送らなくてはならない。
幸い小降りになったので、それっとばかりにエンジンをかけた。
帰り道はほとんど雨が上がり、紅葉したサクラやケヤキの葉がアスファルトに散り敷いて、タピストリーのように美しい。
車をガレージに入れるなり、真っ先に足を向けたのは下の庭だった。かなり激しい雨だったから、心配なのだ。

幸いに何も異変がなく、水を含んで頭が重たげな秋の薔薇が、花弁に水滴をつけて笑っていた。スーヴニール・ド・ラ・マルメゾンやオールド・ブラッシュ・ピンク、ラベンダー・ドリーム、ボニカ、フェアリー、コーデリアなどが、ひっそりと花を咲かせている。薔薇のアーチの下では、あれしきの雨なんてへっちゃらと、女郎蜘蛛が立派な蜘蛛の巣の手入れをしていた。

トウガラシのコーナーは、もうすぐ師走だというのにまだまだ元気だ。およそ10分ほどで、大きなバスケットにたくさん収穫ができた。
まるでエナメルを塗ったような照りがあり、胡桃の形をしたレッドハバネロ、つぶれたような形のマスタードハバネロ、ほんとうに桃色のピーチハバネロと、ハバネロだけでもいくつかある。ユーホーの円盤に似ているのはバルーンというユニークな形のトウガラシで、韓国系のものはこの中に3種類
入っている。一つ一つ書き出したらきりがないが、午後はこの畑の宝石をスケッチして楽しむつもりだ。



私の自慢のトウガラシたち。
保存調味料やクラフトに使うが、眺めているだけでも気分が晴れ晴れとする。
このオークのギャザリング・バスケットは、ノースカロライナ州に住むアーティストが作製。
サイン入り。



名前はバルーン。UFOに似たユニークな形のトウガラシ。端のところはあまり辛くない。


夫は泊りがけなので晩御飯はいらない。私なら冷蔵庫にあるもので十分。

たまにはゆっくりと過ごすのも、悪くない。



カエデとサクラの手提げかご

表参道は、高級ブティックや新しいテナントで賑わっている。
長男が2才になるまでこの近くに住んでいたし、今は休んでいるが、30年近く表参道の美容院「倉重」に通っていたので、この界隈の発展といおうか進化は手に取るようにわかる。

昨年の春、表参道のエスカレーターで面白いことに気がついた。
エスカレーターに乗っている人は女性ばかりで、みんな示し合わせたように、ルイ・ビトンのバッグを身に着けている。
みんなというのは正しくない。数えてみると11人中、持っていなかったのは私ともう一人の年輩の方だけだった。
表参道にルイ・ビトンの大きな店ができたので、「私もお得意様ですよ」と言う顔をして、出かける人たちなのだろう。

同じ頃、近くのデパートに出かけたら、催事場で質流れ品のフェアーがあった。興味津々でのぞいてみると、宝石や高級時計、アクセサリー、ハンドバッグなどのブースに女性客が群がっている。
ひときわ込み合っている所に近づいてみると、やはりルイ・ビトンのコーナーだった。驚いたのはケースの後ろに2mぐらいの棚があり、どの段にもルイ・ビトンがびっしりと並んでいる。目が慣れてくると、まぁびっくり。
出展している10数店舗のほとんどが、同じようにビトン、ビトンばかりなのである。
ということは質屋に入れて、また新しい物を買っているのだろうか。未使用とか、箱つき、新品同様などと注意書きが付いているのが多いのは、使ってない証拠のようだ。

ブランドのバッグも人それぞれに好みが違うのだから、何も口出しするつもりはない。
私の好みは、自然素材のバスケットや手提げかごだ。
18歳の夏休みに、池袋の西武デパートでアルバイトをした。あの当時は何と1日の給料は320円! わずかばかりの給料をため、思い切って買ったのがアケビのかご。これはまだ健在で、今でも時々買い物に使っている。
友達から「バスケット・フェチ」といわれるほどなぜかこの類が好きで、長い間に数え切れないほどの種類が集まった。
いずれ、favorite のコーナーで紹介するつもりだが、最近手に入れたお気に入りを見てほしい。



マイブームの手提げかご。右はサクラ、左はカエデの樹皮を編んだもの。



サクラの手提げかご


薄く剥ぎ取ったつやのあるデリケートなサクラの樹皮を、網代編みにして


庚申薔薇をあしらった右側の手提げかごは、サクラの樹皮を編んだもので、秋田の人の作品だという。同県の民芸品で、よく茶筒や茶たくなどに使われているあの樹皮だ。
ふつう、サクラの樹皮にはぶつぶつとした凸凹が多いのに、このかごは滑らかな樹皮でできていて、美しいつやがある。聞けば、サクラの樹皮から編み紐を切り出す時に、このぶつぶつを避け、真っ直ぐで同じ幅の紐を取る作業は難しく、たいへんなロスが出るという。そのうえ、このつやを出すのには、一皮剥くのだそうだ。それから磨きをかけ、編む。きちっと寸分の狂いもなく、それでいて、ゆったりとした丸みを出すように編むのが、ベテランの技と聞いた。
とても気に入ったこのマイ・ブームの手提げは、ツイードのスーツや、ジーンズなどによく合うようだ。不思議なことに、リバティーのパッチワークのスカートにもマッチするのが嬉しい(エッセイのVol.2を参照)。
ただし、皮が薄いので乱暴に扱うと、白っぽい傷になるので丁寧に扱うことを心がけている。



カエデの手提げかご


ひじょうに珍しいカエデ。ラフな質感を活かし、幅広な樹皮でダイナミックに



白い菊の花を挿した左のかごは、カエデの樹皮を編んだもの。
私は、ヤマブドウ、サワグルミ、オニグルミ、クズ、キハダ、サクラ、トネリコ、ヤナギ、ヒッコリー、シラカバ、タケなどの手提げかごを持っているが、カエデに出会ったのは初めてで、ひじょうに珍しい素材だ。
ラフな質感のある幅広の樹皮を、ダイナミックに組んだこの作品にはスポーティーな魅力がある。しかし、細やかな配慮もされている。幅広のブレードのままでは口の縁取りの始末が収まらないので、上部だけブレードを3等分して美しく仕上げているのには、さすがだと思った。

私は36年前から黄色いビートルに乗っているが、この手提げかごは我が愛車によく似合う。鍵と免許証の入った財布、ハンカチ、コンパクト入りのポーチはゆったりと入るし、上からよく見えるので取り出しやすい。
「無用心だよ」と夫に注意されて以来、中身が外から見えないようにハンカチをかぶせている。
ラルフローレンの大きなハンカチが、これまたよく似合うのだ。
道具とは付き合いが深くなるほど、相手の個性がよく見えてきて楽しい。

新緑と紅葉が一緒に

晩秋の庭の異変
居間から見える景色が、おかしい。
手前にある我が家のセイヨウボダイジュは初夏を思わせる新緑なのに、背景のサクラとケヤキが紅葉しているのだ。





断っておくが、これは今日(11月25日)撮影した写真だ。
デジカメで、色を修正したり加工したのではない。

今年は紅葉が遅れていた。そのため、手前の緑と背景が同系色だから、重なってもあまり気にならなかった。ところが、この数日間で、気温がグーンと下がった。日中が9℃~10度ぐらいなので、朝夕はもっと冷え込んでいるに違いない。低温に合うとサクラとケヤキが紅葉するのは当然のことだから、珍しくはないが、問題はセイヨウボダイジュの若葉である。

今頃はすっかり落葉している時期なのに、みずみずしい若葉が萌えているのは、夏に発生したアメリカシロヒトリのせいだ。
ここ数年というもの、全国的な規模でアメリカシロヒトリが我が物顔に跋扈し、夏から秋にかけては住宅地や公園などのサクラが軒並み被害を受けている。我が家の前が大きな公園なので、6メートル道路を渡ってきた大量の虫に、あっという間にプラムやプルーン、サクラ、セイヨウボダイジュが丸坊主にされてしまった。
こうした落葉性の植物は、秋に葉を落として来春まで体を休ませ、その間にエネルギーを蓄えて置くのがノーマルなサイクルだ。
8月から9月にかけて、害虫に葉を食べられつくしたセイヨウボダイジュは、当然冬だと思っている。それなのにぽかぽか陽気に逢ったとたん「あっ春が来た」と錯覚してしまったのだ。
心配なのは、厳しい冬に耐えるエネルギーを、今頃若葉のほうに使い切ってしまっては、元気に春を迎えられるだろうか。
 
今日もよい天気だ。
今頃のサクラの落ち葉には、よい匂いがすることがある。
オオシマサクラ系のものがよく香るが、公園の落ち葉を踏むと桜餅のような懐かしい香りが漂う。これは葉に含まれているクマリンという芳香成分が、揮発するからである。
思い出すのは、雨上がりの京都植物園に漂っていた香りが、初めて見た鳥のウソとともに蘇ってくる。

久しぶりに、前の公園で落ち葉を踏んでみようかな・・・。

もう咲いた水仙の花

地球は大丈夫?
下の庭には小さな池がある。
今朝もコメットに餌をやろうと階段を降りる途中、白いものが目に入った。
昨夜の風で袋でも飛んできたのかな?

よくよく見ると、「あらら、うっそー」と声が出てしまった。
まだ11月だというのに、枯れ草の中で水仙の花が咲いているではないか。
これはスレンダーな草姿と純白の花弁、華やかではないが凛とした芳香に特徴がある「ペイパー・ホワイト」という品種だ。イスラエルではこの花を盛んに栽培し、クリスマスの花として大量に輸出している。
早咲きの種類に入るが、我が家の庭ではクリスマスの頃にはまだ咲いたことがない。数えてみると、例年よりも約50日は早いことになる。





そういえば、ムスカリは9月中旬頃から芽が出ていた。
アリウム・ギガンチュウムは膝下ほどに伸びて、幅広の葉をベロンとたれている。つやつやした葉を、ロゼット状に広げているのは、スキラ・ペルビアナ。庭のあちこちに植えてある水仙は、いずれも伸びた葉がばさばさ状態だ。
季節外れの兆候は球根類ばかりではない。匂いスミレももう咲き出した株があった。
地球温暖化の付けが回ってきたのだろうか。
先週BS2で”DAY AFTER TOMORROW ”を見たが、フィクションでなく、現実として受け止めなくてはならない日が迫っているような気がしてならない。

米の缶詰

ハーブのご縁から
きらら397、星の夢、七つ星、おぼろ月夜・・・・・・。
どれも天体に関する美しい名詞だが、何のネーミングか分かるだろうか。
正解は、北海道産の米の名前だ。
「へぇ、北海道でも米が採れるの?」と思った人には、大雪山の清らかな伏流水で育つ東川町の水田と、黄金色に輝く稲穂の波を見せてあげたい。
水がよく、空気もきれい、日照時間も長いと3拍子揃ったこの町は、米ばかりでなく野菜も美味しい。そして何よりも人情が深い。

東川町は、旭川飛行場から車で10分の位置に役場がある。面積はとてつもなく広く、大雪山や層雲峡も東川町のエリアで、人口はたしか7700人だ。
この町とは、ハーブの指導がきっかけでお付き合いが始まった。数えてみるともう20年になる。
最初に役場から講演依頼の電話をしてきた担当の青年が、現在の松岡市郎町長だから、時の流れをしみじと感じてしまう。
その東川町から、1通の招待状が届いた。
「ひがしかわ東京会」を設立するのでぜひ名誉会員に、という内容だ。
会員資格は首都圏に在住の東川出身の方と、東川にゆかりのある人とある。
私の場合は、数年前から東川の観光大使でもあるので、きっとお呼びがかかったのだろう。女性でもう一方は、内閣総理大臣補佐官の中山恭子氏で、
小学6年生まで東川に住んでいらしたという。




若き力で東川をり-ドする、松岡市郎町長



ハンティングの名手、浜辺啓東川観光協会長



暖かい雰囲気に包まれてご挨拶を



くじ引きで大物(?)を当てた妹、椎子



町議たちの力が「写真の町・東川」としても有名に




東川ファンの夫と妹と3人で出席したパーティーは、和気藹々のうちに進行し、東川で収穫した葡萄で作った紅白のワインや料理で、皆さん幸せそう。

お土産にいただいたのが、始めて見た「米缶」。ジュースの缶と同じサイズだ。意外性があると同時に,ユーモアも感じられ、音もなかなかで面白い。
「ほしのゆめ」の無洗米150g(約1合)入りだから、アウトドアや一人暮らしに最適。缶詰なので品質が劣化せずに保存もきく。非常食にもよいのではないだろうか。同様に有機栽培米の「発芽玄米」の「米缶」もあるし、注文すればオリジナルのラベルにすることもできるとのこと。


缶ジュースと同じサイズの「米の缶詰」無洗米150g入り、210円
ネーム入りのオリジナル缶も受付中。お祝いや記念に最適。


詳しくは
http://town.higashikawa.hokkaido.jp/kome/

たいへん美味だという「おぼろ月」も、食してみたいものだ。
明日にでも問い合わせてみよう。
第二の故郷があるのは、嬉しいものだ。

天上の青い花

素敵な発見

都心へ出る用事ができた。
家を出たのが8時45分だから、高速道路はすでに渋滞。
カーナビゲーターの指示は、国道246のルートを通れと出ている。
多摩川を渡り、瀬田の交差点を越してから右折。桜町を通り、246へ再び合流した。この間、二つの素敵なものを発見。


その1 世田谷のイメージどおりのお屋敷が続く区間。
    桜町小学校の信号をはさんで、前後左右の大きなお宅がいかにも
    世田谷という感じだ。 
    年を経た緑の木立に囲まれて、どんな人が住んでいるのだろう。

その2 「うっそー」と思わず声が出てしまったのは、
    白いマンションのベランダ全体をカバーしている朝顔の花、花、花。
    その数百か二百か見当もつかないが、澄み切った青空の色と、
    ばら色を帯びた青紫の花が、バス通りからもはっきりと見てとれる。
    この時期、この時間に、この花数で咲いている青紫色の花は、
    リュウキュウ朝顔の名で売られている東南アジア系の昼顔だろうか。
    空色のほうは、秋遅くまで咲き続ける
    HEAVENLY BLUE (ヘブンリー・ブルー )にちがいない。
    「天上の青」が窓の外にあるのは、
    ステンドグラスのように見えるのかしら。
    いや、花は全部外側を向いていたような気がする。
    もしそうだとしたら、
    道行く人を楽しませるために植えたのかもしれない。



カメラを持っていなかったのが残念だが、興味ある方は「駒沢公園西口」のバス停に立ち246に向かって左側,10時の方向をごらんあれ。

今頃になって心配になってきた。あまり綺麗なので、ま、まさか、香港フラワーじゃないでしょうね。
 



小鳥の来る日

居間からの眺め

ここ数日間、11月とは思えないぽかぽか陽気が続いている。
もうすぐクリスマスなんて、誰が想像できるだろうか。
トマトやナスはまだ元気で、始末をするのがもったいないし、
ブラジル系のトウガラシは、私の背丈を越してまだ成長を続けている。

例年ならジョウビタキが、そろそろ現れる頃だ。
心待ちにしていたら、今日その姿を確認した。羽のところにいわゆる「紋つき」とよぶ白い斑点があるジョウビタキには、尾羽をぴくぴくと振るわせる特徴がある。いつも群れずに1羽だけで行動し、以前はチリテピンという米粒ほどの、原種のトウガラシを毎日のようについばみにやってきた。
世界一辛いといわれるハバネロをしのぐ超激辛だから、死んでしまったらどうしようかとはらはらしていたが、けろりとして毎日やってくるのには驚いた。今年はチルテピンを植えていないからがっかりしたのか、西洋菩提樹の
枝でしばらく羽を休めてから、飛び去った。

チチチと鳴きながら、マカダミアンナッツの枝の間を出たり入ったりしているのはメジロだ。美しいオリーブグリーンの地に、文字通り目の周りが白く縁取られている。番で仲良く枝から枝へと渡っていたが、好物のみかん類はまだ青いせいか、いつの間にか飛んでいってしまった。

しばらくして、急に賑やかな鳴き声とともにシジュウカラのグループが到来
した。
虫を探してせわしなく、スパニッシュブルーム、ネグンドカエデ、シキキツ、セイヨウボダイジュ、ナニワイバラの間を飛びかっている。

空は青く、風もない。
このような穏やかな秋晴れの日を、Indian summerというが、
「小春日和」と訳した人の感性は、何とすばらしいことだろう。


ふるさとびいき

雪ウサギの謎

数えてみたら18歳で故郷を離れてから、すでに47年がたった。
学生時代、東北本線に長時間揺られて帰郷したのが嘘のように、
今では新幹線で1時間とちょっとで福島に着く。

5日に福島で講演をした。
企画者からのリクエストでは、せい子流人生の歩み方について話してほしいという。今までにない切り口なので、「ハーブ育ては、自分育て」というタイトルで、来し方をあらためて振り返ってみようと思い、承諾をした。

駅まで出迎えてくれた担当のKさんは、私の長年の読者だったそうで、あるとき文中の一節から「もしかして福島市出身では?」と思ったという。
それは「香りの花束」という単行本の中に、どこという地名は書いてなくとも雪ウサギが登場するエッセイで、ピーンときたと話してくれた。
福島市は盆地で、どちらを向いてもぐるりと山に囲まれている。
とりわけ西の方角には吾妻小富士の美しい姿と、一切経を含む吾妻連峰が連なって、福島市民は朝な夕なに仰ぎ見るのが楽しみのひとつなのだ。
雪解けの頃になると、吾妻小富士の中腹に、雪渓が白いウサギの形となって現れる。昔からこの雪ウサギの形や現れる時期で、その年の豊作を占ったり、農作業の指針にしてきたせいか、今でも春の話題になっている。

福島市民なら誰でも知っている「雪ウサギ」をヒントに、Kさんは私の出身地を調べ、生家の円通寺まで訪ねて行ったという。そして、私の高校の後輩だということもわかったと語った。
今回の講師を決めるのに、彼女の思い入れが強く反映していたらしい。

秋晴れの爽やかな昼下がり、たくさんの来場者の顔を見ながらぶっつけ本番で話を進めたが、会場に流れる温かいものを感じたのは同県人だからだろうか。
いつもしているように、来場者にローズマリーの挿し穂をプレゼントし、挿し木の方法と利用法、冬越しの話で、お仕舞いにしたが、150組で足りただろうか。タスカンブルーとマジョルカピンクのセットで、庭から300本切ってきたのがそれぞれのお宅に根付くと思うと,とても嬉しい。
花言葉のとおり、「友情」に満ちた「素敵な思い出」として、いつまでも香ってほしいものだ。

花咲ける乙女に戻って・・・

その夜、福島女子高校時代のクラスメイトたちが寿司どころに集まって、話に花が咲いた。
不思議なことに、65歳の中高年婦人たちは一瞬にして元乙女に戻り、
ニックネームや旧姓が飛び交って、賑やかなこと、賑やかなこと・・・。
近況報告が始まった。
年齢柄どうしても病気や介護の話が多い。乳がんや脳梗塞、足腰の痛み、両親の介護に国民年金などなど、仲間同士の気安さから気取らない生の話が、とてもためになる。いいなぁ、友達がいてよかったなぁ。
Sさんの明るい話には、勇気付けられた。彼女は書道の大家で大きな展覧会にも出品している。バイトとしてパン工房に11年勤め、60種近くのパン作りをまかされる腕になったが、65歳で定年に。しかし、次なる就職先に実年齢を話して受験させてもらい、(たしか)29人中7番の成績で見事合格!!! 
バレー部の花形だったMさんは、船旅の楽しさを語ってくれた。
クルージングには特別の時間が流れるのだという。彼女が夢見るように話すと、誰もがいつか船旅をと思ってしまう。
Mさんは、昔語りの名人としてラジオにもよく出演している。
フィールドワークで取材してきた話もあれば、スタンダードな昔話もいろいろで、レパートリーは200を超えると言う。(ビールで少々酔っていたので、もしかしたらもっと多かったかも・・・)。
今ではみんな共通語になってしまい、独特の福島弁が消えていくのが寂しい。ネイテブの語りで民話を聞かせてくれるワザを持つMさん、どうぞ元気でよい仕事を続けてね。

2次会は私の泊まっているホテルのティルームで、ラストオーダーまでおしゃべりが続いた。
人のためによく尽くし、時間をかけて夢を実現してきたIさん、今夜の集いもまとめてくださってありがとう!!!

福島人はあったかくて、いい人ばかりだ。

土佐の高知のハーバル・ディナー

去年の秋、3人が交わした約束

高知のイベントを終えて、もう1週間が過ぎた。
全力投球したせいか、帰宅してからも心地よいハイの状態が続いている。

事の発端は去年の秋に、さかのぼる。
高松の講演を終えて、高知へ立ち寄ったときのことだ。
ハーブのご縁で知りあった人たちと、「来年の今頃何か楽しいことをしたいね」という話で、おおいに盛り上がった。
役者は揃っている。
アットイーズまる福農園のハーブ生産者・楠瀬康博さん、
センスのあるハーブ料理の名人・ホテル日航高知のシェフ島田和幸さん、
企画と会場装飾、テーブルセッティング、トークは私の役。
そして心強い応援団は北川村「モネの庭」の川上裕さんに、
まる福農園のスタッフ・・・。

準備を進めるうちに開催日時が2006年10月25日、場所はホテル日航高知、タイトルは「広田せい子さんと共に祝うハーブの収穫祭」と決定した。
春には当日使うための食材や、会場に飾るハーブ、野菜などを、まる福農園と宮城県のやくらいガーデンで栽培を開始。

一方、島田シェフとメニュー作りをするうちに、高知の旬の食材とハーブを組み合わせると? をテーマにアイデアが次々と生まれてきた。
会費は12,000円也。

準備も楽しみながらこんなふうに

あっという間に月日が流れ、10月24日に高知入り。
明日のために準備を始めた。まず、ホテルの会場でテーブルの配置を決め、トークの演壇を3箇所にした。ハーブや野菜を飾る場所の確認、届いたものの水揚げやら下準備で、忙しい。
品格のあるバンケットルームの数箇所に手を加えて、にぎやか過ぎず、かといって野暮にならない収穫祭の雰囲気を出したいものだ。テーブルセンターはありきたりの花ではつまらない。
そうだ、近くの山へ行って何か素材を探してこよう。
楠瀬さんの車で、枝川村のご親戚の山へ出かけたが、細い山道をハイエースで登るのはじつにスリリングだった。
ウドの花、ノコンギク、サツマイモの花、アケビ、クリ、ススキ、シダ類、リョウブやハギの枝、などを車に積みきれないほど、集めることができた。それにしても、楠瀬元少年の木登りは、はらはらながらもお見事お見事!
男性軍は夜中の2時半まで、入り口付近をディスプレイしたという。

さて、いよいよ当日となった。
テーブルセンターは、パパイアの葉を敷いた上に、色とりどりのトウガラシを転がして、カンバゼーション・ピースにした。
手のひらの形をした鋭角の葉と変わった形のトウガラシのコントラストが、面白い。最後にじゃんけんでお持ち帰りとしよう。





会場の入り口のウェルカム・ディスプレイは、カボチャや芋類、果物などで収穫の秋を表現。ありきたりのものでなく、鹿ケ谷カボチャやフィリピンのカボチャ、お化けズッキーニなどを使ったので、ムード満点。







3箇所の演壇には、それぞれ違った素材のブラムリーとバジルをメインに配置。ブラムリーには季節感の濃い野菊をあしらって、ロマンティックな雰囲気に仕上げた。バジルは品種がよく分かるように、小細工なし。
そしてメインの正面演壇は、カラフルで珍しいナスとトウガラシの束をシンプルに展示した。
受付のカウンターにもハーブのバスケットを置き、香りでゲストを歓迎。
名前カードにもローズマリーを挿して、香りのサプライズにした。








参加者は前日ぎりぎりで申し込む方もあったが、残念ながら食材が足りなくて184名で打ち止めに。

幸せなひと時を共有したメニュー

6時の会場とともにおしゃれをした方たちが続々と入場。
飾ってあるハーブや野菜などに、話が弾んでいるようだ。





正面のテーブルには、あらっ、橋本県知事ご夫妻が・・・・。
後で聞いたところによると、来賓ではなく一般客として参加してくださったとのこと。何と素敵な県だろう。
楠瀬さん、島田シェフ、私の簡単なあいさつがあって、いよいよ最初のプレートが運ばれてきた。
あちこちのテーブルから、抑えた歓声があがっている。
ところどころで、私のトークを入れながら楽しんだメニューは以下の如し。


          ハーブの収穫祭メニュー

前菜   ハーブガーデンの芳香に満ちたオードブル
     1 秋鮭のディル風味、サワーガーキン添え
     2 キッチンガーデンのパーニャカウダ
     3 タラゴンとビネガーに溺れたリュウキュウ(ズイキ)
     4 ベーコンの衣をまとった里芋とローズマリー
     5 チャーテ(ハヤトウリ)にイクラとシブレット
     6 四方竹と地鶏のゴマ・パプリカ風味
     7 イタドリと竹の子のなつかし味




スープ  キノコとミント、クミンが香るミートボール
     熱々メキシカンスープ・ハラペーニョとともに





パスタ&フィッシュ
     ジェノバでバジルたちとのひととき





メイン  四万十ポークの焼きソーセージ
     英国の青リンゴ(ブラムリー)と土佐味噌・マルサラソース

     ハーブやグラスで育った
     牛フィレ肉のステーキ・キノコデュクセル
     & 子羊の南フランス風ハーブ焼き







デザート クレープに包まれたカラメル状の青リンゴ・ブラムリー
     美しい緑色のヴェールマンジェとドライ・ブラムリー
     四万十新栗とクリーミープリンのモンブラン、アイスクリームに
     レモンバビーナと秋の音色を添えて





コーヒー&プティフール ホオヅキのショコラ
     パン

美味しいものをいただくときは、どんな人でも「いい顔」になる。
まったく安心して、ほほは緩みっぱなしだ。
ましてや、知人友人たちと会話が弾み、テーブルで新しい知り合いができ、
間にフルートのライブ演奏まで楽しむことができたのだから、
参加者の表情は本当に幸せそうだった。
ハーブと友情で実現したこの一夜、
最も楽しませていただいたのは、きっと私だろう。

ありがとう、ありがとう、ありがとう!!!



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