HOME:広田せい子のハーブガーデン

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315個のサワー・ガーキン

うれしい収穫

いよいよ間近に迫った高知のディナー・パーテイ・・・・。
オードブルにに使うために、サワー・ガーキンを収穫した。

「200名分、採れるかな」、と心配だったが、
絡み付いている西洋菩提樹の枝を熊手で引き寄せたり、
椅子に乗って手でもぎ採ってはエプロンのポケットに入れたりして、
だいぶ取れた。
高いところは夫に手伝ってもらったので、
思ったより早くざるにいっぱいになった。
さぁ、カウントだ。
運動会の玉入れのように、口に出して数えていくとあっという間に100個に到達。200個も余裕でクリアした。
や、や、や、300個も行けそうではないか。





結果、315個の収穫だった。
高いところには、まだまだ沢山ぶら下がっている。
ディスプレーにも使ってみたいので、葉をつけたままのつるも切った。
水揚げがうまくいくとよいのだが。
前の日記には、あまり酸味がないように記したが、
熟したといおうか、大きめのものはけっこう酸っぱくて美味しい。

ハバネロも皆さんにお見せしたいし・・・・、今日は忙しい。

ディナーパーテイーのお知らせは、こちら
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もうできた! お正月用栗の渋皮煮

やさしくやさしく

信州の小布施から、見事な栗が届いた。
さすが、栗の里として有名な産地のものは違う。
つやつやとした鬼皮がはち切れんばかりに中身が充実した栗で、この辺りのスーパーでは売っていない極上品だ。

早速、栗ご飯を炊いた。
精米したばかりの新米「ひとめぼれ」と小布施の栗は、お互いを引き立て、まるで栗おこわのよう・・・・。

こんなに見事な栗だから、渋皮煮を作ろうと取りかかった。
和製マロングラッセとでもいおうか、渋皮をつけたまま甘く煮ふくめたこの渋皮煮は自家製が最高。手間と時間がかかっても、抹茶やコーヒーにもよく合い、お正月のもてなしに欠かせない。

まず、5分ほど弱火で煮て鬼皮を柔らかくする。
次に渋皮を傷つけないように注意深く鬼皮をむくのだが、なかなかたいへんな作業だ。ラッキョウの下ごしらえと同様に、これが終わったらできたも同然。この段階でワタがついていたり、栗のお尻の部分がはがれなくとも、無理せずそのままにしておくこと。

渋皮から出るあくは強い。鍋に渋皮をつけた栗とたっぷりのぬるま湯を入れ、沸騰してから中火で5~6分煮る。
あくが出た茶色の煮汁を捨てたら、ぬるま湯を取替え、同様に煮る。
これを3~4回繰り返し、お湯が茶色でなくなったら人肌まで冷ます。
ここまで来ると栗についていた渋やワタが取れやすくなっている。やさしくやさしく指でこすると面白いほど、すべすべできれいになる。

鍋に1キロの栗に対し水5カップ、砂糖500グラムの割合でシロップをつくる。人肌に冷めたら静かに栗を入れ、紙蓋をする。中火で1時間ほど煮てそのまま冷まし、味を浸み込ませる。
この段階では味が浅いので、こっくりとした甘さを出すには次のようにするとよい。
栗をそっと取り出して、煮汁を弱火で煮詰める。好みの濃い甘さになったら、冷めたところで栗を戻す。1~2日味を浸み込ませてできあがり。
途中で醤油やマデラー酒、ラム酒などを加えると,それぞれ個性的な風味になる。

本当に手間がかかるが、出来上がったときの感激もひとしおで、一粒一粒がいとおしい。
以前は瓶詰めにしていたが、最近はファスナーつきのビニール袋に入れている。これなら冷蔵庫の場所をとらないし、栗が空気に触れずシロップに浸った状態なので、味の劣化が少ないからだ。

残りの栗はジップロックの袋に詰めて、冷蔵庫の野菜入れに収納した。
1ヶ月ほどすると甘みが増すので、楽しみ、楽しみ。


キュウリの首飾り

親指ほどでも一人前

6月に、メキシコのキュウリの苗を植えた。
スイトーピーを抜いた後の支柱にからませたのだが、細い細いつるばかり伸びて、いっこうに実がつかない。

すっかり忘れていたら、いつの間にかアメリカシロヒトリの仕業で裸になった西洋菩提樹の枝まで這い上がり、バラの繁みに覆いかぶさって、大暴れをしている。
ある朝、何かぶら下がっているものに気がついた。
??? 親指ぐらいのサイズで丸々とした緑色の果実だ。よく見るとメロンといおうか、キュウリといおうか、とにかくイッチョマエの顔をしている。
「あっ、これが・・・」と思い出したのが、あの MEXICAN SOUR GHERKIN
(メキシカン サワー ガーキン)だ。
アメリカの Seed Savers Exchange から取り寄せた種子で、解説によると
学名は Melothria scabra。最近、再発見された昔ながらの伝統野菜であり、スイカのミニチュアみたいな実は、熟すと落果する。ピクルスに適し、トレリスにもよいとある。








サワーという名前がついているのだから、酸っぱいのはわかる。でも、どのぐらいの酸味なのか、そっとかじってみた。
まず、キュウリのあの青臭い香りが鼻に抜けた。味は? ややかすかな酸味が感じられ、パリッとした歯ざわりも素敵だ。
くるくると丸めればすぐにリースになるし、おどけたネックレースにしても面白い。






とても可愛いので、今月25日に高知市の日航ホテルで開かれるデイナーパーティーの、ディスプレーに使ってみよう。
一人1個として、200人分の収穫は無理かもしれないが、卓上の飾りや、くじ引きでお土産にすると喜ばれそうだ。

24日から高知に行って準備に入るが、日航ホテルの島田シェフも主催者の楠瀬ご夫妻も、張り切っておられる。島田シェフとはレシピのおおまかな打ち合わせも済み、これから具体的な検討に入るところだ。
土佐の海の幸、山の幸とハーブをマリアージュさせたムニュは、今の段階でもすでに内容が濃く、「これで採算が取れるのかなぁ」と心配しているほどだ。あのブラムリーアップルも、登場するので乞うご期待!!!

サイタ、サイタ、サクラガサイタ!

私の仕事部屋は、道路に面したガレージの上にある。
窓を開けてデスクに向かっていると、こんな会話が聞こえてきた。
「ねぇ、ねぇ、あの花は何かしら。まさかサクラじゃないわよね」
「そりゃそうよ。だって今、10月ですもの」
道行く人が足を停めて見入っていると、飛び出して行って説明したくなるから,我ながら困っている。

道路の向こう側は大きな運動場だ。
その土手に河津桜を5本寄付してから、かれこれ5年になるだろうか。
この桜は昭和30年代に伊豆の河津町で発見されたスーパー早咲き種で、現地では2月には開花する。大島桜と寒緋桜の自然交配種といわれ、濃い目のピンク色の花弁と、香りがよいという特徴がある。
我が家の前の桜も2月中旬には開花するが、季節はずれの今ごろに咲くのは珍しい。あるテレビ局では、ことさら不安をかき立てるような取り上げ方をしていたが、理由はごく簡単だ。犯人は分かっている。
今年も害虫のアメリカシロヒトリが全国的に蔓延し、各地で丸裸になった桜やケヤキ、プラム、ポプラ、トウカエデ、シナノキなどを見た。

この通称アメシロはすごい食欲だ。葉を食べる音がしゃかしゃかと聞こえ、
糞の落ちる音はさらさらと聞こえる。
アメシロにすっかり葉を食べられてしまった桜は、落葉した状態の冬と錯覚してしまう。そこへ小春日和の陽気が続くと、春が来てくれたと再び錯覚し、つぼみがほどけ、花が咲くというメカニズムだ。
開花するのには女性が妊娠、出産を通して全エネルギーを消耗するのと同じように、蓄えていたパワーを使い果たすことがある。そこへ寒い冬の到来と
なると、ショックも大きく、成長障害を起こしかねない。
花を咲かせておかずにむしり取ると寿命が延びるというが、それもむごい。
せめて、美しい花をしっかり眺めてあげようと思う。

道端の100円ショップ

宿根草をリサーチする1時間のドライブ

東京で1時間あったら、何をするだろう。
デパートでちょっと品物を見るとしたら、1時間では足りない。
軽い食事をするなら、席が取れるまでの待ち時間、オーダーしてから出来上がるまで、食事する時間を入れると、2時間近くなる。

秋晴れの美しい朝、やくらいガーデンの仕事で、近隣の宿根草ウォッチングにでかけた。農家などの庭先で今咲いている宿根草があれば、耐寒性があることがわかり、ローメンテナンスで済むからだ。
時間は1時間。30分進んで、30分で戻ることにし、山形県は銀山の方角へ車を走らせた。
この尾花沢への国道は、冬の間閉鎖される。道々の山はヌルデが朱色のアクセントをつけ、ヤマブドウの葉も紫に色づき始めている。
道端にはノコンギクが咲き、アキアカネが群れをなして飛んでいる。

農家の庭先には、色鮮やかな鶏頭やダリア、ヒャクニチソウ、ホウセンカなどが咲いているが、いずれも宿根草ではない。
きょろきょろしていると目の前に、変わった看板と屋台が目に入った。
赤いトウガラシの絵の上に「花笠なんば」とある。





行き過ぎてしまった車をバックさせてみると、屋台の屋根からツララのように、紐で編んだ真っ赤なトウガラシが派手に下がっている。
素朴なひな壇には、採りたての野菜がお供えのように飾られていた。
大根,八つ頭、葱、白菜、かぼちゃ、里芋、水菜、赤い大根、葉トウガラシ、トウガラシ、獅子唐・・・。どれでも100円也。
柱のところに結び付けた箱に代金を入れて、品物を取っていくシステムだ。





ここ尾花沢は「花笠音頭」の発祥の地と聞いたことがある。
「なんば」は、東北から北海道、日本海側の一部の方言で、トウガラシをこう呼んでいる。南蛮渡来の植物という意味が、ナンバン、ナンバと変化した名残といえよう。
それにしても、ここのナンバは日本に伝わる系統ではない。大型で肉厚、真っ赤に色づいて、てらてらと光っている。
おそらく韓国の「クアンナラ」という品種ではないだろうか。
クアンナラとは「光」という意味で、以前に植えたことがある。
せっかくだから、品種名を聞いて帰ろうと思い、家主と思われる隣の玄関で声をかけてみた。
最初は怪訝そうに「企業秘密だ」と頑なだった奥さんが、急に優しくなったのは「韓国のトウガラシじゃないでしょうか」と聞いてからだ。
手のひらを返したように急に親切になり、水菜をおまけしてくれた。

時計を見ると、いけない! タイムオーバーだ。
なるべく早く現場に戻らなくては・・・・。

3日前のことだったが、時間の使い方にはこのような方法もある。

きのこトライアル

ドライブの途中、道の駅や朝市の看板がが目に入ったら、私は素通りができない。
「ちょっと見るだけよ。絶対に買わないから」と声に出していい、心でも固く決意しているのに、誘惑には勝てない。

やくらいへ来たら、帰り道に「土産センター」をのぞくことにしている。
ここには農家の人たちが持ち寄った野菜や山菜、米、保存食から花苗、手工芸品まで、さまざまなアイテムが並んでいる。
特に季節、季節に珍しい野菜とか山菜が出るので、わくわくする。
今回も固く心に誓ったはずなのに、やはり段ボール箱に一杯の買い物となってしまった。 

宅急便で送らずに持ち帰ったのは、早く食べて見たいキノコ類である。
帰宅するなりまず、バスケットに並べてパチリ。

落ち葉がついた天然のナメコ以外は、初めて食するキノコばかりだ。
ソフトボールより大きい白いキノコは、ヤマブシタケ。ハリネズミのような細いとげとげがびっしり生えている。





キノコは中毒したらひじょうに怖ろしいため、私は口に入れる前に必ず図鑑などで身元調査をすることにしている。
この点、土産センターでは出品者の名前と電話番号のシールが張ってあるので、質問や確認ができるから嬉しい。



ナメコ


ヤマブシタケ


調べて見ると、形が山伏の篠懸衣(すずかけころも)という装束に似ているので、この名がついたという。ブナやミズナラの枯れた幹に生え、あの有名な博物学者の南方熊楠でさえも、紀州の山の中を40日探し回ってやっと見つけたそうな。
もしかして天然? と思ってシールに記された伊藤さんに電話をしてみた。
結果は、ザーンネン! 栽培したものでした。
伊藤さんのおすすめで、さっと茹でてスライスし、刺身のようにワサビ醤油で食してみた。ほのかな甘さと軽い苦味、歯ごたえのある食感か大人の味だ。お吸い物、中華風炒め物、てんぷらにしてみた。しかし、一番美味しかったのは、イタリア風だった。
ガーリックの薄切りとトウガラシの輪切りをオリーブ油で炒め、香りを立てる。適宜の大きさに切ったヤマブシタケを加えて、塩、胡椒する。火が通ったらできあがり。
ひじょうに油を吸いやすいため、キノコを入れたら手早く調理すること。
「アリオ・エ・オリオ・コン・ペペロンチーノ」にキノコが加わったと思えばよい。もちろんスパゲッティとの組み合わせは、抜群の味だった。

アワビタケには驚いた。調理したら本当に鮑そっくり!!!
こげ茶色のサルノコシカケみたいな肉厚のキノコで、スーパーで売っている同名のキノコとは、まるでちがう。




アワビタケ


アワビタケ:調理したら鮑とそっくり!


早速、調べて見るとウスヒラタケを、アワビタケの名前で流通していることが多いらしい。
煮鮑みたいな一品の作り方は、次のとおり。
アワビタケを一度蒸してから、上等の出汁に砂糖と酒を少々加えた中に浸し、弱火で20分ほど煮る。厚めのそぎ切りにしたら、煮鮑そっくり。
ただし、冷めると硬くなるので、温かい状態でサーブするのがコツ。

土地の人たちがカノカ、ブナカノカと呼んでいるのが、ブナハリタケだ。



ブナハリタケ


ベージュ色の波打つような形で表面はなめらか、裏面は針状になっているのが大きな特徴で、トウガラシをセットして売っていた。30分ほどトウガラシ水に漬けておくと、ひそんでた虫が出てくる。
秋茄子の美味しい季節になると、祖母はよくナスとキノコの油炒めを作ったものだった。ナスには毒消しの力があるからだという。
祖母が作ってくれたように、ブナハリタケはナスと合わせた醤油味の油炒めにした。このキノコはボリュウム感というか、肉のようなリッチな食感がある。青森では「山の肉」というのも、うなづける。すき焼きや鍋物にもよいだろう。
秋は、馬肥ゆる季節。美味しい物が最も出回るときでもある。
肥えないように気をつけねば・・・。


秋の薔薇咲く、やくらいガーデンへ

秋の日差しを浴びた秘密の庭

東京駅8時20分発の東北新幹線「やまびこ45号」で、宮城県の「やくらいガーデン」へ。
ここは私がプランニングから参加し、開園後もプロデュースを続けている英国式庭園である。今回は、総合的なチェックとアドバイス、来年の目標設定が主な仕事だ


仙台の次の古川駅で下車。車窓の左手に見えていた、カルデラ型の美しいやくらい山に向けて車を走らせること45分で、目的地に到着する。
ここは開園して11年を迎える広大な庭園で、自然の起伏を生かした芝生の中にさまざまなテーマガーデンを配した、心安らぐ場所だ。
仙台の奥座敷といわれる距離にあり、一度訪れた人は「こんな夢のような庭があったなんて・・・」と驚き、必ずといっていいほど感激してリピーターになってくださる方が多い。
しかし、悲しいかな、難点があるのだ。
まず、アクセスが今ひとつ。近い将来、古川からのバスの便が出るというが、車かタクシーに頼らざるを得ない。
それから、ガーデンまであと1キロもない手前に、露天風呂、地ビール、温泉プール、お土産センター、宿泊施設を備えた強力なライバルができたことだ。ここですっかり満足した人々は、ガーデンまで足を伸ばさずにUターンをしてしまうのだ。
けれども、親会社が自然保護や環境問題に理解が深い大企業であることと、スタッフの情熱で、ガーデンは確実に育って来ている。
緑の仕事に携わっていて幸せだと思えることは、年月を経れば経るほど、
木々や草花が成長し、お互いになじみあってひとつの景色をつくっていくさまを、この目で見られることだ。

やくらいガーデンは秋の日を浴びて、静かなたたづまいをみせていた。
入り口の階段に萩の花がこぼれ、秋の薔薇が庭のそこここに名残の花を開いている。
中でも印象的な薔薇は、パープルブルーの花が咲く”ラプソディー・イン・ブルー”だった。アメリカの有名な作曲家・ガーシュインの代表作を名前につけたたけあって、アンニュイな雰囲気をかもし出している。







ヘッドガーデナーの梅田さんと、園内をチェックしてまわる。
かなり日脚は短くなり、薄暗くなってきた。手元もおぼつかなくなってきた頃、1番星を見つけた。星空を見上げるのは何ヶ月ぶりだろう。
やくらいの夏の夜空は美しい。そうだ、大三角形を見て以来だ。

事務所に戻り、下条所長も加わって来年の目標についてディスカッション。
結果として、ハーブガーデンの拡張と品種の見直し、イングリッシュローズコレクションの充実、果樹園の拡張ということになった。
「言うは易し、行うは難し」だが、がんばろう。

尚さんのアップル・パイ

ダージリンをいれてティータイム

「何か美味しいものでも食べたいね」
夫と二人でパソコンに向かっていると、お茶の時間を忘れることがある。
それだけ熱中している証拠かもしれないが、お茶をいただく休みの時間ぐらいはとりたいものだ。
夫婦ともども大のお茶好きなので、ハーブティーはもちろん、玉露、煎茶、ほうじ茶、中国茶、コーヒー、紅茶など各々数種類は揃えてある。
問題はお茶菓子と飲み物の組み合わせだ。あとはゆとり。リラックスした時間がなければ、せっかくのお茶なのに、もの足りない感じが残る。

お茶菓子と言えば、ここのところブラムリーアップル旋風が、私の友人知人の周辺で巻き起こり、次男の住んでいる千葉県では大荒れ状態だとか。
仕掛け人は何を隠そう、この私だ。
次男のお嫁さんに一箱送ってあげたところ、彼女はあまりの珍しい酸味に驚き、近くに住む友人たちに気前よく数個ずつプレゼントをした。
芸術的な仕事をしている友人たちは、ジャムにしたり、アップルパイを焼いたり、ソースやソルベにしたり、大いに楽しんだらしい。

彼女の話によると、尚(NAO)さんというパテシェが焼いてくれたアップルパイがすばらしい味だったという。
「私もご馳走になりたいわ」と話してから数日後、宅急便が届いた。

わくわくしながらあけて見ると、エルメスの箱によく似たオレンジ色の箱に、アップルパイがびっしり!!!
早速、ダージリンの紅茶を入れてティータイムにした。
程よい酸味を生かしたリンゴのスライスと、カラメル状に焦がした砂糖のコンビネーションがたまらない。焼き立てだったら、パイのさくさく感と鼻に抜けるバターの香りが、いっそう魅力的だろう。
お礼の電話でびっくりしたことがある。夫の名前が尚敬のせいか、尚さんはてっきり男性だとばかり思っていた。ところが受話器の向こうで話す尚さんは、女性だった。店は持たずに注文が来れば受ける、というスタイルで仕事を続けているという。







確たる技術を持っていれば、何時でもどんな所でもさまざまな形で仕事ができる。尚さん、今度はきちんと注文するので、よろしくね。


パティシエnaoさんの連絡はこちら

川越ちょっと探検

小江戸川越と「盛りかご」

「さぁ、出かけるぞ」
天気のよい朝は、夫のこんな号令で始まることが多い。
今朝の撮影は、川越方面の電車を狙うという。
台風一過のような爽やかな秋晴れの下、小江戸と称される川越も悪くない。
大急ぎで顔を洗い、夫の車に乗り込んだ。

246から環八、関越と、まだ交通量が少ない道路をベンツはすいすいと進む。不思議なことに、我が家では1月ほど前に満開だったキンモクセイが、このルート沿いの住宅地では今が花ざかりなのだ。
川越の旧家などでは道路に張り出した大木が、芳香を放っている。
異常気象が原因なのか、生理が狂ったのか、よくあることなのか。
調べて見よう。

夫が東武東上線の撮影をしている間、踏み切り近くの田んぼのそばに停車。
その間、私は稲刈りの終わった水田と土手で、ゆっくりと植物を観察した。
ヌマガヤツリ、カワラスゲ、ミネハリイ? ヒメテンツキ、ナガホテンツキ、カワラスゲ、ヌカスゲと思われるカヤツリグサ科の植物が多い。

場所を変えて、次は広々とした田んぼの農道で待つことになった。
今度は水田の中に客土した、貸し農園らしき畑に近い。遠目でもはっきりと分かる、ローズマリーの大株が気になったので近づいてみた。
株張りが1・5メートルはあろうか。よすぎるほどの風通しと日当たりのよさで、こんなに元気に育ったのだろう。よくよく見ると、何と私が育て、マリンブルーと名づけたイタリア系のローズマリーではないか。
濃いブルーの花が満開のときは、さぞかし見事で、香りもよいことだろう。

撮影を終えた時点で、10時を回ったところだった。
それでは、以前から行きたいと思っていた、さつまいも資料館へ直行。
2階の展示室には、サツマイモのルーツや各国への伝播、甘藷先生こと青木昆陽の足跡などとともに、ちょうど収穫の季節で、めずらしいサツマイモの品種も展示してあった。
干し芋用のタマユタカ、中がオレンジ色のカロテンイモ、私も覚えているねっとりとした中が白い太白、紫色の色素を取るアヤムラサキ、芋焼酎用のコガネセンガン、30センチはありそうな細くて長いエレガントサマー、高系14号で知られるチランベニなどなど、味は? ホクホク度は?
と興味津々。
奥まったコーナーには、よくもこれほどまでと思われる量のダンボール箱が積み上げてあった。「鳴門金時」「千葉紅東」などそれぞれに産地と品種名が
印刷されている。
なるほど、こうしたパッケージも、大切なコレクションなのだ。



川越にあるサツマイモ資料館 



(左)干し芋用のタマユタカ。(右)中がオレンジ色のカロテンイモ



(左)ねっとりして白いオイランイモ (右)紫の色素を取るアヤムラサキ



(左)芋焼酎用のコガネセンガン  (右)細くて長いエレガントサマー



(左)高系14号ことチランベニ  (右)さまざまなサツマイモを展示



同じ部屋に展示してあった、竹で頑丈に編まれた「いも盛かご」には、特に興味をそそられた。バスケットをコレクションしている私は、飾って眺める高級品よりも暮らしの中で役立ってきたぬくもりのある道具に、惹かれる。
1階で館長さんらしき方に、どこかで入手できそうかたずねてみると、首を横に何度も振りながら、実に興味深い話を聞かせていただいた。



入れ子式サツマイモ専用の「いも盛りかご」



各地のサツマイモ用パッケージ・コレクション


「よく気がつきましたね。昔は川越産のサツマイモを市場に出すとき、近隣の農家では、芋を専用のこの盛かごに入れて並べたものです。
底のほうにはあまりよくない芋を入れ、目に付く上の部分にはいい芋をきれいに並べてね。契約がまとまると、芋を「捨てかご」と言う自家製の捨ててもよいかごに入れ替えたそうです。プロが作った丈夫な、そして、重ねて片付けやすい、よいかごは売らなかったんです。ところが世の中が変わり、プラスチックやダンボールの箱ができ、流通も変わった。跡継ぎが家を新築するときに全部処分してしまった。百も二百もあったとか。2回に展示してあるのが、最後のかごなんですよ」

「この辺りには、かご屋があったんでしょうか」
「いやいや、かご作りの技術を持つ集団が回ってきて、この地に何日間か滞在して、竹やぶから竹を切り、盛りかごを何百と作って置いていったんです。そういうシテムがあったんですね。それにはいい竹を必要とするし、いい人間関係もあってなりたつことです」

展示してあるかごには、何年だったか忘れたが年号が記してあった。
そうか、杜氏という酒造りのプロ集団が造り酒屋に住み込んで、よい酒を醸すシステムと似ている。
もっとお話を伺いたかったが、独り占めにしてはほかの客に申し訳ない。
川越探検第2弾を計画することにして、資料館を後にした。

昼食は資料館に隣接する「いも膳」で、うな重を食べ、腹ごなしに散歩した寺の境内で三州生姜を買った。500円也。
来週の川越祭りを盛り上げるかのように、町中に張り巡らせた紅白の幔幕に、なんだか気持ちも高ぶってくる。
メインストリートを徐行しながら目線を左右に配っていると、大発見!!!



「いも膳」の座敷でうな重を待つ私



甘酢漬け用に、三州生姜を買う。


これ以上書くとさらに長くなる。おあとはエッセイのコーナーで。

嵐のおかげで

ケヤキ、ユリノキ、トウカエデ、イチョウ、ハナミズキ、イチョウ、サクラ。
これは我が家から鷺沼駅までの、街路樹の順番である。
横浜市に住んではいるが、ほとんどの場合は、川崎市にある鷺沼駅から田園都市線で東京方面に出かけることが多い。

今朝は土砂降りの雨の中、夫を鷺沼駅まで送る途中に、2箇所にあるイチョウ並木を注意深く眺めた。「よし、今日こそ決行!」

駅に向かって銀杏の生る雌の樹は左側に3本、右側に2本ある。昨夜来の大雨大風に銀杏が落ちて散乱しているのに、この雨と早い時間だから拾う人もまだいない。
幸い2本のうちの1本はセブンイレブンの手前にある。小さなビニール袋を買ってゴム手袋代わりにはめ、拾い始めた。
車道にも沢山落ちているが、「老女銀杏拾いに熱中し、車にはねられ・・・」
では洒落にならない。歩道で拾ったが、「これでお仕舞い」と決心すると、大風が吹いてぼたぼたと落ちてくるので、立ち去りがたい。
ずぶ濡れになったら、風邪をひいてしまう。思い切って退き上げるのには、勇気がいった。
拾ったどの銀杏も完熟して果皮が、柔らかくなっている。これなら2重にしたビニール袋のうえから種子をしごき出し、水洗いをすれば今晩のビールのつまみとなる。
夕食のときに「セブンイレブンの銀杏」または、「雨の日の銀杏拾い」の話をしたら、夫はどんな顔をするだろうか。


ホームフルーツの勉強会

「リンゴを食べてるから若々しいんです」
 
私が理事をしている英国王立園芸協会の日本支部には、いくつかの活動部会がある。
キッチン・ガーデン・クラブもそのひとつだ。東京ウイメンズ・クラブで行っている例会には、その道の専門家に講師をお願いして、ここ数年来勉強会を続けている。
幹事の御倉さんを中心に、執行部ともどもチームワークよろしく、毎回手作りの有意義な内容ばかりだ。

今日は藤原さんの企画で、長野県小布施町から講師をおよびし、家庭果樹の
育て方をテーマに、お話を伺った。
あいにくの暴風雨にもかかわらず、参加者は非会員の方も含めて30人は超えている。仙台や遠方からの参加者も目立ち、皆さん熱心に質問をしたりメモを取っていた。講師の小林祐造氏は前長野県果樹試験場長を努めた方で、ブラムリー・アップルの育ての親でもある。
ご自分の経験から「果樹のある家で豊かな暮らしを」をモットーに、普及活動を続けておられ、特に収穫や手入れがしやすいように、またいで通れる高さに仕立てた、リンゴのエスパリエ(低い横張りの生垣)の作り方には、みんな身を乗り出して聴き入っていた。

休憩時間には、ご一緒に来てくださった奥様手作りのジャムや果実酒、ブラムリーアップルの導入の親である、荒井豊氏手作りの特製タタンタルト3台を試食。和気藹々のうちに種苗交換を終えた。

「姉歯なんとかの耐震強度事件以来、資格審査がうるさくなって、大学で何を習ったかとか、実技は何年かとか、調べられて・・・」と小林氏。
「今73歳だが、大学で習ったことなどナーンにも覚えてないなぁ。しかし、
リンゴ農家に育ったので、実技年数は凄いよ。そうさなぁ、70年だから」
70年と言う言葉には、ずっしりとした重みがあった。
驚いたのは、73歳と聞いたときだ。
つやつやとした血色のよい顔色、健康そうなきびきびとした動作、なによりも明るい表情が若々しく、60代そこそこに見えるのだ。
「リンゴのおかげだ。小さなときからリンゴを食べて育ったからね」

リンゴは体にいいとは聞いていたが、ここにその見本が・・・・。
手遅れかもしれないが、これからは努めてリンゴを食べることにしよう。







ゲンノショウコは花ざかり

儚い花に秘めた強い力

庭のあちこちで、ばら色の小さな花が風に揺れている。
いかにも儚げな風情だから、風露草の仲間と聞いて、さらに納得する人が
多いことだろう。ところが、名称はゲンノショウコで、漢字で書くと
「験の証拠」。可憐な花には似つかわしくない荒ぶる名前だ。
なぜかと言うと、この草には強い薬効があり、煎じて服用すればたちまちの内に験(効果)が現れるので、この名がついたという。

一般的には下痢止めの妙薬として知られているが、参考書には加えて咳止め、食中毒、赤痢、胃腸病、口内炎、口角のただれにも効くとある。
私の父方の祖母、お万様は、このゲンノショウコを花の時期に集めさせたものだった。そして、「北の口」と呼んでいた北側の涼しい座敷の鴨居に縄を張って下げ、乾燥後は和紙の覆いを掛けて、保存していた。

花には3色あって、私の生家がある福島市では白か淡いピンク、関西から九州地方でばら色の花が咲く。
今私の庭で咲いているのは、どこから来たのだろうか。植えた覚えがないのに、はるか西方の花の色だ。





花の種子で思い出したことがある。ゲンノショウコはれっきとしたゲラニュームの仲間で、学名をGeranium thunbergi という。
イギリスでは、植物の品種を集めて保存する「ナショナルコレクション」を行っている個人やナーセリーが多い。
ナチュラルな庭で知られるイーストランブロックマナーでは、ゲラニュウムを集めていたが、このゲンノショウコだけがなかなか入手できないと、ご当主が困っておられた。
帰国するなり、九州と東北のハーブ仲間に連絡をし、3色のゲンノショウコの種子を送ったのが、もう10年前のこととなった。

風の便りでは、このマナーハウスも代が変わったらしい。
それでも、ゲンノショウコは強いから、きっと道端や木の下辺りで元気に生きているのではないだろうか。

北の国から届いた海の幸

細長い箱が届いた。バラの花? それとも?
雨の日の薄暗い玄関先ではよく見えなかったが、箱の表面に「秋鮭」と
書いてあるではないか。ミスター・ハマベからだわ、まぁ、嬉しい。





行きつけのすし屋できれいにおろしてもらった。大当たり! 
美味しそうなイクラが入っていた!



浜辺さんは20年来の友人で、北海道の東川町町会議員だ。
旭川飛行場から車で10分ほどのこの町は、知る人ぞ知る。「写真の町」としても有名である。
NHK「趣味の園芸」で、私がハーブの講師になったのが1985年。
確かその翌年から、東川町へ通うようになった。テレビでハーブを知った東川町の人々のために、教えに来てほしいと役場から要請があったからだ。
その時からずっと親切にしてくださった3人組の一人が浜辺さんで、当時は最年少の町議として活躍し、今は商工会議所の重鎮のほか複数の要職についている。あとの二人のうち、芸術家の佐藤さんは亡くなられたが、最初に電話を下さった松岡さんは、今や東川町長として行政に力を注いでいる。

簡単に20年と言うが、長い間お付き合いが続いているのは、家族ぐるみで東川の方たちと仲よくさせていただいているからだろう。
次男は学生時代に、校舎のペンキ塗りのアルバイトでひと夏を過ごした。
長男と婚約者は、夏休みに八田さんというすばらしい家庭で、畑の仕事を手伝わせていただいた。その秋、結婚式の引き出物として自分たちで世話をしたジャガイモやカボチャを、東川から発送している。
母は大雪山の雪渓や高山植物を楽しみ、カヌーの面白さをここで知った。
私のハーブのクラスの受講生も、東川ハーブ愛好会と親善パーティーで交流を深めたし、キャビンを借りて、妹とゆっくりと訪ねたこともあった。
この夏、キャノンギャラリーで夫と次男のコラボレイトによる写真展があった。そのときも松岡町長に浜辺さん、役場の方たちが来てくださった。
そして、来年のゴールデンウイークには、東川町のギャラリーで写真展を開催する予定だ。

東川は水が美味しい。だから米も野菜もすばらしい味だ。
そうだ、鮭をさばいたら、まずアラは八田さんからいただいたジャガイモの「雪明り」と、野菜をたっぷり入れた粕汁にしよう。
頭の軟骨でヒズナマス、切り身で焼き浸し、塩をして冷凍に、そしてイクラは醤油漬けに・・・。
北の国から届いた海の幸を料理していると、次々に東川の懐かしい思い出がよみがえってくる。
浜辺さんはハンティングの名手で、料理の達人でもある。
そろそろジビエの季節だ。
鹿肉のカルパッチョをごちそうになりに、妹と東川へ行こうかな・・・。

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